〈教育と福祉とまちづくり〉

第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
教育と福祉との一体的改善を進める《新しい教育行財政》運動を拡大しよう
〈教育と福祉とまちづくり〉
第
17 回 学 校 事 務 集 会
in
山 口
日時
2015 年1月 31 日(土)~2月1日(日)
会場
防長苑(山口県市町村職員共済組合)
はじめに
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2014 年 12 月 14 日 、安 倍 政 権 は 進 め て き た 政 権 運 営 が 破 た ん し た こ と を う け て
総選挙に打って出た。論争のテーマを経済財政運営に絞った与党の戦略と野党共
闘 の 不 調 に よ っ て 、52.66% と い う 戦 後 最 低 の 投 票 率 を 受 け 、自 民 党・公 明 党 連 立
政 権 が 2/3 を 超 え る 絶 対 安 定 多 数 を 確 保 す る 結 果 と な っ た 。 こ れ に よ り 、 こ れ ま
で以上に教育政策をはじめとしてやりたい放題の政権運営が予測される。選挙結
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果を受けて、我々がどのような方向性をもって打ち出していくのかが問われてい
る。まず、これまでの流れを振り返ってみよう。
2014 年 7 月 1 日 、戦 後 レ ジ ー ム か ら の 脱 却 を 謳 う 安 倍 自 公 連 立 政 権 は 、憲 法 解
釈変更により集団的自衛権の行使を可能とする閣議決定を行った。自民党憲法改
正草案には、第9条改正による軍国化の動きもみられ、さらに基本的人権の制限
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も謳われている。アベノミクスによる生活破壊で不安定雇用の拡大はすすみ、非
正 規 労 働 者 は 40% に 達 し よ う と し て い る 。人 事 院 は 、2006 年 給 与 構 造 改 革 以 来 の
給与制度の総合的見直しを勧告し、総務省は国に準拠し地方公務員の賃金削減を
求め、さらに低賃金化が進もうとしている。
第 二 次 安 倍 政 権 の 新 自 由 主 義 的 教 育 政 策 は 、自 民 党 教 育 再 生 実 行 本 部 の 第 一 次 、
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第二次提言を具体化するため、グローバル人材育成と複線化、それを支える地方
教育行政の創設となって現れている。
政府与党が提出した地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)改
正 案 が 2014 年 6 月 13 日 成 立 し た 。 首 長 は 教 育 に 関 す る 総 合 的 な 大 綱 を 定 め 、 総
合教育会議を招集し協議するとしている。首長が議会の同意を得るとしながらも
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教育長を直接任命することで、地方教育行政の政治的な中立性が担保されるのか
不安視される。
公教育の発展には政治的中立性と教育機会の平等が保障されなければならない。
内閣設置の教育再生実行会議は7月3日、今後の学制等の在り方についてとする
第5次提言で、小中一貫教育学校や教育課程の弾力化、また、免許制度改革や学
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校統廃合についても提言している。
政府は、小中学校の適正規模を下回る学校が半数に達するとして統廃合の方針
を打ち出した。人口減少が続く中、学校統廃合は、地域から子ども達を切り離す
とともに、子育て世代の都市部への集中を加速し、地域コミュニティを崩壊させ
る こ と に 繋 が る 。首 長 に よ る 恣 意 的 な 統 廃 合 が 進 め ら れ る 危 険 性 は 否 定 で き な い 。
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ま た 、文 部 科 学 大 臣 か ら 諮 問 を 受 け た 中 央 教 育 審 議 会 は 、12 月 22 日 、
「子供の
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発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築につ
いて」
( 答 申 )を 行 い 、教 職 員 体 制 整 備 と し て 小 中 一 貫 教 育 学 校( 仮 称 )や 小 中 一
貫型小学校・中学校(仮称)の制度化と小中併有免許を提起した。また、学校事
務の小・中共同実施やさらに合同校務分掌の設定など教育の共同実施も見えてく
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る 。小 中 一 貫 教 育 学 校 等 の 制 度 化 で 過 疎 地 に お け る 学 校 統 廃 合 推 進 が 懸 念 さ れ る 。
平 成 25 年 度 国 民 生 活 基 礎 調 査 に よ れ ば 、 相 対 的 貧 困 率 が 16.1% 、 子 ど も の 貧
困 率 は 16.3% と 前 回 調 査 を 0.6% も 上 回 り 、 国 民 の 6 人 に 1 人 が 相 対 的 貧 困 と な
っ て い る 。 就 学 援 助 率 は 15.64% と 依 然 と 伸 び 続 け て い る 。 貧 困 の 連 鎖 を 断 ち 切
るため、子どもの貧困対策法、同大綱が定められたが、数値目標が掲げられてい
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ないなど実効性が担保されていない。
私たちは、第二次安倍政権の新自由主義的教育政策を批判するとともに、第三
次安倍政権への対決姿勢を強めていかなければならない。教育における基本的な
人 権 を 拡 充 し 、国 際 人 権 規 約 A 第 13 条 の 趣 旨 を 生 か し た 教 育 基 本 法 の 改 正 を 求 め
ていく。高等学校授業料実質無償化を求めるとともに公教育の無償化をすすめる
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た め 、第 17 回 学 校 事 務 集 会 は「 教 育 と 福 祉 の 一 体 的 改 善 を 進 め る《 新 し い 教 育 行
財 政 》運 動 を 拡 大 し よ う < 教 育 と 福 祉 と ま ち づ く り > 」の テ ー マ の も と 、
「教育格
差 を 解 消 し 、子 ど も が 安 心 し て 学 べ る 環 境 の 構 築 」
「公教育の無償化に向けた経験
的専門性と専門的な研究・研修を深め、学校事務の制度的確立」をスローガンと
して、諸課題と向き合い、これからの具体的な方策を構築していく。
20
1
公教育の無償化を目指して(普遍主義に立って)
(高校授業料無償化、給食費公会計化)
2
地方分権の推進による今後の地方教育行政の在り方
(政令市人件費移譲、教育委員会制度、高校再編)
25
3
教職員定数問題
( 2015 年 度 概 算 要 求 、事 務 共 同 実 施 現 状 、臨 時 的 任 用・ 欠 員 問 題 、多 様 化 、新
しい教育財政)
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反 < 安 倍 —下 村 の 新 自 由 主 義 的 な 教 育 政 策 > の 陣 形 を 幅 広 く 創 り だ そ う
(自治体労働者としての学校事務職員の再構築)
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1
公教育の無償化を目指して(普遍主義に立って)
これまでの取り組み
(1) 高校授業料無償化の取り組み
2010 年 度 か ら 始 ま っ た 高 校 授 業 料 実 質 無 償 化( 高 校 授 業 料 不 徴 収 )は 、公 教 育
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無償化に向けた大きな第一歩であった。自治労学校事務協議会は高校グループを
中心として、授業料補填を保護者への現金給付でなく設置者への交付とするべく
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改善案を示し文部科学省、総務省、財務省交渉を行った。
2013 年 10 月 18 日 、政 府 は 、所 得 制 限 基 準 を 910 万 円 以 上 と す る「 公 立 高 等 学
校に係る授業料の不徴収及び高等学校就学支援金の支給に関する法律の一部を改
正 す る 法 律 案 」 を 衆 議 院 に 提 出 し 、 11 月 27 日 、 所 得 制 限 を 導 入 す る 改 正 無 償 化
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法案は、参院本会議で与党などの賛成多数で可決し、高等学校等就学支援金支給
法と改正して成立した。今回の改正法は、私学への厚い給付に見られる公私間格
差や生活保護世帯を対象外とすることで差別を生じ、また、私学への低所得者給
付の増額は与党に寄った私学誘導施策といえる。
衆議院可決に際しては、
「 将 来 的 に 所 得 制 限 を 行 う こ と な く 、全 て の 生 徒 に 支 給
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す る こ と が で き る よ う 必 要 な 予 算 の 確 保 に 努 め る こ と 」 な ど と す る 付 帯 決 議 (2)を
付している。高校授業料無償化は、保護者の経済的負担を解消するだけに留まら
ず、教育の機会均等を保障するものである。所得制限導入は公教育無償化に対し
て、逆行するものであり断じて容認することはできない。
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(2) 学校給食費の公会計化から無償化への取り組み
(地域の少子化対策としての側面から、教育と福祉との一体化の始点)
自 治 労 学 校 事 務 協 議 会 は 、2009 年 度 か ら 学 校 給 食 費 を 含 む 学 校 徴 収 金 に 関 し て
継 続 的 に 交 渉 を 行 い 、 2010 年 7 月 27 日 の 文 部 科 学 省 交 渉 に お い て 「 学 校 給 食 費
の公会計処理への移行については、旧文部省時代の行政実例によって各自治体が
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判断を行っており、関係省庁と協議のうえ、早急な改善を行うこと」と強く要請
した。文部科学省は「保護者から教育委員会に対して委託を受けた委託契約に基
づ く お 金 の 取 り 扱 い と い う こ と で 、委 託 契 約 の 中 で 適 正 に 処 理 さ れ る べ き で あ る 。
給 食 費 の 公 会 計 化 に つ い て は 、ま だ そ の 段 階 で は な い 」と 回 答 し た 。2012 年 7 月
18 日 の 総 務 省 交 渉 に お い て 、総 務 省 は「 学 校 事 務 協 議 会 か ら の 要 請 の 後 に 、文 科
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省へは当省の見解を伝えてある。大きな問題ということで文科省が慎重に検討し
ているものと認識している」と回答した。同日の文部科学省交渉において、協議
会から「地方自治法等の関係法令を遵守した会計処理がなされるよう必要な措置
を行うこと。学校給食費の公会計化については、関係省庁とも協議のうえ過去の
行 政 実 例 を 見 直 し 、早 急 な 改 善 を 行 う こ と 」と す る 要 請 に 対 し 、
「総務省との見解
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に相違があることは承知している。現在の状況を踏まえつつ、今後、総務省と協
議してまいりたい」と回答した。学校給食費については公会計処理すべきとする
総務省見解については、給食費を含む学校徴収金については総務省回答に従い、
今後、検討する姿勢を明らかにした。
学 校 給 食 費 の 公 会 計 化 は 、群 馬 県 で は 2007 年 3 月 に 県 教 育 長 が「 学 校 給 食 費 の
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公 会 計 化 処 理 へ の 移 行 に つ い て( 通 知 )」を 県 内 自 治 体 首 長・市 町 村 教 育 長 へ 発 出
し 、公 会 計 処 理 を 求 め た こ と で 全 県 的 に 公 会 計 化 が 実 施 さ れ て い る 。2013 年 度 か
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ら 前 橋 市( 群 馬 )西 宮 市( 兵 庫 )厚 木 市( 神 奈 川 )塩 尻 市( 長 野 )が 、2014 年 度
か ら は 奈 良 市( 奈 良 )と 拡 が り を み せ て い る 。ま た 、政 令 市 で は 、福 岡 市 が 2009
年 9 月 か ら 、横 浜 市 が 2012 年 度 か ら 、大 阪 市 が 今 年 度 か ら 公 会 計 化 に 踏 み 出 し た
ことで、包括外部監査で公会計化を求められている名古屋市など政令市へ波及す
5
る も の と 思 わ れ る 。境 港 市( 鳥 取 )は 2015 年 度 実 施 で 条 例 施 行 さ れ て お り 、藤 沢
市( 神 奈 川 )、三 木 市( 兵 庫 県 )、大 津 市( 滋 賀 県 )、船 橋 市( 千 葉 県 )、滝 川 市( 北
海 道 ) も 2015 年 実 施 が 予 定 さ れ て い る 。
文部科学省が全都道府県と全市町村を対象として、全国公立小中学校事務職員
研 究 会( 全 事 研 )に 調 査 委 託 し た 平 成 24 年 度「 学 校 運 営 の 改 善 の 在 り 方 に 関 す る
10
取組」において、学校徴収金の公会計化の現状に関して、学校給食費の公会計化
に つ い て は 、34.1% で 導 入 と 回 答 し て い る ( 3 ) 。ま た 。文 部 科 学 省 が 行 っ た 平 成 24
年 度 学 校 給 食 費 の 徴 収 状 況 に 関 す る 調 査 で は 、 37.4% が 公 会 計 処 理 と 回 答 し て い
る 。全 事 研 調 査 に お け る 公 会 計 導 入 に つ い て 検 討 中 と 回 答 し た 10.7% と 合 計 す る
と 、 約 50% の 自 治 体 で 公 会 計 化 が 行 わ れ て お り 毎 年 進 展 し て い る 。
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給 食 費 の 無 償 化 は 、 和 木 町 ( 山 口 ) が 1951 年 か ら 実 施 し 、 2013 年 度 か ら は 美
瑛町(北海道)七戸町、新郷村(青森)永平寺町(福井)岐南町(岐阜)野迫川
村 ( 奈 良 ) 高 野 町 ( 和 歌 山 ) が 、 今 年 度 か ら 、 東 成 瀬 村 ( 秋 田 ) 金 山 町 ( 福 島 )、
与那国町(沖縄県)で無償化が始まった。また、大和市(神奈川)みなべ町(和
歌 山 ) で 第 3 子 以 降 の 無 償 化 が 、 吉 賀 町 ( 島 根 ) で は 1/2 補 助 が 始 ま っ た 。 全 国
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的 に も 1/2 補 助 や 第 3 子 以 降 の 全 額 無 償 化 な ど の 自 治 体 は 増 え 続 け て い る 。
今年度から給食費無償となった福島県金山町では、学校給食費以外にも人口減
少問題に対する少子化対策として、保育料の無料化、制服・運動着・学用品費な
どに係る経費、さらに子育て世代等支援のために通勤費と家賃の支援による「子
育てしやすい環境整備」を図ることとしている。すでに無償化を始めている相生
25
市( 兵 庫 )や 岐 南 町( 岐 阜 )で は 転 入 者 が 転 出 者 を 上 回 り 人 口 増 加 と な っ て い る 。
このように給食費無償化や教育に係る経費の補助など、保護者の経済的負担軽減
から子育て世代への定住促進や自治体の街づくり施策として展開されている。
従来の取り組みは公私区分と、私費負担をする貧困家庭に絞った選別主義(就
学援助等)を基調としていたが、それでは公教育の無償化は拡大しなかった。
30
少子高齢化に直面している地方自治体の再生の視点に立つ自治労学校事務協議
会は、中央要請行動において関係省庁との間で公教育の無償化を強く要請してき
た。全国的に公会計化がすすみ無償化自治体が増加してきたことは、公教育の公
会計化から無償化(公費化)とする新たな展望を開くこととなったといえる。
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地方分権の推進による今後の地方教育行政の在り方
( 1 ) 政 令 指 定 都 市 人 件 費 移 譲 ( 2017 年 度 問 題 )
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第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
ア
状況分析
2013 年 3 月 12 日 、「 義 務 付 け ・ 枠 付 け の 第 4 次 見 直 し に つ い て 」 閣 議 決 定 を
受 け 、 地 方 分 権 改 革 の 方 向 が 確 定 し た 。 2013 年 6 月 25 日 、 第 30 次 地 方 制 度 調
査会は「大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供に関する答申」を
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内閣総理大臣に提出した。指定都市における「二重行政」の解消を図るため指定
都市へ移譲できるものは事務移譲することを基本とし、指定都市へ県費負担教職
員の給与負担、学級編制基準決定、定数決定については、指定都市及び包括する
道府県の多くが移譲に賛成していることから、指定都市へ移譲すべきとした。移
譲に伴う財政負担については、適切な財政措置が必要であることから、県費負担
10
教職員給与費等まとまった財政負担には、税源配分(税源移譲や税交付金)も含
めて財政措置の在り方を検討すべきであり、地方交付税による財源保障及び財源
調 整 を 適 切 に 組 み 合 わ せ る こ と が 不 可 欠 と し た 。 こ の 間 、 文 部 科 学 省 も 、 2013
年 3 月 14 日 、 初 等 中 等 教 育 局 名 で 「 指 定 都 市 に か か る 県 費 負 担 教 職 員 の 給 与 等
の負担の指定都市への移譲について」とする連絡を関係指定都市、関係道府県教
15
育委員会へ発出した。文部科学省としても関係省と連携しつつ、具体的な財源保
障方策等について検討するとともに、関係道府県及び指定都市等の理解を得るよ
う取り組み、道府県及び指定都市からの求めに応じて両者間の検討に積極的に参
画し、情報提供等の協力を行うとして調整にはいった。
教 職 員 給 与 費 に つ い て は 、 関 係 道 府 県 と 指 定 都 市 に お い て 、 2013 年 11 月 14
20
日 、 2017 年 度 ( 平 成 29 年 度 ) か ら の 指 定 都 市 負 担 と す る こ と が 合 意 さ れ た 。 給
与支払に伴う財源は、地方交付税と指定都市における個人住民税のうち、市民税
を 6% か ら 8% へ と 2% を 道 府 県 民 税 か ら 移 譲 す る と し た も の で あ る 。 第 30 次 地
方 制 度 調 査 会 は 、 先 に 人 件 費 移 譲 に 関 し て 、 必 要 な 財 源 を 7,565 億 円 と し 、 個 人
住 民 税 の 都 道 府 県 民 税 の う ち 2% を 指 定 都 市 へ 財 源 移 譲 す る と 、 5,270 億 円 が 補
25
填 さ れ 、 不 足 分 を 2,295 億 円 と 試 算 し た 。 こ の 場 合 、 指 定 都 市 の う ち 川 崎 市 の み
が 黒 字 と な り 、大 阪 市 で は 304 億 円 が 不 足 と し て い る 。2013 年 7 月 24 日 、第 35
回指定都市市長会議は、人件費移譲に係る財政負担の在り方について整理した。
県費負担教職員の給与負担等の移譲についてのイメージとして、事務執行に係る
経 費 を 除 く 給 与 費 経 費 約 7,800 億 円 の う ち 、地 方 負 担 分 2/3 を 約 5,200 億 円 と し 、
30
これに共済組合負担金、対象手当等及び県費単独負担分加配教員給与費等を合計
し た 金 額 を 8,700 億 円 と し て い る 。 こ れ に よ れ ば 、 指 定 都 市 の 負 担 額 は 3,430 億
円となり、地方交付税等の財源措置が十分に行われない場合には、自主財源確保
という重い課題を抱えることとなる。
政 府 は 、2014 年 通 常 国 会 に「 地 域 の 自 主 性 及 び 自 立 性 を 高 め る た め の 改 革 の 推
35
進を図るための関係法律等の整備に関する法律」
( 第 4 次 一 括 法 )を 提 出 し 、5 月
28 日 成 立 、6 月 4 日 公 布 さ れ た 。こ れ に よ り 、学 校 教 育 法 、市 町 村 立 学 校 職 員 給
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第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
与負担法、義務教育費国庫負担法、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定
数の標準に関する法律、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正され、
指定都市に係る県費負担教職員の定数の決定及び学級編制基準の決定、県費負担
教職員の給与等の負担が指定都市へ移譲されることが決定した。施行期日は、
5
2018 年 ( 平 成 30 年 ) 4 月 1 日 ま で の 間 に お い て 政 令 で 定 め る 日 と さ れ 、 2017
年 度 ( 平 成 29 年 ) か ら の 施 行 が 予 定 さ れ て い る 。
地 方 制 度 調 査 会 は 第 30 次 で 政 令 市 問 題 に 決 着 を つ け 、現 在 、第 31 次 で は 地 方
行政体制、すなわち道州制に向けた審議を行っている。
10
イ
移行に伴う準備等作業
指 定 都 市 で は 道 府 県 か ら 指 定 都 市 へ 県 費 負 担 教 職 員 の 人 件 費 移 譲 に 伴 い 、2014
年度から移管にかかる人事給与システム構築、給与制度、勤務条件等、教職員定
数及び学級編制の在り方等について検討作業が進行している。準備体制の進んで
いる札幌市では、国において、県費負担教職員の給与費等を指定都市へ移譲する
15
方 向 で 検 討 が 進 ん で い る こ と か ら 、 平 成 26 年 度 の 機 構 改 革 で 、 教 育 委 員 会 事 務
局に「教育制度担当部」を新設した。教育制度担当部は担当部長以下 9 名で組織
さ れ 、【 教 育 制 度 担 当 係 】【 給 与 制 度 担 当 係 】【 人 事 制 度 担 当 係 】 の 3 係 で 構 成 さ
れている。
【 教 育 制 度 担 当 係 】で は 、
「 事 務 局 体 制 の 整 備 、関 係 諸 制 度 等 の 方 針 案 の 策 定 、関
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係機関・他部局との連携体制、協議・調整に関する統括、関係職員団体・労働組
合 の 対 応 、議 会 対 応 に 関 す る 統 括 、勤 務 条 件 等 関 係 諸 制 度 の 在 り 方 に 関 す る こ と 、
人事評価の在り方に関すること、地方公務員災害補償制度の所轄組織・制度に関
す る こ と 、学 校 事 務 職 員 の 在 り 方 に 関 す る こ と 」
【 給 与 制 度 担 当 係 】で は 、
「給与・
旅費関係諸制度の整備に関すること、勤勉手当への成績率反映・査定昇給の在り
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方に関すること、共済・福利厚生制度の所轄組織・制度に関すること、人事・給
与 シ ス テ ム の 改 修 に 関 す る こ と 」【 人 事 制 度 担 当 係 】 で は 、「 教 職 員 配 置 関 係 諸 制
度の整備に関すること、学級編制基準の整備に関すること、教職員採用選考検査
の在り方に関すること、学校事務職員の在り方に関すること、学校栄養職員の在
り 方 に 関 す る こ と 」と 事 務 分 掌 さ れ て い る 。教 育 制 度 担 当 部 は 、2016 年 度( 平 成
30
29 年 度 ) ま で の 暫 定 組 織 で 、 組 織 体 制 の 整 備 や 諸 条 件 整 理 を 行 い 、 2015 年 ( 平
成 27 年 ) 以 降 体 制 強 化 を 図 り 、 教 職 員 課 を 含 め た 再 編 整 理 を 予 定 し て い る 。
他の指定都市においても、今年度以降の3ヵ年で対応部署を設置し、移行に合
わせた体制の整備が行われる。
35
ウ
大都市特有なインナーシティ問題
指定都市に共通する課題として、第二次産業流出による従業者減少、安定就労
6
第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
層流出、高齢世帯増加、地域コミュニティ機能の弱体、非正規労働者増加による
貧困世帯の拡大と世代間連鎖を中心に、教育、福祉、高齢者福祉、住宅施設など
大都市に特有なインナーシティ問題がある。
相 対 的 貧 困 率 が 16.1% 、子 ど も の 貧 困 率 が 16.3% と 前 回 調 査 を 0.6% 上 回 り 増
5
加 傾 向 に あ る 。 就 学 援 助 率 は 15.64% と 依 然 と 伸 び 続 け て い る ( 4 ) 。 要 保 護 を 含 む
就学援助率は指定都市を含む道府県において高い数字となっている。文部科学省
の 要 保 護 及 び 準 要 保 護 児 童 生 徒 数 調 に よ る と 、2012 年 度 に お い て 、大 阪 市 32.62% 、
新 潟 市 30.62% 、 広 島 市 31.16% な ど 30% を 超 え 、 指 定 都 市 の 多 く が 道 府 県 の 割
合 を 上 回 る 状 況 と な っ て い る (5)。 貧 困 の 連 鎖 を 断 ち 切 る た め の 子 ど も の 貧 困 対 策
10
は 喫 緊 の 課 題 と 言 え る 。 2014 年 8 月 29 日 、 子 供 の 貧 困 対 策 に 関 す る 大 綱 が 定 め
られたが、数値目標が掲げられていないなど実効性が担保されていない。大綱で
は、
「 学 校 」を プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し た 子 ど も の 貧 困 対 策 の 推 進 を 図 る と し て い る 。
学力保障や貧困の世代間連鎖を断ち切るために、教育困難地域への教職員の重点
的配置が求められている。
15
2015 年 度 文 部 科 学 省 概 算 要 求 で は 、新 た な 教 職 員 定 数 改 善 計 画 と し て 、家 庭 環
境や地域間格差など教育格差の解消を目的とする学力保障に必要な教員の加算措
置 10 ヵ 年 で 7,000 人 ( 単 年 度 200 人 ) が 盛 り 込 ま れ て い る 。 定 数 標 準 法 第 9 条
第 4 項 で は 、 就 学 援 助 等 児 童 生 徒 数 が 25% か つ 100 人 以 上 で 1 名 事 務 職 員 を 増
員としている。多くの都道府県では、これが実行配置されていない。指定都市へ
20
定数が移譲されることで、貧困地域への学校事務職員の重点加配など人的配置が
実効性あるものへと改善されることも考えられる。
エ
中核市及び特例市への波及と都道府県の空洞化
2013 年 3 月 の「 義 務 付 け・枠 付 け の 第 4 次 見 直 し に つ い て 」閣 議 決 定 に お い て 、
25
中核市に係る県費負担教職員の給与等負担、都道府県教育委員会の県費負担教職
員の任命権、県費負担教職員に係る定数の決定及び学級編制の基準の決定につい
ては、教育行政の在り方についての検討状況や、県費負担教職員の任命権に係る
事務処理特例制度も運用状況を踏まえつつ、広域での人事調整の仕組みに配慮し
たうえで、中核市に権限移譲する方向で検討を行い、小規模市町村を含めた関係
30
者 の 理 解 を 得 て 、 平 成 25 年 度 以 降 、 結 論 が 得 ら れ た も の か ら 順 次 実 施 す る こ と
とされている。
地 方 自 治 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 が 2014 年 5 月 30 日 公 布 さ れ た 。特 例 市 制 度
を 廃 止 し 、中 核 市 の 指 定 要 件 を「 人 口 20 万 人 以 上 の 市 」に 変 更 す る こ と に な り 、
2015 年 ( 平 成 27 年 ) 4 月 1 日 か ら 施 行 さ れ る 。 2014 年 ( 平 成 26 年 ) 4 月 1 日
35
現 在 、 特 例 市 は 40 市 、 中 核 市 が 43 市 で 八 王 子 市 が 2015 年 4 月 1 日 か ら の 中 核
市が決定している。また、改正地方自治法により、普通地方公共団体は、他の普
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第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
通地方公共団体と連携して事務を処理するにあたっての基本的な方針及び役割分
担 を 定 め る 連 携 協 約 を 締 結 で き る と す る「 連 携 協 約 」制 度 が 創 設 さ れ た 。さ ら に 、
普通地方公共団体は、その事務の一部を、当該普通地方公共団体の名において、
他の普通地方公共団体の長等に管理・執行させることができるとした「事務の代
5
替執行」制度も創設された。
2017 年 度 指 定 都 市 へ の 移 譲 と 改 正 自 治 法 に よ る 特 例 市 廃 止 と 新「 中 核 市 」へ の
移行、さらに連携協約や事務の代替執行制度の創設や、すでに豊中市など大阪府
北 摂 3 市 2 町 で 実 施 さ れ て い る 地 教 行 法 第 55 条 ( 事 務 処 理 特 例 制 度 ) に よ る 人
事権移譲などにより、将来的には、採用・人事・給与等・定数決定・学級編制基
10
準決定等のこれらの事務が基礎自治体へ移行することで、都道府県教育委員会の
関与は極小規模自治体のみとする空洞化が予想される。
(2)教育委員会制度の見直し
ア
15
地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)の改正
政府与党は、教育の政治的中立性、継続性及び安定性を確保しつつ、地方教育
行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携の強化を
図るとともに、地方に対する国の関与の見直しを図るため地方教育行政の制度の
改 革 を 行 う と し て 、通 常 国 会 に 地 教 行 法 改 正 案 を 提 出 し 、2014 年 6 月 30 日 公 布
さ れ た 。施 行 は 2015 年( 平 成 27 年 )4 月 1 日 で 、そ の 内 容 は 、教 育 行 政 の 責 任
20
の明確化を図るとして、〇教育委員長と教育長を一本化し新たな責任者として新
「 教 育 長 」を 置 く 。〇 教 育 長 は 首 長 が 議 会 の 同 意 を 得 て 、直 接 任 命・罷 免 を 行 う 。
〇教育委員から教育長に対し教育委員会会議の招集を求めることができる。新た
に「総合教育会議」を設置する。〇首長は、首長と教育委員会から構成される総
合教育会議を設ける。〇首長が会議を招集する。〇首長は、総合教育会議におい
25
て 教 育 委 員 会 と 協 議 し て 教 育 基 本 法 第 17 条 に 規 定 す る 基 本 的 な 方 針 を 参 酌 し て 、
教育の振興に関する施策の大綱を策定する。〇会議は、大綱の策定、教育条件の
設備等重点的に講ずべき施策、緊急の場合に講ずべき措置について協議・調整を
行う。〇調整された事項については、構成員は調整の結果を尊重しなければなら
ない。としている。また、いじめによる自殺防止など緊急の必要がある場合に、
30
文部科学大臣が教育委員会に対して指示ができることを明確化するための地教行
法 第 50 条 ( 是 正 の 指 示 ) を 見 直 す と し て い る 。
全体を通して、合議制の教育委員会を解体し、教育長権限を強めることで教育
行政を推し進めようとしている。また、教育長を首長が直接任命することで首長
の意思を強く受けた教育長による教育行財政の展開が懸念される。財政制度等審
35
議会、経済財政諮問会議、文部科学省においても少子化による小規模学校の統廃
合が提起されている。財政状況のみの観点から、学校統廃合が総合教育会議に諮
8
第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
られ、
「 教 育 の 振 興 の 施 策 に 関 す る 大 綱 」の 中 で 財 政 効 率 化 論 か ら の 公 教 育 の 切 り
捨てが加速する可能性が高い。
イ
5
新自由主義的教育政策を実施するための制度整備
自民党総裁直属の自民党教育再生実行本部は、第一次安倍政権の改正教育基本
法の理念を実現させるとして、
「基本政策」
「いじめ問題対策」
「 教 科 書 検 定・採 択
改 革 」「 大 学 教 育 の 強 化 」「 教 育 委 員 会 制 度 改 革 」 の 5 の 分 科 会 で 構 成 し て い る 。
教 育 再 生 実 行 本 部 は 、2012 年( 平 成 24 年 )11 月 21 日 、
「 中 間 取 り ま と め 」を 発
表し、基本政策分科会では「平成の学制大改革」を挙げ、学制改革では、①学校
10
体 系 の 見 直 し と し て 、9 年 間 の 義 務 教 育 期 間 見 直 し・5 歳 児 教 育 義 務 化・6・3 ・
3・4制見直し②学びの保障システムとして、飛び級制度導入など。教師力向上
のための改革では、①教師インターンシップ制度導入②管理職教師の養成と資格
化 ③ 「 平 成 の 人 材 確 保 法 」 制 定 。 大 学 教 育 の 強 化 分 科 会 で は 、「 大 学 ビ ッ グ バ ン 」
として、設置基準の見直し、世界トップレベルの大学強化、入試の抜本改革と高
15
校教育の質の保証、ギャップターム・9月入学・体験活動必修化、質の高い大学
教育への転換など。教育委員会制度改革分科会では、①地教行法改正(常勤制教
育 長 、教 育 委 員 会 の 諮 問 機 関 化 、文 部 科 学 大 臣 の 是 正 指 示 )② 学 校 教 育 法 改 正( 主
幹 教 諭 必 置 化 、主 任 制 度 廃 止 、土 曜 日 授 業 実 施 、教 育 長・指 導 主 事・校 長・主 幹 ・
教 諭 等 の 役 割 と 責 任 の 法 律 上 明 記 と 責 任 体 制 の 確 立 )③ 教 育 公 務 員 特 例 法 改 正( 教
20
育公務員を「教育専門職」に位置付け、教育公務員倫理規定制定、政治的行為制
限に違反した教員への罰則規定適用、教員勤務評価と適切な処遇確保及び教育長
及び校長の責務)④教員免許法改正(大学教職課程修了者は「准免許状」とし、
採用後一定実務経験を経て試験合格者への教育長からの「普通免許状」授与)で
ある。
25
政 権 奪 取 後 の 2013 年( 平 成 25 年 )4 月 8 日 、教 育 再 生 実 行 本 部 は 、第 一 次 提
言 と し て 「 英 語 教 育 抜 本 的 改 革 」「 理 数 教 育 刷 新 」「 ICT 教 育 」 か ら な る 「 成 長 戦
略 に 資 す る グ ロ ー バ ル 人 材 育 成 部 会 提 言 」を ま と め 、実 現 の た め に 1 兆 円 の 集 中
投 資 と し て い る 。 2013 年 ( 平 成 25 年 ) 5 月 23 日 、 教 育 再 生 実 行 本 部 は 残 る 学
制改革、大学入試改革、新人材確保法制定に関する第二次提言を行った。学制改
30
革部会では、幼児教育無償化、6・3・3・4制見直し、小中一貫校(義務教育
学校(仮称)創設、5年一貫職業教育など後期中等教育の複線化など学校制度の
多様化・複線化。新人材確保法制定部会では、教師インターン制度導入、管理職
登用資格化とメリハリある処遇実現などとしている。
教育委員会制度改革では、地教行法改悪により、常勤制教育長と合議制教育委
35
員会から首長主導の総合教育会議へと改変された。平成の学制改革では、教育課
程の見直しと小中一貫教育学校が中教審で議論されようとしている。管理職養成
9
第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
に関しては、教員の現職研修を管理職の登用資格化と、学校教育法改正による主
幹 教 諭 の 必 置 化 な ど 管 理 体 制 の 強 化 を 検 討 し て い る 。更 に 、第 6 次 提 案 に 向 け て
エリート養成のための教育の革新、
「 地 方 創 生 」の た め の 教 育 の 在 り 方 、そ し て 教
育税、寄付など新たな教育財源に向けた論議が始められている。
5
(3) 高校再編問題
高校の課題として、一貫校による地域エリート作りを特別枠で実施し、そこに
民間も含めた資源を投入するという状況が先行的に始まっている。他方、全県一
区を導入することによる、過疎地の高校の統廃合に拍車が掛かっている。分校化
10
や再編統合で教育機会の平等を崩壊させる状況である。教育行財政の視点から、
教育機会の平等を実現する運動が求められている。その一つには高等学校授業料
無償化の再構築が挙げられる。
3
15
教職員定数問題
(1)この間の教職員定数に関する中教審、検討会議などの見解
2013 年 8 月 、文 部 科 学 省 は 、平 成 26 年 度 か ら の 7 年 間 で 少 人 数 教 育 の 推 進 等
による教職員定数改善を図るとした工程表を明示した。事務職員に関しては、先
導 的 な 学 校 運 営 を 行 う 学 校 に 事 務 機 能 強 化 と し て 100 人 加 配 と し た 。12 月 24 日 、
2014 年 度 予 算 が 閣 議 決 定 さ れ 、 事 務 機 能 の 強 化 と し た 事 務 職 員 100 人 要 求 は 認
20
め ら れ ず 、 学 校 運 営 の 改 善 と し て 13 人 の 改 善 に 留 ま っ た が 、 実 態 は 共 同 実 施 加
配となっている。
2014 年 5 月 27 日 、 第 9 回 経 済 財 政 諮 問 会 議 に お い て 、 有 識 者 議 員 か ら 、 新 規
採用抑制、
「 数 」よ り も 教 員 の「 質 」を 重 視 し た 取 組 み の 強 化 、距 離 か ら 一 定 規 模
の児童数を基本とすべきと指摘があった。代理出席した西川文部科学副大臣は、
25
新たな教育(課題解決型・双方向授業)への転換と教員の「質」と「数」の一体
的強化が必要と主張した。適正規模である標準学級を下回る学校が約半数あり、
教育上のデメリットの顕在化が懸念されるとして学校規模の適正化については、
統廃合を国として判断の参考となる指針を提示とする下村臨時議員の資料を提出
した。麻生議員は、教員の増加でなく質の向上、学校規模の適正化、学校の統廃
30
合 に 積 極 的 取 り 組 み の 必 要 を 主 張 し た 。 5 月 30 日 、 財 政 制 度 等 審 議 会 は 「 財 政
健全化に向けた基本的考え方」において、教職員定数を拡大することが他の施策
への投資よりも有効であるとは考えられないと指摘した。
7月3日、教育再生実行会議は、学校間連携、小中一貫教育の推進、地域の実
情を適切に踏まえた学校統廃合への教職員配置などの財政的な支援や課題解決
35
型・双方向型授業に対応した教職員配置充実、学校経営を支える管理・事務体制
充実などを内容とする「今後の学制等の在り方について」第5次提言を行った。
10
第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
7月9日、教育再生の実行に向けた教職員指導体制の在り方等に関する検討会
議は、教育再生実行会議の提言を踏まえて、今後の教職員定数の方向性として、
定 数 改 善 計 画 及 び 基 礎 定 数 の 充 実 の 必 要 性 か ら 、 新 た な 10 ヵ 年 程 度 の 見 通 し を
もった定数改善計画を策定し、義務標準法の改正により法律の裏付けに基づいた
5
基 礎 定 数 の 計 画 的 改 善 を 図 る こ と を 提 言 し た 。 7 月 23 日 、 同 検 討 会 議 は 、 今 後
の教職員定数改善にあたっては、基礎定数と加配定数の特性を生かした効果的な
組み合わせが必要であり、基本的には学級数や児童生徒数の客観的条件に応じて
算定される基礎定数の拡充を目指すべきとして、
「加配定数による少人数学級の推
進」から「基礎定数の拡充」の必要性を提言した。
10
10 月 27 日 、 財 政 制 度 等 審 議 会 財 政 制 度 分 科 会 に お い て 、 財 務 省 は 、 文 部 科 学
省 の 基 礎 定 数 充 実 を 含 む 教 職 員 定 数 改 善 計 画 に 対 し て 、 小 学 校 1 年 の 35 人 学 級
で の 政 策 効 果 は 認 め ら れ な い と し て 、40 人 学 級 へ 戻 す こ と で 基 礎 定 数 見 直 し ▲ 約
4,000 人 。 ま た 、 加 配 定 数 合 理 化 ▲ 約 1,600 人 と 少 子 化 の 進 展 に あ わ せ た 積 極 的
な学校統廃合を主張した。
15
( 2 ) 2015 年 度 文 部 科 学 省 概 算 要 求 か ら 予 算 案
2014 年 7 月 25 日 閣 議 了 解 さ れ た 「 平 成 27 年 度 予 算 の 概 算 要 求 に 当 た っ て の
基本的な方針について」を受けて、文部科学省は授業革新などによる教育の質の
向上を実現していくため、教員の質を高めるとともに教員の数も確保し、教員の
20
質と数の一体的強化を図るとして、教育再生の実行に向けた教職員指導体制の整
備 の た め 義 務 教 育 費 国 庫 負 担 金 1 兆 5,258 億 円( 対 前 年 度 ▲ 64 億 円 )を 計 上 し た 。
授 業 革 新 の 質 の 向 上 、 学 校 の 教 育 力 最 大 化 ( チ ー ム 学 校 ) を 踏 ま え 、 今 後 10 年
間の学校の姿を見据えた新たな教職員定数改善計画(案)を策定し、教員の質と
数の一体的強化を進めるとしている。それに伴い必要な義務標準法改正(追加的
25
な財政負担を要することなく必要な定数改善を実施)を予定している。初年度分
と し て 教 職 員 定 数 の 改 善 増 59 億 円 ( 2,760 人 )、 メ リ ハ リ あ る 教 員 給 与 体 系 の 推
進 増 2 億 円 、 教 職 員 定 数 の 自 然 減 ▲ 64 億 円 ( ▲ 3,000 人 )、 教 職 員 の 若 返 り に よ
る 給 与 減 ▲ 60 億 円 と な っ て い る 。
定 数 改 善 の 内 訳 は 、技 術 革 新 等 に よ る 教 育 の 質 の 向 上 580 人( 課 題 解 決 型 授 業
30
の 推 進 300 人 、授 業 革 新 に 向 け た 研 修 の 充 実 100 人 、小 学 校 に お け る 専 科 指 導 の
充 実 150 人 、 学 制 改 革 へ の 対 応 ( 小 中 一 貫 教 育 の 充 実 ) 30 人 )、 チ ー ム 学 校 の 推
進 と し て 1,010 人( 学 校 マ ネ ジ メ ン ト 機 能 の 強 化( 教 頭・主 幹 教 諭 等 の 充 実 )230
人 、学 校 の 事 務 機 能 の 強 化 500 人 、養 護 教 諭・栄 養 教 諭 等 の 配 置 充 実 130 人 、専
門 人 材 の 配 置 充 実( 学 校 司 書・ICT 専 門 職 員 等 の 充 実 )150 人 )、個 別 の 教 育 課 題
35
へ の 対 応 と し て 700 人( 家 庭 環 境 や 地 域 間 格 差 な ど 教 育 格 差 の 解 消( 学 力 保 障 に
必 要 な 教 員 の 加 配 措 置 ) 200 人 、 い じ め 等 の 問 題 行 動 へ の 対 応 190 人 、 特 別 支 援
11
第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
教 育 の 充 実 310 人 )、 学 校 規 模 の 適 正 化 へ の 支 援 と し て 470 人 ( 学 校 統 合 に 係 る
支 援 350 人 、 複 式 学 級 編 制 の 標 準 の 引 き 下 げ 120 人 ) で あ る 。
教員給与の改善として、部活動指導手当など教員特殊業務手当の増額が盛り込
ま れ て い る 。 新 た な 教 職 員 定 数 改 善 計 画 ( 案 )( 10 ヵ 年 H27~36) で は 、 課 題 解
5
決型授業推進や貧困対策などの基礎定数化が検討されていることから、学校の事
務 機 能 の 強 化 3,000 人 に つ い て は 、 定 数 法 第 9 条 第 3 号 複 数 配 置 基 準 の 引 下 げ が
考えられる。
自 治 労 学 校 事 務 協 議 会 は 、12 月 8 日 に 実 施 し た 文 部 科 学 省 交 渉 に お い て 、検 討
されている事務機能強化による定数改善について、小・中における複数配置基準
10
3 学級の引下げという内容を確認した。また、貧困対策としての教員の配置改善
に つ い て も 、事 務 職 員 の 就 学 援 助 配 置 25% か つ 100 人 以 上 を 基 準 と し た い と の 回
答を得た。
(3)事務共同実施の現状分析
15
義務教育費国庫負担制度による身分保障を前提にした学校事務の共同実施であ
るが、合理化への過渡的な形態にあるといえる。規制緩和によって教育行政の二
重性の解消、教育委員会事務局と事務センターの一体化もみえてくる。
10 年 を 経 過 し た 事 務 共 同 実 施 に よ っ て 、学 校 の 事 務 職 員 の 空 洞 化 が 起 き て い る 。
給与・旅費といった総務事務の外部化に加えて、学校配当予算の縮減も進んでい
20
る。教員の多忙化解消を目的とした共同実施であったが、果たして効果はあった
のか。
2014 年 6 月 に 公 表 さ れ た OECD 調 査 で は 、参 加 34 カ 国 中 で 日 本 の 教 員 の 勤 務
時間が一番長く、仕事の時間配分については、特にスポーツ・文化活動などの課
外活動の指導時間が長く、参加国平均の3倍超となっている。多忙化の一因の課
25
外活動は教育課程外であり、勤務時間でカウントするのは論外である。課外活動
指導の整理が急務であり、教員給与改善として部活動指導手当増額は本末転倒で
ある。
大 分 県 で は 2010 年( 平 成 22 年 )か ら 、全 県 一 斉 に 市 町 に 一 つ の 学 校 支 援 セ ン
ターを設置し、事務職員を集中的に支援センターに配置している。県独自の配置
30
基 準 で は 、 連 携 校 と な る 児 童 生 徒 数 250 名 以 上 に 正 規 職 員 、 80 名 以 上 250 名 未
満 は 県 費 非 常 勤 職 員 、80 名 未 満 は 未 配 置 と な っ て い る 。大 分 県 公 立 学 校 教 頭 会 が
実 施 し た 平 成 26 年 度 勤 務 実 態 調 査 に よ る と 、 セ ン タ ー 化 に よ り 事 務 職 員 未 配 置
校では、センターの訪問支援は週1日(月5回)程度で消耗品発注・検収、公文
書受付・ファイリング、旅費受領・配布など学校事務の仕事で多忙と報告をして
35
いる。共同実施で教頭が多忙となっているとして、決して、共同実施・事務セン
ター化が多忙化の解消には繋がらないことを示している。
12
第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
東京都の共同実施・事務センターに見られる義務制諸学校の学校事務職員の解
体 は 、「 7 者 協 ニ ュ ー ス 第 6 号 」( 20141106)に よ れ ば 、江 東 区 、武 蔵 村 山 市 、東
村山市に続いて清瀬市が「学校事務の共同実施」を始めようとしている。その目
玉が「副校長の負担軽減を主目的」とした共同実施である。東京で試みられてい
5
るものは、大分県での実施を参考とし、拠点校に集中するものである。そして関
連校に都費非常勤職員を配置するものである。配置された非常勤職員は給与のデ
ータ収集など従来の学校事務職員の業務以上に副校長の補助を主たる任務とする
提案だ。それなら、従来の学校事務職員はそのままに学校に配置して、そのほか
に副校長補佐職員を加配すればよいはずである。東京都は学校事務職員の配置率
10
が 66.8% と い う ひ ど い 状 況 は 放 置 さ れ た ま ま で あ る 。
共同実施の形態は、義務教育費国庫負担法の弾力的解釈や規制緩和により、事
務センターから教育委員会事務局との一体化へ、そして大阪市の事務センターに
現れたように、それは定数削減へと進む方向である。
事務センター化により、研究会の在り方にも変化が現れてきている。全国公立
15
高等学校事務職員協会では、会員の減少で支部活動の停止や解散する支部がでて
いる。拠点校の共同事務室に週に二日程度集まり、連携校の支援を行っている東
京都江東区では、事務職員の集中化により、会員不在の学校や集中化の進行によ
ってさらに未会員の増加が見込まれることから、江東区中学校教育研究会事務研
究 部 の「 廃 部 」と 中 学 校 事 務 職 員 会 の「 解 散 」を 9 月 26 日 に 採 択 し た 。理 由 は 、
20
共同実施である。
(4)臨時的任用、欠員問題、低賃金化
ア
教員に見る二極分極化
2014 年 度 文 部 科 学 省 教 職 員 定 数 実 数 調 等 デ ー タ (6) で は 、小 中 学 校 教 員 数 は 本 務
25
者 569,642 人 、臨 時 的 任 用( 常 勤 講 師 )63,402 人 で 内 訳 は 臨 時 的 任 用・期 限 付 任
用 と し て 43,014 人 、産 休 代 替 ・ 育 休 代 替 20,388 人 と な っ て い る 。非 常 勤 講 師 は
実 数 で 53,726 人 、 県 費 負 担 は 国 庫 負 担 ( 24,253 人 ) と 国 庫 負 担 外 ( 8,110 人 )
に 、 市 町 村 費 21,363 人 、 そ の 他 再 任 用 短 時 間 勤 務 職 員 が 3,155 人 ( 実 数 5,963
人 )と な っ て い る 。臨 時 的 任 用 や 非 常 勤 講 師 と い っ た 非 正 規 教 員 数 は 117,128 人
30
で 昨 年 よ り 0.1% 増 加 し 、16.8% に も な っ て い る 。国 庫 負 担 の あ る 非 常 勤 講 師 は 、
加配教員施策として、標準定数法の加配定数に基づく指導方法工夫改善など加配
目的に添って配置されているが、国庫負担外の非常勤講師を含め一年ごとの任用
の上、安価な報酬のため不安定な雇用条件に置かれている。
高 校 教 員 数 は 本 務 者 161,744 人 、臨 時 的 任 用( 常 勤 講 師 )17,669 人 で 内 訳 は 臨
35
時 的 任 用 ・ 期 限 付 任 用 と し て 14,902 人 、 産 休 代 替 ・ 育 休 代 替 2,767 人 と な っ て
い る 。 非 常 勤 講 師 は 実 数 で 29,218 人 、 再 任 用 短 時 間 勤 務 職 員 が 4,262 人 と な っ
13
第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
て い る 。 臨 時 的 任 用 ・ 非 常 勤 講 師 と し て の 非 正 規 教 員 は 46,887 人 、 21.6% で 昨
年 か ら 0.1% 減 少 し て い る 。 高 校 、 義 務 制 を と お し て 5 , 6 人 に 一 人 が 非 正 規 教
員、そうした非正規教員に支えられている学校を見直し、基礎定数を重視した計
画的な教職員定数改善計画が必要である。
5
教育再生実行本部第二次提言では、主幹教諭を全校配置し、学校を重層的組織
へ転換するとして管理体制の強化を打ち出している。組織運営体制及び指導体制
の 充 実 を 図 る と し て 、学 校 教 育 法 第 37 条 に 副 校 長 、主 幹 教 諭 、指 導 教 諭 を 加 え 、
2008 年 4 月 か ら 施 行 さ れ て い る 。副 校 長 等 は「 職 」と 位 置 づ け ら れ て い る が 、中
間管理的な職種の拡大は少子化・過疎化により「小さな学校」が基本となる中で
10
は中間管理職は無用である。
イ
義務制事務職員定数分析から見える特徴
自 治 労 学 校 事 務 協 議 会 政 策 部 が 行 っ た 文 部 科 学 省 2014 年 度 教 職 員 定 数 実 数 調
等 に よ る デ ー タ に 基 づ く 義 務 標 準 定 数 法 上 の 実 行 定 数 は 33,266 人 。 実 配 置 数 は
15
31,858 人 で 配 置 割 合 は 95.8%( 2013 年 度 95.3% )、前 年 度 を 0.5% と 若 干 増 加 し
て い る 。本 務 者 数 は 27,522 人 で 実 配 置 数 に 占 め る 割 合 は 86.4% と 前 年 度 を 0.2%
下 回 り 減 少 傾 向 に あ る 。( 2013 年 86.6% 、 2012 年 87.0% ) 臨 時 的 任 用 ( 欠 員 補
充 )は 実 配 置 数 の う ち 11.2% で 前 年 度 を 0.6% 下 回 っ て い る が 依 然 と し て 10% を
上 回 っ て い る 。( 2013 年 11.8% 、 2012 年 11.4% ) 欠 員 ( 実 行 定 数 と 実 配 置 数 と
20
の 差 ) の 自 治 体 数 は 38 都 道 府 県 で 1,408 人 と な っ て い る 。
臨 時 的 任 用 ( 欠 員 補 充 ) が 10% を 上 回 る 自 治 体 は 31 道 府 県 で 、 15% を 超 え る
自 治 体 は 、京 都( 24.9% )富 山( 23.0% )熊 本( 22.7% )福 岡( 21.1% )岩 手( 19.5% )
徳 島 ( 19.3% ) 宮 﨑 ( 19.0% ) 奈 良 ( 17.9% ) 三 重 ( 17.9% ) 兵 庫 ( 17.3% ) 大
阪 ( 17.0% ) 島 根 ( 15.6% ) の 12 府 県 で あ る 。 臨 時 的 任 用 ( 欠 員 補 充 ) が 100
25
人 を 超 え る 自 治 体 は 、 京 都 ( 156 人 ) 熊 本 ( 131 人 ) 福 岡 ( 272 人 ) 三 重 ( 103
人 )兵 庫( 239 人 )大 阪( 369 人 )神 奈 川( 226 人 )広 島( 104 人 )北 海 道( 187
人 ) 埼 玉 ( 120 人 ) と な っ て い る 。
欠 員 は 全 国 で 1,408 人( 2013 年 度 1594 人 )と な っ て い る 。定 数 法 上 の 実 行 定
数 が 2014 年 度 33,266 人 、2013 年 度 33,827 人 と 561 人 減 少 し て い る こ と を 考 慮
30
すると若干解消されてきている。本務者と臨時的任用(欠員補充)による充足率
で は 、東 京( 66.8% )愛 媛( 83.4% )大 分( 83.5% )広 島( 91.5% )鳥 取( 91.9% )
鹿 児 島 ( 92.3% ) 秋 田 ( 93.3% ) な ど で 依 然 と し て 低 い 数 値 と な っ て い る 。
共同実施に積極的な自治体で多くの臨時的任用や欠員状況が見られる。東京は
複 数 配 置 ( 都 独 自 基 準 ) や 就 学 援 助 加 配 配 置 基 準 が 崩 さ れ る 中 で 2013 年 度 を 上
35
回 る 797 人 も の 大 量 の 欠 員 を 生 じ て い る 。 大 分 で は 学 校 支 援 セ ン タ ー に 18 人 の
共 同 実 施 加 配 を 配 置 す る と と も に 全 県 下 で 配 置 基 準 を 見 直 し 、 児 童 生 徒 数 80 人
14
第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
未 満 の 学 校 を 事 務 職 員 未 配 置 と す る こ と で ▲ 69 人 と い う 大 量 の 欠 員 を 生 じ て い
る 。 鳥 取 に お い て も 共 同 実 施 加 配 29 人 を 配 置 す る 一 方 、 ▲ 18 人 の 欠 員 と な っ て
いる。
5
ウ
高校事務職員定数分析から見えてくる特徴
教職員定数実数調等データによると、標準定数法上の全日制・定時制合計の定
数 は 、15,462 人 で 前 年 度 か ら 71 人 減 少 し て い る 。実 配 置 数 は 15,152 人 、配 置 割
合 は 98.0% で 対 前 年 度 0.1% 増 と な っ て い る 。 実 配 置 数 の う ち 本 務 者 は 13,798
人 で 定 数 に 占 め る 割 合 は 91.1%、 対 前 年 度 0.9% 増 で あ る 。 臨 時 的 任 用 ( 欠 員 補
10
充 ) は 1,046 人 で 実 数 の う ち の 6.9% 、 対 前 年 度 0.4% 増 で 6 年 間 純 増 し て お り 、
2011 年 度 以 降 6% 台 と な っ て い る 。 全 日 制 ・ 定 時 制 で 臨 時 的 任 用 が 10% を 超 え
る 自 治 体 は 、山 梨( 28.6% → 27.8% )、奈 良( 12.1% → 26.2% )、沖 縄( 3.8% → 22.0% )、
青 森( 19.4% → 21.1% )、熊 本( 19.8% → 18.0% )、神 奈 川( 15.5% → 16.5% )、群
馬( 12.1% → 15.3% )、栃 木( 14.0% → 15.3% )、大 分( 13.3% → 13.2% )、茨 城( 14.0%
15
→ 12.8% )、兵 庫( 12.6% → 12.5% )、京 都( 13.0% → 12.5%)、静 岡( 4.9% → 12.3% )、
埼 玉( 12.2% → 12.2% )、宮 﨑( 9.8% → 10.9% )の 15 府 県 で 昨 年 よ り 3 県 増 え て
い る 。 昨 年 は 山 梨 の み が 20% を 超 え て い た が 、 2014 年 度 は 奈 良 、 沖 縄 、 青 森 の
4県となっている。増加の顕著なのは、奈良、沖縄、静岡で、特に沖縄では6倍
にもなっている。
20
少子化による小・中学校児童生徒数の減少に伴い、各地で過疎化の波をうけ、
学校統廃合が進んできている。文部科学省「廃校施設活用状況実態調査」による
と 、 2013 年 度 ( 平 成 25 年 度 ) に 新 た に 廃 校 と な っ た 公 立 学 校 は 、 小 学 校 ( 346
校 )中 学 校( 104 校 )高 校 等( 32 校 )合 計 で 482 校 と な っ て い る (7) 。こ こ 20 年 間
で は 、 5,801 校 で 東 京 、 神 奈 川 、 大 阪 、 兵 庫 、 福 岡 と 大 都 市 を 抱 え る 自 治 体 も 含
25
めて全国的な状況となっている。高等学校の規模も小規模化による定員の縮小で
事務職員定数も減らされている。事務長を含めても3人を割り込むという実態も
あり、業務量の負担が過重となっている。
2010 年 度 か ら 始 ま っ た 高 校 授 業 料 無 償 化 に よ る 公 立 高 等 学 校 授 業 料 不 徴 収 に
伴 い 、人 員 削 減 が 各 地 で 行 わ れ て い る 。埼 玉 で は 、2011 年 度 授 業 料 無 償 化 、2012
30
年 度 総 務 事 務 シ ス テ ム 導 入 を 理 由 に 定 数 削 減 が 行 わ れ て い る 。2014 年 度 か ら の 高
校授業料無償化への所得制限導入により、認定に伴う審査事務など高校事務職員
の 多 忙 化 が 問 題 と な っ て い る 。所 得 制 限 導 入 の 2 年 目 と な る 2015 年 度 か ら 2016
年度にかけて審査に伴う関係事務処理は年次的に膨大化する。事務量に応じた適
正な定数と本務者の確保が急務である。
35
エ
学校職員の多様化、ワーキングプア化
公 立 高 校 へ の 派 遣 職 員 導 入 が 起 き て い る 。 平 成 27 年 度 か ら の 国 際 バ カ ロ レ ア
15
第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
コース設置のための通訳・翻訳業務に対応するためとして、学校経営支援センタ
ーと民間派遣業者が契約し、東京都立国際高校経営企画室に4月1日からの一年
間 を 契 約 期 間 と す る 派 遣 事 務 職 員 が 配 置 さ れ た 。予 算 は 高 等 学 校 管 理 費 役 務 費 で 、
職務内容は一般的な学校事務としているが、非常勤職員に授業料取扱いや督促な
5
ど の 特 別 権 力 行 使 が 可 能 な の か 、公 金 の 現 金 取 扱 い は 可 能 か な ど 法 的 問 題 が あ る 。
大分では、義務制に共同実施拠点を学校支援センターとして設置し、集中的に
事 務 職 員 を 配 置 す る こ と で 、80 人 以 上 250 人 未 満 の 小 中 学 校 に 全 額 県 費 の 非 常 勤
職 員 を 配 置 し て い る 。 大 分 県 教 育 委 員 会 の 採 用 案 内 で は 、 平 成 26 年 度 採 用 と し
て 県 内 37 名 程 度 、報 酬 日 額 8,850 円 、月 18 日 勤 務 で 月 額 159,300 円 と な っ て い
10
る (8) 。 文 部 科 学 省 は 、 非 常 勤 事 務 職 員 を 義 務 標 準 法 の 定 数 と し て 取 り 扱 わ な い と
してその配置について問題とはしていない。センター化の見直しが始まっている
秋田でも、センター化に伴い非常勤職員が配置されている。新規採用を抑制し本
務者を削減し代替として臨時的任用(欠員補充)を行い、また、定数外の非常勤
職員の配置の全国化は避けなければならない。
15
チーム学校がいわれ、学校司書を含め多様な人材が配置されようとしている。
学校の中で職員の多様化が進もうとしている。しかし、それは労働問題の視点か
らすると、新たに学校職場におけるワーキングプアを進めることでもある。
(5)新しい教育行財政の展開
20
①
教育機会の平等を保障する教育財政
高等学校授業料無償化は、教育機会の平等を保障することでもある。義務制
学校を含めた公教育の無償化を支えるための、税体系の構築も含んだ教育財政
への取り組みが課題である。
教育に係る保護者負担の削減策には、選別主義の手法の代表例である就学援
25
助制度があり、普遍主義の手法では高等学校授業料無償化(所得制限導入前)
があるが、基本的には普遍主義に立ち、選別主義と普遍主義のバランスを取り
ながら、教育機会の平等を保障することが必要である。
②
30
教育と福祉との一体的施策
2014 年 1 月 17 日 施 行 さ れ た 子 ど も の 貧 困 対 策 の 推 進 に 関 す る 法 律 の 目 的 は 、
子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることなく、貧困の状況に
ある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を
図るため、子どもの貧困対策を総合的に推進することである。具体的な貧困対
策 と し て は 、就 学 援 助 制 度 の よ う な 選 別 主 義 の 手 法 だ け で な く 、教 科 書 や 教 材 、
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高校授業料の無償化などの普遍主義の手法が必要である。新たな取り組みとし
て教育と福祉の一体的な施策も注目される。例えば教育と福祉の融合であるイ
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第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
ン グ ラ ン ド の エ ク ス テ ン デ ィ ッ ド ス ク ー ル (拡 張 学 校 )や 、 福 祉 や 社 会 教 育 分 野
で定着したアウトリーチの手法を使った出前授業等である。学校給食や子ども
の健康管理は本来福祉分野であるが、日本では学校教育の中に取り込まれ「教
育」化されてきた。この取り組みを評価したうえで新たな領域として「教育福
5
祉」として確立する取り組みを行うことも有効であると考えられる。また、コ
ミュニティ・スクールの事業の中でも地域の過疎化や貧困化等による子どもの
学力不足への支援等、福祉と教育を融合した取り組みは可能である。
③
10
地域間格差と地域内格差とを克服する方策の一環としての教育行財政
少子化により公立学校の統廃合が加速的に進んでいる。文部科学省の調査に
よ れ ば 毎 年 、 500 校 近 い 学 校 が 廃 校 と な っ て お り 、 廃 校 の 理 由 の 6 割 は 過 疎 化
である。学校は子どもが学ぶ場であるとともに、地域コミュニティの拠点とし
ての役割も果たしている。過疎地域から学校が消えれば、集落の崩壊は加速度
的に進む。大都市でのインナーシティ問題についても、地域から学校が消えれ
15
ば人口流出はさらに進む。少子高齢化の人口減少の時代において、地域に密着
し て 生 き て い る の は 子 ど も と 高 齢 者 で あ る 。こ の 2 つ の 年 齢 層 が 最 も 貧 困 に な
り や す い 。 子 ど も の 貧 困 率 は 2013 年 に お い て 、 16.3% と な り 、 子 ど も の 貧 困
率が全体の貧困率を初めて上回った最悪の状態である。一世帯当たりの収入の
減少により、全体として生活が苦しくなり貧富の差も拡大している。地域間格
20
差(過疎地での統廃合等の教育困難、大都市でのインナーシティ問題)と地域
内格差(貧富の差の拡大に伴う分裂状況)を克服する方策の一環としての教育
行財政をどのように構想していくかが重要である。あわせて、学校理事会(コ
ミュニティスクール)を積極的に推進する必要がある。学校事務職員が積極的
に関わるだけでなく、公選制「学校理事」制度の導入による地域活性化・統廃
25
合阻止という明確に政策目標をもつことが望まれる。
④
教育の地方分権(学校内再委任を含む)を保障する教育行財政
「分任出納員」など財務規則等を受けた校長への財政権限の移譲は、指定都
市や東京都特別区など一定規模の自治体において行われているが、全国的には
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少数に留まっている。実務担当者への権限委譲はさらに遅れている。
教育の地方分権を保障するために、実務担当者への「公法委任」や、すくな
くとも教育委員会の定める要綱に基づいた「内部委任」によって実務担当者へ
の再委任の取り組みも重要である。
就 学 援 助 の 申 請 書 受 理 、審 査 、認 定 業 務 は 教 育 委 員 会 が 行 っ て い る 。就 学
35
援 助 は 選 別 主 義 で あ る た め 、自 治 体 の 周 知 が 図 ら れ て い な い 地 域 に お い て 保
護 者 か ら の 申 請 が な け れ ば 、給 付 が 受 け ら れ な い 子 ど も も い る 。経 済 的 に 困
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第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
難 に も か か わ ら ず 、担 任 教 員 の 家 庭 状 況 の 確 認 の 難 し さ か ら 、真 に 経 済 的 支
援 の 必 要 な 児 童 生 徒 が す く い 上 げ ら れ て い な い 状 況 も あ る 。就 学 援 助 認 定 事
務 を 学 校 長 へ 委 任 し 、さ ら に 事 務 職 員 へ 再 委 任 す る こ と に よ っ て 、経 済 的 に
困難な状況にある保護者への柔軟な対応が可能となる。
5
⑤
新たな教育方法に応じた学校環境整備のための教育行財政
ICT 活 用 に よ る 遠 隔 地 を 結 ぶ 双 方 向 授 業 な ど 新 た な 学 習 環 境 の 整 備 を 進 め て
い く 取 り 組 み が 進 ん で い る 。12 月 8 日 、高 等 学 校 に お け る 遠 隔 教 育 の あ り 方 に
関する検討会議は、
「 高 等 学 校 に お け る 遠 隔 教 育 の あ り 方 に つ い て 」と す る 報 告
10
を行った。改革の方向として、全日制課程及び定時制課程の高等学校や中等教
育学校後期課程及び特別支援学校高等部においても、一定要件の下で、遠隔教
育の導入を認めることが適当としている。文科省は来年度から、高校でインタ
ーネットなどを使った遠隔授業を認める方針である。学校規模の縮小で専門教
科の教員の確保が難しくなることが主要な背景にある。専科の確保が小規模校
15
は困難な状況は中学校でも同様なので、次には義務教育にも適用する可能性は
高い。過疎地の小規模学校への有効性は、他方で直接的対応による教育効果に
関する課題も存在する。
4
20
反<安倍―下村の新自由主義的な教育政策>の陣形を幅広く作り
出そう
(1) 自治体労働者としての学校事務職員の取組みの強化
<学校事務協議会の取り組み>
1
学校職場における次の課題の解決に向けて、関係省庁等対策を強化する。
① 学校徴収金の会計処理の適正化
25
② 学校給食費公会計化の推進
③ 高等学校等就学支援金への所得制限廃止
④ 学校事務職員制度の改善
2
30
政令市問題及び教育委員会制度見直しに伴う課題への検討を早急に行うと
ともに、各地域において統一した取り組みを行う。
ア
県職、市町村職組との連携強化
〇学校事務職員未配置、非正規職員化問題、高等学校統廃合問題に対応する
ため県職労との連携を強化する。
〇学校給食費を含む学校徴収金の公会計化への自治体取り組みに対する市町
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村職組との連携を強化する。
〇教育委員会制度見直しに伴う課題解決について市町村職組と連携する。
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第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
イ
未組織学校事務職員の組織化
〇自治労組織局と連絡を密にし、未組織学校事務職員の組織化方針を構築す
る 。特 に 、2017 年 度 政 令 市 問 題 を 主 体 的 に 担 い 、政 令 市 事 務 職 員 の 自 治 労
への組織化を重点化する。
5
〇県職共闘と連携し、高等学校の未加盟・未組織対策を強化する。
〇自治労各県本部と連携し、義務制の未組織学校事務職員の組織化を図る。
(2) 教育関連組合との課題別共闘の模索
〇自治労大都市共闘(特区・政令市共闘会議)や教育関連組合との関連強化
10
(3) 教育関係学術団体、研究会との連携
〇公教育計画学会との連携強化、日本教育事務学会など学術団体、諸研究会
との協力を模索する。
15
おわりに
21 世 紀 型 学 校 事 務 職 員 は 、安 倍 ― 下 村 の 新 自 由 主 義 的 な 貧 富 の 世 代 間 格 差 を 助
長する教育政策に対抗し、地域とともにある公設公営学校を改善することを任務
とする。そのためには、公教育の無償化を具体化する試みを中心として経験を養
い、深めるために学校事務職員制度を確固とするための検討を行っていく。
20
《新しい教育行財政》運動を展開していく。小規模自体での焦点である学校統
廃 合 問 題 と 、 大 規 模 自 治 体 に お け る 政 令 市 人 件 費 移 譲 と い う 2017 年 度 問 題 を 焦
点化していく。そのためには、学校にいてこその学校事務職員との視点を基に、
狭義の学校教育のみならず教育福祉への「学校事務の越境」を行い、地域におけ
るまちづくりと一体となった子どもの将来を築く学校を改革していくことを決意
25
する。
私たち自治労学校事務協議会に結集した全国の仲間は、山口の地から力強く発
信していこう。
自治労学校事務協議会事務局(政策担当
武波謙三)
30
【注】
(1) 外 務 省 告 示 第 318 号
日 本 国 政 府 は 、 昭 和 41 年 12 月 16 日 に ニ ュ ー ヨ ー ク で 作 成 さ れ た 「 経 済
35
的 、社 会 的 及 び 文 化 的 権 利 に 関 す る 国 際 規 約 」の 批 准 書 を 寄 託 し た 際 に 、同
規 約 第 13 条 2(b)及 び (c)の 規 定 の 適 用 に 当 た り 、こ れ ら の 規 定 の い う「 特 に 、
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第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
無 償 教 育 の 漸 進 的 な 導 入 に よ り 」に 拘 束 さ れ な い 権 利 を 留 保 し て い た と こ ろ 、
同 留 保 を 撤 回 す る 旨 を 平 成 24 年 9 月 11 日 に 国 際 連 合 事 務 総 長 に 通 告 し た 。
よ っ て 、日 本 国 は 、平 成 24 年 9 月 11 日 か ら 、こ れ ら の 規 定 の 適 用 に 当 た り 、
こ れ ら の 規 定 に い う「 特 に 、無 償 教 育 の 漸 進 的 な 導 入 に よ り 」に 拘 束 さ れ る 。
5
平 成 24 年 9 月 22 日
外務大臣
玄葉
光一郎
・
「 経 済 的 、社 会 的 及 び 文 化 的 権 利 に 関 す る 国 際 規 約 」第 13 条 2(b)及 び (c)
≪抜粋≫
(b)種 々 の 形 態 の 中 等 教 育( 技 術 的 及 び 職 業 的 中 等 教 育 を 含 む )は 、す べ て の
10
適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用
可 能 で あ り 、か つ 、す べ て の 者 に 対 し て 機 会 が 与 え ら れ る も の と す る こ と 。
(c)高 等 教 育 は 、す べ て の 適 当 な 方 法 に よ り 、特 に 、無 償 教 育 の 漸 進 的 な 導 入
により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものと
すること。
15
(2) 「 公 立 高 等 学 校 に 係 る 授 業 料 の 不 徴 収 及 び 高 等 学 校 等 就 学 支 援 金 の 支 給 に
関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議」
11 月 13 日
衆議院文部科学委員会
≪抜粋≫
政 府 及 び 関 係 者 は 、本 法 の 施 行 に 当 た り 、次 の 事 項 に つ い て 特 段 の 配 慮 を
20
すべきである。
一
本法施行後三年を経過した後、低所得世帯への支援の拡充の状況及び公
私間の教育費負担の格差是正の状況等を勘案しつつ、教育の機会均等を図
る 観 点 か ら 、政 策 の 効 果 を 検 証 し た 上 で 、必 要 な 措 置 を 講 じ る も の と す る 。
二
25
就学支援金の受給資格の認定に当たっては、本来就学支援金の支給対象
となる者が漏れないよう十分配慮すること。
三
本 制 度 の 趣 旨・内 容 に つ い て 、関 係 者 に 対 す る 周 知・説 明 を 十 分 に 行 い 、
特に、進路選択の時期に当たる中学三年生の生徒及び保護者に対し、特段
の配慮を行うこと。
四
30
就学支援金の受給資格の認定に当たっては、家庭環境等も考慮し、教育
費を支出することが困難な者に特段の配慮を行うこと。また、急な家計変
動が生じた者に対し、特段の配慮を行うこと。
五
就学支援金の受給資格の認定に当たっては、プライバシーに関して十分
配慮すること。
六
35
就学支援金の受給資格の認定に当たっては、自治体や学校現場に相応の
事務量が発生することに鑑み、そのための条件整備に努めること。
七
教育は未来への投資であることに鑑み、就学支援金については、将来的
20
第 17 回学校事務集会基調(2015/1/31)
に所得制限を行うことなく、全ての生徒に支給することができるよう必要
な予算の確保に努めること。また、引き続き教育費負担の軽減を図るとと
もに、一層の教育予算の拡充に努めること。
(3)「 学 校 運 営 の 改 善 の 在 り 方 に 関 す る 取 組 」報 告 書 P50
5
全国公立小中学校事務
職員研究会
(4) 平 成 25 年 度 国 民 生 活 基 礎 調 査 の 概 況
厚 生 労 働 省 平 成 26 年 7 月 15 日
(5) 平 成 24 年 度 要 保 護 及 び 準 要 保 護 児 童 生 徒 数 に つ い て( 学 用 品 費 )文 部 科 学 省
(6)
2014 年 度 教 職 員 定 数 資 料 ( 高 校 ・ 義 務 制 ) 2014 年 9 月
自治労学校事務協
議会政策部
10
(7)「 廃 校 施 設 等 活 用 状 況 実 態 調 査 」 文 部 科 学 省 平 成 26 年 11 月 13 日 発 表
(8) 大 分 県 公 立 学 校 臨 時 事 務 員 及 び 非 常 勤 職 員 採 用 候 補 者 名 簿 登 録 試 験 の お 知 ら
せ
大分県教育委員会
【参考文献】
・
「 自 治 労 の 地 域 教 育 改 革 16 の 提 言 」自 治 労 自 治 研 地 域 教 育 政 策 作 業 委 員 会
15
2009
年 8月
「 公 教 育 の 無 償 化 に 向 け た 取 り 組 み ‐『 不 都 合 な 真 実 』で あ る 学 校 給 食 費 等 の 集 金 ・
・
支 出 業 務 -」
中 村 文 夫 : 第 32 回 地 方 自 治 研 究 全 国 集 会
2010 年 11 月 6 日
・
「 公 教 育 の 無 償 へ の 再 構 築 ― 学 校 徴 収 金 、と く に 学 校 給 食 費 の 公 会 計 化 を ス テ ッ
プとして」
20
中 村 文 夫 : 第 34 回 地 方 自 治 研 究 全 国 集 会
2012 年 10 月 19 日
( 公 立 学 校 を 中 心 と す る 公 私 費 負 担 の 境 界 と 21 世 紀 の 革 新 )2013 年 8
・
「学校財政」
月
中村文夫
21