2015年3月30日 平成25年度 図工・美術部まとめ

平成25年度 磐周図工・美術部の活動
1 研究テーマ
「ともに感性をひらき合い、自己を創造する子ども」
2 テーマ設定の理由
美術教育は児童生徒一人ひとりが自分のよさや可能性を発揮して、「自分とは」
という問いの答えを探し、自己を確立していく過程で味わう喜びを通して「生きる
喜び」「生きる力」を育んでいきたいと考えている。そこで、磐周(磐田・袋井・森)
地区の子どもの現状「自分の想いやテーマ、表現ができない(内面が出せない)」
「自分自身や作品に自信がもてない」「自分や作品のよさに気づけない」という点
から、造形活動を通して子どもが「自分の感性でつくりだす」こと、さらに教師がし
たいことでなく、「子どもがやりたい造形活動に教師が寄り添い、支援していく」こ
とを中心に、作品をつくりだす過程やその後の子どもの姿で語る研修を行ってい
きたいと考え、このテーマを設定した。
3 テーマに迫る具体的な視点
(1)子どもの目線に下りた「子どもがつくりたい形・色・表現方法による造形活動」
に教師が寄り添い支援していく実践内容の工夫
(2)子どもがさまざまな「ひと」や「もの」「こと」との関わりを通して、感性や自己肯
定感を自ら「ひらき」「ひろげ」「つないで」いこうとするための授業者の手立てや支
援、学習形態の工夫
(3)教師の手立てや支援によって、子どもの感性や自己肯定感にどんな変容が
あったか、できるかぎり「個の変容」を見取っていく工夫
4 平成25年度の活動内容
《各地区の研修内容》
実施日
磐田地区
袋井・森地区
5月10日(金) テーマ設定・年間活動計画の立案
テーマ設定・年間活動計画の立案
6月 7日(金) 実践事例研修①(中学校区)
授業実践研究①
10月11日(金) 実践事例研修②(①の続き)
授業実践研究②
1月17日(金) ・活動反省・ミニ実技研修
・静教研提案者から実践報告
・活動の反省
・静教研提案者から実践報告
《磐田地区反省》
今年度は、昨年度末に挙げられた当地区の児童生徒の実態から、研修テーマを新たに掲げ
て研修を進めた。中学校区を元にしたグループで全員が実践を発表した制作中の作品や指導
方法の難しい作品を持ち寄り、指導改善の糸口を探ったり、その子どものよさを見取り合ったり
することで次の日からすぐ授業で生かすことのできる情報交換の場となった。
研修テーマに基づく事例研修の視点の提示方法や、より共通理解のしやすい全体会のもち
方が今後の課題である。
《袋井・森地区反省》
小中が一緒になる形でのグループ協議を2回行った。作品やワークシートなど実物を見なが
らの情報交換は価値があった。小学校からは図工が専科でない参加者もあり、中学校の専科
の教員から専門的な見方を聞くことができたり、この研修を通して指導の課題が明確になった
りして、日常の授業に生かす研修ができた。また、第4回研修会では静教研発表者による実践
報告が行われ、小・中学校別に質問や助言を受けることで、来年度に向け発表の方向性が明
確になるよい機会となった。
《磐周教研》
(1) 開催日
(2) 会場
平成25年 8月 1日(水) 9:30~12:00
竜洋なぎの木会館
(3) 発表者およびテーマ
① 宮木 有香(福田小)
「自分の想いを色や形で表現する The観音山 ~ポスターで伝えよう」
〔題材の設定〕児童の実態は、自尊心が低く、何事にも受身の姿勢であった。「自分
の想いをもたせる」こと、「できるという喜びや達成感をもたせる」ことを意識して題材
を設定した。
〔The 観音山〕 「表現したい」という強い想いのきっかけとして、「観音山宿泊体験」
をテーマにして、相手に伝えるための表現活動として「ポスター」を選んだ。自分の想
いを明確にするため、ウェビングマップや短い文章で表現することなど、段階を追う
手立てを講じた。
〔制作の様子と振り返り〕 自分なりのこだわりや想いを話しながら、解決方法を見つ
けようとしたり、級友との関わりを通して、自分の表現をしようとしたりするなど、個々
の想いが制作への意欲に繋がっていく様子が見られた。
② 渥美 直和(神明中)
「和我紋~和のデザイン・私の紋章~」
〔日本美術について〕西洋美術を取り上げがちな美術教育だが、北京日本人
学校への赴任をきっかけに日本のよさを感じ、美術教育に活かそうと試みた。
〔和我紋〕 和のデザインのもつ洗練された美しさ、自然への愛好心、家紋
のシンプルなよさに注目し、今まで実践していた自分のマーク作りを発展さ
せた。
〔制作の様子と制作後のアンケート〕 導入で家紋の紹介をし、自分を表す
形を切り絵で表現することにした。事後アンケートでは、この題材は生徒に
とっても新鮮で、日本文化や日本の美術を改めて意識することができた。
(4) 反省と課題
発表を元に、参加者から熱心な質問や意見が出された。磐周のテーマが変更さ
れて初めての研究発表であったが、子供の実態もふまえ、テーマを具体的に理
解しあう場にもなり、充実した研修を行うことができた。今後も磐周テーマを意識
した実践を継続していくとともに、この分科会参加者から他の図工・美術担当者に
も意識を広げ、磐周の図工・美術の体制をさらに広げていきたい。
《夏季実技研修会》
(1) 開催日 平成25年 8月 5日(月) 9:15~16:00
(2)
会場
磐周教育研究所
(3)
講師および講座内容 【参加人数 40名 /部員27名 部員以外13名】
A 鈴木 儀治先生「水彩画基礎講座~人物の描き方入門~」
B クラフテリオ 土居さん「粘土で作る風船ランプ&彩色版画」
(4) 反省および課題
・講座内容が充実していて、一日では足りないという声があった。紹介され
た内容や教材、指導方法は2学期からすぐ実践できr内容だったので、今
後も「授業で活かせる」テーマを中心に、講座内容等考えていきたい。また、
校内研修日と重なってしまい、参加できなかった部員が多数あった。昨年
よりも参加者が10数名減少したので、実施日については来年度以降の課
題である。
《磐周児童生徒図工・美術作品展》
(1)
開催日
平成26年 2月22日(土)・23日(日) 9:00~19:00
2月24日(月) 9:00~12:00
(2) 会場
袋井市 月見の里学遊館
(3) 反省および今後の課題
・各地区の審査会を経た700点余りの作品の展
示が行われた。3日間で延べ3400人余りの見
学者があった。磐田市から袋井市に会場が変更
となって9回目になるが、周辺地域にもこの作品
展の開催が浸透してきている。来年度以降も広
報活動にさらに力をいれていきたい。
・展示で使用するパネルの運搬費用や借用費用
が、今後の大きな課題である。