写 仙台基署発 0316 第7号 平 成 2 7年 3 月1 6 日 公益社団法人 宮城県トラック協会仙台支部長 殿 同 塩釜支部長 殿 同 仙南支部長 殿 陸上貨物運送事業労働災害防止協会 宮城県支部 支部長 殿 仙台労働基準監督署長 (公印省略) 交通死亡災害発生に伴う労働災害防止対策の徹底(緊急要請) 平素は、労働基準行政とりわけ労働災害の防止につきまして、格別の御理解と御協力を いただき御礼申し上げます。 さて、3月5日に栃木県宇都宮市の国道において、大型トレーラーが中央分離帯を乗り 越えて、対向してきた当署管内の事業場の大型トラックと正面衝突して、大型トラックの 運転手が死亡するという交通災害が発生しました。これにより当署管内での全産業におけ る死亡者数は本年に入って3人に、うち道路貨物運送業での死亡者数は既に2人となりま した。 災害の原因は、災害発生場所の所轄労働基準監督署で現在調査中ですが、管内の道路貨 物運送業での死亡災害は、昨年に引き続き増加傾向にあり、極めて深刻な状況となってお ります。 同種災害の防止のためには、事故に遭わない運転と事故を起こさない運転の心掛けは勿 論のこと、事業者、運行管理者、運転手及び陸運に関わるすべての関係者が一丸となって、 交通法令(安全速度など)の遵守や『交通労働災害防止のためのガイドライン(平成20 年4月3日付け基発第0403001号)」』による積極的な交通安全対策の徹底により当 該災害を減少していくことが求められます。 つきましては、貴団体の傘下会員事業場に対し、交通労働災害防止対策について緊急の 徹底を図るようご周知いただくとともに、先に要請した『仙台基署発 0218 第 3 号平成27 年2月18日付「労働災害防止増加に伴う労働災害防止のための要請について」 』と相まっ て、下記の対策に取組むよう併せて要請します。 記 1.余裕のある運行計画の策定 運転者の過労運転等を防止するため、 『自動車運転者の労働時間等の改善のための基 準(平成元年労働省告示第7号)』を遵守した労働時間、休憩時間、休息期間等に配慮 し、運転者の増員、交替要員の確保等も含めた余裕のある運行計画を策定すること。 なかでも、事故危険度が相対的に高い夜間から早朝時間帯を含む運行計画の策定に当 たっては、可能な限り夜間や早朝時間帯に十分な休憩又は休息が取得できるよう配慮 すること。 2.運行(点呼、時間管理等)管理による健康状態の把握と安全優先の運行指示 運転者自身による日常的な健康管理が不十分な例がみられることから、運行管理者 が点呼の機会において運転者の疲労度を確実にチェックすること。 なお、問題が見られる運転者については健康診断の事後措置※を徹底し、生活習慣の 改善指導などの保健指導に確実に繋げるとともに、安全を優先にした運行管理を指示 すること。また、眠気がとれない運転者については、SAS(睡眠時無呼吸症候群) の早期発見・早期治療への取組みを更に進めること。 ※「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針 (平成20年1月31日付け基発第0131001号) 」 3.過労運転等防止のための安全衛生教育の実施 過労運転等防止のために、運行管理者及び運転者に対して睡眠の重要性、睡眠不足 による事故回避能力の低下など、運行と疲労の関係等について安全衛生教育の実施に より十分に理解させること。 死亡災害速報 国道でトレーラーとトラック衝突、炎上、運転手1人死亡! 災害発生日時:3月5日(金)午後10時45分頃 災害発生場所:栃木県宇都宮市の国道 被災者:大型トラック運転手・男性 災害発生状況:国道走行中、大型トレーラーが中央分離帯を乗り越え反対車線に進入 し、対向してきた大型トラックと正面衝突した。大型トラックははずみで左路肩の石 塀と金網フェンスに衝突し、炎上。車外で大型トラックの運転男性1人の焼死体が発 見された。大型トレーラーの運転手は重傷。 (資料出所:3月6日付け下野新聞HPより)
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