グローバルマーケット・レビュー 2016 年 3 月 23 日作成 年初来ではブラジル長期国債がアウトパフォーム 昨年の米国利上げや原油価格の下落基調などを受けて年初からグローバル金融市場は乱高下する展開が続いていまし たが、3 月に入って原油価格の落ち着きや米追加利上げ観測の後退等によって徐々に落ち着きを取り戻し、更に原油 や鉄鉱石などの資源価格の上昇によって新興国市場へのリスク許容度が高まりつつあります。そうしたなかでも政権 交代への期待度から通貨、債券、株式のトリプル高となったブラジルの金融市場では 3 月 23 日時点でドル換算した 長期国債の年初来騰落率が他国の株式や長期国債を上回るベスト・パフォーマーとなっています。 追加利上げ観測の後退や資源価格の上昇でドル安傾向に -2% 通貨での騰落率を反映して各国長期債(10 年物国債)でもブラジルのパフォーマ ンスが際立つ結果となりました。ブラジル長期金利は政権交代期待等を背景に 13.5%台と年初から 250bps の大幅低下となりました。その他の国の長期金利も欧 州の追加緩和や米長期金利の低下を背景に全体的に低下基調となり、年初から比 べるとトルコで 81bps、ロシアで 64bps、米国は 30bps 程度低下しました。各国長 期債の騰落率をドル建て換算するとブラジルが 40%半ばと圧倒的に高く、ロシア とトルコが続く形となっています。また円建て換算でもブラジル長期債の騰落率 は約 30%台半ばと他国の長期債を大きくアウトパフォームしました。 8% ロシア・ルーブル 円 豪ドル ノルウェー・クローナ ユーロ トルコ・リラ 南ア・ランド 貴金属や商品等を含めた資産全体で見てもブラジルの長期債及び 株式指数のパフォーマンスが際立ちました。年初来のトップ 10 に は金や原油も登場していますが、昨年低調な結果となったブラジ ル、ロシアやトルコの債券、株式市場の割安さに投資家が目を付 けたと考えられます。 原油価格が安定し、米追加利上げが穏やかなものにとどまるとの 見方が続くようなら、今後も高金利通貨や資源国通貨の金融市場 は先進国通貨の金融市場をアウトパフォームして行くと期待され ます。 ニュージランド・ドル 年初来 通貨騰落率(対米ドル) メキシコ・ペソ QUICK 社のデータを元に NFSgは作成 インド・ルピー -5% 15% 35% 55% ブラジル・レアル ロシア・ルーブル トルコ・リラ 豪ドル 南ア・ランド ノルウェー・クローナ ユーロ ニュージランド・ドル 円 ドル建て長期国債騰落率 メキシコ・ペソ QUICK 社のデータを元に NFSgは作成 年初来騰落率(米ドル換算) 年初来騰落率のトップ 10 には金や原油も 13% ブラジル・レアル 外為市場では米国の追加利上げ観測の後退によって高金利通貨が上昇、更に原油 価格が上昇に転じたことや、鉄鉱石なの資源価格も上昇したことで資源国通貨の 上昇が目立ちました。一方マイナス金利を導入した日本では金融機関のリスク許 容度の低下や金融市場の混乱などから円高が進行する格好となりました。年初来 の騰落率で見るとブラジル・レアルが対米ドルで約 13%程度とトップに、ロシア・ ルーブルが 7%強、円が 6%程度で続きました。 米ドル建て、 円建てともにブラジル長期国債が騰落率でトップ 3% インド・ルピー 年初来騰落率( 円換算) ブラジル長期債 45.20% ブラジル長期債 36.59% ブラジル株価指数 36.00% ブラジル株価指数 28.46% ロシア株価指数 27.30% ロシア株価指数 21.63% トルコ株価指数 19.80% トルコ株価指数 12.69% NY金 16.10% ロシア長期債 10.53% ロシア長期債 15.70% NY金 9.14% トルコ長期債 13.30% トルコ長期債 6.61% 原油(WTI) 12.80% 原油(WTI) 5.98% 8.10% 南アフリカ株式指数 2.54% 8.06% 豪州長期債 1.83% メキシコ株価指数 豪州長期債 超緩和政策の市場よりも高金利、 資源国の市場に着目 株式市場に目を転じるとブラジル、ロシア、トルコのトップ 3 は変わらずながら、 資源国通貨のノルウェーや日本、ドイツといった先進国が下位に並んでいます。イ ンドを除けばいずれの国も低金利政策を実施しており、ドイツと日本はマイナス金 利を導入、ノルウェーでもマイナス金利の導入観測が出ています。超緩和政策の状 況下にて政策金利を収益率の基準点と考えれば、高い配当を払う株式よりも低金利 での借り入れというインセンティブが企業の資金調達では働きます。このため欧米 QUICK 社のデータを元に NFSgは作成 -10% 0% 10% 20% 30% 40% ブラジル ロシア トルコ 南アフリカ メキシコ ニュ-ジ-ランド 豪州 ドイツ ドル建て 株価指数パフォーマンス QUICK 社のデータを元に NFSgは作成 インド 日経平均 ノルウェー の投資家から重要視される株式の配当性向もマイナス金利の影響を受けて低下することは自然な形と思われます。長 期金利がマイナスもしくは非常に低い水準にとどまる市場の株式も低位安定で推移する可能性には注意しておきたい と考えます。原油価格の落ち着き、商品市況の反発、マイナス金利の長期化という環境下での今年の運用先を熟考し た場合、超緩和を継続せざる得ない国の株式市場を避けて、高金利で資源国というテーマに合った市場での効率的な 運用が重要になると思われます。 加入協会:一般社団法人第二種金融商品取引業協会 金融商品仲介業者 関東財務局長 ( 金仲 ) 第 565 号 所属する金融商品取引業者 名称:三京証券株式会社 関東財務局長 ( 金商 ) 第 2444 号 加入協会:日本証券業協会 1. 外貨建て債券取引にかかるリスク 重要な注意事項 外貨建て債券取得時よりも外貨の円に対する為替水準が低くなった場合(円高時)には債券を円換算した 価値は下落し、反対に外貨の円に対する為替水準が高くなった場合(円安時)には債券を円換算した価値 為 替 変 動 リスク は上昇します。したがって利金・償還金もしくは債券売却代金として支払われる外貨の円に対する為替水 準によって上下し、これにより投資元本を割込む恐れがあります。 金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動などにより、損失が生じる恐れがあります。市場価 価 格 変 動 リ ス ク 格は基本的に市場の金利水準の変化に対応して変動します。金利が上昇する過程では債券価格は下落し、 逆に金利が低下する過程では債券価格は上昇することになります。したがって、償還日よりも前に換金す る場合には市場に応じた価格での売却となりますので、投資元本を割込む恐れがあります。 信 用 リ ス ク 発行体の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本割れや支払いが 遅延または不払いとなる恐れがあります。 カ ントリ ー リ ス ク 利金・償還金もしくは売却代金として支払われる外貨発行国の国情の変化により、投資元本割れや途中売 却ができなくなる恐れがあります。 流 動 性 リ ス ク 市場環境の変化により流動性(換金性)が著しく低くなった場合、途中売却ができなくなる恐れがありま す。 2. 外貨建て債券取引にかかる手数料等諸費用について ■ 外貨建て債券を三京証券と相対で取引 ( 店頭取引)する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ■ また外貨建て債券の取引に際して円貨から外貨へ、もしくは外貨から円貨へ交換する際には外国為替市場の動向をふまえ て三京証券が決定する為替スプレッドを加味した為替レートを適用するものとします。当該スプレッドについてのご質問 は担当者もしくは最寄りの店頭にお尋ねください。 ■ 外貨建て債券のお取引に際しては「外国証券取引口座設定申込書」を取り交わす必要がございます。三京証券約款集の 「外国証券口座約款」をご一読ください。 3. 外貨建て債券取引にあたっての留意点について ● お申込みの際は、必ず『外貨建て債券の契約締結前交付書面』をお読み頂き、説明を受けご理解して頂いたうえで、お客 様ご自身の判断によりお申込みください。なお、不明な点があれば担当者にお問い合せください。 ● 利金・償還金ともに外貨建てですが、三京証券ではこれを原則円貨に交換して、お客様の口座に入金いたします。 ● 国内受渡は通常、約定日から起算して4営業日目 ( 約定日を含む)となります。 ● 国内での利金・償還金のお支払いは各利払日、償還日の翌営業日以降となります。 ● 既発債(既に発行され流通市場で取引されている債券)につきまして、販売価格、買取価格は随時変動いたします。 ● お客様が三京証券にてご購入された債券は「外国証券口座約款」に基づき証券指定の海外保管機関において保管されます。 ● 無登録格付け会社によって付与された信用格付けに関しては、「無登録格付に関する説明書」をご確認下さい。 ● 外貨建て債券のお取引は、クーリング・オフの対象にはなりません。 ● 特定公社債等の利子、譲渡損益、償還損益等による所得が申告分離課税 20.315%(所得税 15.315%、地方税 5%)の対象 となり、これらの所得間及び上場株式等の配当所得、譲渡所得等の間での損益通算も可能となります。また、損益通算で控 除しきれなった損失は確定申告により 3 年間の繰越控除の対象となります。 ※課税に関する記述においては、今後税制が改正される場合があります。詳しくは税理士などの専門家にご相談ください。 金融商品取引契約をされる場合、当該金融商品の「契約締結前交付書面」 (もしくは目論見書及びその補完書面) または「上場有 価証券等書面」の内容を十分にお読みいただき、 ご理解いただいたうえでご契約ください。 この資料は個々の投資家の特定の投資目的、投資金融商品または要望を考慮したものではありません。 ここに掲載した過去の実績や数値は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終的な決定は投資家ご 自身の判断と責任でなされるようお願いいたします。 この資料は日本フィナンシャルセキュリティーズが信頼できると判断した情報等に基づいて作成されたものですが、その情報の正 確性を保証するものではありません。 また、 この資料に 記された意見や予測等は資料作成時点での日本フィナンシャルセキュリテ ィーズの判断であり今後予告なしに変更されることもあります。本資料に記された記載の図や表はイメージであり正確性・完全性 について当社が責任を負うものではありません。 この資料は、作成時の法令等・諸規則をもとに、一般的な説明を目的として作成 されたものです。各種税制は今後も変更される場合がありますのでご注意ください。具体的な税法上の質問や対策などは税理士 等の専門家にご相談ください。 有価証券は預金や保険契約とは異なり、預金保険・保険契約保護機構の保護対象ではありません。 日本フィナンシャルセキュリティーズ及びその関係会社・役職員が、 この資料に記載されている証券もしくは金融商品について、 自 己売買または委託売買取引を行う場合があります。 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第565号 加入協会:一般社団法人 第二種金融商品取引業協会 当社は、金融商品仲介業者として岡藤グループの三京証券株式会社で取り扱っている外国債券をご紹介しています。 所属する金融商品取引業者 名称:三京証券株式会社 関東財務局長(金商)2444号 加入協会:日本証券業協会
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