美中通信

平成 28 年 3月25日
3月号-②(No.2714)
美中通信
《学校教育目標》
努力 協力 人間力
健康で、自ら学び、考え、努力する生徒を育てます。
【知】
【体】
互いに思いやり、協力し合い、自他を尊重できる生徒を育てます。
【徳】
【公】
【開】
横浜市立美しが丘中学校
学校長 髙橋 和則
学校 HP http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/jhs/utsukushigaoka/
学校 e-mail [email protected]
Tel 901-9649 Fax 904-1623
第 37 回 卒業証書授与式 にあたって
校長 髙橋 和則
3/14(月)、来賓の方々、保護者の皆さまに見守られる中、100名の卒業生
が本校を巣立ちました。ご卒業、おめでとうございます。
【学校長式辞(要約)
】
(前段、省略) さて、今日、皆さんが踏み出そうとしている社会は、急速に
卒業生のことば
変化しています。一見平和そうでも、グローバル化、情報化、環境問題、経済
問題などが、複雑化し、深刻さが増し、様々な形で私たちに影響を及ぼし、将来予測が困難な時代になって
います。そこで、未来へ進む新たなスタートラインに立っている皆さんに、正解の無い課題に対して、正面から
取り組む勇気と力強く生き抜くための餞(はなむけ)の言葉として、ここ最近の話題を交えながら3点を伝えたい
と思います。
1 点目は、「苦しい時こそ、一歩前へ」です。昨年12月、北里大学の大村智教授は、
ゴルフ場の土から熱帯地域の人々の失明を救う薬を発見し、医学生理学の分野で
ノーベル賞を受賞されました。集中力の高さは群を抜き、興味をもったことには、
トコトン打ち込む性格だったという教授でも、発見するまでの過程では、「苦しい、
やめようか」と思った時が何度かあったといいます。しかし、「人のためになることを考えねば…」という小さい頃
からの強い信念もあり、諦めずに一歩前へ踏み出した結果が、大きな功績を残すことができたことを、この受賞
を機会に私たちは学びました。これからのステージ、皆さんの前には多くの試練が待ち構えているかも知れ
ませんが、「苦しい時こそ、一歩前へ」という言葉で、ぜひとも乗りこえてください。
2点目は、「あきらめるな!」です。今年の2月、「重力波」の観測に成功したというビッグ・ニュースの話が世界
を驚かせました。この「重力波」は、「相対性理論」を提唱した有名なアルベルト・アインシュタイン博士が、
100 年前に予言したもので、数々の技術改良を重ね、ついにこの発見にたどり着いたことは、まさに気の遠く
なるようなチャレンジです。「努力は決して自分を裏切らない」ということを、この発見は、私たちに、そして世界
中に伝えたことと思います。私たちの生活を大きく変える “イノベーション” に遭遇する可能性をもつ皆さん
には、ぜひとも 「あきらめるな!」で取り組んでください。
3点目は、「人や社会に貢献せよ」です。「アドラー心理学」で有名になった心理学者のアルフレッド・
アドラーは、『自分自身を好きになること、よい人間関係をもつこと、そして、人や社会に貢献すること』 が
“幸せの3要素” だと述べています。これまで取り組んできた、自他を尊重し、よい人間関係を築いてきたことは
今後も継続するとともに、さらにこれからは、「人や社会に貢献する」価値ある人になることが、グローバル・
リーダーを目指す皆さんの使命だと、私は考えます。その結果として、混迷極まる社会の中でも、「幸せ」と実感
できる生活を築いてほしいと最後に強く願います。明日より始まる新たな生活スタイルへの期待と不安の中、
遭遇する様々な壁、様々な風に立ち向かうこととなりますが、「苦しい時こそ、一歩前へ」「あきらめるな!」
そして「人や社会に貢献」する立派な道を歩んでくれることを願っています。
修了式(3/25)での話より
校長 髙橋 和則
暖かな日差しに包まれた3/23、ここ横浜でも桜(ソメイヨシノ)の開花宣言が横浜地方気象台
よりありました(東京都内では例年より5日早い 3/21 開花宣言がありましたが、開花の基準になる
「標準木」の場所によって開花が前後し、横浜では昨年と同じ日に発表となっています)。まずは、三送会、
卒業式、そして昨日の大掃除と、1年生、2年生の皆さんの活躍、努力に心より感謝いたします。
ところで、平穏な日々を送れることは何よりもありがたく感謝しますが、成長を望む場合は、時には苦難に
直面することもまた必要でもあります。そんなことを表現する言葉の一つに、『鳥鳴いて山更に幽(しずか)なり』
があります。これは、深い山中で、鳥が一声鳴いて去っていった後の静けさを詠んだものです。何も起こらない
景色は平穏そのものですが、その静かさを打ち破るもの(句では、鳥の一声)があることで、元の静けさがより
深く感じられるという意味が込められています。苦しさから逃げることは場合によっては可能ですが、苦しみや
辛さから目をそらさず乗り越えてこそ、自分自身をより成長させ、豊かにしてくれます。この修了式後には、学校
生活の状況や進級にあたっての応援メッセージを書いた連絡票が担任から手渡されます。この一年は自分に
とってどんな一年だったか、ぜひとも振り返りをし、成長を確認してください。そして、各自の高い志で、進級後
も大きく飛躍することを期待しています。