くちきデイリーニュース 〒973-8411 2015 年 8 月 24 日(月) 福島県いわき市小島町2-9-15 株式会社朽木会計事務所 TEL 0246-27-3631 FAX 0246-26-4234 Email 中小企業の人材不足 中小企業白書より 中小企業白書から見える人材不足の広がり 政府は 2015 年版「中小企業白書」を閣議 決定しました。それによると必要な人材を 確保できていない企業が 4 割近くにのぼる 一方で「人材の応募があっても、良い人材 がいない」と言う声も強く、中小企業が質、 量両面での人材不足に直面している現状が 浮かび上がってきます。 白書では高い離職率も人材不足に影響し ていると分析しています。新卒者の 4 割以 上が 3 年以内に会社を辞めている事が不足 の要因でもある事から、採用した社員の定 着率を高める必要性にも触れています。 人材の採用 中小企業にとって経営の中核となる人の 不足感は強く、販路開拓(営業)、研究開発、 製造、IT関連、経営等多岐にわたり中核 人材の不足感が強くなっています。 採用の方法ではハローワークや知人、友 人からの紹介が多く利用されています。実 際の採用実現率は、知人の紹介や取引先、 銀行の紹介等が多くなっていますが、自社 のホームページからの採用は低くなってい ます。顔が見える採用手段の重要性が確認 できますが、人材確保の多様化は必要です。 また、人手不足による関連倒産は 2013 年 から増加してきています。最近は求人して [email protected] も人が集まらない求人難による倒産の増加 が目立ってきています。 人材の定着・育成 中小企業・小規模事業者における離職率 (3 年目)は中途採用では 3 割、新卒採用で は 4 割を超えています。小規模事業者では 新卒採用の過半数が 3 年以内に離職をして います。人材育成を前提として社員の定着 率を高める必要がありますが、育成をする 能力のある人材の不足も現れています。 ベア実施中小企業は増えるが人件費は高騰 今年度に入り中小企業でも景気回復の広 がりや人手不足を背景に賃金のベースアッ プを実施する動きが広がっています。全国 の財務局調査では中小企業で今春ベア実施 したのは 37%、ベアを含む何らかの賃上げ を実施した企業は 89.1%を示しました。賃 上げによる人材獲得競争がコスト増を招き 経営を圧迫する中でも、中小企業も雇用確 保のため人件費を捻出しています。 人材確保には 定着・育成に 目を向ける事 も大切です 補足と解説 Ⅱ.中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍 -人材① 人材の確保- 採用実現率ともに中途採用と似た結果となった。 中小企業の「中核人材」の採用手段や 供給源は、 極めて限られていることがうかがわれる。 〇中小企業・小規模事業者の従業員の不足感は、 全国的に高まっている。 ○アンケート調査でも、人材の確保状況につ Ⅱ.中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍 -人材③ 人材の定着・育成- いて、 「十分確保できている」や「十分では ないが確保できている」と回答した者の割 ○中小企業・小規模事業者における就業者の離職 合は 5 割に満たず、中小企業・小規模事業 率(3 年目)は、中途採用においては約 3 割、新卒 者は人材を十分確保できていない状況。人 採用においては約 4 割となっている。特に、 小 材が「確保できていない」理由を見ると、 「人 規模事業者においては、新卒採用の過半数が 3 材の応募が ないため」が 6 割弱を占める一 年以内に離職しており、会社の将来を担う人材 方で、「人材の応募はあるが、よい人材がい の育成の前提として、採用した社員の定着 率を ないため」という回答も 4 割存在し、質・量 高める必要がある。 両面での「人材不 足」に直面していること がうかがわれる。 ○経営の中核となる人材の育成の面でも、中小企 業・小規模事業者は様々な課題を抱えており、 とりわけ「指導・育成を行う能力がある人材 の Ⅱ.中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍 -人材② 人材の採用- 不足」が顕著となっている。 ○しかしながら、中小企業・小規模事業者におけ る人材の定着や育成に関しては、限られた経営 ○中小企業・小規模事業者において、経営の中核 資源の中で行う個社単位の取組には限界がある。 となる人材の不足感が強い。先に取り上げた販 こうした中で、地域を挙げた人材の定着・育成 路開拓(営業)のための人材にとどまらず、 研究 を行う取組事例も見られる。 開発・製造、IT 関連、経営等、多岐にわたる中 核人材の不足感も強い。 ○中小企業における、中途人材の採用手段として 中小企業庁 中小企業白書にについて 2015 年 版より抜粋 は、「ハローワーク」や「知人・友人の紹介」が 多く利用されている。採用実現率(採用実 績/ 利用実績)を見ると、 「知人・友人の紹介」や「取 引先・銀行の紹介」で高くなっている一方、 「自 社ホームページ」が最も低く、 中小企業の人材 採用における顔が見える採用手段の重要性が確 認できる。他方で、様々な採用手段による採用 実現率を高めることにより、中小企業の人材確 保の方策を多様化していくことも必要と考えら れる。 ○また、中核人材の採用を見てみると、利用実績、 コメント 今年度の中小企業白書から人材の採 用、育成などの動向について取り上げました。
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