古文書解読 ワンポイントアドバイス 4

古文書解読 ワンポイントアドバイス 4
くずし字の中には、全く別の字にも関わらず、一見すると同じ形に見えてしまう文字、
よく注意しないと
見間違えてしまうくらい似た形の文字があります。
そうした事例は実にたくさんありますが、今回は代表的ないくつかの文字を選んでみました。
*掲載している文字は、当館所蔵の公文書から任意に選んだものです。
①カーブを描いた縦線
御清祥
ぎょうにんべん
横浜
御償還
さんずい
さんずい
にんべん
ぎょうにんべん
さんずい
にんべん
ぎょうにんべん
明治十四年
存候得共
⇒にんべん・ぎょうにんべん・さんずい です。
実例を見てみましょう。
大臣
*注意 !!
こ れ は 、縦 の 曲 線 で す
が「臣」の一部です。
②カーブを描いた横線
⇒わかんむりのように見えますが、もんがまえです。
差進候間
時間
相開候
もんがまえ
こ れ は、横 の 曲
線 で す が「所」
の一部です。
同所
もんがまえ
もんがまえ
③「かっこ」
*注意 !!
*注意 !!
が、か っ こ の よ う
にならない場合も
あります
只管
被害
謹啓
土耳其国
⇒これは、くにがまえ・口 です。かっこのようにくずれます。 こ れ は、「口」で す
*文字のくずし方は何通りもあり、ここで紹
口
介したものが全てではありません。また、紹
口
くにがまえ
介した事例以外にも特殊なくずし方をする場
合がありますので、市販されている辞典類を
あわせて参照されることをおすすめします。
平成27年 東京都公文書館