報告書

電気通信大学 野嶋先生研究室訪問
平成27年3月17日(火曜日)
15:00∼
本校との高大連携プログラムの一環で、3月17日(火)に調布北高校2年生3名で電気
通信大学 野嶋先生の研究室訪問を実施しました。
野嶋先生は、以下のような言葉をキーワードにして、研究をされています。
野嶋研究室紹介 HP から
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キーワード
バーチャルリアリティ(VR)、フライトシミュレータ、オーグメンテッドリアリティ(AR)、
エンターテイメント、人間の能力強化、オーグメンテッドスポーツ
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初めに先生から、研究の概要をお話しいた
だき、実際に研究されている内容を、研究さ
れている大学院生からご紹介いただいた。
・大きな液晶パネルを水平に設置して、その
上に手をかざすと、その位置からシューティ
ングゲームを楽しめる開発装置。
ここでは、画像処理を行う上で、偏光板
を利用している。人にはスクリーン上の
画像が見えているが、カメラ的にはスク
リーンが全く見えない状態を作り出すこ
とができ、処理速度を数段はやめること
が可能であることをご紹介いただいた。
・形状記憶合金を用いて、柔軟性のある素材
を動かす研究。
本来ものを動かすためには、モーターな
どの駆動部分を制御する必要があるが、
モーターなどにはメンテナンスも必要で
あり、故障の原因にもつながっている。この研究では、そういった事柄を排除した形で、
しなやかな動きを作り出すことができ、より人の感覚に訴えるものに利用可能な研究で
あるようだ。
・感触の中でも、柔らかさという、本来皮膚を通した感覚の領域で、視覚からくる柔らかさ
の認識という、脳がある意味だまされる研究。
指先で感じている感覚にも、視覚からの情報が数多く取り込まれている点に着目した研
究で、人が感じる事柄にはあらゆる形で錯覚が入り込んでくることを研究に取り上げら
れていた。小さな液晶モニターでも、押された力に応じて、画面が変化する。それだけ
でモニターが柔らかくなったような感触を持ってしまうことは、新鮮な感覚であった。
・老人介護の中で、舌の運動機能がなくなっていくことに対応する、「キネクト」を利用し
た運動トレーニングの研究。
キネクトは最近のゲーム機に取り込まれているセンサーの一つで、物理的なセンサー
を利用することなく、画像処理によって位置情報を得ることがでる。舌の動きをモニタ
ーできることから、とかく失われがちな舌の運動機能を向上させるために考案されたシ
ミュレーションゲームの研究。
・スポーツの中に、科学的な操作を取り込むことによって、運動能力だけでなく、あらゆる
タイプのプレーヤーでも、楽しめるようにする研究。
ボール自体に科学的な手法で変則的な
動きをさせることができると、運動能力
の差であらわされる優劣とは別に、様々
な人が同じ条件でスポーツを楽しめるよ
うになる。といったコンセプトで、意表
を突いた動きをスポーツに取り込めない
かという研究。
紹介していただいた内容に、見学した生徒
は、難しいながらも興味を持てたようであっ
た。
また、研究内容においても学生の持っているイメージやアイデアが大切で、やってみた
いと思うことがあれば、それが研究テーマになるということも、大学での研究ということが
より身近に感じられた時間であったのではないか。