Lepai LP-2020A+ NFJ別注品第九ロット オペアンプ交換手順

Lepai LP-2020A+ NFJ別注品第九ロット オペアンプ交換手順
この度は交換用オペアンプOPA627をご購入いただき、ありがとうございます。
まずはじめに、Lepai LP-2020A+のオペアンプを交換するために、本体を分解する必要があります。
分解についてはメーカー保証対象外となりますので、ご注意ください。
その点も含めた分解に伴うリスク全般において当方は一切の責任を負いませんので、
購入者様の自己責任において交換をしていただきますよう、お願いいたします。
◆必要な工具
・プラスドライバー
・トルクス(星形)ドライバー T6 右図参照→→
・IC引き抜き工具(精密マイナスドライバーでも代用可)
1.分解
分解前に・・
分解前に正常動作品であることをご確認ください。
分解前に不具合があった場合は期間内でしたらNFJ社の方で対応してもらえるはずです。
NFJ社では全品検品後の出荷をされているという事で検品時の電荷が内部コンデンサに残っています。
不用意なショートを防ぐために、何も接続しない状態で電源スイッチをONにし、
ボリュームのLED照明が消えるまでお待ちいただいたうえで作業を開始してください。
本体の分解
本体裏面のプラスネジを外します。
3か所あり、1か所はワランティシールが貼ってありますので、
シールをはがしてください(この時点で保証がなくなります)
本体前面のトルクスネジを4か所外します。
ネジが全て外れたら、フロントパネルを持ち、
前面に引き出します。
これで分解は完了です。
2.オペアンプの交換
本体基板はこのようになっています。
予め装着されているオペアンプはTiのNE5532です。
黒い●印が1番ピンですので元に戻す際に
方向を間違えないように気を付けてください。
画像左側がトーンコントロール部
右側が前段部です。
前段部はどのような状態でも音が通りますが、
トーンコントロール部はDIRECTモードの時には通りません。
前段増幅用
トーンコントロール
通常はまず前段部分の交換をお勧めいたします。
トーンコントロールを常時使用される方は
トーンコントロール部のオペアンプも交換されることで
コントロールによる音質劣化・音の歪みが
改善されます。
ICの取り外し
元のオペアンプの足は細く、曲がりやすいので
再利用したい場合は慎重に外してください。
IC引き抜き器の場合は上からはさんで抜くだけです。
引き抜き器が無い場合は精密マイナスドライバーを
ソケットとオペアンプの隙間に挿し込み、てこの原理で
ソケットからはずします。
片側だけだと足が曲がりやすいので、片方を少し浮かせ、
反対側からも同じようにするとうまくいきます。
ICの取り付け
ICの挿し込み向きを間違えると破損します。
静電気等にもご注意し、慎重に作業をしてください。
ソケットとオペアンプ両方にマークで方向が示してあります。
(右画像青○部)
右画像の赤いマークで示しています、凹みの部分でICの
向きを示していますので同じ向きになるように挿し込みます。
装着完了の図
挿し込む際は横から見て、ピン位置がずれていないか
(すべての足が挿し込まれているか)
確認してください。
※OPA627の足はふとめにつくっていますので、
挿し込むとソケットがゆるくなる場合がございます。
ゆるくなった場合はピンセット等で端子を調整していただくか
付属のソケットをかませることで軽減されます。
ただし、付属のソケットの穴は小さ目なのでOPA627を
挿し込むと、非常に抜けにくくなります。
OPA627は直接挿し込んで使用し
通常のDIPオペアンプを付属のソケットに差し込んだうえ、
本体ソケットに装着するという使い方を推奨しています。
2.組み立て、試聴
ケースに本体基板を挿入します。
ケース内側に基板が入る溝がありますので、そこに入れ、スライドさせて奥まで入れ込みます。
まずプラスネジから取り付けます。
このときに、最後まで締めてしまうとフロント側のネジが取付けできないので、軽く固定できる程度に留めます。
フロントパネルのネジ穴位置とケース側の穴位置を調整して、トルクスネジを装着します。
この時も一か所を締め切ってしまわず、軽く留め置いてすべてのネジを装着してから
本締めをすると良い具合になります。
ネジを本締めして、組み立ては完了です。
試聴の際のご注意
試聴の際は入力ソース側のボリュームを絞ったうえで行われることをお勧めいたします。
万が一、何らかの原因でオペアンプが動作していないと、スピーカー出力が最大ボリュームとなります。
※これはLP-2020A+のボリューム回路の構造によるものです。
試聴の手順
1.入力ソースのボリュームを最小にし、再生をします。
2.アンプ側のボリュームを最小の状態にし、電源を入れます。
3.入力ソースのボリュームを上げていき、音が出ない、もしくは小さな音が出ることを確認します。
※オペアンプの不具合や挿し込み不良でオペアンプが動作していない場合はこの時点である程度大きな音が出ます。
この場合には本体のボリュームが効くか確認し、効いていない場合はすぐに電源を切り、ただしく装着されているか確認してください。
4.アンプ側のボリュームを大きくしていき、ボリュームが正常に動作していることを確認します。
※ケースを閉めない場合はノイズが乗りやすい状態となっています。
ノイズが出るなと思ったら、ケースに入れて、ケースの固定もしっかり確認したうえで再試聴してください。
あとがき
LP-2020A+のオペアンプ交換などいろいろ試していて気付いた点を簡単に記載します。
オペアンプが無くても動作はします。(ボリュームが最大で固定されます。)
前段部分のオペアンプ回路のボリューム抵抗の入れ方により、オペアンプ回路が動作しない場合は
ボリューム最大でTA2020へ入力が入るようになっています。
RCA入力端子直後の挿し込みコンデンサがオペアンプ回路前の入力カップリングになっているので、
ここを直結にしてオペアンプを外し、プリアンプを前段に入れる前提にすると、オペアンプの味付けのない
TA2020メインアンプ化ができそうです。
入力カップリング部分の基板を見てみると、異なるピッチで穴が用意されています。
ピッチの大きなコンデンサに付け替え改造が簡単そうです。
総合して、いろいろ改造し甲斐のあるアンプだと思います。
1個じゃ足りないですね。私もいくつか入手していろいろ改造してみたいと思います。
それでは、壊さないように取扱いに注意して、オペアンプの音の違いを楽しんでみてください。
交換が馴れてくると、逆に挿し込み向きを間違えたり、足の位置がずれてたりで危険が大きくなるように思います。
決して高額なものではないですが、壊してしまった時の精神的ダメージは相当なものになりますので
慎重に作業しましょう♪