会報 第505号 - Shizugenken.jp

静岡県言語・聴覚・発達障害教育研究会
会報
第505号
発行日
担当
平成27年5月25日
浜松市立双葉小学校
ことばの教室
〒432-8033
浜松市中区海老塚二丁目5番1号
TEL053-452-0293 FAX053-452-0290
「つながり」「続けること」を大切に、共に感動を!
浜松市立双葉小学校
校長
鈴木
和枝
浜松市立双葉小学校は、歴史のある南小学校(江西中学校区)と高砂小学校(南部中学校
区)の両校が統合して誕生し、本年度8年目を迎えました。浜松駅のすぐ南に位置し、普通
学級、発達支援学級、ことばの教室からなる特色ある学校です。
学校教育目標「夢に向かって ともに伸びゆく子」、目指す子供の姿「人に好かれる子・人
を幸せにする子」、目指す学校の姿「社会を明るくする学校」とし、子供たちのよりよい成長
を願い、保護者・地域と共に、教職員が一丸となって「チーム双葉」で教育活動を進めてい
ます。両校の良さを受け継ぎ、さらに「未来に羽ばたく双葉小」を合言葉に、新しい歴史や
伝統をつくっているところです。
ことばの教室は、昭和44年、高砂小学校に、市内で初めての通級言語指導教室として開
設されました。熱心な指導者のもと、多くの子供たちが学び、巣立ちました。そして、この
約40年間の高砂小ことばの教室の歴史や伝統、願いや思いなどを双葉小が引き継ぎました。
すてきな新校舎に最新の施設という、良い環境の中で指導が行われています。そのため、
「浜
松市で一番歴史が古く、一番新しい設備が整ったことばの教室」と言われています。
現在、幼児言語2学級(すみれ・さくら)・児童言語2学級(たんぽぽ・ひまわり)とも充
実した指導が行われています。指導担当教員は、日々熱心に学び合い、一人一人の子供の目
標に向けて、子供や保護者との「つながり」や「続けること」を大切にして指導の工夫をし
ています。ことばの教室での学びが、家庭、学校や園などでの生活に生かされ、自分の思い
を言葉で伝えられることを願っています。
4月の振り返りをしたときに、指導者から早速うれしい話を聞きました。
「サ行音の練習を続けていた4月入級のお子さんのお母様が、ス音がきれいに発音できたこ
とに感動したとおっしゃり、私も本当に感動した。これからも、感動場面が増えるように
努力したい。」
今後も子供や保護者の願いを受け止めて、感動場面を一つ
一つ積み重ねていこうとする指導者の意欲の高まりを感じま
した。しかし、学びの成果がすぐに表れることもあれば、時
間が掛かることもあります。だからこそ、子供が「話すこと
が楽しい・自分の居場所がある」と感じ、保護者が信頼を寄
せてくださるように努めたいと思います。「つながり」と「続
けること」を大切にしながら、通いたい・通わせたいことば
の教室で、感動の輪を広げられたらと思っています。
活動紹介
その1
5月の行事「こどもの日」
1
読み聞かせ
「ワニぼうのこいのぼり」(内田麟太郎・文 文渓堂)を
読み聞かせしました。
「ワニのぼり」で子供たちは大笑いしました。さし絵を見
て、ブタのぼり、ゾウのぼり、ペンギンのぼりなど次々と
○○のぼりを見つけて大喜びをしました。
「ワニぼうのこいのぼり」
2
折り紙
その後、折り紙でこいのぼりを作りました。山おり線5本と谷おり線1本の簡単
な折り紙ですが、指先をうまく使って折るのが難しいようでした。
3
季節の掲示
作った折り紙のこいのぼりをことばの
教室の廊下に掲示しました。子供たちは、
自分の作ったこいのぼりを見つけて、保護
者にうれしそうに見せていました。
「ことばの廊下教室廊下の掲示」
4
本で調べる
児童は、「ワニぼうのこいのぼり」に出て
くるこいのぼり・かしわもち・ちまきを「ま
「365日ものしり百科」
「日本の年中行事」
るごとわかる365日ものしり百科」(監修
/谷川健一 日本図書センター)や「日本の
年中行事」(著・深光富士男 学研)で調べ
ました。こいのぼりを泳がせるようになった
わけや、かしわもち・ちまきを食べるように
なった理由がわかり、納得しました。そして、
端午の節句や菖蒲湯なども調べました。
5
文で確認する
児童は、
「おはなし読解ワー
ク:中級編」
(葛西ことばのテ
ーブル)から5月の行事につ
いて書かれているプリントを
読んで、それについて答える
ようにしました。文で確認し、
まとめとしました。
<ことばのテーブル
活動紹介
プリント>
その2
「いらっしゃい、回転ずしです。」
<回転するテーブル>
買い物ごっこの回転ずしバージョンです。
始めに、メニューの名前を子供に言わせて、確
認します。次に担当者が注文したものを聞いて、
子供が皿の上にものを乗せてテーブルを回転さ
せて、担当者の所へ届けます。できるようになっ
たら、だんだん注文する品数を増やしていきま
す。一つずつ皿に乗せる、テーブルを回転させる
などの作業を入れながら短期記憶力を付けてい
きます。
また、「何にしますか。」「他に注文はありませ
んか。」「ジュースもどうぞ。」などの言葉のやり
取りも楽しみながら、コミュニケーション力を付
けていきます。
それから、すし以外の品物もやることができま
す。
活動紹介
「お話
その3
聞いて。」
始めに「三びきのやぎのがらがらどん」(マーシャ・ブラウン え せたていじ やく 福
音館)や「ももたろう」(松居直 文 福音館書店)の読み聞かせをします。
次に、子供に「だれが出てきたのかな。」と聞いて登場人物を言わせます。それから木製パ
ズルから木の登場人物を出して、確認します。
子供は、木の登場人物を使ってあらすじを言います。また、ある場面を思い出して木の登場
人物を動かしながらお話することもあります。子供たちは、木の登場人物があると思い出しや
すかったり、登場人物になりきって話しやすかったりするようで、大好きです。
最後に、木の枠の中にパズルを納めると終了となります。
「三びきのやぎのがらがらどん」
「ももたろう」