平成27年度事業計画書 平成27(2015)年 4月 1日 ∼ 平成28(2016)年 3月31日 基 調 わが国は、国土の 70%が山林であり、四方が海に囲まれ、14%の田畑で農業を営み1億の人々を 養っている。農林水産に適した農業国と言われるのも、自然が豊かで環境の良い国土だからである。 しかし、工業による経済の発展により、工業で得られる収入と農業での収入の間で格差が広がり、 労働力も農業から工業へ移行し、また、円高により海外からの輸入量が増え、食においては日本食 型から欧米食型へと変化が始まり、国民の生活自体も変わってきた。 その結果、一次産業である農業の弱体化が始まり、就農する若年層は減り、高齢者を頼りとする 産業へと変化してきた。しかし、この一次産業は、私達の命に関わる基である。 国土の 70%の山林は、空気も水もきれいにし、自然の四季も色鮮やかに写し出してきた。 山が良くなれば、海もよくなり、近海でも魚が獲れる。また、農業も河川の富栄養化を防いでい る。これは、農業・林業・水産業が循環型になっていることを証明している。 わが国は自然に恵まれた国である。しかし、自然に恵まれているはずのわが国の食料自給率はカ ロリーベースで 39%であり、現物での自給率はさらに低い。お米は 100%であるが、これを除くと いくらになるのであろうか?その低い状況は 40 年近く続いている。この現状を改善するため、た だ、企業化による大型機械化をして増産すればよいとする考え方もあるが、そのために自然環境を 破壊すべきではなく、理想的な改善策は、自然環境に対して配慮したものでなければならない。ま た、農業に求められるものは、安心で安全な食糧の供給である。 一次産業は、自然の中で天地の恵みを受ける産業であり、農業が働きかける対象は土である。 山林に降った雨は、山の土や河川によって浄化された後、海洋に届く。また、海水は干潟によっ て浄化されている。この自然の浄化は主に土によって行われている。山や野において、動植物の朽 ちたものは、自然界の法則に基づき土に還る。その土の働きを最大限に引き出しているのは農業で ある。その恵みで私たち人間は生命をつないでいる。 その農業は相変わらず後継者が不足しており、近年、ますます高齢化が進み、田畑は荒廃の一途 をたどっている。いま、人々が忘れかけているものは、人と土の触れ合いである。土は、日や空気 や水以上に忘れられているのではなかろうか。 私たちは生きていく以上、土から離れることはできない。初代総裁のお歌に「人はみな土よりい でて土に生き土の恩うけ土にかくるる」とあるように、土と食を切り離すこともできない。 土に対する畏敬の心を忘れたとき、政治も経済も食の問題を度外視した方向に進んでしまうため、 食の安全や確保は不可能になる。 現今、TPP 環太平洋経済連携協定は、これまで築いてきた日本の農業、食の安全性の前途をくつ がえし、国民の生命と健康を損ない、大切な日本の心や伝統文化までも壊してしまう。 いま一度、土と食への感謝の思想を思い出すことが、一次産業である農業を見直す原点である。 当法人としては土づくりを主とし、自然環境に優しい農法を取り入れ、安心安全をモットーに、 農業の技術指導、研修、後継者育成に力を注いでいる。こういった有機農法には、自然と共に生き るルールが、人の心と自然の恵みの中で出来ているのではなかろうか。 「農は国の大本なり」、まことに日本人にとって、農業者にとって誇りとなる言葉である。 そろそろ日本人は、こういった現実や本当の解決策に気付く時が来ているように思われる。 Page-1 重 点 課 題 次の7項目を重点課題と定め、事業を展開する。 1、月日と土の恩に感謝し、天産物自給自足体制への寄与 2、TPP反対活動への積極的な取り組み 3、研修会と出張講座の拡充 4、試験圃場の環境整備と規模拡大 5、現地農業指導と圃場視察 6、会員へのサービス向上と新規加入の誘い 7、農業体験希望者受入体制の強化 ネクスト・アグリ・プログラム 8、新規就農者支援事業(The next agri program【Part1】)の実施 事 業 計 画 1、社員総会の開催 1-1 定時社員総会 平成27年 6月17日 / 京都府亀岡市(当法人施設) (決議事項) 第1号議案 平成26年度事業報告について 第2号議案 平成26年度収支決算について (報告事項) ① 平成26年度収支補正予算について ② 平成27年度事業計画について ③ 平成27年度収支予算について その他 2、理事会の開催 2-1 第1回通常理事会 平成27年 5月27日 / 京都府亀岡市(当法人施設) 第1号議案 定時社員総会について 第2号議案 平成26度事業報告(案)について 第3号議案 平成26度収支補正予算報告(案)について 第4号議案 平成26度収支決算(案)について 第5号議案 平成27度事業計画(案)について 第6号議案 平成27度収支予算(案)について 第7号議案 会員の入退会について 2-2 第2回通常理事会 平成27年12月中旬頃 / 京都府亀岡市(当法人施設) 第1号議案 平成27年度事業報告について 第2号議案 創立70周年記念事業取り組みについて Page-2 3、機関誌「みづほ日本」の発行 3-1 発行回数 年度内4回発行(通巻823号∼826号) 発 行 号 発 行 日 2015(平成27)年の掲載ダイアリー 823号 夏 号 『山滴る』 毎年 4月15日 新 暦 4月 1日∼ 6月30日 824号 秋 号 『山粧う』 毎年 7月15日 新 暦 7月 1日∼ 9月31日 825号 冬 号 『山眠る』 毎年10月15日 新 暦 10月 826号 春 号 『山笑う』 毎年 新 暦 1月 1月15日 1日∼12月31日 1日∼ 3月31日 3-2 発行部数 1,900部(4回) 3-3 主な内容 農業技術指導・活動報告・時事・教養等の各記事、公示、通達、商品広告他 4、研修会等の開催 4-1 当法人主催によるもの 有機農業専門家による「初めての家庭菜園研修会(夏野菜編)」 第1回 平成27年 4月18日 / 亀岡市(人権福祉センター及び当法人の試験圃場) 第2回 平成27年 5月 9日 / 同 上 第3回 平成27年 6月13日 / 同 上 第4回 平成27年 7月11日 / 同 上 有機農業専門家による「初めての家庭菜園研修会(秋冬野菜編)」 平成27年 8月29日 / 亀岡市(人権福祉センター及び当法人の試験圃場) Page-3 5、農事部の活動 5-1 試験圃場(京都府亀岡市曽我部町)のさらなる耕作 京都府亀岡市曽我部町の試験圃場では、愛善酵素農法の真髄とも言える、木材屑醗酵堆肥の 製造と使用試験、各種醗酵肥料による栽培試験、天恵緑肥による潅水、各種酵素葉面散布資 材による栽培試験などを中心に、稲作栽培試験や、通年を通しての野菜栽培を行い、収穫さ れた野菜は大阪府北部グリーンキングや京都市内や亀岡市内のレストラン等へ販売し販路 を拡大したい。 5-2 現地農業技術指導、圃場視察及び農業体験希望者受入体制の強化 現地農業技術指導については、愛善酵素農法の底辺を広げる意味でも重要な意味合いを含ん でいます。今年度もさらにこの事業を拡大したい。圃場視察については、農事部員の技術向 上のため、関連する農業先進地を視察訪問したい。 さらに農業体験希望者の受け入れは、農業への理解を深め、将来の農業者を育てる意味から も大切な事業と位置付け、今年度も積極的に受け入れたい。 農業体験プログラム 第3期事業の実施期間:平成27年 4月1日∼平成28年 3月31日 参加資格: 農業に興味や関心のある方、将来農業を職業として考えているけれども経験がない方、農業の適正等を見 極めるための判断材料としたい方等(原則満年齢が20歳以上、性別・経験不問) 受入期間: 特に期間は定めない。1∼6週間(1週間当たり休日2日以内)での受入をする。 参加費他: 無料(ただし、食費・交通費は個人負担とし、農業体験プログラム期間中の宿泊は、当法人の指定施設の ため、その費用は発生しない。また、この農業体験プログラムは、あくまで農業体験を提供することを目的 としているため、賃金等は発生しない。) プログラム: 当法人の試験圃場において、当法人の農業セクションスタッフ指導のもと、畑作や稲作の農作業を体験 スケジュール: 通常(4月1日∼5月31日・10月1日∼翌年3月31日) 午前 8時30分∼午後5時【休憩】正午∼午後1時 夏期(6月1日∼9月30日) 午前 6時∼午前10時、午後3時30分∼午後7時 【休憩】午前10時∼午後3時30分 5-3 京都学園大学インターンシップ実習生の受け入れ 京都学園大学からの正式な要請により、平成21年度から始まった同大学のインターンシッ プ実習生の受け入れを、本事業年度においても継続して実施する。 5-4 定期農業セミナーの実施 平成24年度に増設した『岐阜東白川塾』は、一定の成果を見たので、本年度は定期的に現 地指導をするが、要請に基づき実施対応する。 Page-4 6、収益事業部の活動 6-1 アンテナショップ・自然派食品専門店『DOMO.』 農業用資材、自然健康食品・用品、酵素製材などの販売 有機肥料の普及販売 籾種ほかの斡旋販売 自家栽培野菜販売 関係図書、資料冊子などの販売 6-2 会員農業生産者の農産物仲介と試験圃場栽培農作物の販売 当法人は、会員減少による会費収入の減収、不安定な収益事業部の売上利益等により、大変厳 しい財務状況にある。これを打開するための具体的な対応策として、試験圃場で栽培された農 作物の積極的な販売に力を注ぎ、合わせて会員農業生産者の農産物仲介販売を積極的に展開す ることにより、収益増につながる新たな活路としたい。 6-3 出張販売、取引先訪問等 不安定な収益事業部の売上利益を改善するために、不安定な収益事業部の売り上げ利益を改善 するために、商品のラインナップを見直し、商品カタログの充実をはかり、平成23年度より 実施している出張販売の継続もするが、地方機関にドーモ商品を設置してもらう方向で勧めて いき、当法人の経営の安定化を図りたい。 又、地方での農業指導や研修会の開催時には農業資材の紹介を積極的に行いたい。 7、新規就農者支援事業(The ネクスト・アグリ・プログラム next agri program【Part1】) ネクスト・アグリ・プログラム 新規就農者支援事業(The next agri program【Part1】)は、第1期事業が平成23年度にスタ ートした。本事業年度は、第5期生の新規申請はなく、「農業体験プログラム」へ移行し積極 的に支援を行うこととする。 尚、第3期事業の受講生3名(神原哲士・杉本晴信・小山昇一)が、平成27年4月30日を もって、2年間にわたる所定の研修課程を修了し、この新規就農者支援事業を巣立って行くこ とになる。 受 講 生 ◎ 研修日程 4期生(3名) 氏 名 入 木 啓 至 (いりき 氏 名 岩 松 和 光 (いわまつ やすみつ) 氏 名 市 川 晋 平 (いちかわ しんぺい) ひろし) Step-1・体験研修 H26.04.01∼H26.04.30(研修終了) Step-2・基礎研修 H26.05.01∼H27.04.30(研修終了) Step-3・実践研修 H27.05.01∼H28.04.30(H27.6.17・現在進行中) Page-5 平成27年度行事予定表 平成 27(2015)年 期 日 行 事 4月 名 1 日 ∼ 平成 28(2016)年 称 場 3 月 31 日 所 備 考 有機農業専門家による 2015.04.18 土 「初めての家庭菜園研修会」 亀岡市人権福祉センター 初心者対象 (当法人の試験圃場) 夏野菜編【第1回】 2015.05.09 土 有機農業専門家による 「初めての家庭菜園研修会」 夏野菜編【第2回】 2015.05.27 水 土 当法人施設 通常理事会 1階広間 「初めての家庭菜園研修会」 夏野菜編【第3回】 2015.06.17 水 亀岡市人権福祉センター (当法人の試験圃場) 当法人施設 定時社員総会 初心者対象 (当法人の試験圃場) 第1回 有機農業専門家による 2015.06.13 亀岡市人権福祉センター 午前 10 時 00 分 午前 ∼ 12 時 00 分 初心者対象 午前 10 時 00 分 1階広間 ∼ 午前 12 時 00 分 亀岡市人権福祉センター 初心者対象 有機農法専門家による 2015.07.11 土 「初めての家庭菜園研修会」 (当法人の試験圃場) 夏野菜編【第4回】 有機農法専門家による 2015.08.29 土 「初めての家庭菜園研修会」 亀岡市人権福祉センター (当法人の試験圃場) 初心者対象 秋冬野菜編 2015.12 初旬 − 第2回 当法人施設 通常理事会 1階広間 Page-6 午前 10 時 00 分 ∼ 午前 12 時 00 分
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