P04-07 こども環境管理士資格試験の概要

こども環境管理士資格試験の概要
こども環境管理士とは?
豊かな感性を育むために大切なこと
● 保育所保育指針解説書
第1章 3-(3) 「保育の環境」より抜粋
・ 保育環境をいかに構成していくかが保育の質に関わる。
・ 子どもが思わず触りたくなるような、動かしてみたくなるような、関わりたく
なるような魅力ある環境を構成することが重要である。
● 幼稚園教育要領解説
第1章 第1節-2 「環境を通して行う教育」より抜粋
・ この時期(幼児期)にどのような環境下で生活し、その環境にどのように関
わったかが将来にわたる発達や人間としての生き方に重要な意味をもつ。
・ 自分から興味をもって環境に関わることにより様々な活動を展開し、充実
感や満足感を味わうという体験が重視されなければならない。
ない。
い。
いちばんの近道は?
●子どもたちが自然と触れ合うこと
子どもたちが自然と触れ合うこと
●自然と触れ合える環境を身近に確保すること
自然と触れ合える環境を身近に確保すること
『こども環境管理士』は、
子どもたちが目を輝かせて遊んでみたくなる
保育環境づくりのエキスパートです。
保育・幼児教育のあり方を示す、保育所保育指針と
しそれもまた自然の素晴らしいところ。規模の大小に
幼稚園教育要領。その解説書には、上に挙げたこと
かかわらず、いろいろな反応を返してくれる面白さが
が書かれています。それでは、これらを踏まえ適切な
あるのです。
保育・幼児教育を実践するには、どのようにすれば良
ところで、こんなに大切な環境づくりを実践できる
いのでしょう?答えは“自然と触れ合える環境を身近
保育者であることを証明するものは、これまでわが
に確保すること”です。
国にはありませんでした。そこで創設されたのが、こ
自然を相手にした遊びの中で、子どもたちの五感
の『こども環境管理士』の資格です。
は刺激され、豊かな感性が育まれます。さまざまな発
子どもたちが目を輝かせて遊んでみたくなる環境
見や工夫から創造性や独創性が芽生え、おともだち
が、保育所や幼稚園にあったなら…。そんな保育の
と協力することで自発性や社会性が身に付きます。 場づくりのエキスパートが今、求められています。
時には思いどおりにならないこともあるでしょう、しか
『こども環境管理士』の資格で、
大きな“自信”と保護者からの“信頼”を
得ることができます。
『こども環境管理士』の資格を通じて得られる最大
な保育で有名なドイツやオーストラリアでは、自然と
のものは、自然との触れ合いを通じた体験の場づく
触れ合える園は入園が順番待ちになるほどの大人
りや、自然に関する知識、考え方に関する“自信”です。 気です。
専門分野を持つことは“自信”という大きな力を得る
また、日本生態系協会からは各種の情報提供や、
ことになり、仕事に対するやりがいや人生における生
みなさんの強い味方『ビオトープ管理士』※の紹介な
きがいにもつながります。学生にとっては自己PRの助
ど、さまざまなかたちでサポートを行っていますので、
けにもなるでしょう。
安心して活動していただけます。
園にとってもそれは同じ。『こども環境管理士』がい
子どもたちは私たちの宝であり、美しいくにづくりの
ることで保護者は信頼を寄せることができ、自然と触
礎です。みなさんも『こども環境管理士』となって、子
れ合える園に子どもを任せることができます。先進的
どもたちの笑顔のために活躍してください。
※ 『ビオトープ管理士®』は、(公財)日本生態系協会の認証するもう一つの資格です。
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・「こども環境管理士資格試験」
は、
環境教育等促進法に基づき、
環境教
育の人材認定等事業に登録されています。
詳しくは環境省
「環境教育
の人材育成・人材認定等事業データベース」
のサイトをご覧ください。
http://www.env.go.jp/policy/edu/reg/
・「こども環境管理士®」
は、
(公財)日本生態系協会の登録商標です。
こども環境管理士の種類と認証
こども環境管理士の種類と受験資格
『こども環境管理士』は、難易度(期待される責
2級はどなたでも受験することができますが、1級
任の大きさ)により、1級と2級の2種類に分かれて
を受験するためには受験資格を満たしている必
います。
要があります。
こども環境管理士 Kids’Environmental
Facilitators
地域の自然を活かして保育環境の充実を図り、その振る舞いを通じて興味関心を高めるこ
とで、子どもたちの豊かな感性を育て主体的な活動を促すことができる、保育者や支援者
1級こども環境管理士 合格率 約82%
2級こども環境管理士 合格率 約51%
Senior Kids’Environmental Facilitators
Junior Kids’Environmental Facilitators
こども環境管理士としての意欲と専門的
な知識、創意工夫の考え方を有している
こども環境管理士としての意欲と基本的
な考え方が身に付いている
合格率は、平成26年度の試験における実績です。
合格率は
平成26年度の試験における実績です
1級の受験資格 実務経験の内容は「実務経験申告書(書式3)」にて申告していただきます。
下の①~⑥の条件のうちいずれか1つに該当することが必要です。
① 幼稚園教諭または保育士の資格を取得後、通算で満3年以上の実務の経験年数を有する。
② 2級こども環境管理士の資格を取得後、通算で満3年以上の実務の経験年数を有する。
③ 幼稚園の園長または副園長として、通算で満3年以上の実務の経験年数を有する。
④ 保育所の所長または副所長として、通算で満3年以上の実務の経験年数を有する。
⑤ 認定こども園の園長または副園長として、通算で満3年以上の実務の経験年数を有する。
⑥ ①~⑤に当てはまらない場合、通算で満5年以上の実務の経験年数を有する。
実務の経験年数における「実務」とは、「幼児教育や保育に関わる継続的
なもの」であることを前提に、広く以下のものを指します。なお、実務の内
容は『実務経験申告書』や小論文にて示していただくとともに、口述試験
ではそれらをもとに質疑がなされ、内容について深く確認されます。
・ 幼稚園教諭や保育士としての勤務・活動
・ 幼稚園・保育所・認定こども園の運営・庶務
・ 団体・企業における幼児教育・保育関係の継続的な業務
・ 市民団体における幼児教育・保育関係の継続的な活動
・ 幼稚園教諭・保育士の養成校における継続的な指導・研究
・ 研究機関における幼児教育・保育関係の継続的な指導・研究
・ 研究機関における幼児教育・保育関係の継続的な執務・指導
試験の実施と資格の認証を行う組織
筆記試験は、
験
年
年に1度同日に、一斉に実施されます。したがって、
1級と2級のうちどちらか1つを受験申込時に選択することにな
り、一度に両方の級を受験することはできません。また、出題内
容が異なるので、2級を1級の滑り止めにすることはできません。
こども環境管理士は、まず「こども環境管理士資
識経験者や専門家を中心に構成される試験管
格試験」により合否の判定がなされ、住民票によ
理委員会のもと試験問題が作成され、この『受験
る本人確認を経て、有資格者として認証され認証
の手引き』ほか各種の規則・規定に則り、日本生
書が発行されます。
態系協会が実施・運営します。
試験は、保育、幼児教育および環境に関する学
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試験の内容
試験の内容と時間
1級・2級とも、まず11月に実 施され る「筆記試
験」を受験します。内容は択一問題と小論文で、試
験の所要時間は2時間です。時間は同じですが、1
級と2級とでは出題内容が異なります。
さらに、筆記試験に合格した1級の受験者は、2
月に「口述試験」を受験します。
2級の場合は筆記試験のみで、口述試験は課さ
れません。
筆記試験 所要時間 2時間 (13:50までに着席、試験開始14:00~終了16:00)
試験開始後1時間を経過した時点(15:00)より、解答を終えた方は、
問題用紙と解答用紙を提出のうえ、退室することができます(再入
室はできません)。なお、試験終了時刻まで在席していた受験者は、
本人が使用したものに限り、問題用紙を持ち帰ることができます。
詳細は11ページ『試験に関する注意事項』をご覧ください。
択一問題
計35問
[科 目 1]
自然環境に関する基礎知識 …15問
・ 自然のしくみ
・ 私たちの生活や社会と自然とのつながり
・ 環境問題の原因や現況とその対策
・ 環境問題の解決に向けた社会の動向(法律や条約、時事問題)
[科 目 2]
自然体験・生活体験を充実させる環境づくり …20問
自然体験・生活体験を充実させる環境づくり
・ 環境の時代にふさわしい生活のあり方
・ 子どもが自然と触れ合うことの大切さ
・ 日常的な自然体験のための空間づくりに関する基本的な考え方
・ 身近な生きものに対する認識、自然の中の危険に対する認識
小論文
1問 子どもたちが自然と触れ合い自然を大切にする生活を送ることができるよう、
自身が今後とりくみたいことなど、こども環境管理士としての意思や信念、知
識を問う。(1級 800字 / 2級 400字)
口述試験 所要時間 約15分
筆記試験に合格した1級の受験者のみが対象。試験官との質疑応答(面接形
式)。こども環境管理士としての意思や信念、知識が適切かどうかをはかる。
式)。
も
も環境
平成26年度の試験において、筆記試験で合格した後に口述試験で不合
格になった1級の受験者は、再び1級を受験するにあたり、今年度に限り筆
記試験が免除され、課題のレポート提出と口述試験での試験となります。
詳細は9ページ「筆記試験合格者の再受験(1級のみ)」をご覧ください。
協会の公式サイトでは、『こども環境管理士資格試験 合格したい人のための
学習のポイント』のほか、参考となる書籍や資料を紹介しています。また、過去
問題は公式サイトの『エコネット会員のページ』でご覧いただけます。
※『学習のポイント』や過去問題のダウンロード、『エコネット会員』の登録は、無償です。
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出題形式とそれぞれの合格基準
択一問題
択一問題は、選択肢のなかから答えの番
号を1つ選び、対応する解答欄に答えるもの
です。出題数は、[試験科目1]自然環境に関
する基礎知識 が15問、[試験科目2]自然体
験・生活体験を充実させる環境づくり が20
問の、計35問です。
合格基準は、両科目とも正解が60%を超
えることとします。つまり、[試験科目1]で10
問以上、[試験科目2]で13問以上の正解が
必要です。
なお、対応しない解答欄に記入したものや、
欄外に記されたもの、2つ以上の番号を書
いたもの、番号以外の文字を書いたものは、
解答とは見なされません。
小論文
小論文は、主に受験者のこども環境管理士としての意
志や信念・知識を問うもので、1級・2級ともに課されます。
1級は800字以内、2級は400字以内で解答するものを
原則とします。設問により文字数が指示されているので、
解答の際にはそれに従ってください。
合格基準は「可」の評価を得ることで、こども環境管理
士として考え方や行動が適切な場合は「可」の評価で
合格となり、そうでない場合は「不可」と評価されます。白
紙やそれに近い解答は「不可」です。
なお、1級の場合は口述試験と関連しており、口述試
験では小論文で解答した内容についても質疑がなされ
ます。また1級には、疑問が残るものの評価を「保留」と
することがあり、この場合も口述試験にはかられ、合否
がより慎重に審議されます。
口述試験
1級こども環境管理士としての適性をはかるもので、筆記試験に合格した1
級の受験者のみに課されます。試験官と受験者との面接形式で行い、口頭
でなされるさまざまな質問に、受験者は口頭で答えます。合格基準は、質問
に対し、1級こども環境管理士に求められるレベルでもって適切、的確、明確
に答えられることです。口述試験は、筆記試験とは別日程で実施します。(3
ページ『スケジュール』をご覧ください)
会場や、試験開始時刻、集合時刻など詳細については、筆記試験の合格
者に、合格通知にてお知らせします。また、「 筆記試験合格者の再受験(1級
のみ)」の受験者に対しても、それと同じ時期に詳細をお知らせします。(9
ページをご覧ください)
・ 試験はすべて日本語で実施され
ます。受験者は国籍を問われませ
んが、日本語を理解し、日本語で
読み書きできる方に限ります。
・ 試験当日、事前、事後いずれにお
いても、試験問題の内容に関する
質問は原則受け付けません。
・ 提 出された書 類 や 解 答用 紙 は、
お返しすることはできません。
お返しすることはできません.
採点の手順と合否の判定
1級の場合は、まず筆記試験の択一問題を採点
し、[試験科目1]・[試験科目2]とも合格基準を満
たした方について小論文の内容を確認・評価しま
す。これらの合格基準を満たした方は筆記試験
での合格となり、別日程の口述試験に進みます。
口述試験により1級こども環境管理士として適切
であると認められた方が合格です。
2級の場合は、択一問題を採点し、[試験科目1]・
[試験科目2]とも合格基準を満たした方について
小論文の内容を確認・評価します。択一問題、小
論文とも合格基準を満たした方が合格です。
受験者本人の個人宛に送付される合否通知に
は、以上の手順に従って採点された得点・評価が、
採点された分だけ記載されます。
なお、合格後に住民票による本人確認を行い、
問題がなければこども環境管理士とて認証され、
有資格者であることを証明する認証書が発行さ
れます。そこで住民票が提出されなかったり、虚偽
の発覚などの問題があった場合は、最終的にこど
も環境管理士として認証されません(「こども環境
管理士」であると名乗ることはできません)。
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