中小企業の業況は、小幅な低下状況にある。

中小企業景況調査結果(平成27年1∼3月期)
中小企業の業況は、小幅な低下状況にある。
山口商工会議所では、
管内中小企業100社を対象に景況調査を実施し、
このほど平成27年1∼3月期実績と平成27年4∼6月期見通
しについての調査結果
(回答数84社、
回答率84%)
をとりまとめた。
本調査は、
3ヶ月毎に年4回行っている。
全業種のDI値に見る業況判断動向を前期と比較すると、
前期▲19%から▲28%とマイナス幅が9ポイント拡大し、
今期更に悪化した。
消費税増税後の回復が遅れているものと見られる。
業種別にみると、
製造業が▲21%から▲27%へと低下、
建設業が6%から▲45%へ
とマイナスに転じ大幅に低下した。熟練技術者や下請業者の確保難等人手不足が目立ち、新築・増築工事等民間需要の停滞が影響した
ものと見られる。
平成27年4∼6月期の見通しについては、
ゆるやかに回復の見通しだが、
建設業はさらに低下の見通しである。
経営上の問題点については、依然として製造業、建設業、小売業が
『需要の停滞』
を挙げており、今期も解消されていない。
サービス業
は、
顧客のニーズ変化への対応が問題点となっている。
また、
全業種ともに仕入れ単価もしくは、
原材料価格の上昇をあげる企業が多く見
られるようになり、
新たな経営上の問題点となっている。
◆ 業 況 D I 値( 今 期 の 状 況 )
業況判断 前回調査比
売 上
前回調査比 資金繰り 前回調査比 仕入単価 前回調査比 経常利益 前回調査比 従業員数 前回調査比
全
産
業
△28%
△29%
△14%
27%
△23%
△6%
製
造
業
△27%
△18%
△20%
45%
△18%
△10%
建
設
業
△45%
△64%
△27%
9%
△55%
△18%
小
売
業
△31%
△43%
△7%
17%
△31%
△3%
サ ービ ス 業
△17%
△7%
△11%
30%
△3%
0%
◆ 産 業 別 業 況 判 断 D(
I 前3期からの 推 移と来 期 見 通し)
30%
20%
10%
0%
△10%
△20%
△30%
△40%
△50%
△60%
H26.4∼6
H26.7∼9
H26.10∼12
◆ 新 規 設 備 投 資( 今 期 実 施・来 期 計 画 )
H26.1∼3(今期) H27.4∼6(来期)
25%
9%
8%
6%
△8%
△17%
△17%
△18%
△21%
△21%
△28%
△26%
△17%
△29%
実施した 14%
△22%
△24%
△27%
△31%
実施していない 86%
△50%
△45%
製造業
建設業
小売業
サービス業
◆ 全 産 業 D I 項目別 比 較( 前3期からの 推 移と来 期 見 通し)
売上
40%
30%
20%
10%
0%
-10%
-20%
-30%
-40%
【今期設備投資】
資金繰り
仕入単価
経常利益
従業員数
業況判断
-3%
-16% -28%
【来期設備投資計画】
32%
26%
-20% -29%
-9% -15%
-5%
26%
-13% -23%
22% 27%
-8%
-12% -14%
-21% -21%
-15%
-22%
H26.4∼6
-22% -23%
H26.7∼9
-3%
実施予定 16%
-5% -6%
H26.10∼12
実施しない 84%
-19%
-25%
-28%
H26.1∼3(今期)
H27.4∼6(来期)
◆経営上の問題点
製 造 業
建 設 業
小 売 業
サ−ビ ス 業
1位
需要の停滞
26.9%
民間需要の停滞
17.2%
需要の停滞
15.8%
新規参入業者の
増加
2位
原材料価格の
上昇
16.0%
下請業者の確保難
10.3%
購買力の
他地域への流出
14.5%
消費者ニーズの
変化への対応
13.5%
3位
取引条件の悪化
12.0%
官公需要の停滞
10.3%
消費者ニーズの
変化への対応
13.2%
需要の停滞
13.5%
14.9%
※DIとは、
ディフュージョン・インデックス
(景気動向指数)
の略で、
各調査項目についての増加(好転)企業割合から減少(悪化)企業割合を差し引いた値を示す。
20 Monthly Magazine 2015.6 月号
山口商工会議所月報