建設工事死亡災害根絶運動の要請

事調第336号
平成27年6月26日
一般社団法人
北海道農業建設協会会長
様
北海道農政部長
建設工事死亡災害根絶運動の要請について
このことについて、北海道経済部長より別添のとおり通知がありましたので、お知ら
せします。
農村振興局事業調整課
事業管理(事業契約)グループ
TEL
011-204-5799
雇 労 第 3 9 4 号
平成27年6月23日
総
務
部
長
農
政
部
長
建
設
部
長
様
水 産 林 務 部 長
総合振興局長・振興局長
経
済
部
長
建設工事死亡災害根絶運動の要請について
このことについて、別添のとおり平成27年6月17日付け北労基第0617第1号の
3により厚生労働省北海道労働局長から通知がありましたので、関係課、出先機関に周知
されるようお願いいたします。
連絡先
労働政策局雇用労政課就業環境グループ
電
内線26-470
話
別添
建設工事死亡災害根絶運動実施要綱
(取組期間
平成27年6月17日∼8月31日)
北海道労働局
北海道における建設業の労働災害発生状況を見ると、5月末現在の労働災害による死傷者
数は263人と対前年比23人(8.0%)減少しているものの、死亡災害は6月15日現
在速報値で11人と憂慮すべき事態となっています。
死亡災害については、①昨年同時期の5人の2倍を上回る人数であり、前の第11次労働
災害防止計画の初年度である平成20年以降でみると、同時期の死亡者数としては最大の人
数となっています。また、②発生時期でみると1月から3月の3人に対して、4月以降の2
ヶ月半で8人と急増し、年前半の各四半期の死亡者数としては同じく平成20年以降で既に
最大の人数となっています。
道内では年後半に、厳冬期を控えての工事の追い込み期(10月∼12月)を迎えること
などから、例年、死亡災害等の重篤災害が多発し死亡災害の3分の2近くが7月以降に発生
しています。
このため、年後半の死亡災害多発時期である工事追い込み期を控え、これ以上の建設業の
死亡重大災害発生に歯止めを掛けることを目的とし、
「建設工事死亡災害根絶運動」を展開す
ることとしました。
1
建設業労働災害防止協会北海道支部、北海道建設業協会等建設関係団体、北海道開発局
等建設工事発注機関への文書要請を行う(6月17日付けで要請)。
2
建設業労働災害防止協会北海道支部、各建設関係団体、各建設工事発注機関では、
「重点
とする項目」を中心に、取組期間中(平成27年6月17日∼8月31日)、安全大会、安
全研修会、安全パトロール等の実施に積極的に取り組む。
3
建設業労働災害防止協会北海道支部は、6月18日開催の北海道建設業労働災害防止大
会において、参加者に対して緊急の呼びかけを行う。
4
全道17の労働基準監督署(支署)による、監督指導、個別指導、集団指導等の各種安
全衛生対策の実施。
重点とする項目
1
墜落転落災害防止
高さ2メートル以上の箇所で作業を行う場合には、足場等の作業床を設置すること、作
業床の端に手すり等を設置すること、作業床の設置が困難な場合は安全帯を使用させるこ
と等の墜落転落防止措置を確実に行うこと。
なお、足場に関する改正労働安全衛生規則が平成27年7月1日から施行となることか
ら、改正された労働安全衛生規則、及び改正された「足場からの墜落・転落災害防止総合
対策推進要綱」に基づく対策を確実に行うこと。
参考:厚生労働省ホームページ
ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 雇用・労働 > 労働基準 > 安全・衛生 >
足場からの墜落防止対策を強化します∼平成 27 年7月1日から施行∼
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000081490.html
2
重機・移動式クレーン災害防止
車両系建設機械、移動式クレーン等の検査・点検整備及び安全な作業方法の徹底を図る
こと。
特に、①重機・移動式クレーンと作業者との接触災害防止(立入禁止措置、誘導者配置)、
②重機の転落災害防止(路肩表示、誘導者配置、シートベルト着用励行)、③移動式クレー
ンの荷の落下・挟まれ災害の防止(作業開始前の玉掛用具点検、吊り荷の下方の立入禁止
措置)に努めること。
3
火災災害防止
平成26年8月に枝幸町内の建設業寄宿舎火災で労働者5人が死亡していること、平成
27年4月に苫小牧市内の工場改修工事で溶接作業中の火災で労働者2人が死亡している
ことから、①建設業附属寄宿舎の火災災害防止、②建設現場における発泡プラスチック系
断熱材による火災災害防止、以上について徹底を図ること。
4
交通労働災害防止
①交通KY活動による安全意識の高揚、②交通ヒヤリマップ作成等による危険情報の共
有、③事業所と現場の車両移動時の運転者の疲労軽減への配慮等、事業所と工事現場の朝
夕往復時の交通労働災害防止に取り組むこと。
5
熱中症予防
熱中症予防のため、①WBGT 値(暑さ指数)による適正な作業環境管理、作業管理の実
施、②計画的な暑熱への順化期間(暑熱に慣れ、その環境に適応する期間)の設定、③自
覚症状の有無にかかわらない水分・塩分の積極的摂取、④熱中症の発症に影響を与えるお
それのある疾患(糖尿病等)を踏まえた健康管理、以上について取り組むこと。
建設業死亡災害一覧(北海道内、平成27年6月15日現在、労働者11人死亡)
北海道労働局
発 発
生 生
年 月
27
27
27
27
27
4
5
6
6
6
15時台
建
築
工
事
業
交
通
10
人 路事
未
故
満
道
11時台
土
木
工
事
業
30
人
以
上
49
人
18時台
建
築
工
事
業
11時台
災害の状況
物仮
・設
構物
築・
物建
等築
民
間
被災者は、屋根の雪下ろし作業中、高さ約6メートルの屋根の端部から墜落し死
亡したもの。2階建ての建物の屋根(勾配約20度)上において、スコップを用い雪
庇を除去する作業を行っていた。
動
力
運
搬
機
民
間
被災者はトンネル入口から50m付近をトラックを運転して走行中、対向車線には
み出し、対向してきたトラックと正面衝突し死亡したもの。同乗者3名も負傷した。
事故当時、トンネル内は一部アイスバーン状態であった。
物仮
・設
構物
築・
物建
等築
公
共
被災者は、護岸工事現場において、施工済みの護岸ブロックの上から、高さ3.
3m下のコンクリート地面に墜落し死亡したもの。
交
通
10
人 路事
未
故
満
道
動
力
運
搬
機
民
間
被災者は建設現場から会社事務所に戻る途中、高速道路にて車から降り車道
上に立っていたところ、後続車に激突され死亡したもの。
そ
の
他
の
建
設
業
10
人
以
上
29
人
溶
接
装
置
民
間
20時台
土
木
工
事
業
は
10
さ
人
込ま
以
まれ
上
れ ・
29
巻
人
き
建
設
用
等
機
械
公
共
被災者は、道路舗装工事において、路面切削機の作業開始前点検中、油圧ホースから
油漏れが確認されたため、ベルトコンベアー部分を垂直に立てた状態で、運転手2名で油
圧ホースの交換作業を行っていたところ、ベルトコンベアー部分が機体側へ倒れ、1名は
逃げたものの、被災者が機体との間に挟まれ被災したもの。
15時台
そ
の
他
の
建
設
業
30
人
以
上
49
人
墜
落
・
転
落
動
力
運
搬
機
民
間
被災者は、ダンプの荷台に廃材を積み込む作業において、荷台上で車両系建設
機械の誘導を行っていたところ、バランスを崩し約3.3m下の地面に墜落したも
の。
11時台
土
木
工
事
業
10
人
以
上
29
人
墜
落
・
転
落
公
共
橋梁工事で、エレクションガーダーの調整作業中、ガーダーが傾き反動で20m下の地
面に墜落したもの。(詳細は調査中)
2時台
建
築
工
事
業
10
人
以
上
29
人
飛
来
・
落
下
民
間
エレベーター撤去作業中に、電動ホイストで吊り上げたエレベーターの扉が落下し激突
したもの。(詳細は調査中)
10時台
土
木
工
事
業
調
査
中
墜
落
・
転
落
民
間
採石山の道付け作業中に、ブレーカーが法面から転落したもの。(詳細は調査
中)
墜
落
・
転
落
墜
落
・
転
落
火
災
建
築
物
・
構
築
物
そ
の
レ他
の
ン動
力
ク
ー
27
4
10
人
以
上
29
人
発
注
者
︵
27
4
15時台
土
木
工
事
業
起
因
物
︶
27
3
規
事
型故
模
の
︵
27
1
業
種
︶
27
1
時
刻
建
設
用
等
機
械
被災者は工場の冷却設備の取替え工事のため、アセチレンガス溶接による配管の接続
作業を行っていたところ、工場が火災となり同作業に従事していた4名が死亡したもの。出
火当時、工場は休業していた。
※死亡した4名のうち、2名については詳細を調査中であるため、人数を計上していない。
建設業の死亡者数(北海道、1月1日∼6月15日)
1月∼3月
4月∼6月15日
12
11名
10名
10
死亡者数
8
9名
7名
2
8名
3
8名
2
6
2
0
4
4名
4
2
8
7
7
1
5
5名
1
6
3
4
4
3
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
平成27年
4月∼6月15日
2
2
3
1
2
4
1
8
1月∼3月
5
7
7
3
6
4
4
3
建設業の月別死亡者数(北海道、平成26年と平成27年)
26年
27年(6月15日現在)
6
5
月別死亡者数
4
3
2
1
0
1月
26年
1
27年(6月15日現在) 2
2月
3
0
3月
0
1
4月
0
4
5月
1
1
6月
1
3
7月
2
8月
4
9月
4
10月 11月 12月
1
5
0
建設業の月別累計死亡者数(北海道、平成26年と平成27年)
26年累計
27年累計(6月15日現在)
25
月別累計死亡者数
20
15
10
5
0
1月
26年累計
1
27年累計(6月15日現在) 2
2月
4
2
3月
4
3
4月
4
7
5月
5
8
6月
6
11
7月
8
8月
12
9月 10月 11月 12月
16
17
22
22
平成27年建設業死亡災害11件
事故の型別(6月15日現在)
平成26年建設業死亡災害22件
事故の型別
おぼれ
1
4.5%
飛来落下
1
4.5%
有害物との接触
1
4.5%
墜落転落
5
22.7%
はさまれ巻き込
まれ
2
9.1%
はさまれ巻き込
まれ
1
9.1%
飛来落下
1
9.1%
墜落転落
5
45.5%
激突され
2
9.1%
火災
2
18.2%
火災
3
13.6%
崩壊倒壊
3
13.6%
交通事故(道路)
4
18.2%
交通事故(道路)
2
18.2%
平成26年建設業死傷災害
1年間1017件 事故の型別
激突
4.4%
崩壊倒壊
2.9%
動作の反動・無
理な動作
1.9%
その他
2.8%
激突され
4.6%
激突され
4.7%
動作の反動・無
理な動作
5.2%
墜落転落
33.5%
平成27年建設業死傷災害
5月末263件 事故の型別
崩壊倒壊
3.4%
その他
2.7%
激突
6.1%
墜落転落
31.6%
切れこすれ
6.8%
交通事故(道
路)
6.0%
交通事故(道
路)
7.6%
飛来落下
8.2%
転倒
11.9%
切れこすれ
9.8%
転倒
16.3%
飛来落下
7.6%
はさまれ巻き込
まれ
10.5%
はさまれ巻き込
まれ
11.4%
建設工事死亡災害根絶運動実施要綱
(取組期間 平成27年6月17日∼8月31日)
厚生労働省北海道労働局
趣
旨
北海道における建設業の労働災害発生状況を見ると、5月末現在の労働災害による死傷者数は263人と対前年比23
人(8.0%)減少しているものの、死亡災害は6月15日現在速報値で11人と憂慮すべき事態となっています。
死亡災害については、①昨年同時期の5人の2倍を上回る人数であり、前の第11次労働災害防止計画の初年度である
平成20年以降でみると、同時期の死亡者数としては最大の人数となっています。また、②発生時期でみると1月から3
月の3人に対して、4月以降の2ヶ月半で8人と急増し、年前半の各四半期の死亡者数としては同じく平成20年以降で
既に最大の人数となっています。
道内では年後半に、厳冬期を控えての工事の追い込み期(10月∼12月)を迎えることなどから、例年、死亡災害等
の重篤災害が多発し死亡災害の3分の2近くが7月以降に発生しています。
このため、年後半の死亡災害多発時期である工事追い込み期を控え、これ以上の建設業の死亡重大災害発生に歯止めを
掛けることを目的とし、
「建設工事死亡災害根絶運動」を展開することとしました。
1 建設業労働災害防止協会北海道支部、北海道建設業協会等建設関係団体、北海道開発局等建設工事発注機関への文書
要請を行う(6月17日付けで要請)
。
2 建設業労働災害防止協会北海道支部、各建設関係団体、各建設工事発注機関では、
「重点とする項目」を中心に、取組
期間中(平成27年6月17日∼8月31日)
、安全大会、安全研修会、安全パトロール等の実施に積極的に取り組む。
3 建設業労働災害防止協会北海道支部は、6月18日開催の北海道建設業労働災害防止大会において、参加者に対して
緊急の呼びかけを行う。
4 全道17の労働基準監督署(支署)による、監督指導、個別指導、集団指導等の各種安全衛生対策の実施。
重点とする項目
1 墜落転落災害防止
高さ2メートル以上の箇所で作業を行う場合には、足場等の作業床を設置すること、作業床の端に手すり等を設置す
ること、作業床の設置が困難な場合は安全帯を使用させること等の墜落転落防止措置を確実に行うこと。
なお、足場に関する改正労働安全衛生規則が平成27年7月1日から施行となることから、改正された労働安全衛生
規則、及び改正された「足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱」に基づく対策を確実に行うこと。
参考:厚生労働省ホームページ
ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 雇用・労働 > 労働基準 > 安全・衛生 >
足場からの墜落防止対策を強化します∼平成 27 年7月1日から施行∼
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000081490.html
2 重機・移動式クレーン災害防止
車両系建設機械、移動式クレーン等の検査・点検整備及び安全な作業方法の徹底を図ること。
特に、①重機・移動式クレーンと作業者との接触災害防止(立入禁止措置、誘導者配置)
、②重機の転落災害防止(路
肩表示、誘導者配置、シートベルト着用励行)
、③移動式クレーンの荷の落下・挟まれ災害の防止(作業開始前の玉掛用
具点検、吊り荷の下方の立入禁止措置)に努めること。
3 火災災害防止
平成26年8月に枝幸町内の建設業寄宿舎火災で労働者5人が死亡していること、平成27年4月に苫小牧市内の工
場改修工事で溶接作業中の火災で労働者2人が死亡していることから、①建設業附属寄宿舎の火災災害防止、②建設現
場における発泡プラスチック系断熱材による火災災害防止、以上について徹底を図ること。
4 交通労働災害防止
①交通KY活動による安全意識の高揚、②交通ヒヤリマップ作成等による危険情報の共有、③事業所と現場の車両移
動時の運転者の疲労軽減への配慮等、事業所と工事現場の朝夕往復時の交通労働災害防止に取り組むこと。
5 熱中症予防
熱中症予防のため、①WBGT 値(暑さ指数)による適正な作業環境管理、作業管理の実施、②計画的な暑熱への順化
期間(暑熱に慣れ、その環境に適応する期間)の設定、③自覚症状の有無にかかわらない水分・塩分の積極的摂取、④
熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患(糖尿病等)を踏まえた健康管理、以上について取り組むこと。
建設工事の死亡災害が急増しています!!
(
「建設工事死亡災害根絶運動」 平成27年6月17日∼8月31日)
○北海道内の建設業の労働災害発生状況は、5月末現在で、死亡8人(昨年
同期比3人増、60%増)
、死傷者数263人(同23人減、8.0%減)で
した。
○しかし、6月に入り、4日には橋梁建設工事現場で4人が被災し1人が墜
落で死亡、11日にはエレベーター撤去作業中にホイストで吊り上げた扉が
落下して激突された作業員1人が死亡、12日には採石山の道付け作業中に
ブレーカーが法面から転落してオペレーター1人が死亡しており、半月の間
に3人の尊い人命が失われています。
○昨年は年間で22人が建設業で亡くなられていますが、今年は4月1日か
ら6月15日迄の2ヶ月半での8人が亡くなられており、このまま推移しま
すと、死亡災害が多発する工事追い込み期(10月∼12月)を控え、今年
の死亡災害が大幅に急増するおそれがあります。
○このため、厚生労働省北海道労働局では、6月17日から8月31日を取
組期間として、
「建設工事死亡災害根絶運動」
(詳細は裏面)を展開すること
となりました。
建設工事関係者の皆様はもちろん、建設関係団体、工事発注機関におかれ
ましては、これ以上の尊い人命が失われないよう、建設工事の死亡災害の根
絶に取り組んで戴きたいと思います。
平成27年6月17日 厚生労働省北海道労働局
厚生労働省北海道労働局・労働基準監督署(支署)