1997年夏号 - 一般財団法人住総研

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ISSN.0916-06~月 ふ
記総合研究財団
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通巻第刊号 ) 一九九 七年六月 一五日発行。
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附夏 号
特集 住
H まいの明日をみる
,目次
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モロ yコ南部、渓谷沿いのオアンスの 世情状の住居 日叫部は口 字型の平而で・ドゥアヤと呼ばれる光睦は、快適な空間をつくる巧妙主社掛はで
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風啓 光庭舎もつ-不グレムト内初一掃併住居藤井明べ :
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共有する時間と空間の構築る模索しながら・
松川淳子 ::
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まち 学習からまちづくふまで剛一時的 廷は一の小津紀美子 ::お
生活者主体の住まいヲくみ 活 要 増 牛 山 美 緒 認
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工業化住宅における
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ソフト技術開発のあゆみ入漂教子
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私のすまいろん v自然と住まいお路間位以神りお暮らし 木原ゆり子・・・・ ・
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住 総 研シンポジウム ︽快適な住宅は省 エネ的か 、省工系住宅は健康的か ︾ヘ向 け て、
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論文七回同断熱・高気 密住宅の健康性と省エネルギー控 '吉 野 博 埠 ・
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32だより﹀ 誌 の 世 話 同 ⑤ 住 環 境 の 本 鈴 木 毅
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編集後記h
すまい再発見 ﹀
琉球の民家軒目指幼時相科たち安藤邦贋・ ::侃
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お知らせ :::倒
次号予告 ・
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住まいの明日をみる :: 6
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ーー 生活者、住まい手 、
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てり手などの視点から
﹂ 編集長)
小谷部育子(日 本女子大学教授)
/ 大久保恭子(﹁週刊住宅 情報
工藤和美(シ l-フカンス 代表 取締役)/司会H園 団 長 理 子 (明治太学専任 講師)
4
1・
/ひろば :・ 位
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財
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モロッコ南部の山岳地帯に降った隠は、渓谷沿いに南下し、やが
てサハラ砂漠に吸い込まれる。ワルザザlトからザゴラに至るドラ
ア渓谷もそうした水の道で、谷に沿ってナツメヤシのオアシスが続
いている。タンシクトは谷の半ばの要衝の地で、小高い氏の上に荘
四層の立派な建物であるが、今は四人が住んでいるにすぎない。
厳なティグレムトが盤、えている。四隅にボルジユ(物見塔)をもっ
ティグレムトの外壁は、ピゼ(土と砂利を水で担ねたものを型枠
に流し込んで突き閉めたもの)でつくられ、間段階のボルジュとパラ
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グレムトの内書1
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0 'i l~とにドゥアヤ(光民主)をもっ。
下左/弘吉 1
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い、年霊祭。 Tギゴ/太い柱の立つ H待
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ベットは鋸壌になっている。時には強い雨が降るのであろうか、外
壁の項部に沿って薄板が差し込まれ、軒が巡らされている。
一アィグレムトの内部は、一階が倉庫と家畜小躍で、狭い聞いの中
に沢山の羊がいる。二階は居間・寝室で、一一一階は厨一房・倉庫になっ
ているが、全ての部躍は中央のドゥアヤ(光庭)に向かって関口を
いが、ドゥアヤの四胞の問時には内壁に反射した柔らかな光が満ち
もっ。各部麗は細長い形で、外壁に小さな明り取りの窓しか持たな
ている。ドゥアヤは外界に対して極めて関鎖的なティグレムトにあ
って、内部に光と風を取り込む孔で、これなくしてロ字型のティグ
レムトは成立し得ない。
ドゥアヤの一階は大く竪悶な八本の角柱が立ち、土問の中央には
水抜きの孔がある。二階は優雅な曲繰を描くアlチ状の壁になり、
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ドゥアヤ(光経)を!羽む2i'苦の悶廊。
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平面図
ここからは蒼い空が望める。一一一階は少しセットパックしているが、
これは下層のドゥアヤに少しでも多くの光を取り込むための工夫で
ある。一一一階の間蹄は夜桜外気に接する空間で、果実を干したり、日
陰では麗外の作業が行なわれている。ドゥアヤの内壁は日乾し嫌瓦
で幾何学的な装飾がなされ、強い日差しを受けて、深い陰影を浮か
び上がらせている。ドゥアヤは陽の光の中にあって、陰の光に満ち
た快速な空関を創り出す巧妙な仕組みである。
(ふじい・あきら/東京大学生産技術研究所教授﹀
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世 紀 末 特 有 の こ と な の か も し れ な い が 、 二O佐紀の終わりにあたるこのこO年ほ
︿高齢﹀、︿少子﹀、︿間際﹀、︿情報﹀、︿文化﹀等々、いまや手垢にまみれた感
どの聞にも、次の世紀の社会を上口、ったくさんのことばが生み出された。
のあるものが多いとはいえ、いずれも、明日の住まいや住環境のあり方を考える上
で、大切な視点を提供するものばかりである。しかし、仰といっても、身のまわり
に実感として把えられる現象であるということ、社会のしくみを支えている多領域
にわたって影響を及ぽし、多方向から検討されていること、専門家の間ばかりでな
く広範に問題の認識が広がったこと、などの点で、︿高齢﹀ということばほどポピ
ュラーになったものはないのではないかと忠われる。明日の住まいを考える上では、
もはや前提といってよいほどの位叩肢を占めている。
それにもかかわらず、私たち、つまり、住まいや住環境をつくることを仕事とし
ている人間が、︿明日の住まいilll高齢社会の住まい﹀像を鮮やかに描き出せてい
るかということになると、かなりの疑問がある。
oi四OUほどの一人用の住一戸を集めた公営集
日々の設計や計画活動の中で、水まわりに手摺をつけたり、レベル差のある二つ
の平面をスロープでつないだり、一一一
合住宅に団らん室と呼ばれる集会室のような場所をつくったりしながら、何か本質
に近づけていないような、焦りと違和感に苛立っているのが少数派であるとはい、え
ないだろう。
︿高齢﹀という視点から、明日の住まいのイメージが描きにくいわけは、 日本の
高齢化の特徴に見合って、主として以下の点にあると思われる。
第一は、高齢化の急速な進展が、住まいや住環境が長い生命を持つものであると
鳳瞥
喝しな、ザり明日の住まいを考える
て模索するのも容易なことではない。
齢対応として一律につくられる基準やガイドラインとの関で、明日の住まいを求め
自然環境、社会環境ともに異なる地域がそれぞれ積み重ねてきた時・空間と、高
な課題が生まれている。
人口の受け皿であった多くの集合住宅の住民の高齢化に伴う環境整備という、大き
部でのお齢化率は急速にポイント数をあげていて、ここではかつて流入する労働力
九O年時点で二倍程度まで開きがあった。一一000年 を 明 日 に 控 え て 、 大 都 市 周 辺
した地域と、それを受け入れた大都市周辺地域では、高齢化率のポイント数は一九
差が激しいことである。高度経済成長の時代に大都市に向けて若い労働力を送り出
第二の理由は、高齢化の状況の地域差に加え、住まいや住環境のストックに地域
移
ていく作業が不可欠なのである。
を積み重ねて冷静に評価し、また個別事例へ反映させていくという回路を確立させ
手摺の位置や形態、ドアの開き方など、こまごました事項についてさえ、個別事例
に 幅 を き か せ る 現 状 に あ っ て 、 明 白 の 住 ま い を イ メi ジすることは不可能に近い。
ィ ﹀ や 、 床 に レ ベ ル 義 が な け れ ば よ い と い う だ け の ︿ バ リ ア フ リlv がわがもの顔
れば、偶有の活動や求心力を失い、単に地域的広がりだけとなった︿コミュニテ
を増やすこと﹀を急ぐ、急がされることが私たちの日常になってしまっているとす
り﹀を許していないようにみえる。︿何はともあれ、高齢者用と銘打つ住まいの数
て、検討したり、成功や失敗の成果を蓄積したり、それを伝えあったりする︿ゆと
で、高齢社会によりよく住みあうための環境整備にかかわるさまざまの試みについ
い﹀といわれるスピードで上昇した臼本の高齢化率は、︿対応﹀するだけでも困難
いう本質をどこかへ押しやってしまっている点である。︿先進諮問にも例を見な
者
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な生活が想定されている。自然の豊かさに恵まれた悠々自適の生活が展開できる独
護を専用の施設だけが受け持っていたのでは間に合わない実情と、なるべく住み慣
事や楽しみゃ学ぴ、ときには仕事のための空間を友人たちと共有する住まいは、日
への社会的サービスを充実させつつ友人や仲間と住みあおうとするものである。食
もうひとつのイメージは、都市的環境に建つ集合住宅を想定して、高齢期の生活
立住宅が追求されているが、問時に自分自身の活動も展開し易く、友人との交流に
れた環境で住み続けたいとする高齢者側からの要議は、住まいや住環境が、介護さ
本でも少しずつ事例が出はじめているが、この報告書でも一一一O歳 代 の 女 性 た ち に 支
も便利な都心に立地することを重視して、独立住宅にはこだわらないものも多い。
れる人ぴとにとってばかりでなく、介護する人、その周辺の人ぴとにとってもふさ
介護を必要とする可能性の高い七五歳以上の宮同齢者の数が増、えていることも、明
わしいものであることを要求している。その一方では、平均寿命の仲ぴとともに
援されているという点からは、明日の住まいとして決して非現実的であるとはいえ
日の住まいや住環境の姿を複雑にする第三の原因と考、えてよいだろう。高齢者の介
︿高齢者﹀のイメージも大きく変わっていることもある。少なくとも、意識の面か
地域との境界を外し、地域の人間との交流の場を住まいの中に設けようとするもの、
。
、
住 環 境 が メ イ ン テi マとして出ているイメージにも注目しておきたい。住まいと
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て、統計上の定義よりは五歳ほど高い七O歳 く ら い を 示 す 人 が 多 く な っ て い る 。 元
世界の友人たちを訪ねて旅をしながら、仕事を手伝って街を借りたり、繰の木陰で
らは、︿十回向齢者という定義にふさわしいと思う年齢﹀は少しずつ高くなってきてい
面からは、生物学的限界をカバーする意識を高める住まいと住環境もまた、要求さ
るものなど。自立した自由な行動を支える美しい街そのものが明日の住まいとなっ
休息したり、いざというときはそれぞれの街にある筈の避難所に転がりこもうとす
気に街を歩き、社会に参加する高齢者が増えても決して不思議ではない。そういう
定しつづけてきたその役割を、一時ぴ見直し、まるごとの人生に向きあわなければな
れ て い る の で あ る 。 伎 ま い も 住 環 境 も 、 よ か れ 悪 し か れ 、 戦 後 五O年 に わ た っ て 限
はなく、もしかしたら、ほんの少しの障壁を乗り越えることによって予に入る、住
このようにみてくると、︿明日﹀に夢みられているのは、何か︿特別のこと﹀で
ている。
高齢社会の住まいや住環境のイメージを描くという作業にまともに向きあった例
らない時期にきているとも思えるのである。
のひとつとして、ここでは、筆者も加わったものではあるが、制東京建築士会女性
みあう、集いあうための時・空間であるかもしれないという気がしてくる。
も 時 ・ 空 間 を 共 有 で き る 住 環 境 ││l︿共有する﹀ことへの強いイメージが、逆に、
友人や仲間と支えあい援けあう空間を共有できる住まい、触れあう未知の人ぴとと
多佐代の人ぴとが住みあうことによって過去や未来の時間を共有できる住まい、
建築士委員会が一九九三年五月に公にした報告書﹁高齢化時代の住まいを考える
の中の勉強会、バリアフリ!部会を中心として、住宅施策の分析、施設見学、住み
iiiあ な た に と っ て ﹃ 終 の す み か ﹄ と は ﹂ を 紹 介 し て お き た い 。 こ れ は 、 問 委 員 会
手へのインタビュ i、 自 分 た ち の 設 計 し た 高 齢 者 の た め の 住 宅 な ど の 成 果 を ま と め
それが危機に瀕している状況を浮き彫りにしているともいえよう。
︿殺と、どこで、どのように住むか﹀というイメージを文章や絵で表現してもらっ
たものであるが、最終章に、全国の女性建築士八一人に対して、高齢期になったら
りなく重い課題を私たちに残している。計画や設計の上では、動線以外にはひとか
阪神・淡路大震災のあとに建設された仮設住宅は、明日の住まいを考える上で限
八一人の女性建築士が、近未来である自らの高齢期を想定して描いたものである
けらの共有空間も考えられていないにもかかわらず、不整形な敷地とハコ型の住宅
た結果をおさめている。
から、結果は多様であり、単純に分類できるようなものではないが、明日の住まいや
しれない。(まっかわ・じゅんこ/鮒生活構造研究所代表取締役)
明日の住まいをつくるために、計画者や設計者は役に立たなくなっているのかも
持ち出された古椅子を並べて屋外応接照のような空間さえ出現した。
との関にできるささやかなすきまには、花の鉢が並び、子どもが遊び、どこからか
多かったのは、住み慣れた地域に家族を中心としてそれまでの人生で築いてきた
住環境につながるイメージが比較的強く山山ているものをいくつかとり出してみたい。
人間関係を大切にしながら生活する、多世代同局型の住まいのイメージである。子
どもや孫の生活を支援しながら地域活動、文化・スポーツ活動にカを入れる模範的
集まって住むかたち
スウェーテ、ンのコレクティブ八
ウジングの例 ストソクホルムの「ブェルドクネッベン」。
も
li生活者、住まい手、 つくり手などの視点から
明住
日
写察 -2 私らしい気持ちのよい住戸。
菌呂田県理子
はじめに
このミニシンポジウムでは、生活者、住まい手、っくり手など、さまぶまな視点か
ら、いったい住まいの明日がどうなるのかについて忌憾なく論じ合ってみようという
﹁住まいの明日をみる﹂という大変大きなテーマですが、マクロの状況からいえ
ことで、一一一人の先生をお迎えしています。
ば、よくいわれているように、まず高齢化の問題:::特に老人が増える、そして老人
の発言に多いように田山、つんですが、﹁やっぱり子供はたく点、んいたほ、つがいい﹂とい
介護の問題などがあります。その背景に少子化という問題があって、特に男性側から
う、ちょっとドキツとする発言があったり、女性の側から、﹁ほんとに子供を生み育
のか。一方、もっと大きなところを考えますと、経済状況は、バブル崩壊以降元気が
てられる潔境がいまあるのか﹂という問問題提起があり、そのへんがいったいどうなる
の社会進出や情報化などの大きな波が起きている。そういうようなことと、住む場
ない状況がもう数年続いています。かたや、﹁働く﹂とか産業といった点では、女性
ところが、では個人の生活はどうなのかというと、みんなそれぞれの事情はありな
所、住まいのあり方、生活といったことがどう切り結んでいくのか。
がらも、それなりの安定は見つけている。たとえば年老いた続を抱えていたり、小さ
が、子供のいない人たちもかなり増えている。いろいろな問題がありそうだとはいい
な 子 供 が い た り 、 あ る い は 私 の よ う に 、 。 I N K Sな ど と い え ば か っ こ は い い で す
ながら、しかし、それぞれに自介の生活がそこそこ成り立つような小さな幸せをみつ
けて、みんなそういう意味でつじつまが合っているようなところがある。でも、差し
はないかと思います。
当たって仰をしたらよいのかわからないという、そういう一種殴昧な状況にあるので
そういうなかで住まいの明臼を考えてみようということで、しかも、女性たちから
視点を出してほしいという婆望があり、本白のメンバーは全員女性ということになり
せんが、でも、私たちだから何かいえることがあるのではないかということで、お集
ました。個人的には、女性だからということで何か特別なことがあるとは怠っていま
まりいただいたわけです。
まず日ごろのお仕事などを通してお考えのことを、順にお話しいただき、さらに会
場にお見えの方々のご意見も交えて、議論を深めたいと患います。
大久保恭子
小谷部育子
おおくぽ・きょうこ
﹂やべ・いくこ
くどう・かずみ
リクルート﹁週刊住宅情報﹂編集長
工藤和美
シ
i 一フカンス代表取締役
そのだ・まりこ
自立家族の家一一大阪ガス NEXγ21
の住戸3
日
3
可 会1
圏田員理子
一九九七年一一一月一九日に当財閉で開催いたしましたミニシンポジウムをまとめたものです。
明治大学工学部建築学科専任講師
明﹄の記背中は、
設計/シーラカンス
写察
4つの偶釜を立左手J
Iして、社会とファミリールーム
のFrlJに配澄している。
コレクティブ八ウジング
集まって住むかたち
111
小谷部育子
きょうはコレクティブハウジングという、私たちにとってはまだ目新しい
住まい方とその住まいのかたちについて、皆さんと一緒に考えてみたいと患
っております。まず最初に、私なりのコレクティブハウジングの解釈をお話
しし、それからヨーロッパ、特にスウェーデン、デンマーク、オランダなど
で展開している事例をご紹介します。そのうえで日本での取り組み、私たち
が ど こ で だ れ と ど う 住 む か と い う テi マ に 対 し て 、 生 活 者 の 視 点 で 、 そ れ か
つけていきたいと思っています。
らまた専門家としてどうこの間題にかかわっていくか、さまざまな課題をみ
コレクティブ八ウジングとは
コレクティブハウジングというのは文字どおり﹁集まって住む﹂かたちで
すが、私は﹁共生型集住﹂といってみたらどうかと思っています。これは私
自身都市生活者の一人として次のように思うからです。まず、一人で、ある
いはこ入で子供を育て、仕事をし、そしてそこで老いていく、かっ、最終的
には自己実現を目指したいと思っている都市生活者にとって、やはり一人で
は、それらのことを本当の意味で満足するかたちでは、実現できないのでは
ないかということ。
自分が自分らしくありたい、そういう環境をつくるには、いまのこの時代
には、形市的に、あるいは時間的な流れ、現実の都市環境のなかで、さまざ
まな人と人、あるいは人と自然とのいい関係をつくっていかざるを得ない。
そういう自分らしくありたいための関係づくりは、実はだれも準備してくれ
ないわけで、自分自身でつくらなくてはなりません。そういうことを考えた
ときに、自分では充足できないさまざまなライフステージの諸課題を、隣人
と多少子をつなぐことによって、より自由で、自分らしく、そして安心して、
といってみているわけです。
それで楽しみもある、そういう住まい方ができるのではないか。そういう意
味で、﹁共生型集住
L
具体的に、コレクティブハウジングというのは、集まって住む住まい方の
O
ス や 設 備 が 備 わ っ て い る 住 ま い の か た ち な ん だ と い え る と 思 い ま す ( 写 真i
l、 2、 4、 5)。
こ の よ う な 住 宅 はス、
ンデマ
ーク、オランダあたりでは二
ウデ
ェー
ン、
どういう入がどういうところで伺を目的に集まるのかによって、生活のどの
世 紀 初 頭 か ら の 歴 史 が あ る と は い え 、 現 代 的 な か た ち で は 、 一 九 七0年代の
部分を協働化するかが変わってきます。ですから、その展開のしかたは、国
かたちであり、またそういう住まい方を実現する舞台としての物理的なかた
住まい方としては、倒人の自由とか自立を前提にしつつ、たとえば食事と
によってだけではなくて、プロジェクトごとにそれぞれユニークなかたちが
後半から、公的な支援のもとに積極的につくられるようになってきました。
か保育などの日常的な生活、あるいは環境の維持管理などの一部を協働化し、
あるわけです。
ちです。
より自由で合理的な安心のできる住環境づくりに、居住者みずからが参加す
コレクティブハウジングは食事運営が特徴的
スウェーデンのコレクティブハウジング研究の第一人者であるヴェストブ
住まいのかたちとしては、独立完備した私的住一どをもちながら、その住一戸
る。ですから、どちらかというと、結果よりも生活のプロセスを重視します。
の延長として豊かな共有スペースii1大 き な キ ッ チ ン の あ る ダ イ ニ ン グ と か
111
な
口 氏 に よ る と 、 コ レ ク テ ィ ブ ハ ウ ジ ン グ と は 、 第 一 に 食 事 運 営 に 関 す る!ii
食事というところが、私たちにまた大きな課題と興味があるんですが
リビング、洗濯室、ゲストル i ム、十代の子供たちが自由な活動ができるス
111
をもちます。どういう人たちとどういう生
んらかの取り決めがあること。そして第二に住棟内での緊密なコミュニケー
ペース、趣味のスペースなど
活を共有するかということで、さまざまな物理的共有スペースが必要になっ
L
が特徴的です。みんなが働いたり、忙
そして現実は、共働きの子育て中の若い夫婦とか、あるいはシングルマザ
グの核、コレクティブリビングの心臓部だと、彼らは表現しています。
りますが、特にスウェ i デ ン 、 基 本 的 に ヨ ー ロ ッ パ の コ レ ク テ ィ ブ ハ ウ ジ ン
事運営をなんらかのかたちで協働化しているという占めたりが、程度の差はあ
テーションで協働化する例が多いわけです。住んでいる人たちが主体的に食
しくしているウイークデーの何日か、あるいは月曜日から金曜日までをロー
特 に 食 事[ii日 常 レ ベ ル の ﹁ 共 食
に、私的な住戸が充実していること。そういう四つを条件にしています。
くて、子供から高齢者まで、すべての人に開かれているということ。四番目
り者とか、一人住まいの女性とか、そういう限られた社会層への住宅ではな
と。一二番目として、特別な人たち、たとえば高齢者とか子供をもっている独
そのグループで使えるスペースがあり、緊密なコミュニケーションがあるこ
はなく、住棟内に、各住戸の延長として自分たちなりに、個人で、あるいは
ションがあることlii一つの集住のなかに、単に集会室があるとかいうので
刈者コーナーでくつろぐひと 1。
寺
写真一 5 コモンリビングの l
てくるわけです。コレクティフハウジングとは、そういう豊かな共有スペ l
写奥 -4 コレクティブハウジングJfjにf)日発されたアイラン
ド型キッチンユニット。
ということで、そういうコミュニティのスケールとしてまあまあ定着してき
あるいは人間関係としても程良い距離をもちながら、一人一人の顔がみえる
の程度のコレクティブワi クが効果的にそのコミュニティづくりに役立つ。
モデルが主流になっていきます。戸数はだいたいこO 戸1四O 戸ぐらい。そ
か。また、いけるのか。それにどう移行できるのかが、これからの最大の課
いかに本来の趣旨どおりに居住者サイドが主体になってつくりあげていくの
状況のなかで供給されてくるコレクティブハウジングという名の箱ものを、
結果だろうと思います。しかし、なにせ量的な供給を緊急に求められている
をもった住宅の供給がこれから必要なのではないか。そのことが認識された
大久保恭子
実態と住み手像
首都圏のマンション需要の
題だろうと思います。
ました。
一方で、高齢者住宅とコレクティブハウスの合築で大規模なサービス・セ
ルフワi ク 複 合 型 と い う も の も つ く ら れ て き て い ま す 。 し か し 、 九0年代以
降、北欧では、ストックとしての住宅が非常に充実してきたということと、
その一方で経済状況の悪化から、住宅への公共投資が非常に少なくなってき
たということから、量的にはそうたくさんつくられていませんが、高齢化と
か 環 境 共 生 と か 、 さ ま ざ ま の テi マをもったコレクティブの展開がみられる。
そのような状況です。
は、いまの首都圏のマンションのマーケットがどうなっているかということ
都市生活の器としてはマンションが典型的な住まいかと思います。きょう
最後に、日本での展開を少しご紹介します。
と、そのマンションを買って暮らす人たちの需要者像がどのように変わりつ
日本のコレクティブ八ウジングの展開
コレクティブハウジングが日本に紹介されて何年か経ちますが、超高齢社
つあるのかを、私どもの調査を基にお話しさせていただきたいと思います。
現実的なお話から入りたいと思います。
まず、いまの首都圏のマンションのマーケットがどうなっているかという、
首都鴎マンションの需給の実態
会を目前にしてさまざまな課題を抱えているところに、先ほど言ったような
﹁高齢者にとって安心できる環境﹂のあたりが注目され、どちらかというと
コレクティブハウスは高齢者向けという認識が強いのではないかと思います。
現に兵庫県では、災害復興公営住宅のなかにコレクティブハウジングの考
首都圏のマンションの平均床面積は、九四年、九五年、九六年と三年間の
平均は、だいたい六
え方を導入しようとしています。すでに事業が展開されていまして、今年三
月に、六戸という大変小さな復興コレクティブの募集がかけられています。
od台ですが、年を経るごとに少しずつ広くなっていま
それから神戸市の市営で二九戸のものが秋に完成します。
宅での孤独死が問題にされ、ケアつきの仮設住宅が芦屋市や他のいくつかの
O 一万と、だんだん安くなっていることがわかります。九六年に平均価格が
価 と い う 正 味 で み ま す と 、 九 四 年 は ニ 二 五 万 、 九 五 年 は ニO五万、九六年二
円に下がり、九六年に四二O O万 と い く ぶ ん 上 が っ て い ま す 。 し か し 、 坪 単
す。一平均価格は、九四年には四四O O万円したものが、九五年に四一 O O万
市で建設されましたが、そこでの高齢者の生活の質は、明らかに一般仮設住
いくぶん上がったのは、広さが広くなったことと、立地がずいぶん都心部に
これらは主に仮設住宅に住む高齢者を対象としたものです。特に、仮設住
宅で孤立化しがちな高齢者のそれとはずいぶん違う。非常に生き生きとした
寄ってきたことによります。それでも正味でみると下がっている。
また、一見四二O G万円というと高いなと思いますが、いま金利が非常に
状況がみられるわけです。
その点から、自分たちの力でコミュニティを形成していけるような仕掛け
安いんですね。三・一%ぐらいですから、年収匝OO万円、背伸びをすれば、
以上です。神奈川がニ二・八%で、神奈川のなかでも横浜あたりでしょうか、
ルによって選ぶ場所が違ってきています。﹁シングル﹂では、東京都が半分
こんなかたちでライフステージ別に住む場所が変わってくるということがい
アは落ちて、神奈川とか埼玉など、郊外に住まいを求める傾向があります。
わしくないということもあってか、シングルなどに比べますと東京都のシェ
のは確かに便利だけれども、やはり子育てをする環境としていまひとつふさ
一方で、いわゆる子脊て中の単独収入ファミリーというのは、東京という
このあたりにシングルは集中しています。
年収一一一OO万円台の人でもマンションが買えるという状況です。
ちなみに、月々の返済でみると、だいたい八万円ぐらいで買えてしまいま
す。いま家賃八万円というとワンルi ムでしょうか。低金利、そして住宅価
格が安くなったことで、そんな家賃並でマンションが翼えてしまいます。
次に、いったいどこにこれらのマンションが供給されているのかをみてみ
宇ナしょ、つ。
首都菌における供給の約四割は東京都です。神奈川が二二・七%、埼玉が
今後一一000年 に 突 入 し て 、 日 本 の 人 口 も 減 っ て き ま す 。 厚 生 省 の 人 口 問
えると思います。
んだん都区部がシェアを広げ、一方で、神奈川などが少しずつシェアを落と
題研究所やシンクタンクの三菱総研などが、人口や世帯構成のシミュレーシ
こ0 ・二%、千葉が一五・七%です。ところが、経年的な変化をみると、だ
している。地価の下落とともにマンションの立地が都心部に戻って来つつあ
ョンをしていますが、世帯構成でみると、唯一、三O代i四O代のシングル
こういうなかで、実際にこのマンションを買う人たちはどんな人たちなの
シングル女性の住まい穣
く層かなと思います。
この世代は、この先の住まいを考えていくうえで、一つの流れをつくってい
世幣だけはこ000年を超えても減少せず、むしろ伸びるといわれています。
るということがいえると思います。
かを次に説明します。
シングル層がマンションを買っている
もちろん、新築マンションを買う人たちは、結婚して子どもが一人か二人
築マンションを貿っているシングル女性は、一二O代が圧倒的に多い。ファッ
ているのか、についてお話しします。
前後しますが、さてそのシングルは、どんな住宅をどのように考えて買っ
五O%。それ以外では、なんと﹁シングル﹂が約二割を占めています。そし
ゃんとキャリアを積んで、頭金も一 000万 ぐ ら い 貯 め た 、 が ん ば っ た 三 O
ションとして二O代の方たちが買っているのかと思いがちですが、実は、ち
いる三人、四人家族が中心ですので、専業主婦のいる子育て世帯がだいたい
て、子どもなしで共働きのDINKS世帯が一七・一一一%を点めています。夫
婦 共 働 き で な お か つ 子 ど も を 育 て て い る と い うDEWKSが六・一%です。
これらのデl タをみてきますと、この先ニ000年に突入するぐらいまで
代の女性、場合によっては由O代の方たちが、シングル女性の住宅購入の年
まず、シングルといいますが、﹁年齢﹂はどのくらいかといいますと、新
は、どうもいわゆる一般家族層に混じって、そうでない層も、新築マンショ
ンの見逃せない購買層になる状況がみてとれます。女性の自立、晩婚化、少
齢層では一番多いということがいえます。
るのは男性のほうといえます。
性 が 買 っ て い る と い う 感 じ で す が 、 ど ち ら か と い う﹁
と
若く
、
﹂て 畏 っ て い
んが、男性は二O歳代のシングルでも貿っている。イメージとしては若い女
一方、シングルの男性では、だいたい三O代というところでは変わりませ
子化、ライフスタイルや社会構造の変化、そういったものが取りざたされて
いますが、やはり新築マンションの購入層でも、その現状が大きく反映され
ていると思います。
さて、 そ う い う さ ま ざ ま な 人 た ち が 一 様 に 都 心 部 ば か り に マ ン シ ョ ン を 求
めているかというと、 そうではなく、やはりライフステージ、 ライフスタイ
思います。実際に、八万円ぐらいの賃貸住宅と、月々の返済が八万円の分譲
いうことではないかと思います。
マンションを比較しますと、設備とか構造、いろいろな商で居住水準は分譲
次に、新築マンションを買う女性はいったいどのぐらいの﹁年収﹂かをみ
ま す と 、 九 六 年 の デi タ で は 、 シ ン グ ル 女 性 は 、 最 も 多 い と こ ろ で 年 収 五O
O万1六O O万 円 未 満 で 三 五 ・ 六 % 。 そ の 次 が 左 右 に 分 か れ ま す 。 年 収 四O
O万1五O O万 円 未 満 が 一 五 ・ 五 % 、 六O O万1七O O万円未満が一五・五
マンションに軍配が上がります。同じ家賃であれば、やはりいい暮らしをし
を含めて、﹁{永賃はもったいない﹂というのが比率としてはずいぶん高いと
次に、﹁購入のきっかけ﹂ですが、一番多いのは、シングルの女性、男性
いる。シングルの男性のほうも、少しずつ違いはありますが、そんなに大き
% と い う こ と で 、 だ い た い 年 収 四001六O O万 台 あ た り の 方 た ち が 貿 っ て
五・五%。内訳をみると、いわゆる都心部、目黒、渋谷、世田谷、杉並、み
ますと、いくぶん違いがみられます。シングル女性は圧倒的に東京都で、六
グル全体では東京都が半分以上を占めていますが、これも、女性と男性をみ
こんなシングルが﹁どんなところ﹂に家を買うかということですが、シン
八万七八八円。買った後の毎月返済額が八万二九四六円ということで、いく
月々の返済額をみてみますと、シングル女性では、購入以前の賞賛の家賃が
資金は九六一二万円ということで、けつこう貯金して買っています。それから
資金。シングル女性は、貰ったマンションの平均価格は三六二九万円。自己
あとは、気になる﹁返済計画﹂です。まず、買ったときの購入価格と自己
たいといったところが正疫なところかなと思います。
んながあこがれるようなエリアにシングル女性はがんばって家を買う傾向が
ぶん返済額がアップしていますが、この程度の額で買ってしまえるという状
くは女性と変わらないと思います。
その分、神奈川、千葉といったやや郊外のほうに住まいの立地が変わってい
あります。シングル努性のほうは、東京都のシェアが半分以下になります。
こんなところが、シングル女性が住宅を買っている実態です。
況であります。
くという感じです。
ングルの次はDINKSが 都 心 部 の マ ン シ ョ ン 購 入 層 と な っ て く る の で は な
それから、都心部にマンションが比較的安く出てくる状況をみますと、シ
ために、自分のよりよい快適な暮らしのためにマンションを買う。男性は、
いかと思います。このシングル、 DINKSの 流 れ 、 女 性 の 社 会 進 出 、 少 子
このあたりが男性と女性の住宅に対する意識の遠いでして、女性は自分の
自分のためというより、まだいない妻と、それから結婚した果てに生まれる
化の流れも踏まえて、次の世紀に突入しても、しばらくはこのあたりの需要
私は建築の設計にたずさわっておりますので、ものを通して、これからの
工藤和美
街と住まいの関係を再考
建築家として、生活者として
がある一定の層を占めるのではないかというふうに思います。
であろう子供を想定して、家族のためにマンションを買っています。
次 に 、 ﹁ 広 さ ﹂ に つ い て 。 シ ン グ ル 女 性 と い う と ワ ン ル l ムをイメージし
が ち で す が 、 買 っ て い る の は な ん と 六0 1七O Mな ん で す ね 。 そ し て だ ん だ
ん広いものを買う傾向にあります。シングルが家を買い始めたというのは九
一年ごろから目立ち始めたんです。バブル崩壊とともに、家賃並みで買える
ということがわかってきて、シングル女性も買うようになったんですが、そ
のころはだいたい三O Uの後半から田O Mぐ ら い で し た 。 こ れ が だ ん だ ん 住
シ ン グ ル の 男 性 を み ま す と 、 さ ら に 七O M台、八O M台 と い う こ と で 、 ゆ
住まいということについて考えてみたいと思います。また、私自身、比較的
宅価格の下落に相関したかたちで、広さはどんどん広めになっています。
くゆく子供二人ぐらいつくるぞ、ということを想定して住宅を選んでいると
か﹂と気づいたことなども併せてお話ししてみたいと思います。視点として
校から帰ってくると、まず玄関で靴を脱いで、上着やカバンを自分の部屋に
の生活を考えてみようということになりました。家族はそれぞれ、会社や学
何が自立かはずいぶんわれわれのなかで議論したんですが、基本的に日常
は、母親としてよりも建築家としてやってきたほうが長いので、建築を通し
置いて、例えば会社員のお父さんなら背広を脱いで部屋着に着替えてリビン
﹂ういうこともあるの
て街に子どもが住むあり方、住まいについて、自立する家族とはいったい何
グに入ってくる。それが普通であろう。では、それをもっと普通にやれるよ
﹁まお
だろうかと自分なりに思うところもあるので、作品をスライドでお見せしな
であって、次に家族のファミリースペースにいくという、こういう社会と自
うなプランにしたらどうか。まず倒室があって、そこがそれぞれのリビング
最近母親になったもので、子育てをして、
がらお話ししたいと思います。
あえて玄関が四つあるのは、家族一人一人が・自立するということ。そして、
分と家族という圏式をつくったんですね。
自立する家族の家
ま ず 、 大 阪 ガ ス の 実 験 住 宅NEXTnと い う ニ 段 階 供 給 で 行 な わ れ た 集 合
家族の中での個人と家族の関係を示すということ。一一一六五日家族の仲がいい
住宅の例(写真i3、6、7)で す 。 私 た ち が 設 計 に 入 っ た 段 階 で は 、 三O 三号室
という部屋が与えられ、そこにはすでにプログラムとして﹁自立家族の家﹂
嘩はしょっちゅうだし、たまには顔もみたくないときもあるわけで、ある程
というのはリアリティがありません。夫婦であっても喧嘩はするし、親子喧
私 自 身 、 設 計 は チi ム で や っ て お り ま し て 、 女 性 は 私 だ け で 、 あ と の 六 人
度個人が独立したく思う気持ちというのは一歳の子どもであろうが、大学生
というタイトルも決められていました。
は男性です。そのなかで、家族が自立するってどういうことだろう。住む人
設計/シーラカンス
写塁審 B はね上げ式の f
l
H
1
:J:切墜を開けてファミリールーム
に開放された側室。
寝るのがよいのだろう﹂とか、いろいろな議論をしたんです。そして結局ど
この設計をやっているときは私たちも、﹁夫婦っていうのは一緒の部屋で
われ方です。
も閉まっている、だけど妹の部屋はいつも開いている、というのが実際の使
で過ごすことになります。現状では、受験生のお兄ちゃんの部屋だけはいつ
どもの部屋からお友だちが入ってきて、お見ちゃんやお父さんは自分の部屋
リビングは全部その子にとってのスペースに変わることができます。その子
だちがくるからきょうはリビングを私たちに全部貸してよというときには、
実際に住んでいる方の捧子は、その場その場で、たとえば子どもが、お友
それにかなりきちっとした収納スペースがついています。
が共有スペースに同化できます。個室の広さは四畳半ぐらいのスペースです。
壁(建具)が全部上にはね上げ式になっていて、開けてしまうと完全に個室
まうと自分の部屋が独立します。これにはちょっとトリックがありまして、
そういう他人が独立したいときは、この家では、建具で全部閉め切ってし
のお児ちゃんであろうが絶対ある。
l
n
l室が並列して;泣かれ、{限定ーを j鼠り t
f
t
写奥ー 7 社会に対して f
けた奥にファミリールームがある。イ剖2
監はこの家の玄関である。
もまだ決まっておりませんで、家族といってもどういう家族構成かもまった
くわからないなかでの設計ということになりました。
大阪ガス NEX
丁目の住戸 3
0
3
自立家族の家
用はあったようです。
設計の段階では個室をどのくらいの大きさにするかはかなり議論がありま
した。四畳半を四つつくるということは、普通のマンションの設計だと、ク
ライアントやデベロッパ l側 か ら た ぶ ん ス ト ッ プ が か か る 話 な ん で す が 、 今
回はこういう実験住宅ということで、ほんとうに自分の身の回りの最小限の
ところで個室を小さくして、家族みんながいるリビングをとにかく大きくし
ようと。それがマンションの一住居の中で閉じないで、なんとか外に、場合
によっては一年に一回か二回でもいいですが、とにかく周りに住んでいる人
に対しても全体を聞いていけるようなシステムを、可動の壁とか扉という建
築的な仕掛けで実現していく。そういうことのコミュニケーションを、住宅
次は、いわゆる従来型の団地ではなくて、﹁街に住む楽しさのある住宅地
自 体 が 開 放 性 を も っ と い う こ と で 発 指 で き な い か と 、 こ れ が こ の テi マでも
ができないだろうか﹂ということをテi マにした幕張ベイタウンのプロジェ
ういうふうに使われているかというと、最初の並べ方の配列は、子供こ部屋
です。そのときに夫婦が真ん中ではなく、なぜか両端になった。その後また
クトです。
ふ
めη ノ宇品?レh 。
いろいろ変わりまして、客聞が欲しいということで、一部屋は個人で占有せ
計画にとりかかった当時は、京葉線も通っていませんし、ここはススキの
野原で何もない、埋立地のへんぴな場所でした。計画的には、公園を挟んで
だから住宅だけではなくて、商業もどんどん展開して、路線型の商業が張
メッセがある幕張新都心があって、三O階を超える超高層が建つ、コンベン
り 付 い て き て い ろ い ろ な 人 た ち が 通 り 抜 け で い っ た り 、 あ る い は ホl ムオフ
また、住んでいる方のお話を開いたら、奥さんがおもしろいことをおっし
なくなった。﹁ただいま﹂と帰ってきた後の服がみんなリラックスしている。
ィス化されていくんじゃないかとか、こちらの超高麿オフィスからサテライ
ションができる、という構想ができあがっていましたので、私たちはこれを
それまでは、ご主人が会社に出かけるときに、奥さんが準備していらっし
トオフィスという形で、どんどん出てくるんじゃないか。だから、ここは新都
ゃったのですが、ご、王人が自立したのだそうです。それから家庭がやわらか
ゃったらしいんですね。ところが、もういまでは自分の部屋から出ていきま
いまある立地と見立てないで、新宿の超高層からちょっと公閣を過ぎたあた
すから、自分でネクタイを選んで、朝の準備をして出ていかれる。最近ご、ま
心の隣だから郊外住宅の司地ではなくて、もっと倍らしい住み方を提案して
くなったそうです。それはなぜかというと、この家の奥さまは専業主婦なの
人が自分でネクタイを買いに行くようになったとおっしゃる話を開いて、全
いこうと、そういう考えでマスター計画をやりました。
りにつくる団地だったらどうなるだろうという想定で計画したんです。
然予期していなかったのですが、男性が自立したという、そういうことの効
で、ほとんど家にいるのですが、子供たちの制服姿やご主人の背広の姿をみ
うです。
だから、そのつどかなり工夫していろいろチャレンジしていただいているよ
ずに客間的にオープンにしておいて夫婦が二会になったこともありました。
を開に挟んで、両サイドを親が占めたんですね。やはり水廻り、トイレは女
写奥 B 悶み~~!のむ,1ヲu固と誌で、建物が街路に
直接而している。
街に住む楽しさのある住宅地
幕張ベイタウン 1 1 i
設計/シーラカンス
性問士で共有したい。それで、女・女・男・男という配列になったというん
幕張ベイタウンのマスタ一フラン
ロック型の交差点の非常に多い街です。歩くと交差点、さらにまた行くと交
れを計画したときには、べ i ス に な っ て い る の は 大 阪 の 心 斎 橋 筋 あ た り の ブ
国み型を試行したのは、いまはヨーロッパ型といわれていますが、当時こ
るための小学校はどんなものだろうということをかなり考えています。
小学校を設計するというのではなくて、ここに住んでいる人たちが楽しくな
そういう意味で、どんな都市にしたいかをものすごく考えていたので、単に
ポi ザルコンペに私たちも参加させていただいて、設計者に選ばれました。
普通の小学校のようにフェンスで掴んで、ここは学校用地だから、住んで
いるあなたたちが入ってきちゃいけませんよという構えをとるのではなく、
世界中の都市のブロックの大きさを研究して、バルセロナの田市街はこの
差 点 と い う 、 い っ た い 何mぐらい歩いて﹁出会い﹂があると楽しいかなと、
一・五倍になるから、次の信号まで行くのにちょっと疲れるなというような
に住んでいる人たちも参加できるかたちになっています。普通、学校って敷
せっかくこれだけの空地があったり、楽しい場所があったりするので、ここ
囲み型で、道路に建物が面している。つまり生活者というか、住んでいる
地が広いので、住んでいる人たちが反対側へ行きたいと思うと、ずっと連盟
設計ー/シーラカンス
、
っ
か
。
も、っ
学校の中にも遊び場のようないたずらがいろいろ仕掛けてあります。石と
自指しました。
けば指の様子がみえてくる。そういう街と一体になった学校をつくることを
ようにしました。逆に、中にいる子どもも、授業がつまらないときは外を向
ように意図して関口部の位置を決め、やでの授業の風景が外までみえてくる
になるように窓を開けることで、中の子どもたちの元気な姿が倍にあふれる
でのコミュニケーションがまったくありません。学校の中の風景が街の風景
つは、こういう新しい街ではみんな知らない者間士で、生活のうえ
クな場所は、都市生活者にとってもっと利用されるべきなのではないでしょ
ごくもったいないことだと常日ごろ思っていました。学校のようなパブリッ
がそれは、卒業してしまったらまったく利用できない状態にあるのはものす
関をみてもわかるように、ものすごい量がプロットされるわけです。ところ
私は大学院のときに都市の勉強をしたんですが、小学校の数というのは地
弟や妹を保育聞や幼稚園に連れていけるみたいなことを考えました。
きる用途地域になっているので、お母さん、あるいは高学年のお兄ちゃんが
通り抜けると駅に近いとか、ここを通ると、将来傍らに幼稚盟と保育罷がで
から、学校のなかにパスと呼ばれるものが意図して入れてあります。ここを
人の顔がみえてくるような街づくりをなんとかやれないかというのが、マス
8)。
りしないといけないということがあります。そういうことはしたくない。だ
ことを考えて、最終的な大きさを決めたわけです。
写真一 g 設もが通り抜けでらきる学校内のパス。
タープランに反映したことなんですね。そうしてできたのが、いま幕張ベイ
タウンという名前で呼ばれている集合住宅地です(写真
その一角にあるのが打瀬小学校です(図
千葉市立打瀬小学技
2、写真 │ 9 1児、問、目立。幕張
ベイタウンのマスタープランをやってから六 1七年後に、この小学校のプロ
千葉市立打瀬小学校
千葉市立打瀬小学校
設計/シーラカンス
写泰一 1
2 天気の l
i
t 1
3は給食を野外でと
れるランチの起き。
、
,
1階平海図
2
図
~-H奴も i~t かれ野外務E宣言にもなる
~J喜一 11
哀の底。
写察… 1
0 lj&地のがL:4i ~J J'L
呼んでいるのですが、 子 供 た ち は そ こ を 飛 ん で 跳 ね て い ま す け れ ど も 、 あ る
ときにはこれに一一 1三 人 ず つ 座 っ て 、 外 の 教 室 に も な る ん で す ね 。 ま た 、 黒
板もついていて、要は、授業は教室でやるという既成概念がありますけれど、
天気のいい臼は外でやったほうがよっぽど気持ちいいんじゃないかというこ
とです。石が置いであって、黒板がちょっと掛けてあるだけですが、実際に
外の教室としてものすごく使われています。
また、私がかなり粘ってやったことなのですが、日本の子どもたちは、外
で食事をあまりしないんですね。小さいころから給食は教室で食べるという
ンチの躍﹂と名前をつけて、外で食べられるようなセットをつくりました。
習慣が強くある。気持ちがいいときは外で食べればいいのにと、これは﹁ラ
そうすると、気候のいい時期には子どもたちが食事をしています。きっとこ
の子たちが大きくなったら、日曜日は公屈にいって家族でランチをとりまし
ょうというようなことが起きてくれたらいいな、なんてちょっと思ったりし
て、都市公園の中でも生、活してくれればいいなという仕掛けです。
そういったかたちで、都市の中では、学校ひとつとっても、子どもたちで
はなくても、いっぱい遊ぴ場というか、楽しめる生活のスタイルがあると思
っています。
住まいに工夫を
最後に、二、一一一の建物の中のある部分で、スタイルのある住み方のことを
ちょっとお話ししたいと思います。
恵比寿に、ある集合住宅を計画しました(写真ぼ)。集合住宅にするとコ
ストが高すぎて合わない立地ですが、オフィス兼住宅であればけつこうべイ
するなと。これはメゾネットになっているんですが、構造的には完全に吹き
抜けで、閑に構造としての力がかかっていない床があります。天井高をかな
り抑えて、ニ m 一
O Oち ょ っ と し か な い ん で す が 、 コ ス ト が か か ら な い メ ゾ
ネット形式を実証してみた例です。
子育て期の音の問題はかなり深刻で、子育て期に戸建てに住みたいという
人の芦をよく開きます。日本の場合はメゾネットが売れないといいますが、
私は子育てのの問題が非常に気になる時期には、こういうメゾネットで、
音を自分の家の中で吸収してしまうという住まい方がもっとあればいいのに
oodを超えないといい空間にならない
なと思っています。メゾネットは一
od
というのですが、決してそんなことはなくて、設計の工夫によっては八
みえます。
昔はどこも玄関がガラスの引き戸でもうちょっと外との関係があったのに、
今の玄関は気密性が高まって、のぞき穴でしか外との関係がないという、私
はあれがどうも白本の住宅をだめにしているという気がしていたんです。都
最後に、これは建築家である私の夫が設計した自邸です(写真ーは)。この
をみていたら、実際に影響を与えたのかどうかははっきりしませんが、皆さ
ういうことをしまして、ご近所がここ一 O年 ぐ ら い 建 て 替 え を し て い く 様 子
市に住む人たちはなかなかご近所との関係がとりにくい。実は、私の家がこ
家は玄関のところにいわゆる門扉というか塀がないんですね。ちょっとした
ん改装するときに塀をとってしまったんですね。そうすると、それまでまっ
でも十分につくれると思っています。
工夫があって、玄関がガラス戸で内外がよくみえるんです。トップライトが
( 司 会 ) 今 日 は 、 テl マを二つにしぼって議論して、少しでも突き詰
国
﹁家族と住空間の対応﹂ということについて、もう一回問い
朝出かけて夜帰ってくるお父さん、ケーキづくりの上手なお母さん、それに
直してみたいと思います。これまで、特に都市における家族像というと、毎
まず一つは
家族と住空間
めてキラリとするところを出していければと思っています。
盟
ディスカッション
っとやってみたいなと思っています。
ていくようになるのではないでしょうか。マンションでもこういうことをも
ンにすると、実は連鎖反応で、都市に住んでいる人同士がコミュニケートし
市生活者のだれかがどこか一か所を崩してやる。だれかが自分の家をオープ
た。忠わぬことなんですが、最初は勇気が要ることかもしれないけれど、都
いに家の中もみえるし、最近すごくコミュニケーションがよくなってきまし
ん専を洗ったり、ちょっと掃除をしたりで外に出てくる。塀がないからお互
たくといっていいほどご挨拶をしたこともなかったのに、日曜になると皆さ
集合住宅
あるので、中の吹き抜けの部分が外からもよくみえるし、中からも外がよく
写蒸 -13 恵比寿に主主つメゾネット住戸の
うもそういうのはちょっと違うんだよ、ということがあったと思います。
うなイメージがあると思うんですが、三人のそれぞれのご発言のなかに、ど
お 利 口 な 子 ど も が 二 人 、 そ の 家 族 に 対 し て い わ ゆ る3LDKの住宅というよ
れ、福祉がとらえられると、自立してそれぞれの個人がどう生きるかという
ことをべ i スにして家族というものがとらえられ、子どもの教育がとらえら
いう種類のものが徐々に整備されてきました。個人が社会の基本単位である
しろにされているわけではありません。精神的には最も大事なものとして扱
問題を自己選択、自己決定することが逆に求められる。しかし家族がないが
小谷部先生は、コレクティブハウジングには、まさにそういう意味で、い
われています。一人で住みながら、あるいは高齢になったらどこかサービス
コレクティブ八ウジングは家族の解体ではない
ままで私たちが﹁家族﹂といってきたものの概念自体が全然通用しないとい
ハウスのようなものに移りながらも、依然として家族の紳は非常に強い。
自己選択、自己決定を求められる社会では反面、個人としての深い孤独と
うか、ある意味でそれを超えた可能性をみていらっしゃるように感じました。
いったものも引き受けることになります。だから、偶人が成熟するというこ
そして、住空関という、具体的なかたちになってくると、プライベートな部
そのような背景のなかで、自立した個が深い孤独を抱えつつ求めるもう一
分は充実しながらも共用の部分をどう生活に生かしていくのかというあたり
小ハ合部先ほどご紹介したようなコレクティブハウジングは、スウェーデン
身体的な帰属感みたいなもの、スキンシ
つの、自分自身が帰属する場所 1 1 1
とは家族が解体していくことではなくて、一面ではもっと精神的な紳を大切
など、北欧の社会的、文化的な環境のなかで理解されるべきだろうと思うの
ップみたいなもの ijiつまりコレクティブコミュニティというのはもう一つ
がカギなんだという趣旨のお話がありました。そのへんについて、問題提起
です。そのままのかたちで、いまの日本で同じようなコレクティブハウジン
の家族であるといえます。でもそれは決して﹁仲良し﹂とかということでは
にすることにつながるわけです。
グが機能するかとなると、そうはいかないだろうと思います。それでは、北
なく、自分自身の居場所を確認するために、自分自身でごめる関係づくり﹂
も含めて、もう少し補足的に発言していただけたらと思います。
欧では家族の考え方が日本と違うのかというと、そんなこともなくて、やっ
をするということです。
そのもう一つの家族の心臓部になっているのが﹁食﹂だという話をしまし
﹁食﹂がコレクティブハウジングの核
ぱり家族は家族、血縁は血縁、これはとても大切なものです。ただ、都市生
活というところに焦点を当てると、社会を構成する単位が、一一O世紀の初め
ごろ 1 一九三O年 、 四0年 代 ぐ ら い に 、 す で に 大 家 族 と い う ス タ イ ル が な く
ね。なぜ﹁食﹂がコレクティブハウジングの核なのかというと、いま血縁家
た。こういうふうに考えていくと、ものすごくわかるような気がするんです
社会の単位が、まず佃をべ!スにして、さまざまな社会制度が組み立てら
族でも、みなそれぞれが仕事をして、共働きで、子どもは子どもの生活をし
なって、核家族中心の生活スタイルが、基本になっていたわけです。
れている。そういうなかで、子どもの教育の問題にしても、障害者、高齢者
そういう意味で、家族のあり方、佃の確立、それがすなわち家族の解体に
ている。そのなかで何が最後の共有の場で残っていくかというと、どうも食
つながるものではないということ、しかしながら一人で自立して自由に生き
福祉にしても、その家族に対する補助ではなくて、個人に対するさまざまな
税金の問題も、日本はまだ一世帯に対して扶養する人と扶養される人とい
るためにもう一つの帰属感をもてるオルタナティブ・ファミリーとか、そう
べることしかないのではないか。﹁食﹂が家族を結びつける。
う 仕 組 み が あ り ま す ね 。 し か し 、 ス ウ ェ ー デ ン の 場 合 に は 、 七0年代初めに
いうものを求めるということではないかと思います。
福祉なり補助が社会化されてきたわけです。
になる﹁両親保護者制度﹂、男女どちらでもとれる育児休暇制度など、そう
夫婦儲別の所得申告となり、子どもの養育に関しては子どもの両親が保護者
出てくるかわからない。近所の奥さんが扉をトントンと叩いて、ご主人が山山
いきなりファミリーですよね。あの扉は、開けたらだれが
その個人としても実はよりどころがいる。そのときのよりどころは、いわゆ
できたら、だいたい皆さんびっくりしますよね。だけど、それに偶人の名前
ぃ。とい、つのは
る血縁家族を超えたところで可能性があるということ。また、その疑似家族
が付いていると、ぽくはOOち ゃ ん と こ へ い く 、 と い う こ と が で き る 。 ﹁ 自
いまのお話は、基本的に、社会的に、構成要素は個人であるけれども、
のまとまりのために、﹁食﹂の行為、それが一つの象徴として効いているん
立家族の家﹂は、奥さんの一扉を叩いたら、奥さんしか出てこないわけだから、
私は、それがあることで逆にアクセスしやすくなるんじゃないかということ
と棄という個人があるかもしれないけれども、それは対社会的にはあんまり
ばあちゃんがいる親族があって、子どもというのはその一番奥にあって、夫
が実はあるんじゃないかというんですが、率直にどう感じられますか。
園田そういう壊し方に対して、大久保さんの率直な感想を。工藤さんのお
じなんですね。
ろうがそうでなかろうが、やっぱり社会に対する個の位置づけというのは同
ランニングには、ある意味でまたちょっと違った壊し方があって、おもしろ
出てきませんよね。ですから普通のプランニングも、社会があって、まずリ
マンションにおける個室とリビングの関係
小谷部コレクティブハウジングに非常に近いですね。たとえそれが血縁だ
ビ ン グ が あ っ て 、 そ の 奥 に 個 室 が あ る 。 と こ ろ が ﹁ 自 立 家 族 の 家 ﹂ で も ﹁D
INKSの家﹂でも、むしろ社会に面しているのはまず個人であって、その
大久保首都圏の新築マンションもだんだん広いものが出てきていると申し
をかなり意識しましたね。
奥に家族と、脹番を入れ替えた仕掛けをされていました。そのへんのポイン
話では、お父さんがネクタイを自分で選べる人になるぐらい自立できる要素
トは、いまの小谷部先生のお話と対比していただくと、どういうところにあ
.w台が多いんですね。そ
ましたが、全体のシェアからして、 3LDK ・六0
こに住んでいる人たちは、だいたい一人か二人の、小学校に行くか行かない
そうすると、﹁家族で過ごす場所﹂はリビングルi ムが圧倒的に多いんで
社会的な関係というよりも、私たちがプランニングという意味で﹁普
呼ばれるんですよね、子どもがいると。私は子どものお母さんであって、子
すね。さらに﹁奥さんは一日中どこにいますか﹂と聞きましたら、やっぱり
かの子どもがいる人が多いんですが、そういった人たちが実際にどんな住み
どものお友だちがまた別にあるわけです。彼らには彼らの社会がある。私は
リビングルi ムというんですよ。﹁ご主人は休みの日にどこで過ごしていま
通ではない﹂ことをやってみようとしているのは、社会には家族よりも偶人
私で、建築設計をやっている自分があるわけで、どんな老人であれ子どもで
方をしているのかという調査をやってみたんです。
あれ、みんな社会に顔をもっているはずなんです。
にいらっしゃる方々も、子どもや夫と並んではじめてファミリーとなるわけ
の洋室 (
1) ・洋室 (2) というものです。洋室 (1) が六・五畳になった
実際3LDKの間取りにおける個室というと、典型的な間取りは、図││13
先ほど、個としての自立ということで個室を重視なさっておられましたが、
ですが、外に対しては決してファミリーというかたちでは向いていないんで
いたい 3LDKの個室というとそんなものです。
り、洋室 (
2) が五・五畳になったり、多少広さが違うことはあっても、だ
ところが、普通一般のマンションは玄関の扉一枚あって一歩も中に入れな
すよ。そのへんを素直に解いたのが﹁自立家族の家﹂なんです。
私をファミリーとしてとらえている人はたぶん一人もいないですね。ここ
すか﹂というのも、これまたリビングル l ムが圧倒的に多かったんですね。
のほうが近いと思うからです。たとえば、私は﹁OOちゃんのお母さん﹂と
工藤
るのでしょうか。
いと思ったんです。普通は、社会があって、血縁家族とか、おじいちゃんお
これに対して、工藤さんの﹁自立家族の家﹂や、﹁DINKSの家﹂のプ
ではないかというお話ですね。
園
開
はいつまでも納戸だったりするんです。どうも、あんまり一人で個室にいた
うちの一つは子ども部屋として利用されるようになるんですが、もう一部屋
に多い使われ方としては納戸です。子どもが小学校高学年になると、洋室の
すね。そうすると、この洋室は基本的に偶室になっていないですね。圧倒的
で、この洋室の外側はだいたい共用廊下になっていて、北向きが多いんで
工藤すごくよくわかります。うちの四歳の子は、まだ私の布団から離れま
閤田というのをお聞きになって、お二人はどう思われますか。
大久保それもあると思います。
ではないか、ということですね。
空間がそうだからやむを得ずというよりも、むしろ日本人の噌好性によるの
で、公・私室分離型というようなご大層な住まい方はしていない。それは住
せんからね。だから、子育て期にマンションで和室の六畳が欲しいというの
くないという状況のようなんです。
さらに、﹁ではいったいどこに寝ていますか?﹂と開きますと、子どもが
は、子どもを育てるとすごくよくわかるんですね。ハイハイさせるには、や
つまり、子どもが四歳ぐらいだと、自分の視線から離れた所へ子どもが行
一一一歳までは七割が両親と一緒に寝ている。だいたい和室ですね。長子が四
緒﹂というのもいますので、子どもが多少大きくなってもだいたい親とべっ
くと不安になりますね。お風呂場もそうです。いろんな意味で、まだみえて
っぱり和室のほうが安全ですから。
たり和室で寝ているというようなことを考えますと、 3LDKの実態として
いる範盟に置いておかないとちょっと心配なときには、偶室に細かく分かれ
i六 歳 で 多 少 物 心 つ い て き て も ま だ 六 割 方 は 両 親 と 一 緒 で す 。 ﹁ 母 親 と 一
は、個々人があまり個室に暮らしていなくて、起きているときは家族でリビ
ているのは、親にとっては実は非常に子育てしづらいものです。
た と え ば 図│ 3の プ ラ ン で い う と 、 和 室 と リ ビ ン グ に し か い な い ん だ っ た
ングル l ム に い て 、 寝 室 と し て 和 室 に 川 の 字 で 寝 て い る と い っ た 、 え ら く ベ
が、小学校にいくまで、両親と川の字でベタッと寝ているような状況をみる
家﹂の例は﹁個室を必ずもちなさいよ﹂という話ではなくて、﹁個室が要ら
個 室 と リ ビ ン グ の 関 係 と い う の は 、 先 ほ ど の NEXTmの ﹁ 自 立 家 族 の
ら、この洋室 (
1)、(2) の仕切りはとってしまえばいいのにと思います。
と、こういう人たちが成長したときに個としての自立がなされて、摺室の生
ないときには、そこを完全にパブリックに与えることができますよ﹂という
子どもの個性や自立心が芽生えてくるのは三歳を超えたころだと思います
タッとした暮らし方を一一一O代前半の人たちはやっているのが実態のようです。
活とパブリックとしてのリビングダイニングで家族で暮らす、こういう一つ
プランなんですね。社会に対してどこもふさぎたいのだったら、ふさいでし
覚をもつんですが、どうお感じになられますか。
ないかと思、つんですが。でも私は、日本の六O Mと は 空 間 的 に 全 然 違 っ た 感
歯閏小谷部先生、北欧の住宅でも六
od という例はわりとある大きさでは
宅のなかでの応用性がかなりあるのではないかと思います。
間の仕切りをそのときの状況で自由に変えられるというのは、これからの住
に応用するのはかなり難しいだろうとは思います。ただ、個室とリビングの
ものです。外に対して四つの入り口というのはかなり実験的ですから、一般
すから、その選択の可能性みたいなものを探ってみたいと考えて、計画した
の住まいにおけるこパターンの暮らしを確立できるかなと、思ったりします。
耳年有宙機 /
59.36m.
バルコニー宿根 /5.92m
.
まって、入り口を家族で一個にすることもできる。 NEXTnは実験住宅で
3LDI
くの纂本的な間取り
圏 閏 そ う す る と 、 少 な く と も3LDK-六O Mの と こ ろ で は か な り 雑 居 型
額一 3
円/同
n
u
odだっ
それから一つ一つの部屋の大きさの問題があります。たとえば六
たら、日本でいう1LDKくらいだと思うんですが、そのL の大きさという
のは決して大きくないですね。ただ、つくりが非常にシンプルだということ
と、もっているものが少ない。それからそれなりの収納が、必ずしも家の中
ではないけれどあります。
コレクティブハウジングでいうと、そのつくり方として、その基準からさ
らに一O%とか一五%を共有スペースとして供出するんです。ですから、八
一一一ぽの持ち分が七五凶ぐらいになってしまうわけです。そうなると、日本の
ればこ001三OOMぐらいの共有スペースが自分のものとして、住居の一
集合住宅にぐっと近いかたちになってきます。けれども三O軒集まってつく
部として使えるということで、住居の大きさはそんなになくともいい。自分
の生活部分はシンプルに、社会的な共有部分は豊かにと、そういうような住
まい方ですね。
いえば3LDK、向こうではリビングルl ムも一つの部屋と考えて、寝室に
たとえば小学生の男の子と女の子に夫婦という四人家族とすると、日本的に
うな低金利で公的資金を措りる場合は、家族規模により基準があるんです。
小谷部北欧の相場合、賃貸の公共住宅はもちろん、日本の金融公庫と同じよ
せ の 間 取 り に み ん な 時 易 と し て い て 、 中 古 マ ン シ ョ ン の リ フ ォ ー ム が ブi ム
場合に、普通の人は、そっちにすっと入っていけるのかどうか。実はお仕着
直して、こういうのが本当にあなたの生活に合っていますよ、と出してきた
本人の本音の部分の実態に迫るようなかたちに集合住宅のプランニングをし
六0 1七 五 が ぐ ら い の 広 さ が あ っ て 、 工 藤 さ ん の よ う な す ぐ れ た 建 築 家 が
園田いまのお話を伺って、大久保さんにお尋ねしたいんですが、だいたい
マンションは変わるか
なりうる部屋プラス、リビングで、 4 ルi ム・アパートメントという言い方
a
をします。とにかく居室として使える部屋が四つある。ダイニングやキッチ
になるのではというお話も出ていましたが、そのへんはどうでしょうか。
ね。つくり手側は、これまでは不動産会社、供給関係には男性が多かったで
すから、なかなか生活の細部にわたって、生活時間の長い女性が満足できる
七ぽは要るとか、そういうスペースが住戸の中、あるいは地下などにほかに
そのほかにも、住まい方の問題として、たとえば収納は一家族当たり最低
のマンション供給を始めています。
にいろいろなかたちでマーケティングして、望まれる住宅像に近いかたちで
さすがにこのままだと売れ行きが危ぶまれるということもあり、最近、女性
ものってまずできなかったんです。しかし不動産会社も競争が激しくなって、
とられているので、住一戸の中の物の量は非常に少ないですね。
に近いものです。
odぐらいでしょうか。日本でいう第六次五カ年計画の誘導居住水準に非常
広さの問題になると、 3LDKで標準で公的な資金を借りようと思うと九
ンのスペースは当たり前ということで、数には入れない。そういう表現から
w
大久保最近、女性の住宅購入に対するイニシアチブが相当高まっています
有国i
l
氏/
84.91m'
プライベートポーチ I
節税/
3.99m'
して、規定した部屋の使い方じゃなくて、どう使ってもいい。
図 -4 即日人の声を反映した 3LDK
の企箇
プライベートポーチや奥行 3m以上もある広いテラス、ゆとりの
ま「ゆとり J r
やさしさ J r
美しさ J 0
ある浴室など、法本 l
(三井不動らその商品:iE:I
Thiより)
しているというのが実態です。
たとえば、子どものある人とない人では、もう明らかに二つに分断されて
例えば一二弁不動産は八O O人 の 女 性 を 中 心 に し た 声 を 反 映 し て 、 新 宿 三 井
4)。 昨 今 の マ ン
ビ ル の 地 下 に モ デ ル ル ー ム を つ く っ て 公 開 し て い ま す ( 図1
しまいます。結婚している人としていない人でも分断されてしまいます。家
0
ションに対する不満を可能な限り解消した フランになっているなと思いまし
庭の事情とかライフステージなどが限りなく共通項をもっている人たちはか
なりコミュニケーションがとれるんですが、ちょっとライフステージが違つ
た
。 3LDK、約八五ぽです。
ここで特徴的な点は、他人が歩く共有スペースに宜接接するのではなく、
それは単純に管理規約等、規則でしばるものではないと思います。住み手
たりすると、そこで努力をしない。そこらへんが、共生していくという意味
自身が自発的に、自分たちの生活をよりよくするために、いろんなライフス
プ ラ イ ベ ー ト ポl チ を 設 け て 、 ワ ン ク ッ シ ョ ン お い て 自 分 の 空 間 の 中 に 入 っ
ングをしますと、外を歩いている人たちの音が間こえるとか、窓の防犯概が
ていて、ほとんど佃{主として使われていないと中しました。いろいろヒアリ
テージの人たち、いろんなタイプのライフスタイルをもっている人たちとう
では課題のような気がします。
うっとうしく、部屋として使いたくないんですね。そのあたりをうまく解消
まくコミュニケーションをとりながら共生していく住み方を試み、そういっ
ていけるようにしている点。それと、先ほど、外廊下側の洋窓が納戸になっ
して、バルコニーを設けたり、吹き抜けを設けて、かなり明るめの居室づく
た事例がいろいろ出てきて、そこで体験した人たちがどんどん広がっていく
都市をもっと楽しく住むために
のが、いまのマンションの生活者たちをみていると、正直なところです。
という流れをつくっていかないと、一挙に普及するのは難しいだろうという
りをしている点がポイントになっています。
さらに、昨今、ストレス解消に浴室でリラックスしたいと思う人たちが多
いらしく、浴室も広めですし、さらには関口部を設けて明るい浴室にしてい
ます。これは二戸建てにしか望めなかったスタイルですが、マンションにも
取り入れようとしています。
ね。小小令部先生がおっしゃっているような、個人のスペースを一 O %ず つ 削
園面これは、個人というか、二戸の住宅のなかでいろいろ解決した例です
事をしたいというようなこともあり、テラスがだんだんワイド化しています。
デニングを楽しんだり、テーブルと椅子を置いて、お休みの日なんか外で食
た い 一 ・ 五 mぐ ら い な ん で す 。 い ま ど き の マ ン シ ョ ン 購 入 者 は 、 こ こ で ガ ー
基本は個人だとはいいながら、住むとか生活するというときに、やっぱりい
ったなかで、いったいどこでどういうふうに楽しく住めるのかを考えた場合、
中の人たちも、子どものいない夫婦も、シングルだってそうですね。そうい
もっと楽しく生活したいというのがほんとうはあると忠、つんですよ。子育て
ことが当たり前になってきて、それぞれいろんなしがらみはあるけれども、
えると、もっと拡大して都市のレベルで考えないといけません。都市に住む
ベルみたいなところにこだわって話してきましたが、﹁共生﹂という話で考
現実はそうですよね。これまでの議論は、空間でいうと住一戸と住棟レ
っても、もう少し集合のメリットを追及しようということに対して、いまの
ろんな関係性がないと楽しくもないし成り立っていかない。そのところで、
テラスも奥行が一二 m以 上 あ り ま す 。 ひ と こ ろ の マ ン シ ョ ン の テ ラ ス は だ い
時点ではどうですか。普通の人は、そこまで合理的に考えないですか。
どういうふうに、不ットワl クをつくっていくのか。
ていけないかという点。それと、大久保さんのお話のなかで都心回帰という
ネットワークも、これまでは親族とか血縁が基本だったところを少し超え
そこまで:::。子育て世代という河じライフステージの人たちは碁本的にコ
のマンションの中に混在することになりますと、これは不協和音をかもし出
ミュニケーションがとれます。しかし、いろいろなライフステージ層が一つ
大久保マンション賠住者向士のコミュニケーションというのは、なかなか
国
2
盟
公共の場所をみんながもっと使えるように
もっと﹁都市に楽しく住む﹂ための何か具体的なアイデアはないでしょうか。
ワークでは成り立っていかないでしょう。そんな問題があると関心、つんです。
えることで、ネットワークという問題も、どうも限られたなかだけのネット
バランスをどう考えていくのか。それからそういういろんな生活の場面が増
なく、ごく普通のこととして働く。そういうなかで、住むことと働くことの
のかもしれないけれど、これからはむしろ女性が、ファッションとしてでは
ればならない。﹁働く﹂ことは、男性にとってはごく当たり前のことだった
けない方がいらっしゃるかというと、ほんとに数日あるかないかです。ワイ
す。ところが、一一一六五日のうちにどれだけお客さまとして応対しなければい
来たときにお通しする部屋を日本の住宅は必ずといっていいほどもっていま
ああいうものがもっと公共の場に増えできたらどうでしょうか。お客さんが
いわゆるリビングではなく、個人の家のようなリビングになっていますよね。
部先生のお話のコレクティブハウスのリビングをみると、日本の公共施設の
・:もっとスペースとしていいものになっていかなければいけません。小谷
て、しかもそれが単に無味乾燥なテーブルがぽんと置いてあるだけではなく
一
O人 ぐ ら い で パ ー テ ィ ー を す る と き に 気 軽 に そ う い う と こ ろ を 情 り ら れ
るのかと驚くほどに、たいがいの公共施設が予約でいっぱいなんですね。
工藤私はパブリックな場所をもっとみんなが使えたらいいなと、思ってい
ワイみんなでお酒飲んだり、ざっくばらんになれる友人はたくさん来るけれ
ふうに出てきたような、﹁働く﹂ということも、これからは視野に入れなけ
ます。ただ、自分の書斎のように気持ちいいちょっとしたコーナーとか、建
ども、そんなに堅苦しいお客さんは、実は来なかったりする。
だから、都市の中のパブリックな施設を、たとえばそういう客閤的な部分
築的にいいものがなかなか、街にはないのです。それは小学校でもそうです。
子どもがいると、お別れ会だ、クリスマス会だ伺だと、スペースを求めて
とか、一般の人にも家のように使えるスケールでもっと供給していけばいい
て
れ
・
均
しようか。
けれども、八O 討を一 O %ず つ で も 出 し あ っ て 住 ん で み よ う と 思 わ な い ん で
とるのに苦労しているんだったら、もう一つ別の苦労のしかたかもしれない
ティブハウスに通じているところがあると思います。みんなそんなに場所を
生がおっしゃったように、共用部分の生かし方とか意味とか、かなりコレク
園田打瀬小学校は、その意味ですごくおもしろいですね。まさに小谷部先
いるんです。
するときも、かなりそういうことができるのではないかと、私はいま思って
があるということをやってみようとしたのです。いろんな公共の施設を設計
そこで打瀬小学校では、一人という人間の単位でみたときも自分の行き場
能性をもっているのではないかと思います。
書館が使えるとか、公的施設がこれからの都市生活をおもしろくしていく可
小さい図書館が分散していますよね。自分のライブラリーのような感覚で図
町の中を右往左往しなければいけないんですが、実はなかなか借りられない。
一
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写か
;子どもたち。
1
6 野外教室にもなる哀の匝至。石で遊 J
写爽
て
のではないかということを思います。図書館なんかも、海外に行くともっと
設計/シーラカンス
そ れ だ け 需 要 が あ っ て 、 ﹁O O会 ﹂ を や り た い と 思 っ て い る 人 が こ ん な に い
千葉市立打瀬小学校
ンスとかね。自立して生きる、それでいて、そこに楽しみもあり文化的なも
があること。教育のチャンスがあること。特に女性の場合、仕事を得るチャ
える必要があります。都市の魅力の第一は、いろいろな商で、文化的な刺激
いう前に、ではど、フしてみんな都市に集まって住むのかということをまず考
小谷部先ほど、﹁都市にどう楽しく住むか﹂といわれましたが、楽しくと
も一人よりも、二人いてくれたほうが楽という実感はすごくあるんですね。
距離感、だれかいるという感覚ってすごくいいし、子育て期であれば、子ど
一人で飲むよりはなんとなくだれかがいて、﹁飲みますか?﹂という感じの
工藤特に、高齢になると、誰かと話をしたいですよね。コーヒー飲むのも、
コレクティブの世界かなと思います。
OOMが リ ラ ッ ク ス し た 空 間 と し て 自 分 を 取 り 巻 い て い れ ば 、 そ う い う の が
しかし、そういうところで家族をもちながら、あるいは一人で住むには、
りに兄弟もいるけれど、どうしてもその家族にいくんです。なぜかというと、
さっき何度か話に出たように﹁食﹂がすごく大切だと思うんです。自分の周
私はすごく親しくしている友人家族がいて、つくづく思うんですけれど、
二人で遊んでてくれるから。
のもある。これが都市に住む魅力だと思うんですね。
また、それは必ずしもそこに定住することを目的としない。住むというこ
かなりそれなりの緊張感が都市にはあります。言い換えれば非常にアノニマ
すごく﹁食﹂の感覚が近い家族で、﹁いいワインが予に入ったから飲もう
とに関して非常に流動的でいられることも都市の魅力だと思います。
スな、人の顔が見えにくいところがある。それを心地よいと思う人もいるわ
よ
と集まる。だから、﹁食﹂が、人を寄せ合ううえでものすごく重要にな
けですが、でもそこで子どもを教育したり、年をとったりすると、やっぱり
ってくるんではないかと思うんです。
一人で食べるより複数で食べるほうが楽しい。一人住まいの女性で、かっ
L
最後は安心感、もっとリラックスできるものを求めることになります。
だから、﹁楽しい﹂より先に、いろいろ緊張感、刺激のある都市の魅力を
七O歳、八O歳 に な っ た 人 を み て い る と 、 一 緒 に 食 べ る こ と を い か に 楽 し み
そういうスペースは必要です。でもそれはスペースとしてはあんまり要らな
たしかに、裸になれて、自分自身が限りなく音からも視線からも守られる、
ながつくる﹂というのがありますね。つくって人に食べさせるというのは、
すね。小谷部先生が紹介してくださったコレクティブハウスの場合、﹁みん
わって、食べてくれる人がいないとつくる気がしないということを開くんで
L
した自分自身の時間なり環境なりを
フルに活用しながらも、﹁リラックス
くて、特に入と伺かを一緒にやるのではなくて、何か顔のみえる関係があっ
実はものすごく刺激があって、元気になる材料だと思うんですよ。与えられ
にしているかがわかります。自分の親をみていてもそうですが、子育てが終
て、心地よい共生というものを求める。都市という非常に緊張感のあるとこ
たものだけ食べていると、どんどん気分が落ちていくし、自分から自発的に
みんな求めていると思うんですね。
ろと、限りなく個のスペースと、その中間になんとなく安心してリラックス
という行為
なれないみたいなところがあって、そういう意味で、﹁つくる
キツズルームの向こうにコレクティブの司能性をみる
L
できる、自分自身でいられるスペースがあるということ。
矢郷(毎日の生活研究所)私は世田谷の子育てをしている
はものすごく重要だと思います。
共施設がもっと柔軟に、だれもが自由に使えるものとしてたくさんあってほ
人たちの、子育てと住まいについていろいろ調べたんですが、
それにはいろんな段階があって、いま工藤さんがおっしゃったように、公
レクティブハウジングの共有スペースができてくるでしょう。そうすると、
しい。そして、もう少し自分のプライベートな生活に近づいたところで、コ
現在の状況では集合住宅はかなり子育てがしづらい。室内が
odぐらいのスケi ルの
自分のスペ i ス は 少 な く て も い い 。 自 分 一 人 分 が 四
いくら充実していても、共有スペースがないとなると、子ど
oou、ニ
あ る と こ ろ な ら 、 三 五 dだっていいかもしれない。それプラス一
きます。共有スペースがある程度充実していないと、なかなかいい暮らし方
もの遊びは外に広がりますし、物は外に出ていきますし、活動は外に出てい
居住者が集まって、代わりばんこにお誕生会を開くわけですが、大きなキッ
い ま し た け れ ど も 、 キ ッ ズ ルl ムの撲にパ l ティールームをつけるんです。
今度は、先ほどお子さんのお誕生日パーティーをする場所がないとおっしゃ
チンが設けられていて、ケーキやちょっとした食べ物を、そこで奥さん方が
ができないというところに思い当たったんです。
ワイワイやってつくることができる。そういうふうに、ファミリー向け、子
ただ、共有スペースというのは、分譲マンションでは、全部個人の権利と
育て世代をターゲットとしたマンションでは、子育てを意識した共有施設を
さらには、屋内の施設だけではなくて、子どもは外でのびのび育てたいと
関係してきます。住居を狭くして共有スペースを広くとった場合、ではその
売るときに売れないということがあって、経済的な問題からいくとすごく難
いう欲求がありますので、それなりの公園をマンション内に設けたり、車が
権利はだれのものかということがあって、経済的なものと共有スペースとい
しいというところにいまぶち当たっております。大久保さんにお聞きしたい
やたらに入ってこないように工夫して、子どもが安全に遊べる道路を設けた
かなり充実させる傾向にあります。これはだいぶ定着してきました。
んですが、実際に分譲マンションで共有スペースを広くして販売しても、そ
り、いろんな工夫をした子育てマンションが、特に郊外に多く建っています。
うものを切り離して考えることができません。いざそこを広くしてしまうと
の買い手はいるのかどうか、買い手にとってみてそれはどういう価値がある
ケーということですか。
そ う す る と 、 コ レ ク テ ィ ブ 的 生 活 を し よ う と 思 え ば 、 空 間 は も う オl
大久保そうですね。ただ、子どもは育つのが早い。最初は主力ターゲット
のかということを教えていただけると助かります。
大久保いわゆるファミリー層をターゲットにしたマンションは、基本的に
くるということがあります。たぶん入居者の成長に合わせた共有スペースの
と し て 子 育 て 世 代 に 向 け て 、 キ ッ ズ ルl ム を つ く る わ 、 パ ー テ ィ ー ル ー ム を
そうしますと、やはり子育て中の人が主力ターゲットになりますので、い
リニュ i ア ル 作 業 を 、 五 年 l 一
O年 の ス パ ン で 不 動 産 会 社 サ イ ド 、 も し く は
東京の二一一一区内などには建たないんですね。住み予のほうも、あまりそうい
ま 、 ほ と ん ど と い っ て い い ほ ど 、 キ ツ ズ ル i ムというのをつくっています。
自治会、住み手のほうで、そのときの自分たちに最もよい施設につくり替え
うところは望まないんですが、その分、埼玉とか千葉の郊外で、そういうフ
そこに住む赤ちゃん、一、二歳の幼児を遊ばせるスペースをかなり広く設け
るなんでいうことが徐々に芽生えてくると、小谷部先生がおっしゃるような
シングル女性の動向とコレクティブの可能性
ういう供給がここ一、二年盛んになってきたという状況です。
共生型の住宅の可能性も出てくるのではないかと思います。いまは、まだそ
週に二回ぐらいキッズマザーというのが来るんですよ。いま核家族で、若い
薗田ところでシングルの女性というのが気になるんです。結婚していない
いた家賃と変わりない額で二倍、一二倍の広さのものが手に入るわけなんです
お母さんたちはどのように子育てしていいかわからない。ノイローゼになっ
こういうキッズルl ム が つ い て い る か い な い か は 、 子 育 て 層 を タ ー ゲ ッ ト
が、その後の展望をどうもっているのでしょうか。都市での生活イメージと
シングルの女性がかなりのロl ンを背貰ってしまう。確かにそれまで払って
としたマンションの売れ行きに大きくかかわります。さらには、消費者から
か、かなりの金額を投資した後の展望をどうもっているんでしょう。
た り す る わ け で 、 キ ッ ズ マ ザi はそういう母裁に対して教育の指導をしたり、
み る と 、 も う キ ッ ズ ルl ムがついているのは当たり前になってきています。
子どもに遊ぴ方を教えたり、いろいろなソフトのサービスをするんですね。
さ ら に 、 少 し 進 ん だ キ ッ ズ ル l ムを運用している不動産会社の例ですと、
ているものです。
つ く る わ 、 し ま す が 、 入 居 し て か ら 五 i六 年 ほ ど で だ ん だ ん 必 要 な く な っ て
田
ァミリー向けのマンションの開発が盛んです。
調
マンションを買う人たちが結婚をしないと決めているわけで
うで
ねニ
。ア コ レ ク テ ィ ブ と い う の は 、 あ ん ま り 元 気
小 釜 部 でそも
、す
シ
確かに、小さな子どもを抱えながら一人で、あるいは共働きで仕事をして
出ないんじゃないかと思っているんだけれども(笑)。
の 自 分 の た め に 買 っ て い ま す 。 買 っ て い る マ ン シ ョ ン は 六O Mと か 、 だ ん だ
いる人たちは、子どもをどうやって育てようか、自由な時間をどうやってと
ゆくゆくは結婚するかもしれないということを想定していま
ん広めの傾向になっていますから、結婚して二人で住む場合も、さらに、子
さらに、もし住めないとすれば、そこらへんはしっかりしていまして、人
っても、子どもにとっても自分にとっても、納得する住環境をうまく、自分
から﹁どう生きるか﹂というようなことを考え始めますね。多少ニ!ズが違
そ れ と 、 高 齢 期 の 自 分 を 少 し 見 通 し た 五O代 、 六O代 、 ま さ に 私 の 年 ご ろ
に貸す。貸すとしたら自分みたいな人が借りるだろう、というようなことも
たちの力でつくろうというエネルギーを持ち合わせている人たちがいれば、
買わずに賃貸住宅を借りていても、一生、家賃を払い続けるわけですから、
ちですが、月々の返済金額は先ほどいいましたように家賃並みです。結局、
れない。
うが私は元気出るわという人は、そういう子ども世代と一緒にできるかもし
しれないし、でも、やっぱり年とっても子どもの声がそこらじゅうでするほ
いれば、そういう人たちどうしでシニアコレクティブが成り立っていくかも
可能性が出てくるでしょう。子どものいるうるさい住居はいやよという人が
それがロ l ン に 切 り 替 わ る だ け と 考 え れ ば 、 そ ん な に 思 い 悩 む こ と も な い ん
お金とか物とかで解決するのではなく、自分自身でクリエイティブな環境
でもスウェーデンはじめ向こうでもコレクティブハウジングは非常にマイ
をつくっていこうという、そういう人たちなら、さまざまなかたちでコレク
工藤子どもがいないと、あまり助けられることもないし、隣とかかわりを
ナーな存在ですから、決してそれは一般解、あるいは商品企画というかたち
うとか、そういうようなところまでは考えていないわけですね。
もっ必要性をそんなに感じないんです。外に社会があって、そこでたくさん
で成り立つ住居ではないと思います。
ティブが成り立っていくだろうと思うんです。
コミュニケーションしているから。しかし、子どもができると、どうしても、
﹁明日の住まい﹂のなかで、男性の生活者はどこにどういうふうにはまって
男性にとって明日の住まいとは
る人がいっぱい助けてくれたりというときに、社会というか、周りがすごく
いくんでしょうか。普通の町で、普通の住宅で、あるいは数は少ないかもし
あと一時間だれかがみててくれないと会議が終わらないとか、ケガしたから
大切なんだなと思うことがあります。
れないけれど、コレクティブハウジングで、男性は、どういうふうに明日を生
での議論で女性とか子どもの未来はけつこう明るいなと感じたのですが、
園田シングルが年老いていったときのことを考えると、やっぱり助け合い
きるのかというイメージを、一一一一一口ずつ一言っていただいて終わりにしたいと思
関関最後に、もう一つだけ質問して、終わりにしたいと思います。いまま
は必要だと思うんですが。シングルでい続けた人はどうなるんでしょうか。
います。
はどうしょうもない、いろんな局面がありますよね。そのときに、身近にい
シニアコレクティブの可能性はあるんでしょうか。
医者にいかなきゃいけないけれど子どもを連れていけないとか、自分だけで
大久保隣の人とのかかわりはあんまりないですね。
園田楽しく生活する方向で、もうちょっと隣の入と一緒に何かやりましょ
じゃないかという割り切りは、いまの人たちはしていますね。
女一人でロl ン を 背 宣 う の が 非 常 に 辛 い ん じ ゃ な い か と い う ふ う に 思 い が
想定しながら選んでいると思います。
応想定しています。
ろうか、切実に悩んでいます。
り
大久保
ま
せ別
んに
どもが一人ぐらい生まれでもそこに住めるだろう、というぐらいのことは一
は
あ
大久保私は、﹃住宅情報﹄のほかにもう一つ﹃ほしいリゾート﹄という情
そういう人たちがすごく多くなってきていて、生活の楽しさを知る人たちが
よね。私の身近では奥さんが会社員でご主人がフリ!というパターンがすご
非常に増えてきている。あとは、仕事の問題ですね。忙しすぎる社会の中で
く多くて、三食ともご主人がつくっているという家族がいます。話を開くと
時間をもっとそういうことに費やすことができるように女性も男性もなって
報誌をつくっていまして、これはリゾート地で暮らしたい人たち向けの情報
の 男 性 が 圧 倒 的 に 多 い ん で す 。 な ん で 五O代 以 降 な の か と 開 き ま し た ら 、 六
いけば、少しずつ変わってくるのかなと思います。素養はイーブンにあると
誌 な ん で す が 、 そ こ で セ ミ ナ ー を や り ま す と 、 い ら っ し ゃ る の は 五O代 以 降
O歳 定 年 を 迎 え る と こ ろ で 、 や っ と 、 ビ ジ ネ ス マ ン で は な く 生 活 者 と し て ど
関国男子鹿房に入って食の文化が栄えると。そうすると、小谷部先生、共
私は思っています。
えるにあたっては、違った自分を見い出すために、どうも都心部を離れて、
食の文化の可能性もありそうですが、いかがでしょう。
一国見草してみようと思われるらしいんです。リタイア後の第二の人生を考
たとえば那須だとか八ヶ岳とか伊豆あたりで暮らしてみるか、というふうに
小谷部やっぱり、健康な大人は食べること、掃除をして身の回りを清潔に
んな暮らしを自分はやっていったらいいのかを考えるために、住まいをもう
思われたりするんですね。
って、男性も女性も同じように経済的に自立すると開時に、社会を支えてい
保てること、これは最低限の自立の条件です。これから特に超高齢社会とな
かなければならない。それはもう自に見えているわけで、そういう時代に、
そういう状況をみますと、一一一O代 、 回O代 と 仕 事 に 押 し つ ぶ さ れ る 男 性 が
いま男性は、自分はだれとどこでどう住みたいかというようなことを考える
多いなか、五O代 あ た り か ら 徐 々 に 生 活 者 と し て の 時 間 を 取 り 戻 し 、 第 二 の
人生で豊かな暮らしを送っていただくというのがどうも現実的かと思います。
工藤自分の身近なことでしか発言できませんが、私の夫は、明治生まれと
在ですが、特に日本ではまだまだ、男性のほうが社会的制約があり、変わり
どこの世界でもコレクティブハウジングを選択する人はまだマイナーな存
チャンスを、女性よりももっと与えられていないという感じがするんです。
関図なんと、男性は町を捨てて、野に山に入っていくということですか
大正生まれの親をもっていたもので、別に悪気もなしに自分のことは侭もし
にくい状況にあるようです。でも、社会の潮流の中で、変わらざるを得ない
(笑)。印象的な一一言でした。工藤さん、いかがですか。
ないタイプの人だったんですね。洗濯ものはきれいになって、自分のタンス
そうしますと、やっぱり男性も女性も半々ずつ、社会的にも生活の面でも、
のも現実です。
す。ところが、子供ができて、生活のスタイルが変わってきたときに、生活
りますが、なると思います。こういう住まい方も一つの選択肢として日の目
協働し、お互いに楽しんでお互いにがんばろうということに、徐々にではあ
にちゃんと入っているということを三十何年近く、当たり前にしてきたので
者ということを体験したんですね。料理もまったくしたことのない人だった
またまお母さんが子どもになんでもしてあげすぎて、チャンスを与えないま
私が思うのは、料理は女性がするものだと考えているわけではなくて、た
とについて、一二人の先生からすばらしいプレゼンテーションとディスカッシ
私たちがこれから街で安心して快適に、そして楽しく暮らしていくというこ
闘 関 き ょ う は ﹁ 住 ま い の 明 日 を み る ﹂ と い う 大 変 大 き な テi マでしたが、
をみるのではないでしょうか。
まずっときてしまった男の人が実はすごく多い。でもみんな素養はもってる
ョンをしていただけたのではないかと思います。どうもありがとうございま
て、生活者であることの楽しさをちょっと見い出したなという感じです。
んですが、食べるということから料理に興味をもって、キッチンに立ち始め
んだなということを身近にみて思ったんです。最近、テレビで﹁料理の鉄
した。
(文焚 H 編集部)
人﹂がはやったりして、けつこう食の文化に対して男も女も入ってきてます
まち学習からまちづくりまで
創造力。主体性の形成をめざして
111
紀美子
まちづくりは人づくり
ていることではないだろうか。
市畏参加とまちづくり
てきた。そのはじまりは行政主導ではあったが、世田谷区太子堂地一区のまち
タラス・テイ
l著)は、パ i パパパ一家が再開発のために住んでいた家を追い出され、
フ
一
コンクリートの箱でしかない共同住宅に住むのですが、どうしてもなじめな
づくり活動では、地域住民がみずから自分たちの住むまちを真くしていこう
(ア、不ット・チゾン
いために一家で新天地を求めて、郊外の空気の良く居心地良い丘の上に自分
という主体性と参加意欲に支えられた実践活動が展開され、日本各地のまち
翻 訳 絵 本 λ iパパパのいえさがし﹄
たちでライフスタイルに合った住まいをつくってしまう。ところが、また、
づくりの先導的な役割を果たしたといえる。
その後、子どもの公居・遊び場づくりや歴史的建造物保存や町並み保存な
どの景観づくりにかかわる運動など、成果をもたらしている多くの市民参加
この物語は、豊かな住環境の形成の主体は国や自治体だけにあるのではな
は言い難い。行政のさじ加減でまちづくりの内容が左右されたり、バブル期
もあるが、都市計画の政策決定過程への市民参加が十分に保障されていると
を境にまちづくりへの市民参加の形骸化も生まれている。
現在の日本のまちづくりにおける市民参加の問題点をまとめてみると、次
のようになる。
川市民参加は形だけ
欧米では協議型まちづくりが展開されているが、日本では、住民に二、一二回
今、日本のまちづくりに求められていることは人づくりであり、市民参加
い場合が多い。一方、説明を受けた住民側も、計画案の内容が﹁:::しなけれ
の意見や考えは形式的に開きおくだけで、実際の施策に反映される保時がな
説明会を聞いて、その計画案の内容を機械的に説明するだけ、あるいは住民
を実効性のあるものとしていくことであり、日本人としての生き方が問われ
教育が重要な意味をもっているといえる。
るときはモノづくりを、長いスパンで考えるときは人づくり、つまり学習・
我々は明日のことを考えるときは食べ物をつくり、一 O年 後 の こ と を 考 え
て、大人に対しても十分に説得性をもっている。
なっており、日本の子どもたちが読む絵本では考えられない内容となってい
力ある住環境づくりができないことを小さな子どもたちに考えさせる内容と
く、基本は、そこに暮らす居住者自身であり、自らの働きかけがなければ魅
という物語である。
適な住環境を追い出されそうになり、みんなで開発に抵抗して住環境を守る、
開発の波が押し寄せてきたために、せっかく家族が力を合わせてつくった快
一九八0年代、まちづくり活動や市民参加によるまちづくりが活発になっ
2
j
翠
望ではないので、反対が多くなり、合意を得ることが困難な場合が多くなる。
ばならない﹂といった上位の計画から導かれたもので、住民の発意からの要
キャリアを飾るために住民の大切な予算を使うのではないはずである。
対応できないために利用されない施設が残ることになる。建築家の輝かしい
初は使用されても新たな使用目的に対応できていなかったり、多様な要求に
行政とパートナーシップをつくるスキルを高めていく必要がある。
すか﹂という自覚だけでなく、住民自身にも環境を変えていく能力を育み、
まちづくりにおいて住民が主体的にかかわるためには、﹁まちでどう暮ら
まち学習を有効にしていくために
また、計画案が専門用語でまとめられているために、二、三回の説明を受け
ただけでは理解が閤難で、受け身的にならざるを得ないのが実状であろう。
市民、民間、行政とのパートナーシップ構築による仕組みと、市民の自立
凶生活者の視点が入っていない
性を高め、まちづくりに対する内発的なスキルを育てる仕組みが必要である。
行政の計画の決定過程では﹁合理性﹂に基づく判断基準が行なわれる。し
では有効であるかもしれないが、風土性・地域性や計画内容の個別の状況を
基準として用いることは、空間の値を均一化して資源配分を行なうという点
①ワークショップ実践以後、実際に行動を始めたり主体的に活動運営にかか
ョップ体験者の意識・態度変革をみると、以下のようになっている。
ワークショップによるさまざまなまち学習が実践されてきている。ワークシ
住み手の内発的な力の育成と有機的な住環境の創造というこつの視点から、
無視した一定の数値は、数量的に表わすことのできない計画内容を切り捨て
わるなど、﹁自分たちのまちのことは自分たちで考え、快適なまちにして
いく﹂などという地域に対する責任や自覚が形成され、住民の意識や態度
②﹁人間性が豊かになった﹂﹁多くの人と話し合うことで自分の世界が広が
の育成の場となっている。
た公爵・施設などでも有効に利用されない場合が多くみられる。また持続可
った﹂﹁いろいろな人の意見を璃くことができ、自分なりの考、えを伝える
機会がもてた﹂など、ワークショップ体験者自身の自己発見の場として、
③住民国土が﹁親密なつき合いを始めた﹂﹁地域の住環境について本音で話
価値観の変革の場となっている。
生活者からのまちづくりへの要望は、包括的かつ総合的な内容のものが多
折していく。
a 参加したことがない住民が企画などすべて任されると負担が大きく、挫
一方、問題点としては次のようにいえる。
認識をつくりだしている。
自らの価値観と他者の価値観との聞で起きる葛藤を経て、そこから共通の
プに参加した住民同士、また住民と専門技術者が互いに影響を与えながら、
技術者や地域リーダーとの聞においても良好な関係ができ、ワークショッ
し合える関係ができた﹂など以前よりつき合いが進む。さらに住民と専門
外観だけが立派な施設がつくられることが多くみられる。その結果、建設当
ログラム維持・管理につかないために、住民の要求にあった機能をもたず、
モノ行政﹂といわれているのであるが、形に落とせない内容(ソフト)やプ
日本の予算システムは具体的な︿もの﹀につく傾向にある。つまり﹁ハコ
同ものづくり重視
総合調整する仕組みを導入していく、行政の柔軟な対応が求められる。
と、多くの部署に関連していくために、実行が難しくなる場合があるので、
く、行政の︿目的i 手 段 型 ﹀ 、 つ ま り 個 別 的 ・ 縦 わ り 的 な 施 策 に 対 応 さ せ る
同縦わり型の弊害
地域の圏有の文化を映し出し、育むまちづくりが求められているのではないか。
能なまちづくりとして、次の世代にツケを残さない環境保全型まちづくりや、
つまり生活者の感覚とズレた計画づくりになってしまうために、実施され
性をはらんでいる。
たり、貨幣換算不可能な住民の要求や価値を無視して計画決定していく危険
かし建築基準法や都市計画法などによって規定されている全国一律の数値を
3
合 意 形 成 に い た る ま で 話 し 合 い を 円 滑 に 進 め て く れ る フ ア シ リ テi ター
L
が位置づけられるようになった。
で取り入れられた。さらに一九八八年の教育改革によって、学校カリキュラ
ムに﹁まちづくり教育
具体的には、ナショナルカリキュラムのなかにクロス・カリキュラムのテ
ーマとして﹁環境教脊﹂と﹁市民教育﹂が位置づけられている。環境教育は
単なる自然保護教育ではなく、人工的な環境にかかわる内容も学ぶようにな
L
﹁市民と法﹂﹁公共サービス﹂な
っている。さらに市民教育は、﹁コミュニティ﹂﹁多様な社会﹂﹁市民であ
ること﹂﹁家族﹂﹁活動の中の民主主義
どといった内容を複数の教科の目標と関連させて体験型学習として展開され
同様な内容はデンマークの国民高等教育(フォルケホイスコ!とにもみら
るものである。
れる。この教育の基本は、﹁上からの民衆の啓蒙ではなく、人びとが対話と相
互作用を通じて、共同性・歴史性に目覚め、人間の生の不思議さ、尊厳を知
り、みんなと共に力を合わせて生きることに覚醒し、自覚させること﹂にある。
こうした外国の事例から、まちづくりにかかわる﹁市民﹂としての資質の
育成に求められることとは、まず第一に、市民としてとるべき態度と価値観、
での環境には住宅・建築・都市の人工的環境や歴史的環境などの諸相が合ま
﹁yEEロ自己古ムヨm
h
n
E
C
]印﹂で学校教育における環境の活用(ここ
ミω
gmm也 Oえ
ということである。
ィードバックしながら再思考・実践していくという学習活動が不可欠である
受容する立場ではなく、自ら思考し、判断・実践して、現実の過程の中でフ
都市や環境とのかかわりのなかで習得していくプロセスを重視し、体験的に
つまり白治意識や責任の自覚、共生の自覚の援成を基本とし、次に、実際の
れている)の価値が明文化されている。さらに環境計画の決定過程における
を深めるための美的な要素を取り入れたまちづくり学習を展開していく必要
一九六七年には初等教育に関する目。包
30℃ぽ ωE
住 民 参 加 手 続 や 機 構 を 検 討 し た ωZE認さロ月。吉江﹁
E Sロ笠間﹂(一九六九年)では、都市計画の情報を義務教育に組み込むべ
がある。まちづくり活動がイベントで終わらないように、継続的にねらい内
イギリスでは、
きこと、さらに子どもたちに成人してから都市計同にかかわるための資質を
容を展開するという祝点からも、まち学習を見直していく必要がある。
こ う し た 審 議 会 の 答 申 を 基 盤 に し て 、 一 九 七0 年 代 に は 学 校 教 育 や 地 域
(アーバンスタディ l ズ セ ン タ ー な ど ) で ま ち ト レ イ ル を 導 入 し た 体 験 型
(古)まち学習が活発になり、一九八0年代には人工環境から(吾吋o
c
m
F
)
学ぶ、あるいはデザインによって吉三学ぶ環境教育が活発に学校や地域
共 生 ・ 共 学 (楽) -共創
を創出していくことである。行政のモノづくりの論理に一方的に組み込まれ
まちづくりとは、 生 活 者 の 自 律 を 求 め て 、 各 地 域 の 固 有 の 生 活 価 値 や 文 化
5
環境の質には主観的な要素が大きくかかわるので、感受性を高め、想像力
育てておくという内容が答申されている。
市民教育とまち学習との連動
やりすぎで混乱を招いている場合も多い。
ファシリテlタl の経験不足による運営の困難さやファシリテ│ターが
る場合がある。
行政職員の暖昧なかかわりかたが住民との関に不信感を引き起こしてい
ワークショッププログラムの検討不足で、作業量のわりに時間が少ない。
内発的な力の形成にまで至らない。
一、二回のワークショップでは﹁おもしろかった﹂で終わってしまい、
や意識を下げてしまう危険がある。
ワi ク シ ョ ッ プ で の 成 果 が 実 際 に 生 か さ れ な い 場 合 、 体 験 者 の 学 習 効 果
策に生かされるという保障がない。
行政の仕組みの中でワークショップの位置づけがあいまいで、成果が政
参加者がいつも同じ顔ぶれになる。
が欠如のまま行なわれている事例もある。
b
C
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4
ている市民参加の他律性ではなく、主体性を確立していくことが不可欠であ
むという発想がなければならない。
住民と行政の信頼関係の構築の上に、共に学び合い、共にまちづくりを楽し
ら、選択していくプロセスを重視する仕組みをもっていることが必要である。
さらに策定される案は一つだけではなく、さまざまなオルタナティブの中か
る。そのための要件は以下のようになる。
川共生のまちづくり
従来の行政の住環境整備における問題点は、物的な計画に限定されていた
あったといえる。生活関連施設が不足している地域に施設を建設することは、
あるいはコーディネータl) の果たす役割は大きい。住民の意見や考えを図
まちづくりにおいて行政と住民の聞に位置づけられる専門家(プランナー、
ω専門家との協働
行政上の計画目的(課題)の一つをクリアすることになるが、生活者からの
面化する、あるいは予想される問題点を明らかにして、住民がさまざまな意
ことと、その達成自標が、行政の立場からの計画基準に基づく計画の実施に
計画とは、地域に居住していて建物を利用するのであるから、建物が建設さ
そのためには、専門家や専門機関の計画過程への参加のシステムの制度化
門家と市民との協働によるまちづくりを期待したい。
見を述べやすいように調整したり、住民の意見を専門語に翻訳するなど、専
を計画過程に組み込んでいくことが重要なの
れればよいというものではない。その施設の利用の仕方や管理問題など、具
体的に﹁形におとせないもの
L
である。したがって計画概念に、公園・施設などの利用システムや維持管理
り、まちづくりの発想にもそうした視点が求められる。まちづくりには﹁共
に生態系でみると、人間は他の生き物とのつながりで生かされているのであ
のであり、街区公障があれば子どもの発達が保障されるものでもない。さら
に生きていく場であり、幼児は小学生、中学生、高校生として成長していく
まちは壮健な男性だけのものではない。幼児から高齢者まで、女も男も共
だされていくであろう。
に、地域のもつ﹁場所の力﹂、つまり地域の個性や文化を生かす方向が見い
て地域の空気が変わり、住民のまちづくりへの意欲が触発されていくととも
ま ち づ く り に と っ て 重 要 な 課 題 で あ る 。 こ う し た キl パi ソンの存在によっ
域に埋もれている鋭い感性やセンスの持ち主を発掘し、活用していくことも
一方、まちづくりには地域のキi パi ソンの活用が大切な要因である。地
と財政的な援助が配慮されていなければならない。
に生きる﹂仕組みと﹁共に創る﹂発想が求められる。
も合めていく必要がある。
凶共に学びあう仕組み
ざまな方法で意見やアイディアを求め、それらを反映させて構想案をまとめ
とを運ぶのではなく、時間の許す限り、参加していない方たちからも、さま
ートナーシップ型まちづくりが確実になるであろう。さらに﹁まちをつくる
られる﹁まちづくり条例﹂に住民参加を具体的に盛り込むことによって、パ
的な制度を確立していくことも必要である。例えば、議会の議決を経て定め
まちづくりにおいて住民参加を保障していくためには、諸外国のように法
州共創のまちづくり
ている。さらに行政側も、住民から出された構想案に対して、計画案の規制
ことは未来を創る創造的な活動﹂であるから、好奇心旺躍で柔軟な見方ので
成功しているまちづくり活動では、参加しているメンバーだけの意見でこ
や事業手法を具体的に示し、さらに行政の行なうことを明確に責任をもって
きる子どもたちを、まち探検やまち歩きなどにより身近な環境への自を開か
(おざわ・きみこ/東京学芸大学教脊学部教授)
いくまち学習のプログラム展開への見直しが必要である。
せ、そこで得た﹁気づき﹂を﹁理解﹂←﹁創造﹂←﹁表現﹂と具体化させて
示している。
このことが、計画づくりにおける住民と行政が同じレベルで話し合いがで
きる土台となっているといえる。さらに、縦わり組織の行政内の関連部署の
横断的な対応づくりによって、効率よく計画策定が遂行されている。基本は、
生活者主体の住まいづくb
世帯閣の抵どよい関係についての調査から
i--
牛出 美 緒
はじめに
婚化、少子化、夫婦のみの世帯の増加など家族の小世帯化が進んでおり、若
年から高齢者までさまざまな単身者が増え、また離婚によりシングルと片親
このような現象が特に顕著な大都市圏では、独立した子世帯と親世帯は一
世帯が増加している。
るとき、誰とどのような関係性をもちながら生活するかを考えないわけには
見それぞれあまり関係なく暮らしているように思えるが、家族としての意識
住まいは、その人の生き方を支えるものだといえるだろう。住まいを考え
いかない。すなわち、共に住む入、近くに住む人をどのように選ぴ、かかわ
は共有している。そしてそれぞれ自立しながらも必要に応じて相互に交流・
支援するため、お互いの居住地を意識的に選択している。そのような住まい
っていくかである。
住まいづくりを生活者主体にしていくという視点から、住宅・都市整備公
った調査(東京都内の公団住宅居住者と公団情報希望者を対象)から明らか
方﹁家族ネットワーク居住﹂が求められている。これは公団の研究所で行な
になったものである。﹁夫婦と子どものみで暮らし、かつ親の近くに住む﹂
ーク居住)、地縁だけでないコミュニティ (2 新しいコミュニティ)、集会
所 か ら 一 歩 踏 み 出 し た 団 地 共 用 施 設 (3 シi リアお台場ミーティングルー
を理想の住まい方とした人が会体の約一二分のこともっとも多く、﹁一一一世代同
団 の 研 究 所 で 最 近 行 な っ て い る 、 毅 子 世 帯 聞 の 家 族 関 係 (1 家族ネットワ
ム の 試 み て 居 住 者 参 加 に よ る 積 極 的 な ふ れ あ い の 場 づ く り (4 参 加 型 集
居﹂﹁核家族﹂を大きく上回った(図
住みたい家族があるという人は四分の一で、合わせると六割以上が家族ネッ
いの位軍関係を考慮して居住地を選択した﹂人は三分の一以上、将来近くに
l)。 そ し て 、 ﹁ 実 際 に お 互 い の 住 ま
住)の調査について紹介したい。
家族ネットワーク居住
の違いを認め尊重し、お互い適度に距離を保ちながら、必要な時には補い助
また、経済的に独立した子と親との理想の関係は、﹁個人の価値観や生活
ト ワ ー ク 居 住 を 実 践 ま た は 希 望 し て い る 畠 12)。
化してきた。都市型の集合住宅において戦後一般化し、家族の典型と考えら
け合う﹂という家族意識が多数派になっている。
家族観や家族の形態、家族に求められている機能は、時代と共に大きく変
れていた夫婦と子ども二人という標準的な核家族も、もはやさまざまな家族
子育て期には交流や育児支援の要求から、 そして親世帯が高齢化する時期
形態のひとつに過ぎなくなってきた。家族社会学などの視点から家族の変化
動向を見てみると、主に﹁多様化﹂と﹁個人化﹂がいわれている。晩婚・非
は、元気なうちは夫婦またはひとりで、向一一沿線などが多く、弱ってきた時
い る 。 自 分 自 身 が 高 齢 期 に 入 っ た 時 の 子 世 帯 と の 望 ま し い 住 ま い 方 面 13)
には交流や介護・家事支援などの要求から、このような住まい方が生まれて
とても重要なテl マだろう。
るなか、生活者がまわりの人とどのようにかかわりながら暮らしていくかは、
れてきている。また血縁同士でも自立した上での交流・支援が求められてい
近年、家族の多様化、非婚・離婚により、家族を形成しない人たちも生ま
新しいコミュニティ
でも高齢者用の住宅や施設、罰一沿線、同一一団地をあげていて、同居を望ま
しいとする人は多くない。親に対しては弱つできたら面倒をみようと考えて
いるが、意識としては自分自身はできるだけ子どもの世話にならずに自立し
このように、関居や隣居よりも、むしろ近所や同一団地、同一市町村、同
りが欲しいという人が増えてきているようだ。もちろんわずらわしさは求め
麗名性を快適に感じてきた。しかし近年では、もう少し地域社会でのつなが
戦後、都市に移り住んだ人びとは、村社会のわずらわしさから逃がれて、
一沿線など行き来しやすいところが望まれている。お互い必要な時にはすぐ
ないが、居住者聞の人間関係が希薄で住んでいて不安や寂しさがある、とい
郊外のコミュニティについても、これまでは主に子どもとその母親たちを
に訪問できるが、忙しい時には顔を見せなくても気兼ねしなくてすむような
ていこうとしている。
2
うのだ。
長時簡保官
距 離 が よ く 、 ス ー プ の 冷 め な い 距 離 で は な く 、 む し ろ ﹁ ス lプ の 恥 か か 距
離﹂が理想という声もあった。
兄弟姉妹と近居
うち
1
6
.
8
%
uしい友人と近居
現在も将来も希望しない
38.6%
I2白 %
お桝
全体[
お互いの住まいの位置関係
を考再して燈住地を選択将来希望
国一 E 家族ネットワーク居住の状況と将来希望
践と近居
学童保育
(主なもの)
人
と仲良くすることではなくなってきて
とであり、コミュニティが単に隣近所
またその活動も、﹁価値観が共有し合える部分でつきあっていく﹂というこ
Epb
搬いる。昔ながらのいわゆる地縁とは呉
蹴なり、地域を基盤としたさまざまなコ
捌ミュニティ活動が重層的に存在してい
うる。多摩ニュ!タウンにおけるコミユ
鵠ニティの調査でも、同じような価値観
肱糾や趣味の人たちの活動が団地を超えて
箆附け川
同町
E4
ν ネットワークを組むことが多くみられ
位はさまざまであるのに対し、将来つ
(表││)では、現在(表の左上)の一
割問た。余暇時間につきあう人の順位比較
1
表
4 子育ての支援体制として望むこと
図
2
7
.首%
揮官留が軍の近く
中心としたつながりであったが、就労時間の短縮に伴う余暇活動の増大、ラ
現と向居
また、平成七年公団住宅居住者定期調査における﹁子育ての支援体制とし
望ましい住まい方
イフスタイルの多様化などにより、いわゆる﹁会社人間﹂と呼ばれていた男
自分が弱って
きた時
て望むこと﹂(図│4)でも、﹁殺と近居したい﹂が三割弱で最も多く、﹁親
友人たちと問居又は近居
三 人で暮らす
夫持旦 i
性等有職者の地域社会での新たなコミュニティ活動のきざしも見えつつある。
兄弟姉妹等と伺居立は近居
と同居﹂は約一二%と低い割合になっている。そしてここでは﹁親しい友人と
3 自分1J¥高齢期に入った時の子世帯との
図
3
7
.
3
古一一閉その他
自分が元気な
近居したい﹂という人も二割弱いる。
1 理怒とする家族の住まい方
図
6
5
.
告%
全体
三t
世代同居核家族
夫婦と子供のみで暮らし、
かつ親の近くに住む
他はすべて団地内の人が一位となっており、生、活の場周辺でのつきあいの重
きあいを深めたい人(表の右下)では子どもが中学校度内の人と答えている
集まって気兼ねなく楽しんだりできる空間としてつくられた。広さは一二0 1
居住者同士お互いに助け合ったり、あるいはくつろぎやレッスンをしたり、
を 楽 し む ミ ー テ ィ ン グ ルl ム ﹂ 、 カ ウ ン タ ー キ ッ チ ン の あ る ﹁ 食 遊 を 楽 し む
五OU、六部屋それぞれに特徴ある空間となっている。防音の強化されたよ日
これらは、コミュニティが趣味活動や自己実現の場として求められている
ミ ー テ ィ ン グ ルl ム﹂(図 15) 、 そ し て 幼 児 用 ト イ レ の あ る ﹁ 親 と 子 の ミ ー
要性を感じていることがわかる。
のと同時に、協同、助けあいの場としても意識されていることを示している。
ティングルl ム ﹂ 、 そ の 他 和 室 の ミ ー テ ィ ン グ ル i ムなどである。
ゃ鍵を情りるのが面倒という声も多い。
通常の集会所は、利用のつど時間単位で申し込みをするのだが、申し込み
学生や働き盛りの世代は、地域社会との関係が薄くても臼常生活にあまり支
障がないが、非常時の危機管理、高齢者、そして子育ての問題に関しては、
地域で協力しあい、対応していく必要がある。
そ こ で ミ ー テ ィ ン グ ルl ム は 、 居 住 者 の な か で グ ル ー プ を つ く っ て 一 定 の
都心居住における共用施設のあり方についての一つの試みとして、臨海副
を置いておくこともできる。そのような半専用的使用ができる居心地のよい
ば鍵はグループに預けて自主管理にできる。またグループの持ち物(備品)
期間連続して利用するという方式にしてはどうかと当初は考えた。そうすれ
都 心 台 場 地 区 の 公 団 の 超 高 層 住 宅 ( 写 真 11) に お い て 、 ﹁ ミ ー テ ィ ン グ ル ー
部屋を提案したのである。初めての試みなので、居住者の意向も取り入れな
シlリアお台場ミーティングル!ムの試み
ム﹂がつくられた。都心では特に近隣関係が希薄だが、快適な共同生活をお
がら利用のしかたを検討するための実践調査を行なっている。
ま ず 、 居 住 者 に ミ ー テ ィ ン グ ルl ム の 概 要 と 利 用 方 法 を 伝 え 、 ア ン ケ ー ト
三一一一階建ての超高層のエレベーターホi ル に 面 し た 吹 き 抜 け 空 間 に 、 五 層
企画した。 ワ ン デ ! 体 験 は 、 利 用 に よ っ て 使 い 方 の イ メ ー ジ を 高 め る こ と を
い こ う と ﹁ ワ ン デl体 験 ﹂ と ﹁ フ レ ッ シ ュ ・ カ フ ェ ﹂ と い う 無 料 体 験 期 間 を
ので、とにかくミーティングル i ムを使ってもらいながら利用方法を考えて
数であった。まだ入居して間もなく、グループづくりの時期に至っていない
定せず、個人単位で気軽に利用できるようにしてほしい﹂という意見が大多
ても素晴しいと好評だったのだが、利用方法については、﹁グループにと限
こ の 会 に は 約 五O 名 の 出 席 が あ り 、 部 屋 の 内 装 や 設 備 、 眺 望 に つ い て は と
パーティー、子育てのつどい、お茶会などを催した。
部屋では実際に利用のイメージを高めてもらうため、プチコンサート、喫茶
ンケート結果報告、見学会、意見交換・出会いの場という会で、それぞれの
会﹂を開催した。入居後五ヵ月くらいの時期である。利用方法案の説明、ア
いに知り合うきっかけの場づくりとして、﹁わいわいミーティングルームの
高層とその隣の中島の一二八二一戸が利用対象者である。
調査により居住者の意向を把握した。そして実際に部屋を見てもらい、お互
1
写真一
ごとに六フロア設けられ、お台場海浜公園に面した展望室となっている。超
は 別 に 、 新 た な 試 み と し て 設 け ら れ た の が こ の ミ ー テ ィ ン グ ル i ムである。
くるには居住者同士のふれあいの場所が重要であると考え、従来の集会所と
3
ルi ム ﹂ を 週 に 一 因 朝 か ら 夜 ま で 、 し ゃ れ た テ ィl ラ ウ ン ジ と し て 開 放 。 そ
(
写
真 │2)は 、 居 住 者 同 士 の 出 会 い の 場 と し て ﹁ 食 遊 を 楽 し む ミ ー テ ィ ン グ
居住者のパーティーなど多くの利用がなされた。一方、フレッシュ・カフェ
目的とした。子どもを介した母親の集まり、友人とのパーティー、同一階の
トでつ。
至るにはまだまだ時聞がかかるといえ
り、自主的に管理運営してもらうのに
だわけではない。賃貸ということもあ
ィングルi ム に 期 待 し て お 台 場 を 選 ん
これらの試みは始めてまだ半年ばか
の時間は研究スタッフが部屋でお茶のサービスをしたり、話し相手になった
り し た 。 毎 回 二0 1三O名 が 参 加 し 、 居 住 者 同 士 の 出 会 い が 生 ま れ た 。 そ の
の部分が多い。しかし都心に住む居住
りなので、今後の展開については未知
親 と 子 の ミ ー テ ィ ン グ ルi ム で は 、 幼 児 を も っ 親 に 集 ま っ て も ら い 、 子 育
中の数組はさらに、親しいつきあいへと発展したようだ。
て支援の空間としてどのように利用したいか話し合った。未就学児のいる世
確認できた。誰かと知り合いになりた
たいと思っている人が存在することは
の母親だったので、まずは子どもを一緒に遊ばせる活動をすることになった。
いと感じる人は、昼間もこの地域で過
Fフレッシュ・カフェ」
出会いの場
E
者にも、地域の人とのつながりをもち
そこで毎週火曜日午前一 O時 か ら 一 ニ 時 ま で 保 育 者 二 名 を 研 究 会 が 頼 ん で 親
ごす人たち、例えば仕事をリタイアし
自分の住む地域で人とふれあいたいが
子の相手をする体制を試みた(写真 i3)O 壁 に 紙 で 柿 の 木 を つ く っ て 貼 っ た
たちは保母さんが遊んでくれることを楽しみにしていたようで、母親たちも
きっかけが見つけられない、エレベー
た六O代の男性や専業主婦等が多い。
子どもを預かってもらえるのなら、銀行などの用も済ますことができ助かる
ターホi ル で 居 合 わ せ て も あ い さ っ し
り、クリスマスカードづくりや﹁英語で遊ほう﹂などの活動をした。子ども
という感想だった。けれど居住者がみ
ふりヲ令。
ずから保育者を頼むとすると人数が少
図 -5 シーリアお台場
写真
写真一 3 子育て活動(親と子のミーティングルーム)
帯が全体で一一O 戸ほどしかなく、集まった親子が一 O 一戸ほどで、王に専業主婦
食遊を楽しむミーテイングルーム
ていいのか跨踏してしまうとのことで
参加型集住│恥納容型
が大切だろう。
間づくりや運営にかかわっていくこと
る。だからこそ、居住者がみずから空
あいをもちたいかによって決まってく
はそこに住む人たちがどのようなふれ
用スペースをどのようにもつか。それ
居住者同士のふれあいの場である共
4
なくて割高のため、今度は保育者なし
で好きな時間に利用できるようにして
みた。しかし今度は同じ時間に他の親
子と一緒になるきっかけを失い、あま
り集まらなくなってしまった。
このように完全に居住者に任せると、
やる気があってもなかなか活動が続か
ィングル!ムについてはあまりアピー
ない状況もある。入居募集時にミーテ
ル で き な か っ た の で 、 居 住 者 は ミl テ
バルコニー
(食遊を楽しむミーテイングルーム)
帥村築@倹まいの開明日をみる
すまいのテクノロジー
+
L
よりも、﹁特定ターゲット(た
ただし、私たちは、そのシステム化する対象を、
﹁一般的な住宅
とえば二世帯住宅)﹂に向けた技術開発を推進し
てきた。それには、ふたつの理由があった。ひと
つは、その技術の蓄積が、設の中にも殆ど無く、
とりあえず着手せざるを得なかったこと。ふたつ
に、間業他社との﹁差別化﹂を図るには、特定タ
ーゲットに向けた提案の方が、訴求効果があると
考えられてきたからである。
研究開発のスタンスとフロ l
っきりした定義もなく、その範囲は漠然と広いよ
﹁ソフト技術﹂とひとくちにいっても、特には
顧客に合わせた住空間を設計することで、営業所
個別設計とは、そのシステムを利用して、倍々の
生かされている分野でもある。一方、第二段階の
て、ここは﹁標準化﹂という工業化の手法が最も
て下さる入居者が数万件あり、また、目的に応じ
お 宅 に 出 向 け ば 、 快 く ク ロ i ゼットの中まで見せ
ルドを持っているからこそだといえる。つまり、
それが自自にできるのも、非常に恵まれたフィー
問題の芽、解決の糸口を探ることができる。ただ
まり等の設計のことで、通常は、商品開発スタッ
ム設計とは、躯体、内外装の仕様、部材相互の納
の二段階に分けて行なわれる。第一段階のシステ
工業化住宅の設計は、システム設計と個別設計
では、ソフト技術開発の目的とは何であろうか。
別設計技術のシステム化﹂だといえよう。
えられる。つまり、ソフト技術開発の目的は、﹁個
質を確保しながら効率よく設計できるはずだと考
計技術の分野もシステム化できれば、住空間の品
工業化住宅の設計とソフト技術開発)。であれば、個別設
ウ 、 ス キ ル に 頼 っ て い る の が 現 状 で あ る 畠i
仕方があり、一 O Oの問題と一 O Oの問題解決方
見、住宅が一 O O件あれば、一 O O通りの生活の
法があるようにみえる。が、実はそこには﹁共通
このフィールド調査から実感できることは、
ふめヲ令。
分析やアンケート調査ができる環境にあるわけで
フにより設計され、システム化されている。そし
て、建物や居住者の属性をセグメントし、プラン
の部分は、システム設計と違って、個人のノウハ
凶 -1 工業化住宅の設計とソフト技術開発
の設計または営業担当が個別に行なっている。こ
│瑚じ住宅の設計│→
うに思われるが、私たちはソフト技術を、﹁姻別
模型事化されている分野
設計技術﹂そのものとして捉えている。
もマクロにもよく調査することで、ニーズの変化、
こ と で あ る 。 生 活 の 現 場 H フィールドをミクロに
の生活の現場から発想する、回ったらそこに戻る﹂
私たちのソフト技術開発のスタンスは、﹁個々
2
工業化住における
ソフト技術開発のあ喚み
子
ソフト技術開発の目的
敦
旭化成二世帯性宅の開発を事例に
j
撃
入
のニ iズ﹂と﹁共通の解決策﹂が内在していると
いうことである。そして謂査の結果を分析して、
まず﹁設計の考え方﹂をまとめ、さらに﹁設計手
法﹂として、一般の設計に生かしていくわけである。
さらに、その﹁設計手法﹂を一一一つの方向へ展開
L
であり、次に、その手
していく。それは、まずその手法を実現しやすく
するための﹁ハ iド開発
法で設計できるようになるための設計担当の﹁教
育﹂であり、さらに、その手法に基づいた設計提
案を顧客にわかりやすく説明できる﹁プレゼンテ
ーションシステムの開発﹂である。このように、
﹁偶別のニ iズ﹂を﹁共通の考え方﹂にまとめ、
﹁手法化﹂し、その手法を﹁もの﹂と﹁ツl ル
﹂
で補完して﹁個別の設計﹂にフィードバックする。
そういった開発フローが、ソフト技術開発にとっ
ただし、この開発フロ l において、調査デi タ
て最も理想的な姿だと考える。
ーの解析手法や効果の評価は、未だ試行錯誤の部
ふたつの 2階建て住宅を接続させた完全独立
設計
まなタイプが存在し、今でいうこ世帯住宅も含ま
れていた。現に顧客は、実生活の中から、当時、
生活に合った間取りを発想していたのである。そ
こからは、従来の同居だけを前提とした住宅設計
では対応できない新しい住まい方、住空間設計の
それらのプラン分析、同居実践者や見識者の考
幕明けを感じとることができた。
えを参考に、二世帯住宅を﹁台所をニつ持つ親子
同居住宅﹂と定義し、それを建築形態で四つに分
類するという、ごくシンプルな考え方で示したの
が、この第一期である。その分類は、内階段タイ
プ・共用タイプ・外階段タイプ・連棟タイプの四
つである。この段階では、住宅のタイプと生活の
2
四つの基本型)。
関係、生活空間としての違いは、あまりはっきり
していない(図
日第2期二倍別最適解の二世帯住宅
︹一九八O年(昭和五五)1 一九九一年(平成三)頃︺
この頃は、二世帯住宅がひとつの住宅の形態と
して社会に認められるようになった。受注も順調
設計アドバイスを求められるようになった。そこ
でまとめたものが、﹁かかわり意識﹂と﹁かかわ
り空間﹂の二軸から、好ましい両世帯のゾi ニン
研究を始めた頃は、いわゆる再居住宅を顧客に
のかたちを示すもので、分離指向と融合指向に大
﹁かかわり意識﹂とは、親世帯/子世帯の交流
グを導くという論理的な手法であった。
一一一日われるままにつくっていた。その中にはさまざ
[一九七三年(昭和田八)1 一九七九年(昭和五四)頃︺
山第1期一四つのタイプの二世帯住宅
hv
。
八)に着手し、一九八O年(昭和五五)に二世帯
玄I
揺をはじめすべての設備が 1隠と 2絡に分かれ
たプライパシ一重視設計
に増加し、全体のほぽ一一一割に達した時期である。
i
翠榛タイプ
住宅研究所が発足、ほぽニO年を迎えるが、その
ト
タF
皆E
生タイプ
このような問題を抱えながらも、ソフト技術開
玄関はひとつ、それでも二世帯分の機能を完鰯し、
独立と交涜をはかる調和設計
それによって、必然的に、顧客からより具体的な
1
'
"に、ふたつの玄飽を儲え、 1.2階をそれ
ぞれの世帯で住み分ける独立性等箆設計
内容は、大きく一一一つの段階を経て現在に至ったと
共用タイプ
発は、この十数年で確実に変化してきでいる。そ
内F
皆段?イプ
い
、
ぇ
ヲ
分が多く、まだまだ開発途上であることは否めな
4つの基本形
二世常住宅
2
関
の開発の変遷を、二世帯住宅の開発を例に振り返
ってみたいと思う。
一九七三年(昭和四
二世帯同居住宅の開発の変遷
ニ世帯同居住宅の開発は
3
すると考えた。﹁かかわり空間﹂とは、空間上の
別できる。その中も段階的なかかわり意識が存在
っている。
間取りの提案を行な
t
H会う
~-4
での対応方法に置き換えたものである函 │ 3
コミ
以上の概念を輸に、それぞれの交流のかたちに
しく、個々の要望と
を決めることが望ま
間取りの融合や分離
かわり意識とかかわり空間)。
ュニケーションスタイルと フラン﹂のチャートで
間取りが一致してこ
0
合 っ た プ ラ ン を ま と め た も の が 、 ﹁ 図14
ある。生活の融合度合の高い場合には、共用スペ
分離志向
"
1団らん,食事だけ別 I
!
j
融合志向
!
分離志向一一一団らん、食事は原郎として g
l
j
融合志向一一一団らん、食事は原則として一緒
i
小
高虫合志向大三
1
1
│すべて生活は一緒ト-口一│たまには別の生活も
⑧「かかわり空 I
H
}
J の考え方
かった。それはなぜ
起きていることがわ
と間取りに不整合が
あるが、現実の生活
は、精散な理論では
結果、これらの手法
査・プラン分析)の
ド調査(生活実態調
その後のフィール
四)以降]
︹一九九二年(平成
適解のこ世帯住宅
日第3 期 一 一 般 最
である。
ると考えていたわけ
そ、満足度の高い二
分制附(食事が別々
やすい
ースの多いプランに、融合度が低く独立している
共J
I
J
世帯居住を実現でき
ノ
あわせてこの時期に、伝統的な息子夫婦同居に
H~ 会う "ríiG tlゐ
あり
比べて、あまり国定概念にとらわれない娘夫婦問
斗﹂
AH(
食引が一仲間
サブサニタリー
制
サブリピング
山会わな
場合には、分離の高いプランになっている。
流の形に合わせて、
いずれにしても、
内郊一脈
ぷ[
:
;
<
[
(
1
'
.
)に
かかわりをその質的な面から、﹁出会い度﹂とし
可能性あり
この段階では、それ
偶然tI',会う
て六つに分類し、さらにそれぞれに対して、建物
kまわり
ぞれの世帯の望む交
くてすむ
か
山比物側
での対応
出会い皮
住まい小川
サブキッチン
くない H
寺
腐の実践者に着呂し、その気兼ね意識や空間の分
卜一口
│すべて生活は別
'
J
'
大二1
1
1
分綾志向
出会いた
5 J3
rrr
寝袋のみ
独立
l日 刊i
百航
芯~ [
:
;
<
[
的
だ
独
3 Fかかわり意識」と「かかわり空間」
図
が
1
IJ1会い
立
'
t
i
古の'/,で
必ずlIJ
1会う
離要求の違いを調査・研究し、それぞれに合った
重量「かかわり意識」の考え方
最大限に分離度を高めるための工夫
建築分離度と対応する生活分離度
5
図
議
韓
露
鐘
援
罷
鍾
盤
麗
鐘
全ての生活が二世帯一緒
O
時々 =t
世帯別々の持簡を持つ
ム
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
ム
食事、団らんは別々、その他は一緒
二世帯住宅
一~司
ム
全て別世帯、再世帯の交流は盛ん
ム
全て別世帯、お隣り関士の感覚
II
d 盤論h
鍾盤h
s
d
葱トイ
i
'
i
K
I
L
守
I
玄関を共用
寝室のみ独立│小型 D
K
付寝室!玄関とサニ空リー
が独立
i
を共用
分離型
共用型
寝室、子供部屋、便所一一+圏
非二世帯住宅
台所(サブキッチン)食堂一一+図
融合型
居間、茶の間一一一一一一+由
洗面所、洗潔機E
霊場、浴室ー+匡豆三亙8l .
.
.
.
.
!
I
I
I
!
I
I
盤
強
.
.
.
. .
.
.
.
.
!
I
I
I
!
I
I
鱗
恥
工国
玄関、客間
0 =十分対応できる
ム=対応できるがやや祭翠がある
脅
す
ム
語
韓
闘世間
骨
官
「
官
可
非二世帯住宅│片方にサブ機│二世帯住宅として十分機能す 1
あらゆる交流ス│近居的な交流に
いわゆる閑居 j
能がついたこ│るが、設計上の配慮が必要 1
タイルに対応│適すが、交流スヲ
住宅
i
世帯住宅
ι
イル変化への対
応力は低い
i共用型の設計ノウハウ II
¥
/
間田3
柳
建築分離度
‘
託
イ
く
寝室のみ別 す
内
部
て
別
連
だ
絡
が
あ
り 全
内
て
部
別
連
で
絡もなし
(7
寝
キ
ぅ
室
チ
ン
)
と
のD
み
K
別 Sと玄関を共用 玄関のみ共周 全
常
わせた設計をするのでなく、さまざまな交流のか
二世帯住宅とは、設計時点での交流のかたちに合
つには、これらの
たちに対応できる﹁標準形﹂を明らかにすること
かと言えば、
手法では、﹁生活
が必要だと考えられるようになった。
化に伴い、生活に
の成長や親の高齢
合度合いも、子供
合った関取りの融
設計時点で希望に
らだと言えよう。
でも問題なく対応できる二世帯住宅の標準型だと
できると思われるからである。それは、誰が住ん
のさまざまなレベルの交流に、最も遜色なく対応
国表から見てとれるように、この形態が、両世帯
空間は別だが、内部での通路あり﹂だと言える。
15にあるように、﹁全ての
ろうか。それは、図
る理想(標準)的なかたちとは、どんなものであ
では、長きにわたって快適な二世帯同居を営め
合わなくなる可能
も言い換えられるであろう。
で、両世殺の望む
なぜなら、過半数の二世帯住宅は、敷地や資金の
形﹂を示すだけでは、充分な指針とは言えない。
しかし、二世帯住宅の設計において、﹁標準
交流のかたちを本
一つにして前世帯から共用するタイプ(共用型ニ
世帯住宅)にせざるを得ないのが実情だからであ
制約からその床面積が確保できず、玄関や浴室を
ある。親子には互
る。したがって、この共用型二世帯住宅をいかに
か、という問題が
いに遠慮もあり、
共用型二世帯住宅の設計ノウハウの本質は、い
標準形の機能に近づけるかの設計ノウハウも合わ
顧客自身が、交流
かに各世帯の独立性を高めるかにあり、そのため
なかなか本音が把
の要望レベルをは
の、ゾi ニングとサブ空間の考え方の原則がある。
せて重要なテl マとなってくるのである。
っきり認識してい
16のAタイ
る。つまり、基本ゾi ニングは、函
に影響を与えずに共用部分を利用できることであ
ゾl ニングの原則とは、一方の世帯が他方の世帯
以上から、良い
が現実である。
なかったりするの
握できなかったり、
当に捉えられるの
さらに、設計時点
性が高いのである。
れていなかったか
の変化﹂が考慮さ
ひ
と
nHu
d 斗・
き な い ゾi ニ ン グ で は 、 互 い の 生 活 を 侵 害 す る 最
過 し な い と 共 用B の部分(例えば浴室)を利用で
図
16のBタイプのような、子世出怖が親世帯を通
置かれるようにする必要がある。これが例えば、
プのように、両世帯から対等の位置に共用部分が
能も複雑で、共用すると非常にストレスを生じや
する。調査の結果からも、この部分は、空間の機
洗面洗濯室をサブ空間として設置することを提案
を共用する場合、多少居室を調整しても、最低限
次に、サブ空間の考え方であるが、サニタリー
の生活時間のズレ、妻の友人の訪問、子供が玄関
勝子口程度でもサブ的な出入口があれば、両世帯
玄関を共用する場合(敷地的な制約はあるが)、
気遣いをかなり回避できる(図 │ 6 A 参熊)。また、
ムが別にあれば、両世告の入浴時間のズレからの
阿世帯が共用部分を対等に使える良好な
ゾーニング
ヘいりさわ・あっこ/ J
f 化成ホームズ附設計技術部、玉査﹂
旭
質の向上に大きく関わることだと考えている。
それが、工業化住宅の強みであり、住宅金体の品
りシステム化していくことを目指したいと思う。
要があると思われる。そして、個別設計分野をよ
発やツl ル へ 包 括 的 に フ ィ ー ド バ ッ ク し て い く 必
上に、一般的設計を支える手法を充実し、部材開
ι けた設計ノウハウ以
後は、特定のターゲットに 向
を継続していくことに変わりはない。ただし、今
今後も、この良好なフィ i ルドを生かした研究
今後の課題・方向性
いのだ、ということである。
技術開発は、やはりフィールドを離れてはならな
てきたと言えよう。さらに教訓としては、ソフト
をもって対応できる一般解的な設計指針に変化し
応の個別解的設計手法から、生活の変化にゆとり
ることがわかる。それは、生活と空間が一対一対
と、生活と空間の捉え方がかなり変化してきでい
このように、改めて開発の軌跡をたどってみる
以上が、現在の設計ノウハウの一端である。
を汚す等の気遣いもかなり回避できる。
2F
2F
すいことがわかっている。さらに、シャワールi
よ
る
悪の状況となってしまう。
⑪
4
1F
園ヰ同ゾヤ
1F
@一@一⑪
θl⑪
@
.B?>イプゾーニングの例
'A?>イプゾーニングの例
Bタイプ
図-6
図-6 Aタイプ
特集⑧住まいの明日をみる
私のすまいろん
@
ゆb子
木
原
豊かな植物とそこに集まる生き物たちに臨まれて住む暮らし
自然と住まい
@
e
,.
選
診 @
@ 宅
診
@
@
雑木林と植物園の森に図まれた住まい。どの窓からも樹木と生き物たちを眺められる。
住まいの遍歴
住まいについて論じるとき、私は自然を抜きに
して考えることができない。京都で生まれ育った
私の家は、かつては高名な画家の住まいであった
アトリエのある洋館だった。﹁哲学の道﹂と呼ば
れる銀閣寺の疎水沿いに、その家は今も残ってい
るが、生まれて間もなく引っ越したので、家の内
部に関する記憶はまったくない。
次の家は、建築家が自宅用に建てた家だった。
南京下見の大きな二階家で船室を模した部屋があ
ったり、壁いっぱいに図面を収納するつくりつけ
の浅い棚があったり、随所に建築家らしい工夫の
ある面白い家だった。この家でほぼ成人するまで
を過ごしたが、大学生活を送るため、上京して下
宿暮らしを一年間経験した。
東京で、閑静な下宿を探すのはなかなか大変だ
った。ようやく決めた部屋もなぜか居心地が悪く、
自分でも理由がわからなかった。しかし、ある日、
知人の家を訪問して、はたと気がついた。その家
には大木が亭々とそびえていたのである。下宿に
は小さな庭木しかなく、木立のざわめきゃ葉ずれ
の音がまったく開こえなかった。小さい時から窓
を開ければそこに大きな木のある家で生活してい
たために、樹木は不可欠の存在だったのだ。自覚
していなくても、梢をわたる風のそよぎに季節を
感じ、葉の陰影に時間の移ろいを知る毎目だった
のである。
京都から横浜へ
うまくいかず、とうとうあきらめてフィンランド
の吸い込みが惑く、室内に煙が充満して使い物に
工さんは相当抵抗したようだが、結局どの部屋に
雨戸を立てる方法として考えついたのである。大
て立てるようになっている。京都にいた頃、雨戸
になった時はうれしかった。東京での下宿生活は
このストーブは、さすがに伝統ある閤のものだけ
製 の 据 量 式 の 薪 ス トi ブを購入するはめになった。
ならなかった。設計者に暖炉のある知人の家まで
そろそろ限界に米ていた。父は植物学者で、生物
もこの方法が取り入れられて、現在に至っている。
あって完壁だった。以後、家の周りの雑木林から
行ってもらい、同じ寸法で何度もつくり直したが、
学研究所を主宰しており、研究所を移転するには、
雨戸の開け閉めは、室内の換気のチャンスでもあ
枯れ枝を拾い集め、伐採した立ち木や努定した枝
た父が、暖かい室内の空気をそのまま保ちながら
建物だけではなく、研究材料を植える実験間場が
るのだろうが、わが家は空気の流通がきわめてよ
などを斧や詑で細かくしては、毎日飽かずに火を
を繰るたびに寒い外気にさらされるのをいやがっ
必要だった。東京に近い場所で土地を探したとこ
いのでその点の心配はない。
父親の仕事の都合で、横浜へ引っ越しすること
ろ、電気も水道もガスもない辺部な横浜の郊外に、
んだが、予算相応にでき上がったのは、アメリカ
初めて建てるわが家に、夢は果てしなくふくら
に雨戸を繰ると、ガラスが割れており、板一戸をパ
たので諦めて帰ったのである。翌朝、何も知らず
ス一戸を割って入ろうとしたが、内側に板戸があっ
ことができた。ある晩、泥棒がやって来て、ガラ
ぜるもの、木の種類によって燃え方が違うのも面
すいもの、燃えにくいもの、樹脂の滴るもの、は
になる。敬鹿な拝火教徒になってしまう。燃えや
ろと燃える炎を見ていると、おのずと厳粛な気分
火は人の心に不思議な作用をもたらす。ちろち
燃やした。
開拓時代の農家の納屋のような家だった。丘を削
ールか何かでこじ開けようとした形跡があった。
白い。とりわけ父は火を見ているのが好きだった。
実は、この内側部戸のおかげで泥棒を撃退する
って建てたので、赤土がむき出しになっており、
音のしないようにガラス戸を割って、いざ侵入と
真夏以外は早朝から火を焚いた。晩年、煙突から
ようやく新天地が見つかった。日本列島が高度経
木立もまばらで辺りは見るも痛々しい風景だった。
いう段になって中に板戸を発見した泥棒は、さぞ
済成長に浮かれる以前のことである。
山林の樹木を伐採して土地を造成し、道路や間出場
毎朝立ち昇る煙を見て、近隣の人びとから﹁のろ
人と植物との綱引き
われたものだった。
しが上がった!先生は今日も元気だ﹂などとい
驚いたに違いない。父は、得意であった。
家を建てるなら暖炉のある家というのが、小さ
煙突の煙は無事のしるし
や宅地をつくったのだから自業自得だったが、夢
と現実の落差にがっかりしたものだった。
しかし、丘の麓からモーターで水を上げ、敷地
い頃からの夢だった。少女雑誌の連載小説の挿絵
内の立ち木を切って電柱を立て、遥か彼方から電
気を引き、ともかく新生活は始まった。植栽した
引っ越し当初は殺風景だった土地も、数十年の
にあった﹁コロラドの家﹂というのに憧れていた
歳月が植物を育てた。種子から育てたヒノキも立
かった。父は悠然と﹁南風が強いから防風林をつ
のである。石積みの大きな煙突が外壁に張り出し
樹々が育つにはかなりの時を待たなければならな
くろう﹂などといって、ヒノキの種子を播いてい
もさまざまな植物が芽生えて、緑深い自然林がで
派な防風林となり、野鳥たちが落とした種子から
現実には、煉瓦積みの小さな煙突がトタン屋根
きあがった。植物の生命力はすさまじい。今では
ているカントリースタイルの家だった。
屋内には多少なりとも工夫があった。通常は家
の上に乗っているだけだった。しかも、ダンパ l
た
。
の外側にある雨戸を、ガラス戸の内側に引き出し
かでもつる植物の勢いはめざましかった。家ぐる
いになると、庭の植物は猛然と繁茂し始めた。な
じることはなかったが、父の死後、私の独り住ま
それでも、 父の存命中は植物にさほど脅威を感
っている。
昼間でも電気をつけなければ暮らせないほどにな
生い茂る樹木に日照をさえぎられ、北側の室内は
家に閉じこもりがちになると、植物側の快進撃が
拡大することはなかったが、他界して、私自身も
が触れて、視線を送っている間は、植物が勢力を
ないだろうか。父が元気で庭を歩きまわり、子足
る聞は、入聞が植物の生長を抑制しているのでは
手入れをしないからだけではない。人が住んでい
かりか庭も荒れて、草丈がぼうぼうと伸びてくる。
人の住まなくなった家は荒れるという。建物ば
は、建材はもとより、塗料や接着剤、純笹やカー
だが、気密性の高い鉄筋コンクリートの建物に
始まった。
えである。私も新しいビルに毎日出勤する生活が
平屋の木造建築から三階建ての超近代建築へ衣替
新たな土地に立派な研究棟が建てられた。小さな
やがて市立大学の付置研究所として再出発すると、
運営が閤難になり、父の生前に横浜市へ寄贈した。
うたる蛍光灯は室内を隈なく照らし、機器類は前
み植物に覆いつくされるのではないかと思えるほ
蛮勇を奮って伐採し、仕切り直しをしてからも、
テンから発する化学物質が充満していた。こ、つこ
ら忍び込み、室内の壁を伝って葉を茂らせ始めた。
め殺しで、非常時には強制排気のためにボタン一
後左右から電磁波を出している。窓はほとんど絞
始まった。
最初のうちこそ風情があってよいと楽しんでいた
どうにか拾抗している状態といえるだろうか。そ
植物と私との綱引きは続いているが、現在は両者
どだった。まず蔦が外壁を覆い、建具のすき間か
が、とめどもなく伸びて増殖し続けるに及んで、
だんだん恐ろしくなってきた。緑の侵入は日に日
して、これから先の状況は、ひとえに私自身の限
一窓ずつ海身の力をふりしほってレパ iを巻き上
つで大音響とともにニ窓ずつ開くが、閉める時は、
父の研究所は財団法人だったが、時代とともに
一帯だけは緑地がまとまって残っているのである。
然公園や植物聞や墓地が隣接しているので、この
内の雑木林だけは大切に守ってきた。さいわい自
住宅密集地となっているが、ささやかながら敷地
った僻地にも押し寄せて、今ではわが家の周辺も
楽になる。市街化の波は電気も水道もガスもなか
身体は正車である。家へ帰るとたちまち呼吸が
ビル症候群﹂という名の現代病なのだろう。
これが閉鎖された人工環境が生み出した﹁シック
何度も屋外へよろめき出るようになってしまった。
間こうした環境にいると呼吸国難になって、日に
ない季節には空気の流れがぴたりと止まる。数時
年中コントロールされるというが、冷暖房を使わ
げなければならない。室内の環境は空調設備で一
力と生命力にかかっているのだろう。
ずれつるに巻きっかれて取り殺されるのではない
かと、妄想するところまで来てしまった。
窓辺にノウゼンカヅラのある父の部屋にも、一戸
袋のすき間からノウゼンカヅラのつるが入ってき
た。ガラス室のガラスの継ぎ目からは、いつのま
にか藤のつるが志ぴ込み、生長とともに太くなっ
たあげく、ある日、厚さ 5ミリのガラス板を割っ
てしまった。雨の日は雨水がつるを伝って室内に
滴り、秋に落葉が始まると部屋の中に枯れ葉が舞
い落ちる。
人聞の都合だけで植物を切ることはするまいと
心がけてきた私も、さすがに植物の圧倒的な優位
に対抗せざるを得なくなった。そして、ついに決
心して家の中に侵入する植物をすべて排除した。
勤務先の移転
に進み、奥へ奥へと入ってくる。このままではい
台所の君、は絶好のバードウォッチングの場。
おびただしい薮蚊に襲撃されると、﹁緑や小鳥は
すね﹂と日々にほめて下さる。しかし、夏に来て、
できて、 野鳥がたくさんいて、すばらしい環境で
生き物たちの営みを見ていると、時の経つのを
大食漢振りを発揮する。時にはタヌキも顔を出す。
イワンリスも何匹かひっきりなしに割り込んで、
応じて入れ替わり立ち替わり餌を食べに来る。タ
生き物とともに暮らして
いいけれど、虫はイヤだから住みたくない﹂と敬
での生活そのままに防虫剤や殺虫剤を撒き散らし、
四輪駆動の車に乗って海や山へ出かけても、都会
近頃、世の中はネイチャ lブl ムだというが、
と安否が気づかわれて、ますます窓辺にくぎづけ
に名前までつけて愛着が深まると、今日も無事か
個体識別さえできるほどになってきた。お馴染み
るうちに、それぞれの種の特徴や違いはもちろん、
京都では、どこから見ても道の行く手に山があ
った。歩ける距離に水の流れがあった。だから、
遠される。
思えば、京都の家も、横浜の家も、木造である。
自分にとって都合のよい快適な﹁自然﹂だけを求
になる。仕事が手につかないと口ではこぽしなが
忘れてしまう。毎朝、同じ窓から観察を続けてい
私が住まいを考える原風景には、必ず山と川があ
私は一度もコンクリートの家や集合住宅に住んだ
めているのではないだろうか。本来、自然が豊か
ら、ついつい﹁時間泥棒たち﹂に見惚れて飽きる
る。そして、山と川があれは、そこに棲む生き物
ことがない。木造の粗末な家は、鶴間風の出入り
だということは、人間にとって都合の悪い虫もい
ことがない。
たちがいる。
ι 由自在。自然とともに呼服する家である。コ
も自
っぱいいるということなのだ。
オロギ、ムカデ、ヤスデ、カマドウマ、ヤモリ、
昨秋は、初めてカネタタキが何匹も入って米て、
にムカデがいることもあるが、私は一度もムカデ
足音に目覚めたり、出掛けようとして履く靴のや
わが家では、深夜、障子を這うムカデの乾いた
時を奪われることを気にせずに。
ぶさに撮りたいと思っている。心ゆくまで密着し、
撮影機杉を据えつけて、野生のいのちの日々をつ
いずれ勤めを辞したなら、窓の構造を改造し、
クモも勝手に出入りする。時にはへビも忍び込む。
天井の梁に止まって夜な夜な美しい音色を開かせ
に刺されたことがなく、殺したこともない。この
ね
てくれた。良寛和尚は吋蚤訊音になく秋の虫なら
辺りのムカデたちは、私を味方として認知し、
さな池を掘った。水があれば、どんなに小さくて
ドウォッチングが楽しめる。餌の少ない冬場だけ、
秋から冬は、キッチンの窓から至近距離でバー
木
F 原記念横浜生命科学振興財団理事﹂
ヘきはら・ゆりこ / J
ばわがふところは武蔵野の原﹄と詠んだが、わが
代々語り継いでくれているに違いないと信じてい
もそこに水辺の生態系が生まれる。水生植物を植
窓 辺 に 餌 を 切 ら さ ず 出 し て お く 。 早 朝 か らB暮れ
もっと深く自然を見つめたい
づ令。
家の中はほんものの虫がすだく﹁野原﹂さながら
である。
山は、かつて富士山を家の中から見ることがで
きたが、木立の陰になって今はもう見えない。川
え、金魚やメダカ、貝類を放すと、カエルやトン
までアオジ、クロジ、シジュウカラ、ヤマガラ、
の流れは望むべくもなかったので、手づくりで小
ボが産卵する。コサギやゴイサギも、時折、獲物
ムクドリ、 ヤマバトなどが、 それぞれの力関係に
カワラヒワ、シメ、メジロ、 ヒヨドリ、 ツグミ、
﹁いつでも森林浴が
をねらって飛んでくる。
わが家を訪れる人ぴとは、
居間の固の前には鯵蒼とした植物閣の緑が広がる。
3
第口回住総研シンポジウム
︿論文﹀
︽快適な住宅は省エネ的か、雀エネ住宅は健康的か︾へ向けてi l 一九九七年七月二日(金)に開催
高断熱@高気密住宅の 様性と省エネルギー性
吉野
於 一 建 築 会 館 ホl ル
ても新築住宅の断熱気密化が進みつつある。また本年、
込まれたことにより、寒冷地のみならず、媛地におい
ネルギー性について検証することとする。
た上で、既往の研究成果をもとにして、健康性と省エ
この論文は、シンポジウムへ向けての他のこ編の論文と併せて、﹃研究年報hn号(一九九七年四月刊)にも掲載しています。
いわゆる次世代省エネルギー基準注 2が 策 定 さ れ る 見
キiワード
官同断熱・高気密住宅健康性
込みであり、さらに、断熱気密化に拍車がかかろうと
ωその地域における従来までの断熱水準(新省エネル
うに定義づけることとする。
本論文では高断熱・高気密住宅をおおよそ以下のよ
省エネルギーアンケート調査実測認査
工務庄、ユーザーの中には、断熱気密化がとにかく重
ている。
ギi基 準 が 一 つ の 目 安 ) を 上 ま わ る 断 熱 性 能 を 備 え
している。この断熱気密化の流れのなかで、設計者や
要であるとして、これを盲目的に受け入れてしまう方
が五ぽ/凶以下であること。
山気密性能として床面積当たりの綴間の相当関口面積
や、一方では断熱気密化に対して様々な問題点をあげ
て拒絶する方もあるが、筆者は、断熱気密化に対して
凶居室が機械換気できること。
同会室暖房が可能なこと。
慎重一な態度をとりつつ、積極的に受け入れて欲しいと
ためには論議の焦点となっている健康性や省エネルギ
ー性に関して明確にすることがなによりも必要である。
なお、次世代省エネルギー基準の策定に関わる財団
考えている。しかしながら、断熱気密化の是非を問う
改正点文献 lは 、 断 熱 性 能 の 強 化 、 気 密 住 宅 の 概 念 の 導
本論では、高断熱・高気密住宅の理念について解説し
住 宅 に 対 す る 省 エ ネ ル ギ ー 法 注 lが 一 九 九 二 年 二 月
入、日射遮蔽の考慮などであり、これらのことが盛り
に改正され、ほぽ四年が経過した。新しい基準の主な
国はじめに
室内熱・空気環境媛一房用エネルギー消費量
博
法人住宅・建築省エネルギー機構における検討委員会
では、高断熱・高気密住宅の定義について議論して
園高断熱@高気密住宅の理念
日日時 j
出3
断熱気密化の必要性
動力他
ωと川聞は同じで
書毒埋
いるが、その定義文献 2に よ れ ば 、 上 の
川省エネルギー
暖房環境における断熱・気密化の意義を述べると、
給湯
あるが、断熱水準は次世代省エネルギー基準以上の性
パー現状
冷房
能 で あ る こ と 、 気 密 性 は 二 ぽ/ d以 下 で あ る こ と と し
︺-
(吃一一
位一閃一
暖房
)劇耳刊誌 NOυ
弘・時¥υ・2
高水準の健康・快適環撹
※東京地区、戸建て住宅
現状の
1
/2 1
3f
翠
現状維持
目標
省エネ新基準(断熱)
のみでのトレンド
現状
の一.ペニ
ー
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主一 O 一
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一
一
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一
夜一一
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[
(
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翠I
克共生住宅〕
、
口
回
ていづ令。
環境共生住宅におけるこ磁化炭素削減イメージえ I1山
2-1
図
まず、第一は、断熱・気窃化を進めることにより、室
内からの熱の損失が少なくなるということである。従
って、室内の温度を一定に保つということを前提にし
た場合には、暖房に必要な熱量は断熱・気密化によっ
しかしながら、現実には、断熱・気密化が直ちに省
て少なくなる。
エネルギーにつながるとはいえない。北海道の新しい
住宅を除くと、ほとんどの住宅においては居間や食堂
などの一部を暖房しているのに過ぎないので、もとも
2 1 は、東京における平均的な
3
る。従って、このような状況を考、えれば、住宅を断熱
と暖房用のエネルギー消費量は少ないということにな
・気密化して会室を快適な温度にしようとするときに
は、多くの場合、エネルギー消費量は増加してくるこ
とになる。
ここで、断熱・気密化によってどのようにエネルギ
して説明する。図
ー消費量が変化するかについて、計算結果を引用文献
一戸建住宅を対象として、暖房、給湯、腕一房などに使わ
れ る エ ネ ル ギi消 費 量 を 二 酸 化 炭 素 の 発 生 量 に 置 き 換
え、住宅の性能や導入する設備に対応させて検討した
ものである。
これによると現状の二酸化炭素の発生量の合計を一
とした場合、新しい省エネルギー基準を満たす住宅性
能で、しかも住宅金体を快適な温度に保つように暖房
した場合には、約一・五倍の発生長となってしまう。
さらに、断熱性能を向上させると、ようやく現状の発
設 省 が 椴 逃 し て い る 環 境 共 生 住 宅 社 4の 第 一 の 目 標 レ
生設と変わらない状態となる。このレベルが現在、建
ベルである。そして、さらに、太陽熱などの自然のエ
ネルギーを利用して給湯や発電を行なうと、現状の発
生量を約半分にすることができると予測しており、こ
湿気が凝縮して水滴となり、表面に付者する現象であ
いガラス表面などにおいて、室内の空気中に含まれる
とであるが、この点に関しては援の中に湿気が侵入し
第二は断熱すると内部で結露しやすくなるというこ
れが環境共生住宅の将来の目標レベルである。
高断熱・高気密住宅におけるエネルギー消費量の実
ることが可能である。また、何らかの理由で湿気が溜
まった場合には、外部に放散されるように断熱材の外
ないように妨湿層をしっかりと施すことにより防止す
側に通気層と呼ぶ外部につながる空気の層を設けるこ
る。断熱材がない場合、あるいは不十分な場合には壁
とによって、湿気の除去が可能となる。これは同時に
表面においても発生しやすくなる。結露が生じるとカ
いうことになるので、熔一一面の結露は防止しなければな
ビの発生につながり、その結果、建物が傷んでくると
木材が外気に触れる機会をつくることになるので、木
ついて議論する。
に近づくので、結露も発生しにくくなる。
第三の室内の空気の汚れについては、外気の侵入が
材の腐朽も避けられよう。
らない。断熱材を十分に施せば、表面混度が室内温度
態に関しては 4章で詳細に検討し、省エネルギi性に
叩快適性の向上
断熱・気密化の二番目の意義は、快適性の向上とい
うことである。壁に断熱材が施されると、室内に詰問す
る壁の表面の温度は上昇し、室温に近づく。そうなる
と冷報射が小さくなり、快適性が向上する。ここで報
およそ次のようなことだと恩われる。断熱・気密化を
断熱・気密化を否定する人の主張するところは、お
あり、生活面では日常的に換気運転を心がけること、
行ない、適切な換気設備を設けることが第一に必要で
従って、気密住宅では、設計段階で換気計画を綿密に
少なくなるので、確かに可能性が古田くなるであろう。
放出されている。太陽から地球に伝わるエネルギーは
押し進めていくと、①外の環境に対して閉鎖的になり、
水蒸気や燃焼ガスが室内で発生しないタイプのストー
断熱・気醤化における
{ゑ内環境問題に対する考え方
一戦射の典型的な例であるが、人の表面からも放出され、
ブを使用することなどが必要である。暖房時に緩まっ
射について簡単に説明する。報射はすべての物体から
人体から熱が逃げていく。お互いに輔射の熱を放出し
ち援の中での結露が生じやすくなると同時に木材が外
た室内の空気を外に捨ててしまうことによるエネルギ
自然との触れ合いが少なくなる、②内部結露、すなわ
ーの浪費に対しては、熱交換換気扇の利用によって避
へと熱が移動していく。断熱性能の向上によって、床、
入りにくくなるので室内の空気が汚れる、④媛かい快
気と接触しないので、家が腐りやすくなる、③外気が
あって、結果的に温度の高い表面から温度の低い表商
援、天井の表面温度が高まれば、人体からの一戦射によ
けることができる。住宅の気密化と換気は常にセット
で考えることが大切である。
適な住宅は体の抵抗力を弱め健康によくない、という
ようなことである。これらの批判に対しては、どのよ
る熱の逃げ方が少なくなり快適性が増すということに
なる。特に、窓を二重、三重にすると、この効果は大
うに考、えればよいであろうか。
以上のように、断熱・気密化を進めていくと、一戦射
気密化した上で大きな関口部を設けて夏の通風を十分
閉鎖的であるという、五張は当たらないと考える。断熱
に窓の配置を考えて設計しておけば問題はないので、
窓を適度に開放すればよく、通風が十分得られるよう
なる。しかし、外の環境とのつながりが欲しいときは
じたときには閉鎖的になって外の環境の影響は少なく
第一の自然との触れ合いに関しては、確かに窓を閉
る。断熱・気密化によって得られる快適な環境は、相内
出の頻度も高くなったという話はよく聞くところであ
されることにより、家の中での行動が活発になり、外
に閉じ穏もりがちであったが、全室がある温度に維持
宅に移った結菜、それまでの一家暖房の住宅では部屋
という報告は開いたことがない。逆に、全室暖房の住
ているが、そのことによって健康への影響がみられる
の住宅や北海道の新築住宅の多くは、全{笠が暖房され
四番目は健康への影響に関してである。欧米先進国
いわゆるコールドドラフトという隙間風も減少し、暖
きくなる。一方、気密化により際問が少なくなれば、
環境の向上と温度分布の改善というこ章一の効果によっ
D れている。ただし、常
配慮した和風の住宅も建設手 さ
よりも高齢者にとっては好ましいといえよう。東北地
房を行なったときに頚の方だけ暖かく足元が世帯いとい
て快適性が向上する。この点に関しては、実測デi タ
に開放的なことが日本の伝統であるとして、それをよ
方では脳卒中の死亡率が他の地方より高いが、その原
断熱・気密化の三番g の意義は、壁表面での結露が
間結露防止
うような状況は解消される。
を基にして 3章で議論することとする。
しとする考えならば、反論はできない。
発生しにくくなるということである。結露は温度の低
国の一つは暖房時における室内の環境であることを筆
ている。測定時期は一九八五年一月である。暖房時の
叩官同断熱・高気密住宅における熱環境の特徴
グラフは約一週間の測定デlタを各時刻毎に平均し
通りである。この住宅は、カナダ R 2 0 0 0住宅司 6の
例文献 7を 次 に 紹 介 す る 。 住 宅 の 平 溺 図 は 闇
1313の
一方、高断熱・高気密住宅における室内温度の測定
室内において、暖房している部康と暖房していない部
て示したものである。図より以下のことが指摘できる。
仕様に準じて一九八八年八月に仙台市内に建設された
{ゑ混を国
1312に示す。
屋の温度差が大きいと、暖房室から非暖房室へ移動し
山居間の温度は暖房使用率の変化とともに上下する。
した。すなわち、
た際には生理的なストレスが生じ、そのことが悩卒中
も の で あ る 。 外 壁 の 断 熱 に は グ ラ ス ウl ル一一山間十ポ
4Jb
の発症につながるということである。ムロ同断熱・高気密
暖房停止後は急激に下降し、明け方には一 O℃とな
間床上一・一mの混度は団らん時にはこO℃になるが、
ムニO m、天井にはグラスウi ル四o mが 施 さ れ 、 窓
リスチレンフォーム五 m、 床 に は ポ リ ス チ レ ン フ ォ ー
者等は調査結果に基づいて指摘文献
住宅における健康性に関しては、次章で改めて検討す
る
。
ω床上五加の温度は最高で一五℃であり、
一・一 mの
。
h
ヲv
温度との差はふハ℃と大きい。
凶グローブ淑度は乾球楓度よりも暖房時で最大約一℃
値 で あ る 一 ・ 三 八 キ ロ カ ロ リi/Mh℃ を 、 さ ら に 下
めて小さく、次世代省エネルギー基準文紙 2のI地域の
印玄関、寝室の温度は変化が少なく、五 i 一
O℃ の 範
テムが施され、人世主{ゑが常時換気されている。暖房設備
回っている。換気設備としては、顕熱交換型換気シス
低い。
いる。熱損失係数は0 ・八キロカロリー/
Jpa℃と極
は樹脂製のサッシで三枚の復局ガラスがはめ込まれて
日吉岡断熱@高気密住宅における
5
居住性と健康性の実態
暖房時の熱環境
ヴ
令
。
闘にあり、暖房室との温度差が最大で一一℃に達す
10
同従来の住宅における熱環境の特徴
外気i1
i
であり、各室に放熱器が設置されている。
。
は灯油を熱源とした温水パネルヒl ティングシステム
"
m
室温の測定結果を図
i3i4に示す。
度 1
5
以上のような特徴は、従来の住宅では多かれ少なか
⑧:床上l.lm
@:床上5cm,l
.
lm,グローブ.温度
企:
CO,濃度
ム
ー NO,濃度
従来の住宅に比べて、高断熱・高気密住宅の媛一房時
れみることができる。
。
由
∞h}
居間床上l.lm
の室内環境はどのような差があるのであろうか。ただ
1
0
,
000
し、従来の住宅といっても様めて脱があり、地域によ
っても巽なるし、同じ地域でも断熱の状況や住まい方
は大幅に異なる。そこで、本論文では暖房形態として、
居間、あるいは居間と食食など住宅金体ではなくその
一部を暖房しており、しかも一日中ではなく、間欠的
に暖房している住宅を呼ぶこととする。そのような従
1311の通りである。
平爾図は図
来型の住宅における温熱環境の一例文献 6を次に示す。
この住宅は一九八四年に仙台市に建設されたもので
あり、同袋、床、天井にそれぞれ障さ五、五、七・五回
ラスが入れられている。気密性は床蘭積当たりの隊問
2 1
4 1
6 1
8 20 2
2 2
4 2 4
4 6 8 10 1
(8
寺)
No, 1 (密閉型ストープ使用〉
Lム斗」
5L
.
.
!
のグラスウl ルが施され、窓には樹脂サッシで緩慢ガ
20
品目
11 11
fY??討仁~
(i.)1~L
従来型住宅における室内温度変化
3-2
額一
の相当関口面積で表すと四・ニぽ//ぽである。また、
暖房はF F式 の 石 油 ス ト ー ブ が 居 間 兼 食 堂 に 設 置 さ れ
図-3-1 従来型住宅の平面図
門
。
HN
エロ:換気システム給気側ダクト
国耳江田:換気システム排気側ダクト
301
(
1990年3
刃108-168のデ叩タを i
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E ﹀﹀ぷ}瞬友田
矧 糊 湿 度(
5
0
.
9
)
令く
温度羨が一四℃にも及ぶ住宅も見られる。また、グル
二五1 0・五の範囲でばらついている。なかには上下
の一つであるが、これらのグループにおける rは0 ・
分類される。すなわちグループ Aから D並ぴにG がそ
ループに分けて示されているが、国では大きく二つに
環境が快適であるといえる。住宅はA から Hまでのグ
の比として定義する。 rの値が小さいほど護内の温熱
度差(床上五仰とて一mの温度の差)と室内外温度差
国中の rを上下温度差係数と呼ぶこととし、上下温
した際に、生理的なストレスが生じて血距が上昇し、
なり、 2章で述べたように居間から寝室や便所に移動
房している居間との温度差が二O℃にも達することに
ないほど低いものも免られる。これらの住宅では、媛
BやC の中には寝室温度が外気温度とほとんど変わら
ばらついており、例えば農村部の住宅であるグループ
いことを意味する。闘によれば、住宅によって大きく
が小さいことを示し、住宅の中で温度の低い場所がな
の比として表す。この値が一に近いほど尚震の温度差
温度(外気温からの差)と居間温度(外気温との差)
範回に入り、居間と廊下、または、便所との浪度差は
あるといえる。
小さく、快適性、健康性の上で、より好ましい環境に
3 I 6に示す。
次に居間と廊下、または、使所との温度の差につい
て図
プEは床暖房が施された住宅であり、特に rが小さい。
ープ Dは比較的断熱性能がよい方であり、 rは比較的
( )内の伎は, 日平均値を示す。
脳卒中の発症につながるおそれがある。この点につい
ては、文献4、5を参照していただきたい。
国叫的可
0
0日型住宅における
額一 3-4 カナダ円 2
混湿度変化
図中の rは温度降下率と呼ぴ、廊下あるいは便所の
言
、
室
寝
主
白山田
2
/
1
苦ホー ;
1
4
f
i
J
ず湿度(
3
8
.
8
)
世
話 60
12
日
O
7
,
制tパ ネ J
レヒーター
:断熱シャッター
1312の住宅はこのなかの一
小さい。先に示した閤
つである。他のグループE、F、日は新しい高断熱・
H皆平面図
一方、高断熱・高気密住宅の rは0 ・七 1 一・二の
酎
高気密住宅であり、 rは小さいことがわかる。グルー
示したものである。
《
、
、
が全く異なっており、以下のような特徴が現れている。
ω笠間の温度差が全くない。
間夜中のO時頃に竣房を停止するが温度の降下はわず
かであり、明け方の最低温度は二ハ℃くらいで高く
維持されている。
間床上五仰の温度は閣には示していないが測定してお
り、一・一mの位震の滋度とほとんど変わらず、上
下方向の温度差はみられない。
間各種の住宅における熱環境の比較
R2000仕様の住宅は高断熱・高気密住宅の極端
な例ともいえるので、同様の測定方法で調べた各種の
住宅合計一五七件における熱環境について、特に①居
間の上下温度差、②居間と廊下または便所との混度の
差、に関して比較した結果を示す。
ァτZZJ
~
z
,
,
,
‘
,
,
,
ttt
2~皆平面図
図 ー3 i 5は上下温度差を室内外温度差との関係で
-tsf!fJ1I~霊山田 1)
20
居f
!
f
J
沼津'
f
i
J
l
!
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(
(
4
3
.
6
)
80
f
10
四
水平原会天 8
#.
重
量
。
~~
気 滋 皮(
3
.
3
) ム- 2
熔ホール温度(18
.
3
)
腿 10
問 田 園 田 :
e
西側洋室
¥
/
函から明らかなように、従来の住宅とは室温の状況
20日日裂住宅の平面図
随一 3-3 カナダ R
再 再 亙7
n
u
Mhd
言。ゑ矯巴
口
l
己
O
o
5
1
0
1
5
20
床商積当たりの隙間の相当関口前綴 ,c
m
z
jぽ
濃度
図-3 日 気密性能と室内 N02
との隠係
関
N02濃 度 (
P
P
B
)
卒 111111112ム
開密床
放問暖
型型房
400
9
t
4
1
8ム
50
?
1関誌コ6
o0
ム
議
7
各種住宅における居間混度と廊下、
使所との関係
ムロ 0
:台所
内〆﹄
450
ゑ塁審著書:居間
3-6
02、N02(D、Eグループのみ)の測定も行なって
σ
O
口には適切な換気設備を設ける必南京があることはいう
A
む
門
1
9
6
8年 -1979年
建設)
B:山形県の燦村部の住宅(
3
0戸
, 1
9
7
8年以前建設)
C
:岩手県沢内村の住宅 (
9戸
, 1戸を除いて 1
9
7
0年 -1981年建設)
D:仙台市近郊で断熱気密性能の比較的高いストーブ暖房の住宅
(
7戸
, 1
9
8
1年 -1984年建設)
E 仙台市近郊で断熱気密性能の比較的高い床1
暖房の住宅(
6戸
,
1
9
8
2年目 1
9
8
4年建設)
F
:カナダ R2000仕様の住宅(
2戸
, 1
9
8
8年建設)
G:イ
I
lJ台市近郊の鉄筋コンクリートの集合住宅 (
9戸
, 1
9
6
4年 -1971
年建設)
日:{山台市及ひ・盛岡市の断熱気密住宅(
1
6戸
, 1
989-1992年建設)
いる。測定結果を闇│ 3 l 7 文献7、 国i 3 1 8 文献 6に
正
弘
ι
O
c
までもないが、気密な住宅における空気環境はどのよ
室内外温度差,
A: 東北地方主主~8 都市の公社分譲住宅(78 戸,
示す。
81
01
21
41
61
82
02
22
42
62
8 J) 3
23
4
うになっているのであろうか。
・
M
m懇NOυSNrE
2
気密化と室内空気環境
ー一一一ー在す
住宅の気密化に伴う問題点の一つとして、室内空気
凋件、“?﹄ 1pnu
mCHX
5432
g註
選
弘
守 r o c J
f
υ
。
刈
川 Mm揺 ﹁
h斗
6
t
司 nUOJOO
気密性能と室内 C02
濃度
との隠係
機軸は、床一間積当たりの際関の相当関口面積、縦軸
ζ
内
3-7
図
A
汚染があげられる。これは気密化によるお然換気量の
1
/
2
は測定期間(ある一日)の平均値である。この園より、
、
4
. 3
=
上下滋度差
r宗
, 明
紳
助
帥
伺
問
問
問
田
町
田
ー
ー
ー
ー
ー
ー
室内外温度差
先 に 室 内 温 度 の デi タを示したグループD、E、F
温度差の鑓係
の住宅では、建物の気密性能の測定と同時に室内の C
3 5 各種住宅におけるよ下温度蓑と室内外
低下が大きな際閣のつである。住宅を気密化する場
図
9
~ 12
1
0
I1
3
2
'
0
床面積当たりの隙閤の相当関口面積 ,cm~/mz
えるが、どの程度の換気量を確保すればよいか、また、
C02、N02は低濃度に押さえられるということがい
も認査した。以下にその結果文献 8について紹介する。
得たが、そのときに健康上の変化とその内容について
について一九九四年にアンケート調査を行なう機会を
以下のことが指摘できる。
他の汚染物質についてはどうかなどは、さらに、検討
対象とした住宅は、入居後一年以上経過しており、断
ω
開放裂燃焼器具を使用している住宅(恥 2と泌 4)の
C02、N02の濃度は他の住宅に比較して高い。特
う場合には、断りのない限りこの一連の-調査注 7のこと
本四六%)である。以下、本論でアンケート調査とい
その他の地域も含まれる。有効回答数は二九回(回収
宅である。地域は東北地方を中心としているが北海道
熱気密化され全室暖房及び居室の機械換気が可能な住
する必要があろう。
居住者の鍵藤変化
に住宅治 2は、著しく高い。
削気密な住宅の中には、 COLN02濃度の高い住宅
もみられる。 C02濃度は最高はこ000酬に達し
暖房時の環境は、温熱的な面では良好であり、{笠間の
3 i lで示したように高断熱・高気密住宅における
温度差による生理的なストレスは押さえられ、その意
を指す。
ている。これらの住宅では換気が不十分であること
味で健康的であるといえよう。しかしながら、一方で
が推察される。
は、﹁乾燥している﹂、﹁アトピi性皮肉脳炎になった﹂な
同セントラル換気システムを備え一一四時間運転してい
るnK2000住宅ニ一戸(それぞれ換気回数0 ・一二回/
どの健康上の陣筈を訴える入もいるようであり、別の
変化があったかに対する回答率を国
3i9に示す。
官同断熱・高気密住宅に移って住まい方にどのような
っている。
h、0 ・沼田/h)のC02濃度は七O O剛前後とな
20
。
3-1日 良い変化の内容
鴎
1緩房待問が減った
口諮問醐
MW
胸囲
5
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3
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1
今の数値1
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主
主
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北海道 (
3
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東北地方 (
4
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その{也 (
1
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[ポ}検出抑自
行
2拐の起床が楽になった
1 2 3 4 5 6 7 8
4 アトピーの疲状が車まくなった
5 神経痛 .
H
要痛,肩凝りがなくなった. 6 その他
3 アレルギ一位鼻炎がなくなった.
額一 3
1
1 惑い変化の内容
9
1風邪をひかなくなった. 2 ぜんそくが良くなった.
1
0
3傑廷で過ごすようになった 4子供や高島幸者の室内での活動範際がま曽えた
5外出が億劫でなくなった
6
.夜のトイレが鐙劫でなくなった
7古
事f
意気がよく生じるようになった 8特に変化なし 9
.その他 1
0
.不明
図によれば、﹁報の起床が楽になったへ﹁夜のトイレ
40
が億劫でなくなった﹂と答えている底住者が多いこと
60
健康問題が指摘されている。筆者らは高断熱・高気密
80
住宅を対象として室内環境や住まい方など各種の項目
国l
竺
盤東北地方
以上のことから、暖房用に開放型燃焼器具を使用せ
[
%
J
100
ず、換気計画が適切に行なわれ常持運転されていれば
図 -3 g 高断熱・高気密住宅に移った後の住まい方の変佑
3-12 高断熱・高気密住宅における室内温湿度
)
))し
)いるな
るなじじ
じじ感感
感惑燥燥
燥燥乾乾
感感をを
をを感感
時時んん
食会らら
低俗均時問
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4
0
8
0
3
0
282h凶俳医院内攻翠
9
0
や高齢者の室内での活動範囲が増えた﹂という指摘も
みられる。これらは、いうまでもなく温熱環境の向上
(
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J
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H
長身j
00
。
胡け吋
do し叫
エ
告
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エ
慌
干友川﹃佑 泌総
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.
1
00
上の変化があったかという開いに対しては、五五%の
次に、高断熱・高気密住宅に移った後に、何か健康
た﹂などの指摘がみられた。このような健康上の惑い
が悪化した﹂やその他の中で﹁風邪をひきやすくなっ
の指摘がそれぞれ三五%前後みられる。また、﹁皮脂炎
﹁乾燥肌になった﹂と﹁喉の具合が悪くなった﹂と
うになる。
住一戸で変化があったと答えている。その内訳は良い変
変化は室内の乾燥と関係があるものと推察される。
A 値寸
JH dAHUJ
MW
エ 吋エ
IA _
討中肱時炉攻以蛍何回向担
1000
1
0 2
0 3
0 40 5
0 6
0 7
0 8
0
2
0 3
0 40 5
0 60 7
0 8
0 9
0
相対湿度,%
相対湿度,%
郎ち、﹁風邪をひかなくなった﹂の指摘率が最も高く
次に乾燥の問題に関する先のアンケート調査結果に
それぞれ、国
131日、呂i3 はに示す。
らっているが、その答、えと温度または温度との関係を
次に、乾燥感について七段階の尺度で主婦に答えても
この図によれば、次のことが指摘できる。
よれば、乾燥気味になったと答えた住宅は約五O%に
の中から六O一件を選んで、さらに、温度と温度の測定
達した。そこで、東北地方のアンケート調査対象住宅
であるが、﹁アレルギー性 鼻
v炎がなくなった﹂、﹁アトピ
は﹁神経痛、腰痛、一罵凝りがなくなった﹂や、わずか
温度の住宅でも乾燥すると答えていることがわかる。
宅の相対湿度は必ずしも低くはなく、また、高い相対
住宅を示している。図によれば、乾燥すると答えた住
関中の問中山の印は﹁乾燥すると感じている﹂と答えた
のようになる。
五日間の平均の室内温度と湿度の関係は図3は
月から一二月に実施している。
ていない住宅を半々ずつ選んだ。測定は一九九六年二
の際、室内空気の乾燥を感じている住宅と、特に感じ
と乾燥感に関するアンケート調査文献 9を行なった。そ
*各点は一 t
t
戸のデータを示す
五O%である。次いで、サンプル数の多い東北地方で
3
A
O
O
(
真
持叫
3
0
2
5
一方、惑い変化についてまとめると菌
131Uのよ
ーの症状が軽くなった﹂の指摘がみられる。
ー逗
A“
寸
ゐ特
化が四O%、惑い変化が一五%である。良い変化の内
容について自白記述による田答を整壊すると閤
O
(
r
=ーα29)
タを示す
本各点、はー住戸のデ
一014
7
乾燥感とその原閤
←ヶ斗
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2
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健康への影響あり
4
色
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温 度 , OC
2
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0
朝朝団閲
R.H=IOO%
nuqJ
5
0
問のようになる。
3-14 相対湿度と湿度感との懐係
図
2
2
O
(
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0
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1
8
)
(r= 0
.
2
3
)
盟諸詑:0
蓄
量
健康への影響あり
A
特に被告なし
O
A
を一部すものである。
3-13 室内湿度と湿度感との関係
図
2
5
20
, OC
l
i
u
I
. 皮
1
5
6
0
7
0
がわかる。また、﹁裸足で過ごすようになった﹂、﹁子供
図
川室内温度と温度感の関係では、温度が高くなると乾
るといった回答がみられた。また、日射遮蔽について
ー一一一℃低くなっており、窓の関関により暑さをしのい
る。尚 3 の 住 宅 で は 日 中 の 室 温 は 外 気 温 よ り も ニ
は、対象住宅のすべての居住者が積極的に行なってい
閣 に よ れ ば 冷 房 設 備 の 保 有 率 は 東 北 地 方 で は 三0
でいる様子が読みとれる。外気温は明け方には二一
3i日に示す。
冷房設備の使用状況や夏期の住まい方の変化につい
ω相対混度と湿度感との関係では、北側の寝室では負
1六五%で南の池方ほど少なくなっている。北海道と
てのアンケート調査結果を図
の相関がみられるが、居間の場合にはほとんど相関
ているが、常に用いる住宅は少なく、時々用いている
東北を除く地域では八O%の住宅で冷一一房設備を保有し
燥感が強くなる傾向がみられる。
がみられない。高い湿度の環境にあっても乾燥感を
入れれば、日中の室温上昇は押さえられる可能性があ
1二四℃まで低下しており、冷気をうまく室内に取り
放で十分という回答がほとんどであるが、日射遮蔽に
ようである。冷房を使用しない理由としては、窓の開
同乾燥すると答えた住宅で、そのことが問題であると
よる効果、扇風機等の使用をあげている住宅もみられ
宅の夏期の室内温度の測定文献一認を数多く行なっており、
感じている住宅がかなりみられる。
感じている住宅はニ四件、そのなかで家族の健康に
る。住まい方の変化では、冷一房一が不必要になったこと
日目に示すような盛岡の住宅における室内温度の結果を
日射遮蔽の効果がよく現れている例として、国i3!
鎌田らは、東北地方、関東地方の高断熱・高気密住
ヲ
令
。
影響を受けているからと答えた住宅は一五件である
をあげている住宅が最も多く、﹁通風確保に気を使
o
が、それらの住宅の居間における相対混度は悶
う﹂、﹁日射遮蔽に気を使う﹂などもあげている。
l七O%にばらついている。
っている。
O%前後であり、この場合には納得できる結果とな
ー3i同は暑さに対する回答結果であるが、﹁とても暑
年(一九九五年)調査内容を若干変えて再調査した。図
調査した年(一九九三年)は冷夏であった注 8ため、翌々
のゆで暑さをあげた住宅はニO%であった。しかし、
られるものと推察される。
断熱・高気密住宅においては夏郊の室温上昇が押さえ
ように、日射遮蔽と夜間換気を効果的に行なえば、高
よりも二℃程度低くなっていることがわかる。以上の
報告している。図によれば日中は室内温度が外気温度
最近、乾燥感は相対湿度のみならず空気汚染物質で
い﹂と答えた住宅は八・四%、﹁暑い﹂と答えた住宅は
また、夏期における問題点に関する自由記述の回答
あるホルムアルデヒドや擦発性有機化合物 (VOC)
二八・九%であった。
あるが、それらの住宅の居間における相対湿度は四
凶建物の被害を受けているからと答えた住宅は七件で
などとの関係が指摘文献油、日されている。先のアンケー
日高断熱@高気密住宅の
自省エネルギー性
住 宅 に お け る エ ネ ル ギi消費の動向
高断熱・高気密住宅におけるエネルギー消費量につ
川我が園の住宅エネルギー消費量
調査した年(一九九四年)の八月の気混は平年より
もの文献日であるが、住宅用エネルギー消費量は年々増
これは、家計調査年報の光熱費をもとに算出された
の通りである。
いて述べる前に、一般的な、住宅のエネルギー消費の動
i三℃高く、測定期間の外気温は二七・O℃であっ
一
一
た。劉によれば、室温は一日中外気温よりも高い住宅
i4ーー
る一戸当たりのエネルギー消費量の推移は図
向についてみてみることにする。我が国の住宅におけ
まい方として、カーテンなどによる日射遮蔽や、朝方
夏期のアンケート調査では、暑さをしのぐための住
が多く、夜間でも室温は低下しない。
た。その結果を国131げに示す。
宅を対象として夏期における室内環境の実測を行なっ
アンケiト調査を行なった住宅の中から援岡市の住
叩夏期の室内混湿度の測定結果
ト調査の分析文献 9でも、空気の汚れがあると答えた住
宅ほど乾燥気味になったと答えていることが明らかと
なっており、この問題は今後の重要な研究課題である
とい、えよう。
夏の暑さ
川アンケート調査の結果
高断熱・官同気密住宅の問題点の一つとしてよくあげ
られることは、夏の暑さに関するものである。近年高
断熱・高気密住宅が本州を南下して普及しつつあり、
なっており、十日同断熱・高気密住宅を受け入れない理由
に窓を開放し冷気を室内にとり入れ、日中窓を閉め切
夏の暑さが厳しい地域ではこの問題に対して神経質と
の一つとなっている。
3-15
題
冷房の使用状況と夏期の住まい方の変佑に関する調査結果
なし
l合
2台
3合
冷房設備の
台数
4合
5台以上
主
!
)
!
l
常に用いる
m
冷房設備の│
時々 いる
使 状 況 │備えているが用いない
備えていない
m
主盟
慾の開放で十分
日
見
守
主E
蔽による W
J来
冷房設備を
使用しない
理由
~を閉じても過ごせる
m
扇風機等の使
従気代の1lii約のため
体に良くないから
そのイ也
(複数回答
可能)
不明
逆送当
冷房の回数がt(
1
えた
冷房が不必要になった
通ø.\~産保に気を使う
居住者ーの
住まい方の
変化
~を初め切る
目
見
、I
遮蔽に気を使う
t
寺に変化なし
(複数回答
その他
可能)
主盟
ト一一寸一一→
o
3-18
図
50100%
図-3-16 哀の議さに対する凹答
日射遮蔽が効果的に行なわれた高断熱・高気密
住宅における夏期の皇室温変化(盛間市内)文献 1
2
50
4
0
犯叩州出泣初犯
! とても暑い (
2
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日
自
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l
F( な し 〉 ・ … -2
F(なし2J
日
3-17
図
盛岡市内の高断熱・主義気密住宅 5戸における
愛期の室温変化
20
本
No.2は
, 7
1
3
0の午後から 7
/31の午前中まで欠祖u
(図ゅの数字は住戸Noを示す)
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1
2
0
1
2
8
/
3
0
その他用の増加が大きいことがわかる。一九八四年か
加の傾向にあり、特に最近は暖冷房よりもむしろ給湯、
である。
暖房しており、この両者の暖房形態の差異によるもの
つ部分的であるのに対して、欧米では連続的に全室を
費量に関する調査文献 Hが、一九九ニ年度の夏期と冬期
那覇)における戸建・集合住宅の用途別エネルギー法
市域(札幌、仙台、新潟、東京、名古屋、京都、福岡、
ネルギー消費量が一五年間でかなり減少しており、特
i4
に建設省建築研究所が中心となり行なわれた。図
i3は、地域別の郊外一戸建(分譲)と都心集会(賃貸)
国によれば、各地域とも一戸建住宅のエネルギー消費
第ニに欧米諸国ではノルウェーを徐けば、暖房用エ
ら一九九三年までの一 0年間での増加率は、暖房用が
一了O%、給湯舟が一六・O%、その他用がニ九・五
%である。
量の方が集合住宅と比べて、平均値、ぱらつきともに
である。
ための断熱気密化が推進されており、その効果が現れ
住 宅 に お け る 用 途 別 エ ネ ル ギi消 費 量 を 推 計 し た 結 果
たものと推察される。エネルギー消費の観点からい、え
に、アメリカとデンマークでは三分の二と少なくなっ
次に、欧米諸国との比較で一九七三年と一九八八年
ている。これは石油危機以降、各毘で省エネルギーの
における一戸当たりのエネルギー治契量をみると、図
骨
H2
っており、札幌では媛一房用エネルギー消費量の比率が
の地域では一一一五%以下と小さく、一方給湯用エネルギ
'
110
"
*
ヘ
t5
ム
(
a
)郊外戸建住宅(分譲)
母
経
25
お 20
泊
時
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滋
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宗主
'
110
"
*
ヘ
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ム
対
小3
5
0
那草請
地域の気候条件との関連でみた場合に、エネルギー
をみてみると、札幌とその他の地域とでは大きく異な
って、少なくなっていることがわかる。用途別の構成
!
とい、える。
大きくなっており、また、札幌、仙台と南下するに従
ム
最も大きく約六O%を占めているのに対して、その他
ば、我が国の場合には消費量の少ない現状をできる限
言
E
ー消費量が最も大きな割合を点めている。暖房用の割
主位
ハ
A
善
試
図によれば、まず第一に我が国における住宅用エネ
司
γ4
消費量はどの稼皮の違いがあるであろうか。全盟八都
h
吋
υ
14i22のようになる。
綴
苦
提 6
山地域性とエネルギー消費
り維持させて、快適な環境を実現することが望ましい
間欧米諸国との比較
1
5
。
議
HU
25
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叫州円白血一{
叫山市目白品目
叫柑N白血目
D町田︻
川﹃白∞由︻
母
叫山明∞∞由同
社ド∞由同
川智
22
社混血同
川写∞由︻
叫州円回目︻
福岡
新潟
東京名合展京都
那草詩
似合
(
b
)都心集合住宅(賃貸)
福岡
札幌
DK
NORWAYSWEDEN
UK
FRG
ITALY FRANC芭
東京名古際京都
新潟
仙台
キ
L
中
見
日都市域における住宅の用途別エネルギー
消費盤文献J.l
4-3
阪
I
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l
l
l
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i APPLlANCES>UGHτ
COOKING
ルギー消費量は欧米諸国と比べてはるかに少ないこと
鐙 駿E
語
止州問∞由日
GCAL
が開明白であるが、それと問時に暖房用エネルギーが全
割
~ヨ W灯 ER HEATING
璽
璽
彊 SPACEHEATING
o
30
母石田︻
hmH
40
体のニ 1三割程度であるのに対して、欧米諸国では六
む給湯
欧米諸国のエネルギー消麹蓋
i八割を占めていることがわかる。この遠いは、我が
母
3
8
川﹃C∞出向
社出
。
昔
話
号
。
悶冷房
言10
ニ
ミ
家庭用用途別エネルギー消費震の推移文献 13
4
図
C
l9
7
3年
、 1
9
8
8
i
手
)i'
i8
4-2
関
国の住宅では北海道を除くと暖房の使い方が間欠的か
対
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2
8
量
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合は特に都心の集合住宅において小さく、集合住宅の
4 4 は、一戸建住宅における綬一房用エネルギi消
ルギーと地域性との関連についてみてみることにする。
熱性能がよいことを反映している。ここで、暖房エネ
国
費量と暖房デグリデ!の関係である。
間 関 に は デi タはやや十日いが尾ぬら丈日航路の調査結果
も示している。図によれば、当然のことながら、暖房
デグリデーが大きい地域ほど暖房用エネルギーは多く
な っ て い る が 、 札 幌 だ け が 暖 房 デ グ リ デl に 対 す る 割
合が特に大きい。これは札幌地域の住宅においては、
ているためである。
欧米先進国と同様に会家連続媛一肢が一般的に行なわれ
と
白
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C-'i
唱 え 一 望 え 一 唱 え 喧i
⋮恥
喧 え 宅 im 伎
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字
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の
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l
E
副
o 30
費量は東北の平均値よりも多く、さらに、山石子、宮城
する必要があるが、単純な比較では調査対象住宅の消
厳密に比較するためには、床面積の違いなどを考慮
宅文献日と比較すると函1 4 5 のようになる。
を家計調査年報の光熱費から推定された一般の戸建住
四二メガカロリー/ぽ・年である。次に、これらの伎
一一・四ギガカロリー/年、床面積当たりの平均値は一
一川町都当たりの年間エネルギー消費量の平均値は二
間 エ ネ ル ギi消 費 量 の 平 均 値 と 分 散 を 示 し た 。
機が設けられている。表4 1 に東北六県における年
セ ン ト ラ ル 式 の パ ネ ル ヒl テ ィ ン グ や 灯 油F F式 暖 房
平均床碩積は一六一ぽであり、暖房設備としては灯油
費量に閲する調査は叩も行なっている。調査対象住宅の
h
県以外の住宅の消費量は北海道よりも多いという結果
ム
作戸一,
ミ 10
mとL
吋
母
十
間暖房用エネルギー消費量
社
i
j
l
!
: 20
的多い仙台、秋出の住宅では一 i ニ倍にばらついてい
て灯油の消費量は多くなっており、サンプル数の比較
図によれば、ほとんどの高断熱・高気密住宅におい
示している。
る 住 宅 四O 一一一戸を選んで灯油消費量の平均値と分散を
これらの住宅の中から暖房用に灯油のみを使用してい
して行なっており、様々な戸建住宅が含まれている。
は小・中学校の児童を通してその児童の家庭を対象と
めて暖房実態を調査して得たものである。この調査で
市 部 ( 一 二 都 市 ) と 札 幌 、 府 中 の 戸 建 住 宅 、 合 計 九O
O戸を対象として一九九二年に冬期の灯油消費量を含
従来裂の住宅の灯油消費量のデータは、東北地方都
16のようになる。
l4
宅の灯油消費量を従米の住宅と比較してみると図
用している住宅はこ二件と少なかったが、それらの住
アンケート調査対象のなかで媛一房用に灯油のみを使
"
,1
I
高断熱・高気密住宅における
話 40
では高断熱・高気密住宅の全エネルギー消費量は従来
。
500
l
L
E
│
エネルギ i消 費 最
年間エネルギー
消苦身長上の平均,
f
f
1
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Gca
l
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となっている。以上のことから、今回の調査の範間内
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媛努デグリデー (
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の住宅よりも多いということがいえる。
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3章で紹介したアンケート調査では、 エネルギー消
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@ 1978年の調谷町
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断熱気管住宅の媛I;
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卒
年間エネルギー消費翠の平均と標準偏差
表 ~4
1世情あたりの石油消費畿の凶較
4~B
額
緩房淘エネルギー消費璽と暖房デグリデ
ーの鴎係
~~4~4
甑
レベルの断熱水準となると、ほぽ同様のエネルギー消
には、媛一房用エ、不ルギlは増加し、 R2000住宅の
費量で済むというところであろうか。なお、住まい方
なお、山本文献日は秋田県内の一戸建住宅一一八軒を対
象として年聞の光熱費に関する調査を行なっており、
を考慮した数値計算にもとづく検討は、図
4 3 に示した建築研究所の調査によれば、
側室暖房住宅と会館暖房住宅(断熱気密住宅)との聞
る。図
仙台市の戸建住宅における暖房用のエネルギー消費量
で、年間の光熱費には統計的に有意な差はみられない
問団まとめ
告している。
が行なっており、このような傾向を補完する結果を報
示したものをはじめとして、吉野ら文献口、字国川ら文献犯
省エネルギー性からみた
高断熱・高気密住宅の評価
ことを示している。
2 1 1で
6に お け る 仙 台 市 の 高 断 熱 ・ 高 気 密 住 宅 に お け る 灯
i4
の平均値は五・七ギガカロリーとなっており、菌
油消費量の平均値を熱量に換算すると六・九ギガカロ
4 1 7は家計調査年報を基に算出された
リーとなり、約一・二倍の増加となる。
次に、図
我が聞における住宅用ェ、不ルギl消費量はさきに示
北海道、東北、日本全体の平均値文献犯と仙台市内に建
設されたカナダの R2000仕様に準じて建設された
①各種の調査結果によれば、高断熱・高気密住宅の冬
の増大や住宅設備の高度化・大型化、居住者の快適性
したように年々増加する傾向にあり、これは住宅規模
季の温熱環境は従来の住宅に比べて、明らかに良好
の用途別エネルギー法費量の比較を示したものである。
となることが示された。
高断熱高気密住宅 (S邸)における二年間の結果文献 7と
向上に対する要求などがその背景にあるものと推定さ
[
G
J
/
y
e
a
r
]
エネルギー消費量
ムロ同断熱・高気密住宅の場合には、全体のエネルギー
のあることが示唆された。この問題は今後の研究課
よるものではなく、室内空気汚染物質である可能性
題である。
③また、室内空気汚染物壁としてC02の測定結果か
は問題のないレベルに押さえられることが示された。
ら、機械換気が適切に行なわれていれば、 C02濃 度
しかし、必要換気量や他の汚染物質に関しては今後、
これは、従来の住宅の場合には、一部の部震のみを暖
さらに、検討する必要がある。
いことは事実であるが、適切な日射遮蔽と夜間換気
④夏郊の暑さに関しては、暑さを感じている住宅が多
R2000住宅の例によれば暖房用のエネルギi消費
された。しかし、従来の住宅といっても、どのような
るということが、実測結果より示唆された。この点
を行なえば、日中の暑さを押さえることが可能であ
は高断熱・高気密住宅が少しずつ普及している関東
であり、また、古同断熱・高気密住宅といっても、断熱
以南の地方において設計上大切である。
住宅の調査結果によれば高断熱・高気密住宅では従
⑤エネルギー法費量に関しては、主として東北地方の
することには限界があろう。強いて表現するとすれば、
会室暖房の新省エネルギー基準の住宅を比較した場合
部分的に暖房している出省エネルギー基準の住宅と、
開じ規模の住宅で生活水準も同様であると仮定して、
気密性能にはかなり幅があるから、厳密な意味で比較
住宅でどのような生活をしているかということが問題
量は従来の住宅に比べて少なくて済んでいることが示
房しているに過ぎないためであると推察される。一方、
う。また、暖房用に関しても増加の傾向がみられた。
この理由は全般的な生活の質の向上によるものであろ
消費量は増加することが調査結果から明らかにされた。
乾燥感を訴えており、その原田凶は必ずしも低温度に
②しかしながら、多くの高断熱・高気密住宅において
れる。ただし、暖房用に関していえばこの数年間の増
O
闘によれば、 R2000住宅の室内熱環境は 3ilで
北海道 (1988)
示したように極めて良好であると同時に年間エネルギ
1
9
9
0
)
S部 (
によるものである。
S部 (
1
9
8
9
)
加率は小さく、増加の要因は特に給湯用消費量の増大
東北(1988)
i消費量は、東北全体の平均値よりも小さく、かつま
日本 (1988)
た、媛房用は半分近くで済んでいることがわかる。
カナダ円 2
0
0日型住宅における年閤
エネルギー消費翠
7
図 -4
来の住宅に比べて住宅金体ならびに暖房用エネルギ
ー は 、 そ れ ぞ れ 増 加 す る こ と が 示 さ れ た が 、 nK20
0 0住 宅 の 水 準 で 断 熱 を 行 な え ば 、 暖 房 用 は 増 え な
いであろうことが明らかにされた。ただし、北海道
では住宅媛一房の形態は全く異なるので、この点は当
(よしの・ひろし/東北大学工学部建築学科教授)
てはまらない。
︿
一
法
﹀
﹁住宅に係わるエネルギi の使用の合理化に関する建
築、玉の判断の基準﹂(一九八O年通商産業省・建設省告示
1
第一口す)
平年よりもこ・四℃低かった。
の乾燥感に関する調査研究﹄第初回人間生活環境系シ
住 宅 の 健 康 性 と 熱 空 気 環 境 そ の 4 冬期における室内
9 吉野博、長谷川兼一﹃東北地方におけるす向断熱高気密
mlm一良、人間│生活環境系会議、
ぬ一九九一一一年一月 i 一二月の消費量。カロリー換算には
ンポジウム報告集、
9F2ω}戸山円)円)出円の分析結果による。
次の値を用いた。電気一八六0キロカロリー/キロワッ
一九九六年二一月。
。
O月
o
。
O月
HMl
必頁、日本建築学会、
1)
調査 (
6 カナダにおいて進められている省エネルギー住宅建設
定﹄日本建築学会論文報告集、第仰号、
設された高断熱高気密住宅の熱空気環境に関する長期測
m
m
l
m頁、日本
7 吉野博ほか五名吋カナダR2000仕様に基づいて建
考慮した多数釜伝熱計算い日本建築学会東北支部研究報
が室内熱環境と暖房負荷に及ぼす影響11
室関相互換気を
口青野博ほか悶名﹃住宅における断熱・気密性能の向上
一般住宅でのエネルギー費用の実態調査﹄秋
回 高 等 寒 冷 セ ン タ ー 年 報 尚 9、7 1 U京、一九九五年。
日出山本m十一日ん﹃セルロースファイバー系断熱材の吸湿特性
空気調和・衛生工学会、一九八一年六月。
(
3
)﹄ 空 気 調 和 ・ 衛 生 工 学 会 論 文 集 治 団 、 1 1 9支
、
態 調 査 第 5報 エ ネ ル ギ ー 消 費 実 態 に 関 す る 全 国 議 査
日尾島俊雄、増田康広叫住宅におけるエネルギー消費実
一九九四年八月。
建築学会論文報告集第似号、
ギー消費とライフスタイルに関する研究(第1線)﹄日本
算出と推定式の作成金倒的調査に基づく住宅のエネル
日比四伴地孝男ほか九名﹃用途別エネルギー消費量源単位の
日﹃家庭用エネルギー統計年報﹄住潔境計画研究所。
術研究協議会、一九九五年一
ロ ぷ 新 在 米 木 造 工 法 ﹄ 技 術 情 報 第8号、新木造住宅技
問l蜘頁、空気調和・衛生工学会、一九九六年九月。
る研究﹄空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集、
化合物質が在護者の知覚空気質評価に及ぽす影響に関す
H 器下側、赤坂裕﹃カーペットから放たれる機発性有機
一九九二年九月
刊山地閃耕一吋室内空気汚染のメカニズム﹄鹿島出版会、
ト時、都市ガス・四一一001 一
一 000キロカロリi /
が(地域ごとの様準発熱量による)、 LPG- 一二000
対限法人住宅・
キロカロリー/は(比谷核値は地域ごとの値を使用)、灯
油・八九0 0キロカロリー/ 4
︿参考文献﹀
h
建築省エネルギー機構、一九九二年六月。
I q 住宅の新省エネルギー基準と指針
報告書い財団法人住宅・建築省エネルギー機械、一九
2 ﹃住宅の次世代省エネルギー技術基準の策定検討調査
九六年九月。
百(、ケイブン出版株式会社、一九九二年一
m
3 ﹃環境共生住宅宣言﹄建設省、住宅局住宅生産謀、臼1
、 ωlR
山頁、日本公衆衛生学会、一九八四年二月。
第 2号
4 吉野博﹃脳卒中の発症と住宅条件﹄公衆衛生、第必巻
-機構に設けられた委員会﹁次世代省エネルギー技術基
2 建設省の委託により、財問法人住宅・建築省エネルギ
準検討委員会﹂三九九五年一月 i 一九九六年八月、委員
5 長谷川一房雄ほか五名、﹃脳卒中の発症と住環境との関係
長一藤井正二において検討されたもので、新中宮エ、不ルギ
i基準よりも高い性能水準を目指したもので、誘導基準
mlm頁、日本公衆衛生学会、一九
についての山形県郡部を対象とした調査研究﹄日本公衛
、
誌、第明記巻第4号
として位澄付けている。
3 基準部会(主査一坂本雄一二)にて審議。
における祖国熱・空気環境および干不ルギl消費笠の実態
6 吉野博ほか五名﹃仙台市の枠組竣工法による戸建住宅
八五年四月。
宅・建築省エネルギi機構に設けられた﹁環境共生住宅研
4 民間企業と行政機関などとが協力して、財尽法人住
究会﹂(一九九O年一一一月から一九九三年一二月、康長一
茅陽一)において提案されたもの。
調査h
u
l
m頁、日
g木建築学会論文報告集、第抗号、m
本建築学会、一九八七年五月。
のプロジェクトであり、西暦二000年には現状の半分
5 仙台市に一九九五年に建設された大村邸。
まで減少させるように、断熱気密化をはじめとする省エ
四佐藤誠、学的川光弘ぷ間断熱・高気筏住宅における冷
ml山川女、日本建築学会東北支部、一九九三年六
ネ化が図られている。
一九九三年より研究を開始した。アンケiト調査は、
の熱空気環境と健康性に関する調査﹄第口問日本雪工学
8 吉野博ほかニ名﹃東北地方におけるお断熱高気密住宅
円月。
一九九三年九月、一九九四年ニ丹、一九九五年八月、一
告集、
建築学会、一九九五年五月。
7
概築、瑚
暖房負荷市立案による検討﹄日本建築学会大会学術講演梗
lm夏、日本建築学会、一九九五年八月。
本雪工学会、一九九六年一月。
会 会 悶 大 会 パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 資 料311H友、日
八月の平均気温は蟻問問を例にとるとこ0 ・八℃であり、
九九六年ニ月の四回実施した。
8
﹁立派な暮しの側値をおしはかるいくつかの試金石
iii
学校、公園、小ぎれいな住宅、あるいはそういった
ものj i
ーが、すぐれた近隣住区をつくるのだと考えら
lm ︿住居計
画﹀で紹介済みのニュ iBマン﹃まもりやすい住空間﹄、
れたのはテリトリーであろう。本欄第
鈴木成文他﹃集合住宅住区﹄はその代表例である。
あるが(デュ lイによる批判は可都市化の社会学﹄
また小林秀樹﹃集住のなわばり学﹄はさまざまなタ
に収められている)、その背景と、どのような手続
きで導き出されたものか確認しておく必要がある。
に重要な二冊の本がアメリカで出版された。リンチ
でもない、一つの領域﹂として環境
心理学が確立した。イッテルソン他
吋環境心壊の基礎﹄﹃同応用﹄では、
この学関の当初のパ l スペクティブ
を確認できる。
環境心理は人間l 環境系について
多くの概念を提出したが、生物の縄
張り概念をべ l スに、防犯、社会集
由、行動範鶴、地域認識等を媒介に
して住居計画と結びつき最も追求さ
ヘ
一九六五
(倉田
)0
(小野有五、阿部一訳、せりか書房、一九九二年)。
*
・ E ・レルフ τ
場所の現象学﹄一九七六年。(高野忌山
キ・イl フi ・トゥアン﹁トポフイリア﹂一九七凶年。
*・中村良夫﹁風景学入門﹄市中央公論社、一九八二年。
*・樋口忠彦﹃景観の構造﹂技報堂、一九七五年。
訳、鹿島出版会、一九七五年)。
*
・ G ・カレン﹃都市の景観﹄一九七一年。(北原理雄
*・小林秀樹﹁築住のなわばり学﹄彰国社、一九九二年。
(望月衛他訳、彰国社、一九七七年)。
*-w・イッテルソン他﹃環境心理の応用﹄一九七四年。
(望月衛他訳、彰国社、一九七七年)。
・w・イッテルソン他吋潔壌心理の基礎﹄一九七四年。
六一年。(黒川紀意訳、鹿島出版会、一九六九年
*
・ J ・ジエイコブス﹃アメリカ大都市の死と生一﹂一九
健三、出品部玲子訳、岩波書底、一九六八年)。
*
・ K ・リンチ﹁都市のイメージ﹂一九六O年。(丹下
和回生訳、鹿島出版会、一九七五年)。
*
・ C ・A- ペリi ﹁近縫住区論﹄一九二九年。
年
。
-鈴木広綴訳﹁都市化の社会学﹂誠信書房、
︿住環境の本﹀基本閣議リスト
心理学的な分析が行なわれていたが、カレン﹃都市
建物の見、ぇ方の問題はそれまでもデザイン・知覚
@風景と場所
領域の構造を明らかにした。
イプの居住地を対象にした調査から住居近傍の共有
@リンチとジエイコブス
生活は住居の中に留まるものではなくその照岡田か
﹁都市のイメージ﹄は都市の形態が生み出す人びと
れる風潮がある。もしこれが本当なら、入閣の生活な
んて何と術単なものだろう!﹂ jiiJ-ジエイコブス
ら地域・都市へと広がっている。今回はそこで体験
のパブリック・イメージを分析し、イメージアピリ
一九六0年 代 の 初 め に 都 市 の 価 値 に つ い て 決 定 的
される住環境の賀、街の価値について重要な見方を
ティとレジビリティ(わかりやすさ)という質を示し
グリニッチ・ビレッジに代表されるダウンタウンの
た。ジエイコブス﹃アメリカ大都市の死と生﹄は、
提示した本を中心にまとめてみた。
⑧人間生態学・近隣住区
るか(いってみれば見知らぬ人びととある秩序をも
生活を描くことで都市に住むとはどういうことであ
ってやっていくこと)を説き、近隣住区に代表され
今世紀初頭、移民の流入によって爆発的に人口が
点から都市生活にアプローチしたのはパ iクである。
る計画論を徹底的に批判した。
増加したシカゴを対象にして、人間生態学という視
都市社会学の始まりとなった彼の一九一六年の論文
⑧ 環 境 心 理 ・ テ リ ト リi
一九七0年 代 の 初 め に 、 過 密 や 疎 外 と い っ た 都 市
は鈴木広編訳﹁都市化の社会学﹄で読むことができ
る。パークの影響を受け現代の居住地環境のあり方
問題を背景として、また物理的セッティングと行動
J
ぺ必暴品
でもなく、また建築学でも都市計画
の関係を扱う方法論を目指して﹁社会学でも心理学
に対して最も影響力を持ったのがペリl ﹃近隣住区
鈴木毅
る街の費
インタビューヵ、ら
ひき a
1さtLたボス
トンのイメージ
-
論﹄である。その後、多くの批判も受けた理論では
一一住について考えるための基本思議
n
H
u
n
n
υ
七九年。(加藤邦男、岡崎祐生訳、住まいの図書館
彦、阿部隆、石山美也子訳、筑摩書一房、一九九一年)。
ゲニウス・ロキ L 一九
*
・ C ・ノルベルグ日シュルツ τ
縦突に共有されつつあるのが生態
学的な価値観である。進士五十八
いていった。わが国の代表的な著作として樋口忠彦
きな要素として、また文化・歴史的な側値と結びつ
の景観﹄を先駆として、景観・風景は都市体験の大
クルパット﹃都市生活の心理学﹄は心理学分野の、
デザイン・計画に関する図書を幾つか挙げておく。
最後に各分野の燦史的系譜を概観できる図書と、
いる。八0年 代 以 降 、 以 上 の よ う な 視 点 か ら 街 を 読
は土地問有のコンテクスト(地霊)に焦点をあてて
提言でもある。リンチの﹃居住環境の計画﹄は彼の
ン・ランゲージ﹄は、それ自体が住環境の捉え方の
ま で 設 計 す る こ と を 目 指 す ア レ グ ザ ン ダi他﹃パタ
街路・広場等のパブリックスぺ i スの価値につい
ある。また宇沢弘文他編司市場・公共・人間一社会
村浩史的出吋住環境の計画5 住環境を整備する﹄が
0
L
)0
一九八八年。
)O
L
る行動科学の役割﹄一九八七年。(高橋燦士山監訳、
今井ゆりか訳、鹿島出版会、一九九二年)。
L
一
一九八一年。(三村
討.*印を付した凶設は住総研闘訓品川{主に所蔵しています。
(特に間宮陽介による5章﹁都市と社会的共通資本﹂)。
共通資本の政治経済学﹂第一番林、一九九二年。
*・宇沢弘文、高木郁朗編﹁市場・公共・人苅・社会的
彩間社、一九九一年。
*・一ニ村浩史他地官吋住潔墳の計磁5住環境を整備する﹂
翰弘訳、彩盟社、一九八四年)。
*-K・リンチ﹁居住環境の計画
九七七年。(平出品開那訳、鹿島出版会、一九八四年)。
c ・アレグザンダl他箸﹁パタン・ランゲージ
*
・
*
・ J ・ラング﹁建築環論の創造環境デザインにおけ
(松本康、前田尚子訳、未来社、一九九六年)。
・C ・S ・フイツシャ l ﹁都市的体験﹄一九八四年。
(藤原武弘監訳、閉村主同信、一九九四年
*・木下勇﹁遊びと街のエコロジー L丸善、一九九六年。
*-E・クルパット τ
都市生活の心理学﹄一九八六年。
4ノ1
1zz l
zu-4ロい
・鳥越けい子﹁サウンドスケ!プ﹄鹿島出版会、一九
一九九二年
・進士五十八守アメニティ・デザイン﹂学芸出版社、
(柿本照卓八訳、日本経済新照社、一九九四年
*-w-H-ホワイト﹁都市という劇場
年。(北原理雄訳、鹿島出版会、一九九O年
)
。
ゲi ル吋屋外受聞の生活とデザイン﹄一九八七
*
・J・
八O年
。
*・模文彦他﹃見えがくれする都市﹂鹿島出版会、一九
出版局、一九九四年)。
守アメニティ・デザイン﹄等の自然
環境をべ!スにしたものはもちろん
のこと、視覚に偏りがちだった感覚
を会感覚に開く一歩である鳥越けい
子 吋 サ ウ ン ド ス ケl プ ヘ 遊 ぴ 行 動
に留まらずプレイランドスケlブ 概
念に展開する木下勇﹃遊ぴと街のエ
コロジー﹄など、いずれも広い意味で
﹃景観の構造﹄、中村良夫吋風景学入門﹄がある。
フイツシャi ﹃都市的体験﹄は都市社会学分野の、
のエコロジカルな視点を持っている。
風景論とパラレルに七0年 代 半 ば に 現 象 学 的 地 理
ラング﹃建築理論の創造﹄は建築デザインの立場か
む試みが数多く行なわれた。例えば槙文彦他﹃見え
ス・管理という五つの規範を提示している。理念か
集大成的著作であり、活力性・感覚・適合・アクセ
有機的に結びついたパターンによって住居から街
学 の 分 野 か ら 場 所 性 を 論 じ た の が イi フi-ト ゥ ア
b
がくれする都市﹄は微地形・道・建築に注目して東
ては古くから多くの議論があるが、特にさまざまな
的共通資本の政治経済学﹄は、場所を社会的共通資
ら実践的手法まで広範囲にカバーしたものとして三
レベルの社会的接触の重要性を指扱したものとして、
(すずき・たけし/東京大学工学系研究科建築学専攻防手)
本として位置づける試みであり示唆に富む。
﹃都市という劇場﹄がある。
ゲl ル吋屋外空間同の生活とデザイン﹄、ホワイト
@社会約接触・生態学的視点
京の空間同構造を浮かび上がらせた。
る。さらにノルベルグリシュルツ﹃ゲニウス・ロキ
ら、八0年代半ばまでの流れがまとめられている。
へ
体験され
住環境
ン﹃トポフィリア﹄とレルフ﹃場所の現象学﹄であ
5
*
住総研図書室だよ
イも感り上がる。入居者たちは喜びを
の日本ではめったにない。
のような光景を見かけることは、いま
を分かち合う隣人にはかわりない。こ
ィを求めるのは、コスタリカも日本も
害は皆無だった。たしかなコミュニテ
造物が被告を受けたが、竹の住宅の被
同じだと思う。
休中にあらわし、カメラを向けると笑
一九九一年のマグニチュード七・ムハ
顔で応えてくれる。他の参加者たちは、
花より団子で、パーティの方が目的だ
へなかの・よしひろ / J
F ヒューマンルネッサンス研究所、
側
*
︿ひろば﹀へのご投稿をお待ちしております。
ります(採用分については薄謝進呈)。
﹁伎﹂に関する提案から白頃お感じになって
おられることまで、研究者・実務者から市民の
皆さま方の怠憾のないご投稿をお待ちしてお
原稿用紙(四O O字母一同)一一一枚程度。原稿に
は住所、氏名、年齢、戦撲を御詑入下さい。
なお、内容を儀っけない範囲で一部手直しさ
せていただく場合がありますので、ご諒承下
さい。
企犯て先﹀
一
T156東京都世田谷区船橋殴丁目おl 8
財団法人住宅総合研究財団
すまいろん個編集部﹁ひろば﹂係
竹の f
主宅のモデルハウス。
のコスタリカ地震の際には、多くの建
['Bambusetumょ 1
9
9
6年 1
0月号より
ったのかもしれないが、それでも喜ぴ
木材と合わせてパネル化してつくる。
第行匝住総研シンポジウム
快適な住宅は省エネ的か﹃ 省エネ住宅は健康的か
七月一一日︿金)九一一一一o j一七一 O O
建 築 会 館 ホl ル(東京都港区芝五丁目お番何回守)
-住宅における室内空気質に起因する健康影響小築総己(千葉工業大学教授)
第l部講演﹁健康・快適・省エネルギー住宅の現状﹂
住宅における温熱快適性の評術開辺新一(お茶の水女子大学幼教授)
高断熱・高気療住宅の健康性と省エネルギi 吉 野 博 ( 東 北 大 学 教 授 )
-岩村和夫(建築家・岩村アトリエ)
第2部事例発表﹁健康・快適・省エネルギー住宅の設計事例﹂
小玉祐一郎(建設省建築研究所)
問紀彦(建築家・閥紀彦建築設計事務所)
次号予告
引年秋田守
一
O月一日発行
特集計時住まいの癒し
︿ミニシンポジウム﹀
住まいは病といかに関わるか
高柳和江(日本医科大学)
松本恭治(国立公衆衛生院)
司会1 服部本生(千葉大学)
︿報告﹀
癒しと空間
吉野捕時(東北大学)
現代家族の病理と癒し
矢浮澄子(東京女子大学)
住まいのヒ iリング
山下宮郎(名古屋大学)
大震災と高齢者の住まい
落合明美(高齢者住宅財団)
健康な住宅は省エネ的か、
省エネ住宅は健康的か
第行図住総研シンポジウム
︿すまい再発見﹀
総竹底
服部本生(千葉大学)
︿私のすまいろん﹀
民家再生ーその住まい方の記
小手川映子(小手川家)
j
甫度倹d-
後藤抗(瑛子︿建築家・後藤田県刻一子デザイン事務所)
第3部。心不ルディスカッション﹁快適な住宅は省エネルギー的か、 省エネルギー住宅は健康的か﹂
1村 上 周 三 ( 東 京 大 学 教 授 )
パネリストi図 紀 彦 ( 建 築 家 ・ 悶 紀 彦 建 築 設 計 事 務 所 )
司会者
赤井士郎(一一一井ホl ム株式会社社長)
小谷加盟時子(日本女子大学教授)
ン 〉
タイトルは仮麹、執繁者は変わることもあります。
。内ルた
君主デし
はイま
こスす
のカシ
逢坂文夫(東海大学講師州)
サ
L
間
くし表に
5月 幻 民 先 着 順 に て 、 定 員 一 八O名 に な り 次 第 締 切
コ 、ン
建
築
ノ
ロ
発 ノ
だま、隠
さすパ{
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い。ネい
締切
R
在た発日
参加費一般一一一000円・学生一 000円
申 し 込 み 郵 便 振 込 で 下 記 へ ( 東 京 oolio-31663g 財 団 法 人 住 宅 総 合 研 究 財 団 )
iam番 8号
お問い合わせは、財団法人住宅総合研究財団
γ旧東京都世田谷区船橋四一
一
電 話 03i348415381 ﹁シンポジウム﹂担当まで。
講演のタイトル及び講演者、パネリストなどは変更になる場合もごぎいます。
〉ノヨン
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市 三
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開して、住まいは癒しの機能をどのように
トとしての方向性について基本的な論を展
特集の主旨は、ヒl リングエンパイロメン
シンポジウムを、左記の要領で開催します。
た事実に注目し、住まいの近代化とは何で
代化論をパラダイムとして創り出されてき
本書は、戦後、住居学の成果が、主として近
││新しい住居尚子の視角
︿﹀現代住まい論のフロンティア
ました。
当財団が出版効成をした書籍が発刊になり
出版助成新刊
B 5判例的べ l ジ
録です。
住み絞けられるためには﹂と題した講演記
ーションセンター所官民)の﹁高齢者が地域に
ン﹂と深村誠忘氏(兵庫県立総合リハビリテ
佼)の﹁災害弱者とハウスアダブテl ショ
を拡げて議論を深めた、第幻回フォーラム
災官官弱者に配慮したまちづくりにまで視野
。高齢者のすまいづくり通信仰向号発行
すまいろんミニシン。ホジワム開催のお知らせ
持つべきかという住宅論や、現代人の癒し
あったかを倹証することを通じて、二一世
本誌引年秋口すの特集のコア記一やとなるミニ
住まいは病といかに関わるか
願望の所在など、関連問題までを対象に、
子紛かりを展望しています。
紀に向けた新しい住まい像を構築していく
V)
お問い合わせ、こ参加の申し込みは、当財団﹁{高
一
一
一
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泊
八
齢者フォーラム係﹂まで、お電話 (O一
五三八ごでお綴いします。
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山市部市
深井茂吉(恕いの家まごの手念日山山県
講師1 林 泰 義 ( 計 繭 技 術 研 究 所 所 長 )
一一階研修室
会場l せたがや女性センター﹁らぷらす﹂
一八二ニO l一 二 三 O
日時l 一九九七年七月八日(火)
その支援のあり方について考えます。
NPO活動や住民主体のケアサービスと、
りにおけるさまざまなあり方をめ︿って、
第幻回フォーラムでは、高齢者の住宅づく
テi ?に抑制、えて多角的に研究を深めます。
と実践││公的システムのあり方﹂を共通
引年度も﹁ハウスアダブテl ションの環論
開催のお知らせ
O 高 齢 者 の す ま い づ くb フォーラム
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眼川叶叶寸
の記録です。早川和男氏(神戸大学名誉教
幅広く問題の焦点に迫まることです。
編著者1往出回日ニ
総議席を一二O席ほど的なしておりますので、
関心をお持ちの方はぜひご参加ください。
ミネルヴ73訂 版 棚 べ l ジ 本体4120
円十税
︿﹀分譲マンションの管翠
一回一 001 一七・。。
日時l 一九九七年七月二日(水)
会場l当財団会議室
居住の学からのアプローチ
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編著者1 梶浦悦男
彩 国 社 問 ぺi ジ
定 側4600円+税
企的、計画、設計などを追究しています。
ます。そして、管埋から兄たマンションの
ショナルなあり方と脊成について触れてい
策と住み予の共同管理を助けるプロフェッ
部の支援システムに山附して、公的な行政施
に応じた管理形態の選択を論じ、次に、外
本会は、まず、マンションや応住者の条例
講師1 ロ川柳和江(日本医科大学)
松本北部治(開立公衆衛生院)
司会1 服 部 年 生 ( 千 葉 大 学 )
お問い合わせ、ご参加の申し込みは、当財包﹁ミ
ニシンポ係﹂まで、お電話(0=一ー=一間]八凶 l五
三八こでお願します。
O図書寄贈のお知らせ
本誌﹁山間年夏口す(通巻鈎口万ご図書室だより
中ヨω一一開設のお知らせ
(初交)で、︿住居計的の本﹀基本図書リス
ト小、当図書室に未所蔵となっておりまし
アドレスは左記の通りです。心労叫初日間へのこ
当財団では2U山口を開設いたしました。
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連絡にご利用ください。
た左記の図書を、訳名の延藤安弘氏より寄
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贈がありました。
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一九七八年(延藤安弘民訳、鹿島出版会、
-GLc⋮編吋低層集合住宅のレイアウト
一九八O 年
﹁すまいろん﹂のご購読について
@発刊日は原則として、冬号一月一六日、
春号悶月一日、変号六月一五日、秋口す一
O月一日です。したがいまして、送付開
始は、購読料受領後の最新号とさせてい
ただきます。なお、購読手続きには約一
、週間かかりますので、お会みおき下さい。
@購読満了時にご通知いたしますので、引
き続きご購読いただきますよう、お願い
申し上げます。
@バックナンバーのお求めにもおこたえし
ております。ご希望の方は、あらかじめ
夜障の有無、送料を定記財団まで、ご確
認下さい。
購読料は次のとおりです。
一 年 間 二000円(送料共)
三 年 伺 五 OOOR(送料品ムハ)
お支払い方法
@領収書は、郵便局の払込粟兼受領証で代
えさせていただき、財団からは改めて発
行いたしません。
骨購読期間中の購読中止による購読料返金
はいたしません。
﹁すまいろん﹂は次の底頭でも奴売しており
ますので、ご利用ください(庖頭での予約
電話 (03)34561295i
購読の受け付げばしておりません)。
@ 建 築 学 会 資 料 頒 布 所 港 区 芝51Mmlm
電話 (03)3291i338
@ 南 洋 堂 害 賠 千 代 田 阪 神 間 神 保 町lln
電話(03)34843538iFAX(03)348415794
(財)住宅総合研究財団
γ郎 東 京 都 依 田 谷 区 船 橋 間 了 目 お 番8号
一
上門(うえじよう)家住宅
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中縄県具志頭(<“しがみ)村 写真/岩為
、3
民
、
,
,
編集後記
バ ブ ル 崩 壊 を機 に経済は不透明な状態
.にあり、その一方で、人口の 高齢 化、少
子化、産 業 構造の大変革など、社会の 基
本フレームを揺るがすような 構造変化が
社ダの多領織にわた 何て影響 を及ぼ
遂行している同 なかでも :急速な高 齢 化
A
,
入れる社会的コン セ ン サ ス を 隆 成 し て い 一
くことが必要であろうと考える ? わ が 国 一
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がとかく男性中心で社会が形成されてき ,﹁
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、
たこどに対し、 ﹀﹄のさい 、会てのライフ
、 ‘v
ステージビ関わりが深く 、 現実にそくし
経験 と感 性を 備 えた女性に、住まいーを た一
,
取り巻く社会の zy盾を 、 生活者の視点で
解きほぐしてもらうことに期待したい 。
そこで 、 早急 に明日をさぐる明快なイ
一は
γ りもはや
一し、明民の住まいを考える上
メージを描くことは難しいにし 花も、住
、まいにかかわるさまざまな ジ センルで、
一それは避けて通れぬ前提条件の一つとい
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一 ってよいのではないかとされるのが、今
,
一
、
活躍 されている女性
中ま一番ビビ ッドピ﹂
の専 門家 (研究者 、 設計者 、供給者等)に、
F
住宅総合研究財団(略称 H住総研 )は
昭和 二三 年、当時の清水建設社長 ・清水
康雄により、戦後の窮 迫 した住宅問題を、
住宅の州総合的研本、および成果め公開、
実践 、普及によって解決する ことを目的
として設立された財団法人であります。 〆
kは住宅に関する 百九助成 事業を 中
現i
心むし、﹁研究年報 ﹂ ﹁研究報 告書﹂を発
刊、また住 に関する専門 図書室パ セミナ
、
ー室 等を整 備、公開、社会のお役に立つ
心の ﹁すまいろん
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は、活動の 一環と
一 ょう、公益事業につとめております。
一
、ー
日の我が国の 吐 会状況である 。
しかし与がら、このような社会変革が
-
明日に向けて 、 どのように住まい 、 働き、
.
,
季刊 す
いろん車夏号
440
ず
一九九 七年 六月 一五日発行
500円
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、
、編集委員 H
服部本生(千葉大学建築学科教授)ホ
片山和俊(東京芸術大学建築科 助教授)
*ー 委員長
、
進んでいるにもかかわらず、ぞれを受け
〆 、
¥ 一 して、成果の 一端を、市民、実務者、研,
小林秀樹(建設省建築研究所)
一肉強右の皆様じ、より広く、より手軽にご 一 野城智也 '(武蔵工業大学建築挙科助教授 )
立松久昌(月 刊﹁住宅建築﹂顧問)
制作 H建築思潮研究所
-
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憩い、子を育て、そして老いていくのか
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く
一 理解いただくとともに、その意見交涜の
一 場にみゆることを願って 刊行(季 刊)され
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一 ているものです。ご利用のほど、よろし
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印刷 ・製本 H慶昌堂印刷株式会社
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3 東大 図,
)京坪 法
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止めての住まいに対する社会的コンセン
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というテl マについて、生活者の視点か
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ぶくお願い申し上げます。
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なのだろうか 。 それには、自らの住まい
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ら語っていただき、ぞれが住まいの在り
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ょうを考える ヒントになればと 、今回の
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特集 志試みた 。 (財団事務局 H柴原達明)
〆
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、町)は 、白ら 選択し、自ら決
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定 し て い こ う と す る 気概と、それを受け
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