「道」第7号(PDF:532KB)

第
越谷市立富士中学校
第3学年進路通信
「自 立 」
7
号
平成 27 年6月 26 日発行
楽しかった修学旅行が終わり,忙しかった1学期も気がつけばあとわずか。週末も含め,な
かなか進路に向けて取り組む時間がとれなかったのではないでしょうか。
しかし,忙しいからと後回しにしていくことはできません。今の時期は自分を見つめ,将
来の希望も含めて自分に適した進路を考え,選び,行動していく時期になります。保護者の
方と相談しながら夏休みに向けて進路計画を見直し,動き始めましょう。
1.上級学校について知ろうⅠ
第1回進路希望調査の結果からは中学校卒業直後の進路先について,「高等学校進学希望
がほとんど」という状況でした。そこで,中学校を卒業してからどのような進路があるのか
を確認してみましょう。みなさんが富士中学校を卒業した後に歩んでいく道すじを図にする
と,大まかに以下のようになります。この中から自分はどの道を歩んでいくのか,それがあ
なたの「進路選択」です。
社
会
専修学校
大
専門課程
高等技術
専門校
専修学校
各種学校
高等課程
(就
職)
学
短期大学
高
等
学
校
全日制・定時制・通信制・単位制
中
学
その他
高等専門学校
教育機関
校
高等学校(設置者別)
(1)国立高校
国立大学法人が設置し,経営している高校。大学の研究附属機関とされているため,教育
実習など研究活動が他の高校より多く,設備に恵まれている場合があります。基本的に学区
はありませんが,例えば,筑波大学附属駒場高校(世田谷区)は都内 23
区と 20 市および埼玉県,千葉県,神奈川県の一部の在住者に限られてい
ます(越谷市からは出願できません)。また,お茶の水女子大附属高校
(文京区)は通学時間が片道 70 分以内,筑波大学附属高校(文京区)は
90 分以内が望ましいとしています。県内にある筑波大学附属坂戸高校
は,総合学科の高校で,通学時間が片道 90 分程度を条件にしています。
(2)公立高校
都道府県,市町村が設置している高校。公立高校は,県や市などが経費を負担しているの
で,県内に住んでいる者でなければ入学ができず,他の都県の公立高校への入学も原則とし
てできません。越谷市の場合,「隣接県協定」により,千葉県の一部市町村(柏,松戸等)
に出願が可能です(埼玉県との併願はできません)。埼玉県内には 全日制142校、定時・
通信制26校の学校があります。平成 16 年度入試より学区制が廃止され,県内のどこの高校
でも受検,入学が可能となっています。
(3)私立高校
民間の学校法人が設立し経営している学校。私立高校は,各高校とも創設者
や団体の教育方針をもとに独自の校風・伝統を持ち教育課程を組んでいます。
例えば,宗教に基づく人間形成を行うために週何時間か宗教教育を取り入れて
いる高校,国際人の育成を掲げ英語の授業を週6~7時間も設定している高校,
小・中・高・大の一貫教育といった総合学園の形をもつ学校など様々な学校が
みられます。
学区制がなく,どこの学校でも入学可能ですが,学校運営の経費のほとんど
を生徒の納入する授業料等でまかなうため,国公立の高校に比べると,学費は
高くなっています。ですが,成績による特待制度や,近年では各種補助金制度
ができ,条件によって学費が軽減できる場合もあります。
高等学校(課程別)
(1)全日制の高校
小中学校と同じように休日や祝日などを除く毎日の昼間,学校で授業を行う高校。現在あ
る高校の90%以上が全日制高校です。1日の 生活の大半を学習に費やすため,修業年限(学
習する期間)が定時制などより短く,3年間で卒業可能です。
(2)定時制の高校
定時制は主に働きながら学ぼうという人たちのための課程として始まりました。ですから,
多くは仕事が終わる夕方5時頃から授業が始まり,夜9時頃終わります。1日の授業時間が
全日制と比べて少ないので,修業年限は4年ですが,最近は3年間で卒業させる課程を組む
高校や,昼間の時間に授業を行う高校もみられます。最近では働きながら学ぶという生徒は
少なくなっています。
(3)単位制の高校
入学から卒業までの3年間に定められた単位(74単位以上)を習
得すれば卒業が認められる学校。県内の全日制の高校で単位制のシス
テムを導入している学校は,越ヶ谷高校,吉川美南高校,芸術総合高
校,浦和高校など26校あります。
県立大宮中央高校は,単位制による定時制の課程,単位制による通
信制の課程があり,出願手続きについても特別な内容になっています。
(4)通信制の高校
ラジオ,テレビ,インターネット等の放送や郵便を利用し,主に自宅で学ぶ高校。内容は
送付されてくるテキストの添削指導や放送番組の視聴が中心になります。また,年に十 数回
は指定された場所に出向く,面接指導(スクーリングという)が行われます。学費も安く,
入学金や施設費用等もありません。修業年限は最低3年で,学年制がなく,74単位以上修
得し,特別活動に30時間以上出席すると卒業が認定されます。働いている人や身体的理由
で通学が困難な人などに向いています。県内の公立高校では大宮中央高校に通信制の課程が
あります。また,私立高校の中にも通信制の高校があります。
高等学校(学科別)
(1)普通科の高校
教養を深めるための普通科目の授業を中心に行います。学習内容は中学校での学習の延長
線上にありますが,当然内容がより高度になります。例えば,社会科は「地理歴史」と「公
民」という教科名になり,それぞれの教科がさらに「世界史A」「日本史
B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」などの科目に分かれます。最近
では,生徒が自分の興味関心や学習目的にあった普通科目や専門科目を学
ぶことができる教育課程として,コース制や類型制をとる普通科の高校が
多く見られます。県公立高校では,普通科の中に外国語・理数・情報・国
際文化・体育等のコースを設けている学校があります。
(2)専門学科の高校
教養を高めつつ専門の技術を学びたい人に最適です。授業のうち,3分の2ほどが普通科
目で,残りの3分の1ほどで専門科目を学びます。農業・工業・商業・水産・家庭・看護な
どの職業教育を主とする学科と,理数・音楽・情報・国際文化・美術などの職
業教育以外の専門教育を主とする学科に大きく分けることができます。
(3)総合学科の高校
平成6年度から誕生した「総合学科」では,多くの選択科目があり,生徒の
能力や適性,興味や関心,卒業後の進路等にあわせて学習することが できることを目的に課
程が組まれています。「普通科と専門学科をあわせたような学科」と考えてもいいかもしれ
ません。埼玉県公立高校で総合学科が設置されている高校は 14校(定時制4校を含む)あ
ります。
(4)その他の高校
中高一貫教育を行う学校として,公立では伊奈学園総合,さいたま市立浦和高校,小鹿野
高校(「連携型中高一貫教育」)などがあります。
2年生のときに上級学校調べを行い,いろいろな学校があることは確認していると思いま
すが,さらに具体的に志望する学校を調べましょう。3年生の7~8月は「志望校探し」の
時期です。様々な角度から検討し,志望校の候補をあげ,検討を進めていきましょう。ここ
では,志望校を検討する際の視点についてあげてみようと思います。
(1)自分自身に関して
①性格や行動からみて,自分を向上させられる学校であるかどうか
→ 自分を伸ばせる学校かどうか
②健康や体力の状況から,通学距離や通学方法などに無理のない学校であるかどうか
→ 雨の日も風の日も3年間通いきれるかどうか
③興味・関心,適性などにあっている学校かどうか
→ 学科やコースの学習についていけるかどうか
④将来希望している進路に関連がある学校であるかどうか
→ 上級学校卒業後の自分の進路が実現できそうかどうか
⑤入学後の学習や諸活動を充実させられる学校であるかどうか
→ 自分が考えている学校生活を送ることができるかどうか
(2)志望校に関して
さらに3年間通うことを考えると,次のような内容について確認して おく必要があります。
これらの内容について,大まかにでも把握したうえで志望校を選択しましょう。
①教育課程の特色(授業時間など)は何か・・・
②施設・設備の状況はどうか・・・
③部活動・生徒会等の様子はどうか・・・
④卒業後の進路状況はどうか・・・
⑤通学方法・経路・時間はどうか・・・
⑥校風や伝統,教育目標・方針は何か・・・
⑦在学中に取得可能な資格・免許には何があるか・・・
⑧学校の規則やきまりにはどのようなものがあるか・・・
⑨学費はいくらかかるだろうか・・・
⑩主な学校行事には何があるか・・・
⑪学食はあるのか・・・
⑫修学旅行はどこにいくのか・・・
⑬アルバイトはできるのか・・・
⑭制服はあるか,デザインはどうか・・・
何でも良いので、何かひとつ自分の気に入った部分のある学校を選びましょう!
2.進学説明会への参加について
進路通信では富士中学校に案内が来た学校説明会等について紹介しています。部活や学校
行事によって週末の学校説明会等にこれまで参加できなったかもしれませんが, 7月以降の
夏休みを利用し,上級学校の見学を進めていきましょう 。その際,各種進学フェアのブース
による説明だけでなく,実際に志望校に行き見学してくることを奨めます 。学校生活の様子
を確認しましょう。そして参加後は「学校説明会・見学会・体験入学等参加報告書」にまと
め,これまでに参加した学校と比較検討できるようにしておきましょう。
平成27年度埼玉県公立高校説明会等の予定日一覧がインターネット上に掲載されていま
すので紹介します。
「県立総合教育センター
(
入試情報・説明会案内」
http://www.center.spec.ed.jp/
)