命の神秘に浸る

学校通信 6月号
第 3 号
H27.6.1 発行
命の神秘に浸る
神栖市立植松小学校長
今年のゴールデンウィークは爽やかな
な風とたっぷりの日差しに恵まれた穏や
かな日々が続きました。
そのゴールデンウィーク中の読売新聞
第一面に「紫の天井世界が注目」という
記事が載りました。読んでみますと,昨
年アメリカCNNテレビのウェブサイト
で栃木県の大藤が紹介されて,海外から
の観光客が増加。今年は,ゴールデンウ
ィーク期間中だけで30万人もの人で賑
わうとのことでした。
実は世界に紹介されるまでになったこの大藤には,過去に大きな試練を
乗り越えた心温まるお話が秘められています。私もこのお話に触れて家族
と一緒に訪れ,天井から降るような藤の花に感動した思い出がありました。
そのため,世界の人々にも感動を与えている様子のこの記事はことさらう
れしく読ませていただきました。
その藤の花のお話を紹介したいと思います。概略は次のようだったと記
憶しています。
ある老夫婦が丹精込めて育てていた大きな藤の木がありました。夫婦が
庭に植えた小さな藤は,夫婦が愛情を込めて,根の周りをほかほかに耕や
し,堆肥がほどこされ,豊かなその土の中を藤の木は網目のように根を大
きく広げて,それはそれは順調に大きくなっていったとのことでした。5
月になると,たっぷりの愛情を受けた藤の木は他にないほどの立派な花を
たくさんつけて夫婦を喜ばせたそうです。
やがて幾歳月が経ち夫婦は老いていきますが,藤の木はさらに大きくな
り,近隣でも有名になるほどみごとな木に成長します。そんなある時,そ
の場所がある理由から,藤の木を別の場所へ移すか伐採されなければなら
なくなりました。
誰もが惜しむ木ですから,これを聞きつけたある樹木医(木のお医者さ
ん)が,私の経験のすべてをかけて移植しようともちかけます。でも,ご
存じのように藤の木は棚を結って一面に広がる大きなものです。その隅々
まで栄養を届ける根の負担も大きなものですので,通常では移植に耐えら
れないで枯れてしまうそうです。でもこのお医者さんはなんとしてでも移
植を成功させたいと奮闘します。木に語りかけ,木の体調を察し,木を信
じ,まるで体の弱い最愛の子に全力を傾けるように何年もかけて準備して,
かんこう
ついに移植を敢行しました。
そして,それはついに成功しました。新しい土地に根を張り,みごとに
復活します。常識ではとても不可能とされた移植に成功した背景には,老
夫婦に心から愛され,そして樹木医のあきらめることのないひたむきな愛
情が注がれ,その語りかけに木が応えるかのように底知れぬ生命力を出し
たことがあったからだと思います。
これは子どもの教育の姿そのものだと思いました。
ご両親に心から愛され,先生からひたむきな温かい
愛の手が注がれ,大切な子がそれに精一杯応えて成
長していきます。その成長していく姿には尊さと輝
きがあります。たとえ木であっても愛情を注がれた
木は成長が違うと言います。
そしてこの藤の木を見ました。
圧倒されました。太い幹から伸びた枝が四方に伸
び,枝が分かれ,藤の花が散りばめられたように広
がっていました。1つの房は1メートル半を超えるそうです。その1つの房には幾
数百数千とも言える花がついています。1本の木から咲かせる花はどれほどの数に
なるのでしょうか。延々と伸びた枝の先端のすみずみまで命を咲かせている偉大な
神秘に圧巻させられ,込み上げる感動でその場を動けませんでした。
この藤の枝の広さは畳600畳分もあるそうです。命あるものの尊さと偉大さを
実感させられました。
今ある命の重みはすべての命に畏敬とも言えるものを感じます。
その中でも人の命の崇高さはすべての人に等しく限りない深さを感じます。
植松小学校552名の大切な子どもたち一人一人に,関わる人すべての愛情を惜
しみなく注ぎ込み,それぞれの子の大切な将来を創っていきたいと思います。
6月の行事予定
1(月) 交通安全指導・いきいきタイム
一斉下校・運動会練習開始
2(火) 交通安全指導
3(水) 交通安全指導・いきいきタイム
16(火)
17(水)
18(木)
20(土)
委員会活動
21(日)
4(木) 全校朝会・歯科検診(456年) 22(月)
6(土) PTA奉仕活動(除草作業) 24(水)
8(月) いきいきタイム・一斉下校
25(木)
10(水)いきいきタイム
12(金) 管理訪問
26(金)
13(土) ハッピーサタデー
29(月)
15(月) いきいきタイム・一斉下校
30(火)
運動会予行練習
運動会予行練習予備日・いきいきタイム
読み聞かせ
第46回植松小学校大運動会
運動会予備日
振替休業日
いきいきタイム・クラブ
のびのびコンテスト
水泳授業開始(1・6年生)・清潔調べ
携帯スマホ安全教室(6年生)
いきいきタイム・一斉下校
教育委員訪問・研修センター訪問
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楽しい 歌 で
6月20日(土)は植松小大運動会にお越しください
6月20日(土)に植松小大運動会を実施します。
子どもたちの笑顔と歓声は大人も元気にさせてくれます。
多くの皆様のお越しをお待ちいたしております。
開会は8時30分を予定しています。天候等により順延
する場合はホームページでお知らせいたします。
波崎高校と植松小の連携が始まりました
今年から波崎高校と植松小学校が連携して子ど
もたちを多方面から育てます。まず陸上練習に波
崎高校の陸上部の先生と生徒さんが来てくれて専
門的な指導をしてくれました。植松小の児童も真
剣に話を聞き高校生と一緒に練習しました。技術
の高い高校生にあこがれ,そして目差し伸びてい
く姿はこれまでにない力を発揮していくことと期
高校の先生も教えてくれました
待しています。これからは高校のグランドでの練習も計画していく予定です。
早速,陸上記録会では驚く力を発揮しすばらしい成果を挙げたことに波崎高校
の校長先生始め陸上部の先生や生徒さんも大喜びで「これから更に絆を深めまし
ょう。」と話があり,強い結束力ができました。
6年生が市陸上記録会で大活躍しました
5月14日(木)に若松運動場で神栖市小学校陸上記
録会が開かれました。
6年生の頑張りは素晴らしく,感動と子どもたちに生
涯残るドラマを生みました。女子リレーは他を寄せ付け
ない差をつけて優勝。しかも大会新記録を樹立しました。
しかし,その達成の裏には一つのドラマがありました。
前日発熱してしまい家族と共に綿密に体調を管理し苦悩
しながら当日奇跡的に回復した子の努力もありました。
更にどの種目でも植松小学校が大活躍でした。
女子1000mでは素晴らしいタイムで優勝。 女子
100mと走高跳も優勝。男子走幅跳は1位2位を独占。
男子100mと走高跳も2位でした。3位までに入った
児童は15名,8位までの入賞者は24名にものぼり,
6年生のほぼ1/4という快挙です。更には自己記録を更
新できた児童が多数にわたりその努力の成果が発揮されま
した。喜びに沸く6年生が輝いています。
すべての競技に感動が詰まった陸上記録会でした。
【入賞】
女子400MR
優勝
女子100m
優勝
女子走高跳 優勝
男子100m2位
女子1000m 優勝
女子100m 8位
女子走高跳 3位
女子1000m4位 女子1000m6位
女子80mハードル7位
女子走高跳 7位
男子走幅跳優勝
男子走幅跳
男子走高跳2位
男子走高跳 4位
男子ボールスロー5位
男子ボールスロー8位
女子ボールスロー3位
2位
男子1000m 7位
4年生が消防署に校外学習に行ってきました
5月18日(月)4年生が社会科校外学習で
波崎消防署土合分署に行ってきました。普段見
ることのできない署内の施設や,救急車・消防
車の実物を間近で見学させていただきました。
さらに,迫力ある放水訓練まで実施してくださ
いました。市民の命を守るため,命がけで仕事
をしている様子や使命感が伝わってきました。
児童のたくさんの質問にも丁寧に答えていただ
き,内容の濃い学習となりました。消防署の皆さ
んに心から感謝いたします。
地域の歴史シリーズ
第2回
前回は以前神栖市の原形となる土地は海に
囲まれた島であったお話をしました。今回は
その続きからお話をします。
右の写真は鹿島開発前の姿です。神之池近
くから若松にかけては砂山が続いていました。
この砂の山(丘陵地)をうずもと呼んでいま
した。うずも図書館はその名から由来してい
ます。うずも図書館の裏の高台はうずもであ
うずも(砂の丘)の様子
った時代にサンドスキー場があり有名でした。
なぜうずもができたかというと,前回のお話に出てきた,神栖市の元と
たい せき
なった中島には鹿島灘の沿岸流と利根川の堆積作用で砂が寄せ集まってき
ました。この砂は潮の流れに沿って次第に銚子方面へその砂の陸地を伸ば
して行きました。そうしてできたのが波崎です。波崎は当初「刃先」と呼
ばれたと言われています。刃先のような形をした砂嘴(さし)が中島を起
点としたいまの神栖市の姿です。ちなみに隣接の銚子市は関東地方でも最
も古い地層の一つで中生代ジュラ紀から白亜紀にかけての地層です。アン
モナイトや樹脂の化石であるコハク,珍しいものではさざ波の化石も出土
します。とても固い地層ですから愛宕山や犬吠埼の岩盤は地震の周期波を
おお
通過させてしまうため,関東平野全体を覆う柔らかい地盤よりずっと揺れ
が少ない土地です。
話を戻しまして前回説明した中島だった地域には赤松が自生しています。
しかし,うずも図書館周辺や波崎方面は黒松しかありません。それは,中
島から南に砂の陸地が伸びて行った地域のほとんどは砂漠でした。その砂
漠を農地にしようと唯一根付いた黒松を人々の手植えで増やしていったの
です。「植松」はまさにこの人々の手植えでこれまでに増やした人々の苦労
が詰まった名前です。植松小学校に込められた地域の歴代の人々の想いと
重みが伝わります。