群馬県内企業における女性管理職登用の動向

(2015 年8月号掲載)
群馬県内企業における女性管理職登用の動向
一般財団法人
群馬経済研究所
研究員
~要
丸岡美智世
約~
1.2010 年の国勢調査によると、本県において女性が就業者に占める割合は 42.5%で、過去
20 年同割合は緩やかながら上昇傾向にある。また、女性が管理的職業従事者に占める比
率も緩やかな上昇傾向であった。
2.群馬経済研究所が県内企業を対象に実施したアンケート調査によると、直近3年間で従
業員数が「増加傾向」にある企業の4割では、女性従業員割合も「上昇傾向」となって
いる。
3.女性管理職比率では、「0%(いない)」の企業割合は約6割であった。なお、従業員規
模別には、規模が小さい企業ほど、女性管理職比率0%の企業が多い。また、現状の女
性管理職比率をどう判断しているか尋ねたところ、
「少ない」とみる企業が6割以上を占
めた。
4.女性管理職登用の際のネックとなる項目(自由回答方式)には、
「出産・育児による業務へ
の影響」をはじめ、「女性従業員の仕事や昇進に対する意識の不足」や「女性従業員の業
務上の経験や能力の不足」等々が挙がった。
5.今後の女性管理職登用に関する意向では、
「上昇させていく」が 36.6%と最も多い。なお、
「上昇させていく」と回答した企業のほとんどがその理由として「有能な人材を活かす
ため」を挙げている。
6.女性管理職比率の向上に関する対応策(自由回答方式)では、①女性の採用の拡大や職種・
部門を限定しない配置、②仕事と家庭の両立への配慮、③保育施設の増加など行政によ
る子育て支援の充実、等々が挙がった。
7.先行き労働力の減少が見込まれるなかでは、管理職としての人材を性別にかかわらず、
獲得・育成していくことは重要な課題となろう。現状ではまだ少ない女性管理職を増や
していくためには、出産・育児期を考慮しながら、その候補となる女性従業員が戦力と
して活躍していける体制の充実が必要であり、具体的には、女性の採用の拡大や職種・
職務を限定しない配置等の取り組みが必要となろう。
8.群馬県や群馬労働局では、企業の従業員の仕事と家庭の両立支援等を目的に、企業のイ
メージアップが期待できる認証制度等の施策を行っている。