発表資料 - 東京大学政策ビジョン研究センター

臨床現場での研究開発
Medical R&D in University Hospital
自治医科大学
永 井 良 三
1
伝染病研究所
大正5年(1916)
3
4
肺がん患者から発見されたG-CSF
白血球数13000
5
G-CSF産生腫瘍(OTUK株)
東大病院
大澤仲昭先生
中外製薬
B.C. 500-400
ヒポクラテスの誓い
医師の心構え。患者を傷つけない、秘密保持
1947年
ニュルンベルク綱領
医学研究における被験者の意思と自由を保護
1949年
医の倫理に関する国際規定
医師の一般的な義務、病人に対する医師の義務、医師相互の
義務
1964年
ヘルシンキ宣言
ニュルンベルク綱領をもとに、被験者の人権尊重など医学研究
における規定を宣言、インフォームドコンセント
1981年
リスボン宣言
患者の権利に関する宣言。医師を選ぶ権利、自由に医師の医
療を受ける権利、十分な説明後の治療受入または拒否権、守
7
秘期待権、尊厳死の権利
1916
8
1915
9
1944
10
薬事法,薬剤師法の変遷
薬
品
医
薬剤師法
制
(大正14年)
(明治7年)
薬品取締規則
(明治13年)
薬品営業並薬品取
扱規則(薬律)
旧々薬事法
(昭和18年)
(明治22年)
売
売薬規則
売薬法
薬
(明治10
年)
(大正3年)
薬剤師法
薬剤師法改正
(昭和35年)
FDA 1938
(昭和13年)
旧薬事法
(昭和23年)
薬事法
薬事法改正
(昭和35年)
(昭和54,58年,
平成5,6,8,14,18年)
11
臨床開発研究に対する日米の規制の違い
GMP (製造・品質管理)
米国
日本
1962
1974通知
1980公布
GLP(安全性試験管理)
1979
1982
旧GCP(臨床試験管理)
1974
1989
(国家研究法)
(法的拘束力なし)
新GCP
1997
1997
IRB(倫理委員会)
1966
1989
個人情報保護法
1996
2003
12
知的財産権の研究者個人や研究機関への
帰属
米国
1980年
特許商標法修正条項、通称「バイドール法」
日本
1999年
産学活力再生特別措置法、通称「日本版バイドール
法」
13
14
産学連携による橋渡し研究と市販後の臨床研究
臨床研究による適応拡大、差別化(育薬)
メカニズム解明 動物実験 臨床試験 薬事承認
医薬品Aの開発(創薬)
メカニズム解明 動物実験 臨床試験 薬事承認
基礎研究・医薬品Bの開発(創薬)
15
Economist誌
■基礎研究→橋渡し研究→薬事承認→臨床現場での検証(
少数例)→多数の患者集団での検証と新たな課題の抽出→
基礎研究、という「循環型研究開発(一種のPDCAサイクル)
」を描くことが重要
基礎研究から医療における評価までの循環
(1)基礎的な研究
生命や病気の仕組みの解明。病
気の鍵となる分子の同定、創薬
(4)有効性・副作用の評価と
新たな課題設定
多数の患者での検証。疫学、臨床疫学など
(2)臨床への橋渡し
動物実験による有効性、安全性の
試験、法律やガイドラインの研究、国
際基準に基づく臨床試験/治験など
(3)医療現場での検証
少数例での検討・研究
臨床現場での手ごたえ、工夫
17
1968
8学部1日ストライキ
昭和43年6月20日
医学部青空集会
昭和43年9月16日
1969.1.18-19
19
昭和44年(1969)
1月4日
加藤総長代行「非常事態宣言」
1月10日
七学部集会 秩父宮ラグビー場 8000名が参加
1月12日
六学部でスト解除
20
昭和44年1月10日
七学部集会
大学の管理運営の改革について
大学当局は、大学における研究が資本の利益に
奉仕するという意味では産学協同を否定するも
のであることを確認する(理のみ不署名)
21
東京大学におけるTR推進の現状と改革
従来型の大学での医療技術開発
病院地区
大学・研究所
不十分な連携
推進体制
産学連携本部
工学系
薬学系
医科研
医学系
附属病院
不十分な連携
不十分な連携
○○研
薬学系
○○系
工学系
企業
大学の知財管理
に対する不満
産業・実用化の遅れ
東大TR
機構
医学系
新領域
情報理工
先端研
附属病院
企業
先進的な医療技術の開発
ならびに臨床導入
23
東京大学 橋渡し研究プログラムの成果(組織体制)
東京大学 メディカルキューブ
(TRイニシアティブ機構)
TR機構運営委員会
実務担当委員会
TRAC諮問委員会
TR推進センター
学
外
T
R
拠
点
産学連携本部
(TRAC)
TRAC運営委員会
(株)東京大学TLO
橋渡し研究プロジェクト評価委員会
知財管理・事業化支援ユニット
協
力
医学部・附属病院
医科学研究所・附属病院
・TRセンター
情報・教育部門
・医療安全管理部
・倫理委員会
医
・TR情報室
・各種審査委員会
臨床実施部門
臨床実施部門
工
・治験審査委員会
・臨床研究支援センター 学
・各種審査委員会 安全性評価部門
・パブリック・リレーション ・
・治療ベクター開発室
再
センター
生
・セルプロセシング・ 試験物製造部門 試験物製造部門
・疫学保健学講座
医
輸血部
・臨床試験データ
療
・生物製剤
シーズ開発部門
管理学講座
安全性検証室
・臨床疫学研究システム学講座
・事務部
先端医療研究センター
・事務部
ゲ
ノ
ム
医
核療
酸・
細
胞
治
療
・
(7分野)
幹細胞治療研究センター
(9分野)
DPC
電子カルテ
感染・免疫部門(5分野)
癌・細胞増殖部門(5分野)
医療経営政策学講座
基礎医科学部門(4部門) 医療情報経済学講座
寄付研究部門(3部門) 医療情報システム学講
座
ヒトゲノム解析センター
(8部門)
システム疾患モデル研究セ
ンター(7部門)
感染症国際研究センター
(6部門)
その他3分野
診療情報DB
大学病院医療情報
ネットワーク(UMIN)
22世紀医療センター(20講座)
臨床分子疫学(田辺製薬)
免疫細胞治療学(メディネット)
腎疾患総合医療センター
統合的分子代謝疾患科学
先端臨床医学開発
(株)サトウスポーツプラザ加圧トレーニング・虚
血循環生理学
健康医科学創造
関節疾患総合研究
医療経営政策学
コンピュータ画像診断学/予防医学
(ハイメディック・GE横河メディカルシステム)
日本心臓血管
外科手術DB
医療情報経済学講座医療品質評価学講座
医療情報システム学講座
健康医科学創造講座
健康空間情報学
学内外TRシーズ
NPO日本臨床研究支援
ユニット
臨床運動器医学
医療安全管理学(東京海上日動)
分子循環代謝病学(第一三共株式会社)
医療品質評価学
抗加齢医学
統合画像情報学(富士写真フイルム)
薬理動態学
臨床試験データ管理学
重症心不全治療開発
総面積7500m2
健康空間情報学
医工連携部(18テーマ)総面積554m2
工学系研究科
先端科学技術センター
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ドイツ
連邦教育・研究省(BMBF)
2012・2013年度:研究開発費
•医療研究・医療技術研究:€911.1m(約1190億円)
•バイオエコノミー:€285.7m(約375億円)
•生命科学における基礎研究」(年度別の数字は無し)
•http://www.bmbf.de/en/979.php
http://www.bmbf.de/pub/education_and_research_in_figures_2013.pdf
フランス
国立保健医学研究所(INSERM)による
応用・橋渡し研究
• 厚生省、国民教育・高等教育・研究省(MESR)による共同管轄
• 2012年度予算:€9.5億ユーロ(約1230億円)
• 目的:医療研究の戦略的、科学的、運用上の協調
• 318のINSERMの研究ユニットの80%は、大学病院、若しくはがん
研究所に設置されている。
• INSERMのBiological Research Center(BRCs)はバイオバンク
であり、ヒト生体試料を保管
• INSERM推進による臨床試験(“Clinical trials”)
161 (120件が受理、内41件実施済み・実施中)
• INSERM論文の約7割は臨床研究分野→INSERMは臨床研究が
中心
26
首相
英国のライフサイエンスの研究開発体制
英国研究会議協議会(RCUK)
Research Council UK
内閣
ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)
Department for Business, Innovation & Skills
バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)
Biotechnology and Biological Science Res Council
大学
Universities
保健省(DH)
Department of Health
国民保健サービス(NHS)
National Health Service
医学研究会議(MRC)
Medical Research Council
*1
*2
他の5研究会議(合計7研究会議)
*
技術戦略審議会(TSB)
Technology Standard Board
国立衛生研究所(NIHR)
National Institute for Health Res
健康研究戦略連携オフィス(OSCHR) *3
Office for Strategic Coordination of Health Research
医薬品医療製品規制庁(MHRA)
Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency
国立最適医療研究所(NICE)
National Institute for Health and Care Excellence
環境・食料・農村地域省(DEFRA)
Department for Environment, Food and Rural Affairs
食品標準庁(FSA)
Food Standard Agency
*NHSは、国民への医療サービスを提供
している組織で、公営病院はこの傘下に
属する
27
ケンブリッジ
NIHR-Biomedical Research Centre・
Addenbrooks 病院
13,000名患者ボラン
ティアコホートからの
生体試料(尿・血液)
を利用した解析を実施
MRC
Cancer Research UK
Wellcome Trust
IMS
ACCI, GSK
NHS病院(ケンブリッジ大学病院)(黄色)がNIHRの研究拠点として機能し、同じ敷地に、多数の研
究機関・ファンディング機関・財団・企業(赤色)が研究オフィスを構え、研究開発を実施
28
22世紀医療センター
東大病院の新中央診療棟を増設し(約6,000㎡)
臨床医学を中心とした産学連携の拠点
中央診療棟Ⅱ
29
東京大学
医
学
部
医
学
部
附
属
病
院
医
科
学
研
究
所
医
科
研
附
属
病
院
東京大学
白本
金郷
台病
病院
院
東「
京国
大立
学大
メ学
デ病
ィ院
カ法
ル人
セ法
ン」
タを
ー制
を定
設し
立た
上
で
、
医
学
部
医
科
学
研
究
所
東京大学ヘルスケアシステム