平成26年度 社会福祉法人登別さいわい福祉会事業報告 平成26年度においては、利用者の賃金向上、地域生活の安定と利用者確保、新規の 自主就労事業の検討などを中心に推し進めてきました。しかしながら、新規事業のうど ん店売上も予想を大きく下回る結果となり、また、施設外就労としての事業所の稼働日 の大幅な減少、畑の害虫による作物の不作など等があり、就労事業としては作業に係る 経費等で収入が相殺されているという現状の一年であった。このことについては、例年 の課題として揚げてきており中々改善が出来ていないです。 昨年、岩見沢の(株)NOWA そらち というところで、ビニ-ルハウスでサラダホウレ ンソウを栽培しているところから別件(人員確保)で話しがあった際に、使用していない ハウス3棟の借受と栽培技術の提供を申し出たところ快諾を得ました。次年度から施設 横の畑で自主生産事業としてホウレンソウ作りを始めたいと思っています。商品として はエグミの無いことが特徴で、年6~7回の連作が可能ということです。農業従事者の 少ない当市において、登別の名産となるべく努力をしていきたいと考えています。 次に GH 事業の安定ということで、昨年男子1、女子1の空きがあったことから、近 隣の施設等に声掛けを行い、数名の方が利用体験をしていますが結果的に利用に繋がっ ておらず現状でも空いている状態です。しかし、男子については、5月から体験利用を 経ての本利用を予定している方がいます。昨年、7月より男子、女子とも夜間の緊急時 に対応すべく宿直体制から夜勤体制に移行しています。 役職員の合同研修を昨年に引き続き実施しています。場所は岩見沢、美唄の先駆的な 実践を行っている施設を見学しています。 新規職員採用につきましては、5名採用しましたが3名が退職し、理由はいずれも自 己都合によるものです。男子職員の27年度新規正職員の募集を行い、3名が試験を受 けましたが、いずれも合格点に達しなく不合格としています。28年度に向けても男子 の正職員の募集を若干名行う予定をしております。人手不足であることを理由に職員採 用するのではなく、それなりの意識をもって障害の方々と接することができる方、資格 取得など自己研磨を考えている方等を積極的に採用していきたいと考えています。また、 現職員に対しても資格取得への推奨をしており、今年度は1名が社会福祉士資格を取得 しました。27年4月からは1名が社会福祉主事任用資格を取得すべく通信教育を始め ており、引続いて、資格取得等の研修の推奨を進めていきたいと思っています。 平成26年度においては、整備事業は実施しておりません。 平成26年度 就労継続支援施設 月とらいおん事業報告 月とらいおんの日中活動については、職員の効率化を図る意味で作業科体制を3科に し、利用者の安全と売上増を目指しました。第一作業科の豆腐班においては、うどん店 での販売が相乗効果で大幅な売上増につながっています。しかし、他の訪問販売やイベ ント販売等では売上の伸びが年々少なくなってきています。訪問販売については啓蒙的 な意味も含めての体制でしたが一考すべきなのかもしれないと思っています。施設外就 労につきましては、のぼりべつ酪農館さんで就労させて頂いていましたが、年度当初に 頂いていた話しと違い、月平均10日前後の稼働のみで推移してきたことから3月をも って契約を解除することにし、2月中旬より富浦の丸勝水産(株)さんと新規に契約を結 び、現在は、職員を入れて4人のワンユニットとして稼働しており高い評価を得ている ところです。今後において、もうワンユニットの検討もして頂けるとのことで、就労の 一歩として利用者の期待につながるものと思います。 次に第二作業科のうどんですが、メニュ-も増え、イベントを開催、土日開店も始め て徐々にですが、売上も増えてきたところでしたが、担当職員1名が退職ということで、 新規職員を採用し体制が整うまで平日営業のみとなっています。ただ、出汁、うどんと もしっかりとしたものが提供できるようになっており評価も日々頂いているところで す。リピ-タのお客様が多く、また、団体の方々も来ていることから、土日の開店を早 く再開したいと考えています。 次に第三作業科ですが、主に下請け作業と畑作業を行っていますが、下請け等では売 上増は難しく、景気や季節など等に左右されることから、安定した作業や収入を得られ ない状況下であります。しかし、障害の特性によりそのような作業を要している方もお り、現在の作業種だけでなく、もっと年間を通じての作業を開拓しなければならないと 思います。また、畑作業につきましては、施設開設時より続けていますが、より生産的 に進んできた経緯は無く、一年一年の単発で終わってきています。昨年、害獣によりト ウモロコシ、カボチャが全滅させられています。ネットを張り巡らせる等で対応処置し てきましたが、根本的な解決とはならずにいます。畑につきましては、自分たちで生産 し販売するためにも安定した生産基盤の場が必要であるとのことで、本格的ハウスを仮 借し、サラダホウレンソウを生産するべく既に活動に入っています。地元に喜ばれるよ うなものを作り、地元の食材として認識してもらえるように頑張っていきたいと思って います。 結果的に工賃の向上に繋がらず猛省すべき事柄が多々多く感じる一年になってしま いました。次年度に向けて対策を講じなければならないと思っています。 苦情相談につきましては、今年度は2件の受付がありました。両件については事実確 認を行い、申出頂いた方々には当該事項についての説明と今後の対応等について報告を 行っています。苦情相談は、次年度以降、更に力を入れて積極的な取り組みを行ってい きたいと思います。 職員の研修に際しては、それぞれの研修プログラムを策定し実施してきましたが、そ れが支援技術の向上や意欲につながったのかというと必ずしもそうとは言えない現状 があると思います。障害者に関わる仕事に携わる者は、自らの意思でスキルアップをし ていかなければならないと思います。過去に色々と研修に参加させてきましたが、それ がどのように反映し、そしてそれを他の職員と如何に共有していくか等を検証して次年 度以降の研修に生かしていきたいと思っています。 地元のイベントには、啓蒙という観点からも積極的に参加してきていますが、来ても らうイベントなどを考えてもいい時機なのかとも思います。それは、地域への恩返しの 意味もあります。これから一考していきたいと思います。 色々な意味で模索してきた一年だと思います。施設外就労、新規の畑作業と新しい出 会いの中で次年度に向けて少しづつ進んでいきたいと思います。 平成26年度 地域生活支援センタ-oneself事業報告 年度当初より懸案だった利用者2名(男女各1名)の定員割れをおこしたままでの一 年でした。数名の方が利用に向けての体験利用を通して利用を検討してきましたが、既 に利用している方々との相性や支援する職員の技量など等が利用に繋がらない結果と なりました。ただ、男子1名については、年度末の体験利用を経ての利用の意向があり、 新年度に入ってから再度の体験を経て本利用となる方向で動いております。女子につい ても、月とらいおんを利用している市内の親御さんが将来を見据えての利用を考えてお り、新年度から実習体験を予定しています。 利用者の方々が、街で安心して暮らせるよう安全を考慮しての夜間支援体制作りでし たが、障害の特性から、突然、夜中に大きな声を張り上げる・奇声を上げる・物を窓か ら投げる・排尿を2階からするなどの行為が多くあり、職員もその都度対応をしていま すが、近所の方が利用者の方の大声等について市に相談され、市から当事業所への問い 合わせが数回ありました。いずれも内容については理解されて事なきを得ているところ でありますが、GH 近くの住宅の方々全てに理解を得ることは困難であります。もちろ ん日々GH の近所とは緊急時のお手伝いも含め、避難訓練時なども含め関係作りに努め、 それなりに理解をして頂いているものと思いますが、利用者さんを含めお互いにストレ スの要因となっているのではないだろうかと思います。今まで以上に、地域との関係作 りに努めながら、いい関係を築き上げていかなくてはならないと思いますが、利用者さ んたちのストレス解消の意味も含め、障害に特性のある方々には、あまり周りを意識し なくてもいいような地域に GH を移動できたらいいのではないかと考えます。 障害の程度や有無に関係無く、街で働き街で暮らすことを目標として私たちは、日々 の支援を推し進めている訳ですが、地域に理解を得ながらというのは、多くの時間をか けることが大事だと感じています。地域での暮らしの在り方も含め、次年度に向けては 検討課題としたいと思います。 苦情相談につきましては、今年度は1件の受付がありました。事実確認を行い、申出 頂いた方々には当該事項についての説明と今後の対応等について報告を行っています。 GH 全体としては、安定した運営をするべく努力するとともに、余暇活動に力を入れ るよう計画を立てていかなくてはならないと思います。その人にあったライフサイクル の確立を目指し地域の一員として暮らしていけるように支援していきたいと思います。 また、自然災害はもちろんのこと火災等に備えての避難訓練の定期的な実施も引き続き 行っていきたいと思います。 安定した運営と新規のホ-ム、余暇活動など利用者の生活の安心と安全を目指した支 援の継続を行っていきます。
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