演習 7 - chtgkato.com

2004年
国家試験
水素原子核は回転している。
水素原子核 = 陽子1個
通常は、回転軸は揃って
いないが、
水素原子核は磁石のような
性質があるので
強い磁場(静磁場)をかける
と、回転軸が揃う。
横から 40~60MHz程度
の電波(ラジオ波)を当てると、
水素原子核の回転軸が傾く。
電波を止めると傾きが元に戻る。
倒れかけたコマのような回転
(才差運動)をして軸が戻る。
水素原子核は磁石のような
性質があるので、その運動で
電波が生じる(電磁誘導)。
それを測定してMRI画像を作る。
脳のMRI画像
水素元素(H)の分布図
T1強調像 CH の分布図 (主に脂肪分布)
T2強調像 OH の分布図 (主に水の分布)
原子
原子核と軌道電子で構成される
原子核 2種類の核子で構成される。核力で結合している。
陽子(proton) 正の電荷 e を持つ。
陽子数は Z と表現する(=原子番号)
中性子(neutron) 電荷を持たない。
中性子数は N と表現する
陽子と中性子の質量はほぼ同一
軌道電子(electron) 負の電荷 -e を持つ。
陽子の1840分の1の質量(me)。
原子の質量数 A = Z+N
2014年 国家試験
解答 1
UMIN :
University hospital Medical Information Network
大学病院医療情報ネットワーク
東大病院が管理する医療従事者向け情報データーベース。
2008年 国家試験
解答 3、5
MEDLINE : 医学文献検索システム
RIS (Radiology Information System)
放射線部門情報システム
放射線画像検査の依頼、予約、実施情報の管理および
画像診断報告書作成
PACS 医用画像管理運用システム
(Picture Archiving and Communication System)
デジタル医用画像を DICOM規格化し、
(DICOM : Digital Imaging and Communication
in Medicine )
コンピュータで画像の保管、検索を行うシステム
MEDLINE PubMed
医学文献検索HP
HL7
Health Level Seven
医療情報交換のための標準規約。
医療情報システム間の第7層アプリケーション層。
患者管理、オーダ、照会、財務、検査報告、マスタ
ファイル、情報管理、予約、患者紹介、患者ケア、
アプリケーション管理、人事管理などの
情報交換を病院間で容易に実現させるための
プロトコル。
ICD: 疾病及び関連保健問題の国際統計分類
International Statistical Classification of
Diseases and Related Health Problems
死亡や疾病の体系的な記録、分析、比較を行うため、
世界保健機関(WHO)が作成した分類。
最新の分類は、ICDの第10回目の修正版として、
ICD-10 (1990)と呼ばれている。
その後、ICD-10を一部改正した ICD-10(2003)
にて「疾病、傷害及び死因分類」が作られ、医療機関
における診療録の管理等に活用されている。
2014年 国家試験
解答 4
EPR システム
(等電位化接地システム)
Equipotential Patient
Reference System
ミクロショック電撃事故を
防ぐシステム
患者が複数の医用機器、テレビ、ベッドなどの金属を触れる
可能性のある環境では、それらの機器のアース電圧を同じ
にすると、電撃事故を防止できる。
同じ接地端子(センタ)に全ての機器やベッドのアースを繋ぐ。
アース線も同じ銅線を使う。 (0.1Ω/m 以下の太い銅線)
機器間のアース電位差が10mV 以下になれば、体表抵抗は
約1kΩなので、電撃は 10μA 以下に抑制できる。
2014年 国家試験
解答 1
接触皮膚面と金属電極の間の電解質に、電子(電荷)が
たまるので、静電容量(コンデンサ)と等価の状態にもなり、
CR結合回路のように、入力信号が変動すると検出電圧の
変動が生じる。
電極接触面の 抵抗 R、静電容量 C、分極電圧 E は、
測定値を不正確にするので、小さいほうが望ましい。
電極の分極電圧
体表に電極を付ける場合、ペースト(電極のり)を塗る。
ペーストは、電子を通す必要があり電解液(主成分は NaCl)
が入っている。
測定装置から電極に電流が多く流れると、金属電極から
ペースト内に電子が流れる。
ペーストは電気抵抗(電極インピーダンス) R を持つので
電圧が発生する。
また、電極自体にイオン化傾向の異なる部位があると
(一部分が錆びているなど)、ペーストを介して電極の
局所間で電圧 が発生する。
これらの電極接触面に生じる電圧を、分極電圧という。
電極接触面の、分極電圧を下げるためには、
錆びた電極を使わない。
錆びにくい、イオン化傾向の小さい金属の電極を使う。
銀、水銀、白金、金 など。
Ag-AgCl (銀電極の表面に塩化銀の膜が形成されたもの)
(古い銀電極はペーストのCl で表面に塩化銀の膜が付く)
は、ペースト内の Cl とは イオン交換しないので、理想的な
電極として、不分極電極 と呼ばれる。
生理的食塩水に入れて保存する。塩化銀の膜が維持される。
(わざと古くする処理なので、Aging という。)
2014年 国家試験
解答 2
SI(国際単位系)接頭辞
1012
109
106
103
102
101
100
10−1
10−2
10−3
10−6
10−9
10−12
テラ(tera)
ギガ(giga)
メガ(mega)
キロ(kilo)
ヘクト(hecto)
デカ(deca)
T
G
M
k
h
da
デシ(deci)
センチ(centi)
ミリ(milli)
マイクロ(micro)
ナノ(nano)
ピコ(pico)
d
c
m
µ
n
p
一兆
十億
百万
千
百
十
一
一分
一厘
一毛
一微
一塵
一漠
1 000 000 000 000
1 000 000 000
1 000 000
1 000
100
10
1
0.1
0.01
0.001
0.000 001
0.000 000 001
0.000 000 000 001
2014年 国家試験
解答 5
ホイートストン ブリッジ の公式
向い合う抵抗の積が同じとき、対角線の回路
電流は 0 になる。
100 x R = 60 x 250
R = 150 (Ω)
Vx : Vr = 250 : 150
Vx = 5/3 x Vr
(同じ電流が通るので、オームの法則から)
Vx + Vr = 8
( 5/3 + 1 )Vr = 8
Vr = 8 x 3/8 = 3(V)
2014年 国家試験
解答 4
遠心力 centrifugal Force F = m R ω2
ωは 回転数 x 2π、R は回転半径、m は重さ。
Fは、回転数の2乗に比例、回転半径に比例。
2014年 国家試験
解答 4
プロトコル Protocol
対象となる事項を確実に実行するための規定。
PC同士でパケット送受信を行なう手順、方法。
インターネット の TCP / IP プロトコル
TCP (Transmission Control Protocol)
IPによって送られてきたパケットが
全部揃っているかを確かめたり、
正しい順序に並べなおしたりという役割を担い、
データ送信の信頼性を確保する。
IP (Internet Protocol)
パケットを中継するコンピュータは乗り換え表
のような情報が用意されていて、
これに従って次の中継点へリレーする。
このような、リレー転送のルールを定めたもの。
パケットは、盗聴できる。
パケットキャプチャソフト
メールのパケットをキャプチャした例。
パケットの先頭から14バイトがEthernetヘッダ(赤色)、20バ
イトがIPヘッダ(黄色)、同じく20バイトがTCPヘッダ(青色)と
なっており、その後メール本文のデータ(グレー)が続いて
いる。
暗号化送信が行われていないと、右側のテキスト変換され
た領域ではメール本文がそのまま表示されているのが分
かる
2014年 国家試験
解答 1
パルスオキシメータのプローブは発光部(LED)
と受光部(フォトダイオード)で構成されている。
発光部は赤色光と赤外光を発し、これらが指先
(爪)を透過または反射した光を受光部で測定。
血液中のヘモグロビンは酸素との結合の有無に
より赤色光と赤外光の吸光度が 異なるので、
センサーで透過光を測定して血中酸素飽和度
SpO2 を測定できる。
正常値 98%
2014年 国家試験
表皮効果
解答 4
交流電流が導体を流れるとき、電流は導体の
表面で多く、表面から離れると低くなる現象。
熱電対
異なる材料の2本の金属線を接続して1つの回路をつくり、
ふたつの接点に温度差を与えると、回路に電圧が発生する。
(ゼーベック効果)
片端を開放すれば、温度を電位差で検出できる。
この現象を利用した温度計を熱電対
という。
熱電対とは?
圧力センサ
ピエゾ素子
歪みゲージ (ストレインゲージ)
ピエゾ効果( 圧電効果 piezo-electric effect )
電圧をかけることにより、ある方向に伸びる材料。
逆に圧力をかけて変形させると電圧が生じる。
シリコンゴム、セラミックスが使われる。
血圧センサ、微小駆動装置
(インクジェットプリンタなど)、
電子ライターの点火などに利用される。
抵抗線ストレインゲージ
シリコンゴム管に電解液を封入した
チューブ。
引っ張ると電気抵抗が大きくなる。
呼吸センサなどに利用。
SQUID (SQUID磁束計) 超伝導量子干渉素子
super-conducting quantum interference device
高感度に脳磁図を測定できる装置。 北大病院にある。
超伝導状態(電気抵抗がゼロ)では、超伝導リングに外部から磁界B
を加えると、超伝導リングの中に磁界Bを通過させないように、これを
打ち消す超伝導電流(遮蔽電流)Is が流れる。しかし超伝導リングは
電気抵抗がゼロであるから電圧は発生しない(左図)。
ところが、超伝導リングに一部細い部分(ジョゼフソン結合)を作ると、
そこにわずかな遮蔽電流 Is が流れただけで超伝導状態が崩れ、常
伝導となり、細い部分に電圧が発生する。これを利用して、わずかな
磁場の変化を電圧として取り出すことが可能となる。
普通の超伝導リング
グ
細い部分を1つ持つ超伝導リング 細い部分を2つ持つ超伝導リン
2014年 国家試験
解答 2
2004年
国家試験
音波、超音波は、質量のある物質を振動させて
伝播するエネルギー。
音の伝播速度 c は、物質が軽いほど速く伝わる。
c は物質の密度ρの平方根に反比例する。
音の伝播速度 v は、物質が硬いほど速く伝わる。
c は物質の硬さ(弾性率K)の平方根に比例する。
c=
√K/ρ
硬くて軽い物質は チタン。 プローブに利用される。
2004年
国家試験
ドップラー効果 Doppler's effect
音波または電磁波(光など)を発する部位が動くと
観測される音や光の周波数が変化する現象。
1842年 ドップラーが発見。
超音波装置(ドップラーエコー)などに利用される。
センサ(探触子)
に近づく方向の
血流が赤色、
遠ざかる方向の
血流が青色で
表示される。
音を出す物が動くと、進行方向では音の周波数が高くなる。
音を出す物に近付きながら音を聞くと周波数が高くなる。
音の周波数を f Hz(1秒に f 回振動)、音の速度を C (m/s)、
音波の波長を λ(m)、物体の速度を V (m/s) とする。
音の速度 C (m/s) = 音波が1秒間に進む距離、長さ
= 1秒間の波の数 f (cycle/s) x 波1個の長さλ(m/cycle)
= 周波数 f x 波長λ
波の基本式
C=fλ
周波数 f の音源が静止
しているときの音の波長
(音波1個の長さ)λは、
λ= C / f (Cは音速)
音源が速さ V で、測定者
の方向へ動くと
測定される音の波長は、
λ1 = ( C - V ) / f
(長さ C-V の中に音波が
f 個ある。)
測定される周波数 f1 は、
f 1 = C / λ1
= ( C / (C-V) ) f
音源が近づくと
音が高くなる。
音源が静止した状態で、
測定者が速さ V で
音源の方向へ動くと
測定者が測る音の速さ
は、
C+V
測定者が、1秒間に聞く
音の波の数 は、
f の (C+V)/C 倍になる。
測定者の聞く周波数は、
f2 = ( (C+V) / C ) f
音源に近づくと音が高くなる。
エコープローブから周波数 f の超音波
が出て、プローブに向かって速度 V で
動く血球にはね返されたとき、
血球が返す反射波の周波数 f1 は
( (C+V) / C ) f
(測定者が速度 V で動いている。)
プローブが測定する反射波の周波数
f2 は、 ( C / (C-V) ) f1
(音源が速度 V で動いている。)
f2 = ( (C+V) / (C-V) ) f
プローブの垂線方向と血管走行
との角度がθのとき、
プローブが出した超音波周波数
( 3 MHz ~ 10 MHz )
と反射波周波数との差を測ると、
血流速度 V が測定できる。
( θは画像から求める。)
カラードップラーエコーで表示さ
れる血流速度は θが 0 と仮定
した場合の値なので、
正確に血流を表示したい場合は
プローブの垂線方向を
できるだけ血管走行に近づける。
(できるだけ θ を 0 にする。)
連続波ドプラ法
(昔の手法だが、高速測定、高速血流の測定が特徴。
画像情報ではない。)
送信と受信の2つの振動子を用意し,
連続的に超音波の送受信を行う。
そのため,流速による制限を受けず心臓でみられる
大動脈弁狭窄症,心室中隔欠損などの
5m/s程度の血流を含め高流速の測定が可能。
反射信号が臓器のどの深さから帰ってきたかは不明で、
血流情報の画像表示はできない欠点がある。
パルスドプラ法 (現在主流の方法。画像情報が得られる)
送信と受信は1つの振動子で行う。
送信波をある長さのパルス波(数波長程度)として送り,
その反射波がかえってきた後に,次のパルスを送波する
というように,間欠的に送受波を行う手法.
この方法では,断層像で任意の位置(血管)で
血流信号をとらえて血流画像を表示することができる.
腹部体表などの血流評価は,現在ではほとんど
この方法で検査されている.
2007年
模試
解答 5
スキャン幅を広げる、フォーカス(焦点)補正点を
増やすことは、エコー画像作成時間を増やすので
旧式の装置は画像表示が遅れたが、
現在の装置は性能が良いので、スキャン幅、
フォーカス補正点の増加が検査のリアルタイム性
を損なうことは ほとんどない。