千葉大学管弦楽団 OBOG 会通信

千葉大学管弦楽団 OBOG 会通信
第 29 号
巻
頭
2015.5.31 発行
言 -楽器演奏で認知症予防
会長
伴野 悠士 (64 会員)
私は脳神経外科医ですが、手術はリタイヤして、最近は脳ドックや人間ドックといった予防医学の分野の仕事をし
ています。脳ドックを受診する中高年の多くの人達の心配事は、「最近物忘れがひどいが認知症にならないだろうか」
です。現在では癌は早期発見、早期治療でかなり治る病気になってきています。しかしアルツハイマー病をはじめと
する認知症は、早期発見が難しく、根本的治療法もないため、そして長い期間家族その他に負担をかけることもあり、
癌よりも怖いと感じている人が多いのではないでしょうか。そこで「どうしたら認知症を予防できるか」が関心事となりま
す。
認知症の原因の約6割を占めるアルツハイマー型認知症の発症に、生活を取り巻く環境の影響が大きく関わって
いることが分かってきました。脳の状態を良好に保つためには食習慣や運動習慣を変えることが、認知機能を重点的
に使うためには対人接触を行うことや知的行動習慣を意識した日々をすごすことが重要だと言われています。詳細は
略しますが、一般的に挙げられている認知症予防対策の項目は次の5つです。
(1) 食習慣 (2) 運動習慣 (3) 対人接触 (4) 知的行動習慣 (5) 睡眠習慣
さて、楽器を演奏することは、脳も身体も使い、特に両側の大脳の多くの部分を使います。認知症を予防するには、
身体を動かし、また社会的活動を含む知的活動を続けることが重要だということですので、楽器演奏はまさにこれに
当てはまるのではないかと推察されます。実際最近の研究でそれが実証されてきているのです。
スコットランドの大学が行った調査では、アマチュアの音楽家と楽器未経験者を対象に単純な知能テストを受けて
もらった結果、例えハイレベルでなくても普通に楽器を演奏できる人は、そうでない人と比べて全体的に頭脳明晰で、
間違いを発見して修正する速度が速く、またその正確度も高いことがわかったといいます。こういった「間違いを見つ
けて直す」というような脳のプロセスは、老化からくる認知症やうつ病などを発症するときに一番最初に影響を受けると
ころであり、楽器を演奏することでこの第一段階を遅らせる、もしくは食い止められるのではないかと示唆しています。
他の研究では、45~65 歳で楽器を演奏している人たちは、同年代のそうでない人たちよりも記憶力と、雑音の中で
スピーチを聞き分ける能力が高かったということです。これ以前に行われた学生を対象にした実験では、音楽の指導
を受けた生徒は勉強がよくできる傾向があったという結果がでていたとのことで、音楽がよい影響を与えるのは若者だ
けではなかったということが証明されたとのことです。
更に最近、米国における 157 組の双子の研究で、楽器を演奏することが痴呆や認知障害の防御因子であることが
明らかにされました。
このように楽器演奏は脳の老化やアルツハイマー病などの予防に効果があることが照明されてきていますが、更に
オーケストラなどで合奏することは、他の人や他の楽器との社会的活動がプラスされることになり、最強の認知症予防
法であるに違いありません。
ということで楽器にカビやサビをはやした中高年の皆さん、だけでなく若い方もですが、もう一度楽器を磨いて演奏
を再開しましょう。少し思い出したら合奏団体に所属して、認知症無縁の百歳を目指してください。
最後に、千葉大学管弦楽団第 117 回定演は 6 月 28 日(日)14:30 から習志野文化ホールにて、指揮に伊藤翔、ソ
プラノに全詠玉両氏をお招きして開催されます。曲目は今年生誕 150 周年のシベリウスの交響曲第 1 番とグリーグの
「ペールギュント」のための音楽よりです。皆さん聴きに行って若いエネルギーをもらいましょう。
*今号は OBOG 会事務局からのご報告は特にありません。
1
現 役 の活 動
現団長あいさつ (第 117 回定期演奏会のお誘い)
現役団長
長島 俊輔
時候不順の折、皆様にはますますご健勝の事と存じます。いつも一方ならぬお力添えにあずかり、誠にありがとう
ございます。
まずは第 116 回定期演奏会を大成功に終えることが出来ましたことを OBOG の皆様に厚く御礼申し上げますととも
にご報告致します。皆様のご協力なしにはこのような演奏会を成し遂げることは出来ませんでした。誠にありがとうござ
いました。
さて、新年度が始まり 2 ヶ月が経とうというころ、千葉大学管弦楽団にも新 1 年生が入団してきました。活気のある後
輩が多く、最上級生である自分は彼らの若さに押されてしまいます。これから一緒に活動していくことを楽しみにして
おります。
現在、月末に行われる夏の定期演奏会に向けて団員一丸となって練習をしております。今回は、前回のロシア同
様寒冷な地域である北欧プログラムとなっております。グリーグ作曲「ペール・ギュント」では、CM などでお馴染みの
あんな曲やこんな曲を演奏致します。一般的に演奏されることの多い組曲ではなく、全曲版からの抜粋かつ物語の
順序に沿ってナレーション付きで演奏するので、まさに劇音楽というものを体感出来ることでしょう。シベリウスの交響
曲第 1 番は、今年で生誕 150 周年を迎えるシベリウスの最初の交響曲、有名な 2 番ほど演奏機会は多くないですが
彼らしさ溢れる素晴らしい曲です。
皆様のご来場をお待ちしております。
■第 117 回定期演奏会
日時:2015 年 6 月 28 日(日)14:30 開演(14:00 開場)
会場:習志野文化ホール
指揮:伊藤 翔
独唱:全 詠玉
曲目:グリーグ 劇音楽「ペール・ギュント」より抜粋(ナレーション付き)
シベリウス 交響曲第 1 番
ブラボー! (前回第116 回定演を聴いて)
広報担当 山口 憲次 (67 会員)
第 116 回定期演奏会は 2014 年 12 月 25 日にすみだトリフォニーホールで開催されました。指揮は梅田 俊明
氏で、チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」より抜粋と、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」のロシ
アバレエ 2 本立てのプログラムでした。
「春の祭典」よりも苦労していた「くるみ割り人形」、のびのびとしてエレガントで、優雅さに満ち溢れた素敵な演奏に
なりました。各所に出てくるソロ楽器も皆うまくいって、最高の出来となりました。後半の「春の祭典」はエキサイティング
な中にスリリングさがあり、強烈なリズムと地の底から湧き上がる音の怪物たちが生々しく、時にはキラッと光ったり炸裂
したり、時にはエキゾティックな世界に釣り込んだり、とにかくゾクゾクして面白かったです。大迫力の凄い演奏でした。
全ステージを通して、梅田先生の指揮の素晴らしさを堪能することが出来ました。
2
■合宿参加の学生さんの感想です。アンケートより
・特殊楽器(アルトフルート、バスクラ、エスクラ、コ
ントラファゴット、ワーグナーチューバ、その他打楽
器)を用意して、大勢の演奏者をそろえて、楽譜を
用意して、練習計画も例年より綿密に考えて立て
て、と例年より下準備が大変でした。本番はアッと
いう間に終わってしまったと感じました。・どちらの
曲も難しく、とても大変でした。特に春の祭典は、
人を揃える、楽器を揃える、楽譜を用意する・・など
の準備が一番苦労しました。始まってしまえば楽譜
と向き合ってひたすら練習する!という感じだった
ので、あっという間でした。・大規模でとても驚きま
した。(1 年)・貴重な体験をさせていただきました。
運営の仕事も有り、大変忙しい半年できたが、本
ステリハの様子、卒業生も手伝っての大オーケストラ
番を終えた瞬間の感動は今でも忘れられません。
・入団して初の演奏会がくるみ割り、春の祭典という難易度の高いプログラムで困難が多かったです。特殊楽器を演
奏しなければならなかったので普段の練習も大変苦労しました。しかし、そのような困難や苦労を経て成し遂げたとき
の感動はひとしおでした。(1 年)・一生の思い出になりました。・今まで以上に熱心に取り組み、本番はもう夢だったよ
うに思えます。・とてもやりがいのあるプログラムで、達成感に満ち溢れていました。・ハードルがとても高い曲だった分、
やり終えたときの達成感や充実感は最高でした。・今までで一番曲の理解に努力し、練習したので、とても達成感が
あり、楽しかったです。
・大きな曲 2 つのプログラムでしたが、無事に成功することが出来、滅多にできない曲を演奏できてよかったです。・共
に滅多にできないプログラムなので、演奏できるだけでも嬉しかった。梅田先生の指揮のもと演奏できて、このことも
貴重な体験でした。・なかなか出来ないプログラムで最高によかった。・難易度が高く、練習も先輩方についていける
ように頑張るのがやっとでしたが、学ぶことが多く、乗ることが出来て本当に良かったです。(1 年)・くるみ割りは知名
度が高く、春の祭典は難曲だっただけあって達成感が非常に大きかったです。・二つの曲で求められることが違った
ので苦労しました。その分学ぶことが多く、やりがいのあるプログラムに乗ることが出来て良かったと思います。・くるみ
割りはとにかく楽しかったです。春の祭典は緊張しました。無事に終えられてよかったと思います。・今さらですが、学
生オケにもかかわらず、大きな曲を成功させたというところに感動しました。・いけにえの踊り、本番で誰一人として飛
び出さなかったのは感動した。・くるみ割りは楽しく弾けましたが失敗してしまった部分も多くありました。春の祭典は
本番が一番うまくいったと思いました。弦がきれいにそろったところは感動しました。・初心者にとっては難しかったと
思います。春の祭典よりもくるみ割りの方が技術的に辛かったです。・特に春の祭典はオケが一体となった演奏がで
きたと思います。・普段の演奏会以上に練習へのモチベーションが団員全員とても高く、いい演奏会になったと思い
ます。・燃えつきました。
梅田先生は、指揮も指導も分かりやすく、素敵な先生でした。
■梅田先生の素晴らしい点は?アンケートから
・音楽の表現が素敵。・表現力がただただ素晴らしくて感動しました。・音楽の作り方が素晴らしかったです。指揮が
分かりやすく、おかげで春の祭典も乗り越えることが出来ました。・分かりやすい振り方、的確で時に厳しい指示など、
これまでにはないレベルの指導を受けることが出来ました。・指示がとても的確で分かりやすく、指揮も迫力があり圧
倒され、その指揮に応えられる演奏をしなければと思いました。・夏合宿で一度指揮を振ってくれただけでオケの特
徴、問題点を指摘して下さり、その迫力に圧倒されました。優しくでも締めるところはしっかりと締めて厳しく指導してく
れました。・オケの悪い点を率直に伝えて下さり、何度も繰り返し注意して下さって、オケのレベルが上がったと思いま
す。・みんなの集中力や緊張感を引き出す力が抜きんでていました。・先生の生み出す緊張感のある雰囲気がすご
かった。・音楽を学ぶ上で必要なことを深く教えていただきました。これからの演奏につなげたいです。・自分たちで
音楽をすることを教えていただきました。指揮者とはどういう立ち位置なのかわかりました。・指揮や指摘がとても正確
であり、緊張感を持って演奏することが出来ました。音の運び方やつなぎ方がとても伝わりやすかったです。・信頼を
通り越して、全て梅田先生についていこうと思うほどのオーラと棒さばき、音楽知識でした。・何度も言わない。必要な
3
ことのみを伝える。語らずとも先生の音楽性が伝わる。すごい先生でした。・オケの中でアンサンブルすることの大切
さを教えて頂き、指揮者頼りでなく自ら音楽作りを積極的に行う姿勢を身に着けることが出来ました。・ロマン派の曲で
あっても、ごまかす演奏は許さず、細かいリズムまできっちりと指導して下さったことです。・明解でとても多くのことを
伝えて下さるタクト、ストレートに問題を教えて下さるところです。・ガチャガチャと面倒な動きの多い部分もうやむやに
せず、しっかりと揃えようとしていたところが素晴らしいと思いました。・ちょっと怖かったけど、演奏が締まってよかった
です。・ドライな先生だと伺っていましたが、実際には厚い情熱を持った先生だと感じました。・決して妥協をするとい
うことをしない先生。指示が簡潔で分かりやすかったです。
・皆を引き付ける魅力のある先生だと思います。・ちゃんとどの奏者のことも見て下さっていました。アンサンブル能力
が高まりました。・普段は明るい気さくな先生なのに、一度指揮棒を握ると目つきが変わって圧倒されました。梅田先
生でなければ春の祭典はできなかったと思います。・ダメなところもいいところもはっきり言ってもらえてありがたかった。
とても楽しい先生でした。・出来ていない部分は厳しい指摘、出来ている部分は誉めて下さるところが素晴らしいと感
じました。・1 回 1 回の練習が濃密で、時には厳しいお言葉もあったが、団員のモチベーションの上げ方がとてもうまか
ったような気がします。・音楽に対する姿勢、プロの意識、そうしたことを学生の私たちに懸命に伝えて下さった点。
2015 年 春合宿 (ホテル木の芽坂:南魚沼市)
広報担当 山口 憲次 (67 会員)
今回の合宿は3泊4日と短く、実質的な練習は丸3日間にも
至らない状況でしたので、当然朝 7:00 から夜 9:00 までびっし
りと練習スケジュールが組まれていました。そして練習後はパ
ートやセクションごとのコンパ、3日目は大コンパが組まれてい
ました。
それでも、食後のちょっとした休憩時間をうまく使って、息抜
きをしていたようです。おり番のあるパートの学生は熱心に個人
練習にも取り組んでいました。
毎回合宿を取材に来てまず感心することは、細かい音までよくさらってあることです。たとえばペールギュントでい
えば「山の魔王の宮殿にて」の後半はすごく早くなるのですが、よくついてきて完璧なまで演奏するのです。しかし
「朝」などはうまく音楽にならない。こんな状況でスタートするのですが、先生方のご指導のおかげでどんどん変わって
いくのでビックリします。
3日目の午前と午後、今回のマエストロである伊藤 翔先
生のご指導がありました。大きなアクションと熱狂的な棒に圧
倒されました。心に秘める激しい感情をどう表現してほしいか、
棒にギュッと込めていました。とはいえ、とても分かりやすい
棒でしたので、演奏しやすかったと思います。かいつまんで
先生方のご指導の内容を紹介します。
ペールギュント
・息遣い、それを音にしていく。深い音を出せるように。オー
Tutti を指導される伊藤 翔先生
ゼの死では呼吸の仕方。
・叙景的なイメージ(日の出や鳥の声など)をもって、つややかに。音そのものの変化を楽しんでもらいたい。・最終的
には拍という概念をなくしたい。流れを大切に。
4
シベ1
・自然な流れを大切に。・譜面上のリズムの扱い方の確認。例えば、ス
ピード感が出るようにするためには・・・あるフレーズの前からのかかわ
りの説明。どう弾くか指示。
・4楽章がすごかった。(本番はさらにどうなっていくのかと楽しみに思
った。)
■夕食時の先生方との話から
高校からやってきた学生の中には変な癖がついているケースが多く、
それがなかなか治らない。それは、基本をちゃんと教える者もいない中、
がむしゃらに弾かされるのでとんでもない癖がついてしまうからでしょう。かえって、大学から始めた学生の方が伸びる
ケースがある。1年から個人レッスンに通って勉強した場合ですが…。
弦セクを指導される相葉武久先生
今回演奏されるペールギュントに入れるナレーションについても草案作りを開始していました。どんなナレーション
が出来上がるか、曲と一緒に楽しみたいと思います。
今回、大コンパ
で『芸の達人?』に
よる芸 が披露さ れ
ました。笑いの渦
が巻きあがり、続く
クイズ大会が最高
の盛り上がりを見
せました。こうして団の一体化が図られていくのだ
と、若者の笑顔を見ながら羨ましい気持ちも感じて
しまいました。
■今回の合宿で目指していること
Vn や手拍子に合わせて怪しげな踊りが披露された。
ヤンヤ、ヤンヤ!と盛り上げて。堀江先生もご一緒に。
差し入れの酒がうまい。
アンケートより
・シベ1で落ちないこと。・技術向上。・基礎の見直し、表現力の向上。・自分の出す音にもっと責任感を持つ。逃げな
い。・自分たちの課題を明確にすること。・表現の仕方を学ぶこと。・表現したい音楽を実現するための練習方法を具
体的に学ぶこと。・曲の理解を深めて、パートを越えて合わせること。・自分の吹いている箇所の役割を理解する。・い
い加減な演奏はせずに、出来ないところの練習方法を習得する。・アニトラの踊りを頑張る。・今後の方向性をつかみ
たいです。・今後の練習の土台となることを学んで帰る。・本番までの練習の指針となるものをセクションやオケ全体で
持つこと。・先生方から指導していただいたことを聞き逃さないようにして、帰った後、今以上の演奏ができるようにす
る。・指揮者のテンポを体内に取り込むように努力する。・自信をもって弾けるところを増やす。曲のイメージをしっかり
演奏できるようにする。・冷静に、考えながら演奏できるようにする。・音楽の表現の仕方、アンサンブルの仕方を学
ぶ。
・新しい体制作り。・メイン学年として皆をきちんと引っ張ること
卒業演奏会
広報担当 山口
憲次 (67 会員)
よくやった、よかった、感動して震えるようだ。
大きな怪物相手によくやった。
容赦なく襲いかかる大きな壁、泣きたくなるけれど、食らい付いていくしかない、くじけないで前に進むしかない。
その闘う姿に感動した。
考えられない、あり得ない、とんでもないように思う。
5
卒業ってちょっぴり寂しい感じもするけど、夢のあるすご
い瞬間だ。
4年間一緒に過ごした仲間と別れるのはあり得ないこと
のように思うかもしれないが、また新たな仲間と出会い、一
緒になれる。
今までの掛け替えのない仲間たちと一緒に過ごした時
が糧となって、新たに前進する時がやってきた。
もう決して起こりえないこの瞬間、1曲1曲終わっていく。
八千代市民会館での卒業演奏会
巨人の4楽章も終わった。湧き出る涙、ブラボー!
卒団演奏会を終えて
宮坂
友子 (11 会員)
去る 3 月 7 日・8 日、八千代市市民会館にて、2014 年度卒団演奏会を開
催いたしました。贅沢に二日間、1,200 席もある大ホールをお借りし、一体こ
のうち何席埋まるのだろうか…とハラハラドキドキ迎えた演奏会でしたが、た
くさんの先輩方や家族、友人に囲まれて、幸せなラストステージを迎えるこ
とができました。聴きに来てくださった先輩方に、この場を借りて御礼申しあ
げます。本当にありがとうございました。
私は今回、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を弾かせて頂きました。毎年、
卒演のトリはコンマスです。自分に大きな期待がかかっているのを感じてい
ましたし、それに負けるまいと自分でもプレッシャーをかけました。私は先輩
方のように技術があるわけでもありません。最後の最後まであきらめてはい
けないと思って深夜のカラオケで練習したり先生レッスンに行ってけちょん
シベリウスの Vn 協奏曲を演奏する
けちょんに言われたりしましたが、進歩しない自分に苛立ち、悔しい思いも
宮坂さん。今年度トリの協奏曲。
しました。死の舞踏のソロを練習した時より何倍も悔しい思いをしました。
こんなに大きなオーケストラで、コンミスを経験させてもらった自分はどんな演奏で最後を締めくくって、後輩にたすきを
つないでいけばいいのだろう。悩む私の背中を押してくれたのは、一年生の時からずっと目標にしてきた先輩方でした。
「友ちゃんらしく、楽しんで演奏すればいい」という言葉に支えられ、完成度はともかく、今までのどの演奏会よりも楽し
いステージを迎えることができました。今録音を聴いても、音程はあってないし弾けていないし、正直聴けたものではあ
りません。できることならもう一度、もっと時間をかけて練習をして卒演を迎えたい、と思います。しかし、もう二度とあのと
きの気持ちは味わうことができないのかもしれない、とも思います。それほど、あのステージで過ごした時間は幸せで、
楽しくて、感動して、弾けないことも忘れる特別なものでした。
この演奏会をもって、私の千葉大オケ生活は終わりました。どうしてもオーケストラでヴァイオリンが弾いてみたくて、
合宿所を訪ねたあの日からもう 4 年も経つなんて本当に信じられません。月並みですが、長いようでとても短い 4 年間
でした。思い出は書ききれないほどあります。楽しいことも、悲しいこともありました。この 4 月から新生活が始まって、こ
の思い出はみんな大昔のことのようになってしまって、なんだか寂しくもあります。
毎年必ずやってくる卒演ですが、この演奏会を成功させるのがどれほど大変なことかは、やってみないとわかりませ
ん。私は、今回「卒団生のための」演奏会の運営を経験して、これまで先輩方がいかに苦労して最後のステージを成功
させてきたのかを知りました。そして、自分たちの学年が「卒団生」としていつの間にか強い絆で結ばれていたことに気
付きました。一生懸命やればやるほど、気持ちにすれ違いが生まれます。すれ違えば嫌にもなります。もし、卒演を 3 年
生の同じ時期にやったとしたら、本番までの期間にこんなに「幸せだ」と思うことはできなかったと思います。でも四年間
培ってきた強い絆が、26 人で 100 人以上の先輩後輩を巻き込んで、25 曲も協奏曲を形にする大変さを、喜びに変えて
くれたのだと思います。これまで先輩方が幸せそうに「一生忘れられない経験になるから!」と言っていた卒演は、本当
に一生忘れられない思い出になりました。これから後輩のみんなもこの気持ちを味わうことになるのか、と思うと、うらや
ましくて仕方ありません。
千葉大オケに入って、本当によかったです。
6
あなたの知らない
卒業演奏会の裏話
インタビュー
話し手
田口 裕隆 (11 会員)
先日は、卒業演奏会お疲れ様でした。聴かせていただいて毎年思うのですが、ありえないことが目の前で起きてい
る!よくやるな!すごい!これが正直な感想でした。ありがとうございました。今日はこのとんでもない演奏会の裏話
を少し聞かせていただきたいのでよろしくお願いします。
Q1.今回、田口君はご自分のソロ以外にも指揮者として大活躍でしたね。何曲指揮をされたのですか?
→ 協奏曲の 12 曲と全体合奏をあわせて 13 曲です。
Q2.これほど多くの曲を指揮するって考えられないのですが…譜読みなどどのようにこなしたのですか?
→ やはり時間がないので音源を聴きながらスコアを読むという作業が中心になりました。練習が始まってからは、気
になる部分だけを取り上げて勉強するということもありました。
Q3.すごく難しい曲もあったのではないかと思いますが、どの曲でしょうか。どんなふうに難しかったのですか。
→ どの曲も大変でしたが、弦楽器がソリストの協奏曲は難しかったですね。自分が弾けないということもあるので。あ
とは管楽器奏者よりもソリストがテンポを揺らすことも多く、オケバックと揃えるのには苦戦しました。
Q4.指揮する上で、一番気を使ったことはどんなことですか?
→ ある意味では人間関係ですね。みなさん、とんでもない数の曲を抱えているのを知っていますからね。その状況
を踏まえた上で求めるレベルと伝え方は大事なのかなと考えています。
Q5.皆さんも自分のソロの練習に加えて、友達のオケ伴奏の練習もあるわけですね。個人練習はどのようにこなして
いたのですか?
→ 「空き時間を見つけて、ともかくさらう!」これにつきますね(笑) あとは目立つところを重点的に、それ以外のとこ
ろは……なんて感じかもしれませんね。
Q6.伴奏の難しそうな曲についてもソロをやる人の希望だけで決まるのですか?
→ 「私、これやります!」って宣言したらそれが採用されます(笑) 曲を決めるのにあたって、他の人から何かを言わ
れるということは基本的にはないので、みんな憧れの曲にチャレンジしています。
Q7.楽譜の手配はどのようにしているのですか?
→ 自分で購入したり、借りてきたり、スコアから切り貼りしたり。ひとそれぞれですが、なかなか大変な作業ですね。
Q8.費用も結構かかるのではないかと思いますが…?
→ 月 1 万円ずつ集金して、ソリストに関しては最終的にはひとりあたり 56,200 円となりました。これに衣装代やら楽
譜代も加わるでしょうからね、人によっては無限大ですね(笑)
Q9.これほど多くの大曲をどのような練習計画で練習してきたのですか?
→ それぞれ本番までに約 50 分の練習を 6 回行いました。ただ、指揮者やソリストの都合を優先して練習日程を組
んでいるため、オケバックで穴があいたりとなかなか難しい回もありましたね。
Q10.直前の練習から当日 2 日間、体力勝負だったと思いますが?
→ みんな大変だったと思いますが、特に金管奏者なんて大変だったんじゃないでしょうか。唇が大変なことになっ
ていたと思います。ホルンなんて本番直前に「おさらい会」までやっていましたから(笑) でも、手を抜くことなく、みん
な最後まで精一杯やっていましたからね。素晴らしいです。
Q11.最後の曲を振り終えたときのご感想は?
→ とにかく楽しかったですよ。「終わってしまった」とも思いましたけど、「みんなでマーラーを出来てよかった‼」って
気持ちが強かったですね。全員の顔を見ることの出来る指揮者という席は特等席でしたね。
Q12.今、あの 2 日間の演奏会を振り返って思うことはどのようなことですか?
→ 我々アマチュア奏者がオーケストラ伴奏で協奏曲を演奏できることなんてほとんどあり得ません。卒演はそんな
夢を叶えてくれる、ある意味で卒団生の超わがまま演奏会です。そんな演奏会を運営するのに関わってくれた皆様
に感謝の気持ちでいっぱいです!ありがとうございました‼
ありがとうございました。今後のご活躍をお祈りいたします。
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■卒業演奏会の感想
・卒団生の学年がとても温かい人柄の方が多く、その人柄
が現れた、とても情熱的な演奏が多かったように思います。
先輩方の仲の良さが伝わるとても素敵な演奏会でした。
・先輩の気迫に圧倒されました。偉大な背中でした。・先
輩方一人一人の想いが感じられて泣いてしまいました。最
高の演奏会でした。・とにかく感動。あのような規模の演奏
会をやることも驚きですが、先輩一人ひとりの気持ちを肌
で感じる演奏会でした。(1 年)・長くお世話になった先輩
方ばかりだったので、一人ひとりがより輝いて見えまし
楽しんで吹いている小池さんの Tb.が素敵でした。
た。・私が入団した時のメイン学年だった先輩方だったの
指揮は田口君。
で、卒団してしまうのが信じられません。もっとずっと一緒
に演奏したいと思いながら参加しました。・先輩方の偉大さを再認識しました。難しい曲も多く大変でしたが、乗せても
らえたことに感謝したいです。・乗り番が多くしんどかったけ
れど、本番自体は素晴らしく、感動しました。・今回はとても
難しい曲が多くて練習が大変でした。卒団生が素敵な演奏
をしたので、私も来年の目標にしたいと思います。・難曲ば
かり揃っていてオケバックは非常に大変でした。でも、ソリスト
の先輩方のソロが素晴らしく、楽しく笑顔で終わることが出来
ました。・曲数が多く、夏定の練習も重なり十分な練習が出
来なかったことは残念でしたが、楽しく演奏できました。・4 年
の先輩方は自分のソロと多数のオケバックに乗っていて、そ
んなことをしているのがすごいと感じました。・先輩の背中が
クラリネットがベルアップ。指揮は田口君。
忘れられません。先輩の演奏には 4 年間のすべてがつまっ
ていました。目標が出来ました。・卒団される先輩方は本当に忙しそうでしたが、本番の先輩方は皆さん素敵な演奏
で、技術の高さや表現の豊かさを改めて感じ、本当にすごいと思いました。こうした先輩方の中で自分はとても恵まれ
ていると思いました。(1 年)・来年の自分達の卒演も成功させたいと思いました。・普段あまり聴けない金管のソロが聴
けて、すごくかっこいいなと思い、やってみたくなりました。・堂々と演奏している先輩方を見て、3 年後自分もこんな演
奏がしたいと思いました。・4 年間やってきたことが本
当に音楽に現れるということが分かったので、自分も
これからさらに頑張りたい。・最後のシベリウスとマー
ラーが素晴らしかったです。・先輩の曲に乗せてもら
えるのはとても嬉しいうえ、先輩の晴れの舞台を見る
のはとても楽しいですが、定演の曲をさらう時間が少
なくなってしまったことが大変でした。・一人ひとりの
曲が重く長いので、もう少しコンパクトにしてほしい。
(1 年)
Vn の錚々たるメンバー
巨人も大詰めを迎えて Hr.がベルアップ
感無量の瞬間を迎えています。
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会員からの情報
昨年の 10 月 19 日に千葉大学合唱団と管弦楽団の OBOG および現役が集まり、千葉大学音楽協会設立記念演
奏会を開催いたしました。その折にプログラムを制作するために、千葉大学管弦楽団の歴史上の大きな出来事をいく
つか拾って、その時のエピソードを会員に綴っていただきました。大変苦労して書かれた原稿であったことと、当日演
奏に参加したり聴きにお越しいただいた方が限られていたためこの原稿をお読みいただいていない方も多いことと思
いまして、今回この会報に再掲載することにいたしました。こんな時代もあったということをご理解いただいたうえで、
現役や OBOG の皆様方が各所で大活躍されている現状を改めて見つめていただければ幸いと思います。なお、もう
1 本の原稿(千葉大オケ 100 回記念演奏会)がありますが、機会を見て再掲載いたします。
初めての第九演奏会の思い出
滝谷
昭勝 (65 会員)
1969年(昭和44年)1月19日、今から45年前、私が4年生の卒業間際に千葉県では初めてのベートーヴェンの
交響曲第9番の演奏会が千葉大学の管弦楽団と合唱団の合同主催で行われました。会場は完成して間もない千葉
県文化会館でした。
太平洋戦争が終って4年後の1949年(昭和24年)に新制の国立大学として千葉大学が設立され、またこの年に
は楽器を演奏する人も歌の人も一緒に千葉大最古のサークルとして音楽部が発足しました。その後途中で管弦楽団
と合唱団に分かれましたが、1969年には開学20年という節目の年を迎えるため、それを記念して合同で第九特別
演奏会を実現すべく準備が進められました。
今の様に、年末に限らずあちこちで第九が演奏される時代と違い、特に我々学生にとっては何もかもがまったく初
めての経験であり、実行委員長(当時3年の荒井義朗君)をはじめ、演奏会にこぎ着けるまでは思いがけない事ばか
りで苦労の連続でした。
運営費用は当時の金額で百万円を超えると言われ、必死で千葉市を中心に千葉県全域にポスターとチラシを配り、
学校等も回ってチケットを売りまくりました。ポスターやプログラムも当時としては最先端の技術を使って立派なものを
作りました。
管弦楽団は当時千葉大の講師で当オケの常任指揮者であった水野修孝氏の指導で練習を重ねました。コンマス
は現在の OBOG 会会長の伴野悠士氏でした。みんな必死で練習をしましたが、当時は初心者で入部する学生も多く、
特に 2nd Violin にはそういう女子学生が大勢いて、彼らもみな舞台にのることになり、私が 2nd Violin のトップを務め
ていたため、パート練習は楽しくもたいへん苦労したことを覚えています。
ただ、当時は学生運動が非常に激しい時代で、全共闘など一部の過激な学生が多くの大学で学園の民主化や反
戦を訴えておりました。演奏会当日には全共闘などの学生らによって占拠されていた東大の安田講堂が機動隊によ
り解除され、多くの学生が検挙されました。時には我々の練習中も彼らがやってきて意見されることもありました。
練習は楽しく 1 楽章の最初のところや、4 楽章の合唱にあわせて演奏するところ等、ぞくぞくしたことを今でも覚えて
いる OBOG は多いと思います。ぞくぞくといえば練習場もいまでは考えられないほどの底冷えのするボロ校舎で震え
ながら演奏したことも、今となっては懐かしい思い出です。
チケットを必死で売ったお陰で、会場の定員 2,000 名なのに対し、2,500 枚余りも売りさばいてしまい、演奏会当日
は大勢の立ち見が出て消防署から厳重注意されました。当然当日券の販売はできず、荒井君によると当日券を当て
にして会場に来た母子の懇願をとうとう断り続け、あの時無理しても入れてあげればよかったと、今でも悔やまれると
のことです。
当時の第九演奏会のメンバーもみなさん65才を過ぎ、遠い昔の事となりましたが、それぞれに青春時代の懐かし
い思い出として心に残っていることと思います。
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部室焼失、メンバーの多くが楽器を失う!
梅原
正博 (69 会員)
今から42年も前のことで、だいぶ記憶が薄れてしまいましたが、大学4年の時のオケ部室の焼失、それはそれは大
きな出来事でした。昭和47年4月29日、30日の両日、医学部勝山寮に1泊し、新入部員の歓迎会とハイキングが行
われましたが、練習終了後に出かけたため、多くのメンバーが楽器を部室に置いて参加しました。
オケの部室は著しく老朽化した木造2階建のサークル用建屋の一階に2室あり、うち1室は楽器置き場に使い、廊
下を隔てて北側にはちょっと広い全体練習場がありました。火事は5月1日深夜に発生、建屋の西半分を中心にほと
んど全焼、原因は漏電とも煙草の不始末ともいわれましたが、不明のようです。
私は当時、船橋市に下宿していましたが、2日の朝早く、松田さんから電話があり、大学正門近くの松田さんのアパ
ートに急行、彼の部屋には床も抜けんばかりに大勢の男女部員が集まっておりました。ちなみに彼のアパートに女性
が来たのはこれが初めてで最後だったとのことです。続いて大学の火事の現場へ。見るも無残な状態で、それでも焼
け跡から何とかトランペットの残骸と焼けただれ一部溶けたマウスピースを見つけだすことができました。これは今でも
自宅にとってありますが、松田さんのオーボエや、武田さんのフルートも同様に、今も残骸を青春の証として大事に保
存しているそうです。しかしコントラバスやチェロなどの弦楽器は完全に消滅したのではないかと思います。
多くのメンバーが楽器を失い、間近に迫った6月の定期演奏会の開催も危ぶまれましたが、先輩を始め多くの方々
からの温かいご支援をいただき、何とか楽器を揃えて立派に演奏会を開催することができました。私も3年先輩の竹
村さんからC管をお借りしました。
その後の楽器の調達には、国立大学生らしく皆さん大変苦労したようです。私は内定した長野県のトマトジュース
工場で夏休みに2週間実習、その手当を元手に銀座ヤマハでトランペットを購入しました。この楽器で翌年1月の定
期演奏会でニュールンベルグのマイスタージンガーとチャイコフスキーの交響曲第4番を吹けたのは一番の喜びであ
り、一番の思い出でもあります。今でも青春の思い出がいっぱい詰まったこの楽器を、大切に使っております。
OBOG 会員が所属する関係団体の紹介および演奏会
役員氏名(入学年)
本欄に掲載を希望する当会員の活動する団体はご連絡ください。連絡の取れている団体を掲載しています。
千葉大学OBOGオーケストラ
須藤
紘平 (02 会員)
スプリングコンサート 2015 は、2 月 14 日に京葉銀行文化プラザ音楽ホールで開催されました。前半にメンデルスゾ
ーンの作品が 2 曲、序曲「フィンガルの洞窟」と弦楽のための交響曲第 8 番の管弦楽版が演奏されました。丁寧に歯
切れよく演奏され、若々しくフレッシュなイメージが残りました。後半の 1 曲目がディーリアスの小オーケストラのための
2 つの小品、ソロ楽器がいろいろ出てきてとても美しいサウンドを披露し、全体として清涼感のある演奏になりました。
続いてハイドンの最後の交響曲第 104 番「ロンドン」が演奏されました。各パートがそれぞれ大変美しいサウンドでセ
ンスよく演奏し、全体として格調高い演奏になっていました。素晴らしい、の一言でした。Ce.の参加者が少なかったこ
とが残念でした。
■楽器を趣味とする
建部七海 (09 会員)
こんにちは、09 入団の建部です。卒団してからは主に千葉大学 OBOG オーケストラに所属して、楽器を続けており
ます。
一般的に卒団して進学または就職すると、練習場所の確保が難しいですし、時間の制約も増えるため練習時間が
さらに減少すると思います。私は現役時代に一生懸命練習に取り組んでいたかというとそうでもないのですが、その
私ですら以前に比べ楽器と連携が取れてないような、歌った音がそのまま楽器の音として出ないことに葛藤しており
ます。たまに素敵なオーボエの演奏を聴いたりして、「そんな面倒なこと考えなくたって素敵な楽器なのだからそれだ
けで幸せじゃないか!!」と思ったりもするのですが、実際に吹き始めるとまた葛藤がはじまります。どこかで落としど
ころをつけるべきなのでしょうけど、なかなか難しいなあ・・・と、こんなことをだらだら書いてもしょうがないですね。
千葉大学 OBOG オーケストラは 02 入団の先輩方を中心に 2007 年に設立され、音楽監督である東京都交響楽団
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前首席コントラバス奏者の相葉武久氏のもと、「高い教養に基づく音楽性、アマチュアならではの地域に根ざした独
自企画を、房総の半島から首都圏はじめ全国に発信できるオーケストラ」という目標を掲げて活動しています。千葉
大学管弦楽団の OBOG を中心に構成されており、現役生にも協力していただいております。メンバーの中には遠方
から千葉まで練習に通っている方、ご結婚されている方やお子さんがいらっしゃる方なども多くおります。ここで音楽
活動を続ける理由や思いはそれぞれ異なるでしょうけど、多少の無理をしてでもここで活動してきたい何かがあるの
だろうなと思います。
さて、千葉大学 OBOG オーケストラでは現在、今年の 9 月 21 日にすみだトリフォニーホールで行う第 9 回定期演
奏会に向けて練習に取り組んでおります。この演奏会では当団のベートーヴェンチクルスの集大成として「第九」に挑
戦します。一人でも多くの方に聴きに来ていただき、夢や希望に満ちた時を共有できたらば幸いです。是非お越しく
ださいませ。
■日時:2015年9月21日(月・祝) 夜
会場:すみだトリフォニーホール 大ホール
指揮:長野力哉
曲目:ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 op.125 他
独唱:大倉由紀枝(S)、加納悦子(A)、望月哲也(T)、宮本益光(B)
千葉フィルハーモニー管弦楽団
30 周年となる第 27 回サマーコンサート
井上
高明 (87 会員)
千葉フィルハーモニー管弦楽団は、県立千葉高・県立船橋高・千葉女子高のオーケストラ部の OB・OG を中心に
1985 年結成された市民オーケストラです。音楽監督兼常任指揮者に金子建志を迎え、ベートーヴェンからチャイコフ
スキー、ショスタコーヴィチなど、幅広い選曲でパワフルな演奏を行っています。特に、金子氏の研究に裏打ちされた
マーラーやブルックナーの演奏については、アマチュアオーケストラファン以外からも高い注目を集めています。毎
年 1 月の演奏会と 8 月のサマーコンサートを実施していますが、あえて定期演奏会と冠することなく、初心を忘れない
真剣勝負で演奏会に臨んでいます。今夏のサマーコンサートは、前回の第 30 回演奏会に続き、創立 30 周年を迎え
る記念演奏会となります。今回の演目である、マーラーの交響曲第 6 番は、1 時間半あまりの演奏時間となる大作で、
弦楽器の美しい旋律、管楽器の迫力あるサウンドなど、オーケストラの魅力を堪能できる名曲のひとつです。千葉フィ
ルハーモニー管弦楽団では、1992 年の第 7 回演奏会以来の再演となります。(HP より)
■サマーコンサートのご案内
日時:2015 年 8 月 2 日(日)13:30 開演(12:45 開場)
会場:習志野文化ホール
指揮:金子 建志
演目:ワーグナー/「パルジファル」第 1 幕への前奏曲
マーラー/交響曲第 6 番「悲劇的」
弥生室内管弦楽団
第45回演奏
三ヶ尻
勉 (80 会員)
日時:2015 年 11 月1日(日) 14:00 開演
会場:第一生命ホール(晴海トリトンスクエア内) 入場料:2,000 円(全席自由)
指揮:小出 英樹
曲目:ベートーヴェン/交響曲第1番ハ長調
水野修孝/交響組曲「イノセントムーン」-世界初演-
*水野修孝氏のイノセントムーンについては前号に掲載してあります。ホームページでご確認ください。
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アモルファス合奏団
第 34 回定期演奏会
長谷部
透 (70 会員)
日時:2015 年 10 月 11 日(日) 14:00 開演(13:30 開場)
会場:東京オペラシティ リサイタルホール 入場料:1,000 円
指揮:横山 俊充
曲目:エルガー/弦楽セレナーデ
コレルリ/クリスマスコンチェルト
ヴォーン・ウイリアムス/タリスの主題による幻想曲
ウイリアム・シューマン/交響曲第5番
市川交響楽団
時田
第383回市響 「交響楽の午後」
雄 (72 会員)
日時:2015 年 7 月 20 日(月・祝) 14:00 開演(13:30 開場)
会場:市川市文化会館大ホール(JR本八幡駅下車) <入場無料>
指揮:大勝 秀也
曲目:ブラームスの午後
悲劇的序曲 作品 81
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 作品 102
独奏:倉冨亮太(ヴァイオリン)、山澤 慧(チェロ)
交響曲第 2 番 作品 73
*2015 年 7 月 25 日にはフィオーレオペラ公演出演で、團伊玖磨作曲:オペラ「夕鶴」(全曲)を演奏します。
習志野フィルハーモニー管弦楽団
第 87 回定期演奏会
山口
憲次 (67 会員)
伴野
悠士 (64 会員)
日時:2015 年 7 月 5 日(日) 14:00 開演(13:15 開場)
会場:習志野文化ホール(JR 津田沼駅前) 入場料:1,000 円(全席自由)
指揮:野津 如弘
曲目:ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
ウェーバー/クラリネット協奏曲第 1 番 ヘ短調 作品 73
独奏 : 高子 由佳(クラリネット)
シューマン/交響曲第 1 番 変ロ長調「春」作品 38
アンサンブル・ベルデ
第 53 回コンサート
日時:2015 年 7 月 19 日(日) 14:00 開演
会場:つくばノバホール別館小ホール
曲目:テレマン:弦楽合奏組曲変ホ長調「ラ・リラ」
ロカテッリ:合奏協奏曲第 2 番ハ短調
シベリウス:田園組曲 Op.98b
グリーグ:2 つの旋律 Op.53
ブルッフ:スウェーデン民謡によるセレナード
*指揮者なしで演奏します。
クラリネット軍団 (第14回アンサンブルコンサートは終了しました。)
佐藤
健 (91 会員)
私たちは千葉大学オーケストラのクラリネット吹き OBOG+α(?)で構成するクラリネットアンサンブルの団体です。
使用楽器は Es, C, B, A, Alto, Basset, Bass, ContraBass です。
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2015 年 5 月 23 日(土)に行われたコンサートのプログラムです。
ドラゴンクエスト組曲(すぎやまこういち)
5つの楽章曲(C.アリュー)
A Star is born!(佐藤健)
弦楽のためのトリプティーク(芥川也寸志) ほか クラリネット軍団バージョン
チェロアンサンブルちば
第 16 回演奏会
星
光 (93 会員)
■「60 歳を過ぎてもみんなで一緒にチェロを弾いていよう」 土屋 卓志(94 会員)
私たち“チェロアンサンブルちば”は、2014 年 11 月 16 日、新宿文化センター小ホールで活動 20 周年記念演奏会
を開催しました。この場をお借りして、これまでの私たちの活動にご支援いただいた皆様に御礼申し上げます。
私たちが最初にチェロのみによるアンサンブルを行ったのは、1994 年夏、志賀高原で行われた夏合宿の室内楽
演奏会でした。それまでのオケ曲のパート練習とは一味違う、緻密で厳しいご指導を平田昌平先生から受け、ヴィラ
=ロボスの「ブラジル風バッハ」を演奏し終えたとき、メンバーの眼からは自然と涙が溢れ出したものです。
その達成感や感動に魅せられたメンバーを中心にレパートリーを広げていき、1998 年 9 月には第 1 回演奏会を開
催しました。以来ほぼ毎年演奏会を積み重ね、今回で 15 回目の演奏会となりました。
20 年間活動を継続していく中で、新しく参加する後輩が増える一方、仕事の都合や、結婚、子育て等、人生の過
程とともに活動を休止せざるを得ないメンバーもいました。今回は記念演奏会ということで、そのようなメンバーも多数、
演奏者又はスタッフとして参加し、半ば同窓会のような雰囲気となりました。
掲出の言葉は、第 1 回演奏会の打ち上げの際に平田先生からいただいた掛け声です。当時は皆二十歳前後と若
く、その言葉の意味を深く考えずに漠然と聞いていたかも知れません。
平田先生は 20 周年記念演奏会の打ち上げにおいても、私たちに同じ言葉を掛けてくださいました。全く同じ言葉
なのに、20 年分の経験と思いが詰まった心で受け止めると、その言葉の持つ意味や有り難さがやっと分かってきたよ
うな気がします。
素晴らしい先生や仲間との出会いの場となった、千葉大学管弦楽団への感謝の気持ちを再認識したこの日を通
過点に、私たちはこれからの 20 年もチェロとともに暮らしていきたいと思っています。
前回、2014 年 11 月 16 日に行われた第 15 回演奏会(20 周年記念演奏会)の曲目は以下の通りでした。
ハチャトゥリアン:剣の舞
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第 1 番より
シューマン:チェロ協奏曲 (Solo:平田昌平)
ファリャ:粉屋の踊り
フンク:組曲ニ長調 他
■次回の第 16 回演奏会のご案内
会場:タワーホール船堀小ホール(都営新宿線船堀駅前)
日時:2015 年 10 月 25 日(日曜日)14:00 開演(予定)
曲目:ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲第 8 番より 他
管楽器アンサンブル
Leaves Woodwind Ensemble
安達
陽平 (02 会員)
5 月 5 日(こどもの日)に千葉市生涯学習センターで行われた、第 4 回管楽器アンサンブルの演奏会を聴きました。
学生時代から演奏していた仲間の集まりで、もう 10 年以上のお付き合いになるそうです。住んでいる場所も、仕事も、
生活環境もバラバラになってしまいましたが、今でも音楽をしている時間を共有し続けられているということは嬉しいこ
とです、とおっしゃっていました。Fl.Ob.Hr.Fg.Cl.(後半に P が入る )のアンサンブルで演奏者は計 8 名でした。(山
口)
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演奏曲目は以下の通りでした。
モーツァルト:きらきら星変奏曲
ピアソラ:リベルタンゴ
ダマーズ:17 の変奏曲
後半
ルーセル:ディベルティスマン
中川良平編:ピアノと木管五重奏のための
ニッポンの歌、心の歌より
プーランク:ピアノと管楽器のための六重奏曲
編集後記
50 代までとは違ってくる退職後の生活
山口
憲次 (67 会員)
本号も皆様のご協力を頂きまして無事発行することが出来ました。有難うございました。まとめる段階でばたばたし
まして、ハードな日が続いてしまいましたので、正直なところホッとしております。
現役オケの顧問をされている岡部先生の旦那様(69 会員、八千代交響楽団の Vla.奏者)がソムリエの資格をお持
ちだと聞き、昨年 10 月の千葉大学音楽協会設立記念演奏会でお会いした折に、いつかお宅に伺っていろいろワイ
ンのお話を聞きたいと話したところ、ジャマさん(私のあだ名)もワイン検定を受けてみれば・・、という話に発展し、岡
部邸で 11 月にブロンズクラス・ワイン検定を受けました。試験は事前に渡されたテキストの中から出題される 4 択の基
本的な問題でしたが、一緒に受けた若者 2 人がさっさと終了してしまった様子を見て、すごいショックを覚えました。若
者との差が、こんなところでもこんなに大きく出るのかと驚いてしまいました。字が見にくくなっていて読むスピードに差
が出ているし、暗記力も落ちているので 4 択を選ぶのに時間がかかってしまうからです。それは現役の合宿に参加し、
現役の練習の様子を見ていても、様々なところで大きな差があるのを感じてしまいます。ショックですが、受け入れる
しか仕方ありません。しかし、巻頭言にもあるように、脳の悪化のスピードをどのように遅らせるかが大切なことになっ
てきています。
私が気を付けていることを伴野会長が示された 5 項目に従っていくつか上げてみます。(1)食習慣・・まず塩分や脂
分の取り過ぎに注意しています。最近では干物類やラーメン、ステーキやフライの類などは久しく食べていません。代
わって野菜が多くなってきていますね。うす味に慣れることは、若いうちから習慣づけてないと突然できるようになるわ
けでもありませんからご注意を!酒は飲む量を決めていますが、成績は△になりがちです。(2)運動習慣・・医者から
(高血圧なので)1 日 1 万歩、歩け!と言われますが、時間的にもなかなか出来ません。仕事をしているときは昼間結
構歩いていましたが、今は(3)の効果もあるのでジムに行って、若い人たちと一緒にスタジオレッスンを楽しんでいま
す(ちょっとハード過ぎるかナとも思いますが・・)。もちろん買い物などにはほとんど車は使いません。(3)対人接触・・
これを維持するためにも習志野フィルの団長を務めていることは重要なことだと思います。また、現役の合宿に参加さ
せていただいけるのもありがたいことです。ジムも大切です。(4)知的行動習慣・・大変ですが会報担当の役割も貴重
な体験になっています。毎日の PC やスマホの使用、手書きの日記、また絵をかいてみるなども行っています。新国
立のオペラ鑑賞にも度々出かけ、ステレオで音楽鑑賞も行いますが、楽器の練習を毎日行うことは最も大切なことで
す。(5)睡眠習慣・・睡眠はしっかりしていると思いますが、どうしても寝るのが遅くなってしまいます。この乱れが次の
日の血圧にも関係してくるので厳重に注意していますが、結果は×に近い△です。しかしながら大きな病気にもなら
ず、毎日元気に楽しく過ごせている点では総合的には〇が付くと思います。
話は岡部邸に戻りますが、試験後、試験には関係なくフランスの代表的なワインを試飲することになりました。初め
にソーヴィニヨン・ブランを、これだけはニュージーランドの白でしたが、アロマティックな香りが爽やかでフレッシュな
味わいがたまりませんでした。それに対してブルゴーニュ地方を代表するシャルドネは発酵が進んでいる分まろやか
な味わいでした。そして赤はボルドー地方のカベルネ・ソーヴィニヨンの充実した香りと味わいに感動し、ブルゴーニ
ュ地方のピノ・ノアールのエレガントさとの比較が楽しかったです。フランスの有名なブドウ畑では細かくエリアが区分
され、等級がつけられているそうで、そうした畑のワインは高額で取引されているとのことでした。当日のワインの中に
等級畑のワインが入っていたようで、その純粋な深い味わいにまともに歩けないほど酔ってしまいました。駅に置いて
あった自転車を押して帰る道中、4 回は転んで周りの人に「大丈夫ですか?」と心配されました。これも老化か?とショ
ックに思いましたが、単に酔っぱらっていただけですね。自転車側に重心が行くと足が出せませんので転ぶしかなか
ったのですね。特に酔っぱらったときに自転車を押して
歩くのは危険、だからと言って乗ってはいけませんね。
長々ととんでもない後書きになってしまいました。お
付き合いありがとうございました。
この会報は皆様のご協力によって制作されています。
引き続き多大なるお力添えを頂けますようよろしくお願
いいたします。写真は今年 3 月の六日町です。
mail
[email protected]
山口憲次
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