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農村計画研究部会
平成 27 年度
農業農村工学会
平成 27 年度
討論集会
農村計画研究部会企画セッション
1.テーマ
農山村振興におけるさまざまな立場の人の参画と協働
2.企画セッションの概要
地域振興には,その地域の住民・行政・企業そして地域外の人びとなど,さまざまな立場
の人の参画と協働が必要とされる。参画のかたちが多様であるように,支援のための取組も
多様である。本セッションは,西日本各地の事例を参照しながら,地域振興に関わる人材の
確保と実践力ある活動の継続のために,人・もの・知恵・情報などのコーディネーターの役
割を果たす主体・組織の形成とその運営に着目しながら探ることを目的とする。
3.日時
2015 年 9 月 3 日(木) 13:40~15:20(大会 3 日目,第 8 セッション)
4.場所
岡山大学津島キャンパス(岡山市北区津島中 1 丁目 1 番 1 号)
第 1 会場(一般教育棟 4 階,B41)
5.内容
(1)開会挨拶・部会報告:藤﨑浩幸(弘前大学)
(2)話題提供
①清水夏樹(京都大学)
「学会における研究の動向と本セッションのねらい~農山村振興における協働を支えるコ
ーディネーターの形成~」
地域振興には,地域住民・行政・企業,地域外の人びとなどさまざまな立場の人の参
画と協働が必要とされ,核となる組織には,これらの主体をつなぎ実践に結びつけるコ
ーディネーターの役割が求められる。農村計画研究分野では,多くの研究で主体間の連
携の重要性が指摘されてきているが,農山村振興という大きな目的の中で連携の中核を
担う組織の運営についての研究例は少ないため,今後の研究の蓄積のための課題を整理
する。
②守屋基範(NPO 法人かさおか島づくり海社・岡山県笠岡市)
「島は過疎高齢化の先進地-どう立ち向かう笠岡諸島」
笠岡諸島では,市の職員の配置から始まる島おこしのための島民組織づくりが行われ,
現在は,島同士の交流の継続と各島の特色を活かした事業の双方を進める NPO 法人かさ
おか島づくり海社として展開している。これまで空家対策・移住者支援,特産品開発,
住民の買い物や医療・福祉など,地域のニーズに対応するための多様な取り組みが進め
られてきた。今後の課題は,組織の継続的な運営に向けた収益確保のための人材育成で
ある。
③朝倉 聡(NPO 法人里山ねっと・あやべ・京都府綾部市)
「里山ねっと・あやべと綾部市里山交流研修センター~廃校活用と体験交流で里山に関わ
る多様な主体を結びつける~」
京都府綾部市の NPO 法人里山ねっと・あやべは,閉校した小学校校舎を活用した交流
施設の管理を担うとともに,施設を活用した都市農村交流事業,里地里山の自然や田舎
の生活・生産体験を提供するためのコーディネーターの役割を果たしている。地域の環
境や生産物を活用した大学・企業の研修プログラムへの提案も積極的に行っているが,
地域内外の多様な主体間のコーディネートには人材と組織を維持する経費の確保が必要
である。
(3)総合討論
コーディネータ:清水夏樹(京都大学)
コメンテーター:中塚雅也(神戸大学)
(4)閉会挨拶:守田秀則(岡山大学)