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第
章
不動産広告への規制
の概要
1.不動産広告への規制の概要
ここが
ポイント
インターネットの普及により、一般消費者が不動産情報や関連知識を容易に入手でき
るようになりました。その結果、不動産広告に対する一般消費者の期待が高まるととも
に、規制・指導も厳しいものになってきています。一般消費者の信頼を獲得し、反響・
成約へとつなげるためにも、適正な広告表示を行うことが大切です。
宅建業者にとって、新聞広告やチラシ、物件情報誌などのメディアへの広告は、効果的な販売促進
方法です。特に近年は、インターネットが非常に有力な広告媒体となっていて、チラシ広告と並んで
不動産広告の主流となっているといってよいでしょう。
一方、一般消費者にとっては、広告による物件情報の取得がその物件と出会う最初の機会となる場
合が多く、当然ながら、物件情報は正確でなければなりません。
そのために、まず法律により、そして不動産の業界自体により自主的に、不動産広告に対して規制
がかけられています。
【不動産広告への規制の概要】
1.宅地建物取引業法
⑴ 誇大広告等の禁止
法令による規制
⑵ 広告開始時期の制限(=青田売りへの規制)
⑶ 取引態様の明示義務
2.不当景品類及び不当表示防止法(→措置命令)
3.広告条例(=いわゆる「捨て看」の禁止など)
業界の自主規制
不動産の表示に関する公正競争規約(以下「表示規約」という)
2.宅地建物取引業法による規制
ここが
ポイント
宅建業法にも広告表示に関する規制があります。⑴誇大広告等の禁止、⑵広告開始時
期の制限、⑶取引態様の明示義務の3点です。
⑴ 誇大広告等の禁止(宅建業法32条)
宅建業者は、その業務に関して広告をするときは、次の8項目について、著しく事実に相違する表
示をし、又は、実際のものよりも著しく優良であり、もしくは著しく有利であると誤認させるような
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第 3 編 不動産広告
参 考 (特定事項の明示義務)表示規約施行規則第8条
(2) 建築基準法第42条に規定する道路に2メートル以上接していない土地については、「再建築不可」又は
「建築不可」と明示すること。ただし、同法第43条第1項ただし書の許可を受けることができることとなる
場合において、その旨を表示するときは、この限りでない。
(敷地等と道路との関係)建築基準法第43条
建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第44条第1項を除き、以下同じ。
)に2メートル以上接し
なければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に
適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を
得て許可したものについては、この限りでない。
(以下略)
③ 条例により附加された敷地の形態に対する制限に適合しない土地
敷地が建築基準法上の道路に2m以上接していても、安全上の観点から建築が認められない場
合もあります。例えば、建築物の敷地が路地状部分(いわゆる敷地延長部分)のみによって接道
する場合は、地方公共団体の条例により接道条件が厳しくなっている場合があります(路地状部
分の長さに応じて、幅員が3mなければ建築確認が下りないなど)。これらの条件を満たさない
場合にも、
「再建築不可」又は「建築不可」と明示しなければなりません。
公道
建築基準法上の道路に2m以上接し
2m
25m
ていても、建築が認められない場合
敷地
には「再建築不可」又は「建築不可」
と明示します。
参 考 (特定事項の明示義務)表示規約施行規則第8条
(3) 建築基準法第40条の規定に基づく地方公共団体の条例により附加された敷地の形態に対する制限に適合
しない土地については、「再建築不可」又は「建築不可」と明示すること。
④ 路地状部分のみで接道する敷地
建築物の敷地が路地状部分のみによって接道する「路地状敷地」(いわゆる敷地延長、旗竿
地)の場合、路地状部分(敷地延長部分)の面積にも注意する必要があります。路地状部分の面
積が当該土地面積のおおむね30%以上を占めるときは、
「路地状部分を含む旨及び路地状部分の
割合(又は面積)」を明示する必要があるからです。
同じ100㎡の土地であっても、整形な土地と下図のような土地では、有効宅地面積が異なるた
め、価格が安くなることが一般的だからです。
表示例
敷地面積100㎡。うち約36%(約36
㎡)は路地状部分
土地
約 100m2
道路
6m
12m
3m
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第 3 編 不動産広告
第1編
不動産キャリアパーソン
としての大切な心構え
参 考 (特定事項の明示義務)表示規約施行規則第8条
(4) 路地状部分のみで道路に接する土地であって、その路地状部分の面積が当該土地面積のおおむね30パー
セント以上を占めるときは、路地状部分を含む旨及び路地状部分の割合又は面積を明示すること。
⑤ セットバックを要する土地
いわゆるセットバックがある場合には、その旨を明示します。セットバック部分が敷地面積の
第2編
表示例
敷地面積100㎡
(再建築の際には、12㎡の
セットバックが必要です)
4m
道路の中心線
2m
(現在の幅員)
2m
12m
物件調査・価格査定
おおむね10%以上である場合には、セットバック面積も明示します。
第3編
不動産広告
参 考 (特定事項の明示義務)表示規約施行規則第8条
(5) 建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる部分(セットバックを要する部分)を含む土地
については、その旨を表示し、セットバックを要する部分の面積がおおむね10パーセント以上である場合
は、併せてその面積を明示すること。
⑥ 古家、廃屋等が存在する土地
取引の対象となっている土地の上に古家が存在するときは、その旨を明示します。取壊し費用
がかかるので、更地よりも不利であると考えられるからです。
第4編
資金計画
参 考 (特定事項の明示義務)表示規約施行規則第8条
(6) 土地取引において、当該土地上に古家、廃屋等が存在するときは、その旨を明示すること。
⑦ 沼沢地、湿原又は泥炭地
沼沢地等は、宅地として不適当です(価格も安いはずです)ので、その旨を明示することが必
要です。
参 考 (特定事項の明示義務)表示規約施行規則第8条
第5編
契約の基本
(7) 沼沢地、湿原又は泥炭地等については、その旨を明示すること。
⑧ 高圧線下の土地
土地が高圧線下にある場合には、その旨を明示することが
必要です。高圧線があるために建築が制限される場合には、
その旨を明示します。
表示例
第6編
その他の知識
敷地面積180㎡
(約80㎡は高圧線下。○○電力の地役権設定
あり。高圧線下部分は建物等の建築はできませ
ん)
第 2 章 表示すべき事項
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