花いっぱい

平成26年度 高野尾小学校だより(H27.2.5)
第21号
花いっぱい
《教育目標》
前向きに生きよう!
“おりえさん”から学んだこと
二胡のルーツである♪シルクロード♪で幕が開きました。視覚障がい者の森本おりえ
さんがピアノ担当です。三人の二胡奏者とアイコンタクトするわけではありませんが、息のあった
子どもたちに 夢・笑顔・やる気・元気を!
演奏にまず驚きました。目を大きく見開いたおりえさんを見て、誰もが視覚障がい者だとは感じな
かったことと思います。鍵盤の上を這うように自由自在に動く手指を見て、ますます疑いの気持ち
視覚に障がいのある方との出会いから学ぶ!
~福祉体験教室~
は大きくなったことでしょう。楽しいトークを交えながら数曲聞かせてもらった後、森本おりえさ
んのトークとなりました。おりえさんの生い立ちやピアノとの出会い、今のおりえさんの様子など
1 月 26 日(月)、視覚障がいの方への理解を深めることを目的で、二胡の
伺うことができました。おりえさんは生まれた時から目が見えません。光を感じることもできませ
グループと津市社会福祉協議会の方々に来ていただき、演奏会と体験学習を
ん。そんなおりえさんが子どもたちに目線をしっかりと合わせ、穏やかな中にもはきはきと話され
実施しました。前半は、アイマスクをしてコップに水を注ぐ体験や握手だけ
るうち、みんなは自然と吸い込まれ、聞き入っていきました。偶然にも初めてピアノを教えてもら
で友達を言い当てる体験をしました。普段、当たり前のようにしていること
ったという本校の廣田先生との出逢いもあり、幼かった頃のおりえさんがどのようにピアノを習っ
が、
視覚を奪われることでとても不自由で不安になることを子どもたちは学んだようでした。
後半は、
ていたのかを知ることもできました。おりえさんが二胡グループ(胡蝶)と出会ったのは、ご自分
視覚に障がいのある森本おりえさんがピアノを担当する二胡の演奏グループ
「胡蝶」
の演奏会でした。
が病気になった院内での演奏会だそうです。その時のことをおりえさんは「素晴らしい二胡の演奏
二胡のやさしい音色にうっとりすると共に、
森本さんのピアノ演奏やお話に感動した子どもたちです。
に感動。もしかして、ここにピアノが加われば音楽的に素晴らしいものになるかもしれない」と直
みんな、前向きに生きることの大切さを学ぶことができました。
感。ご自分から申し出て、メンバーの一員に迎えられました。今、メンバーは 4 人になり、おりえ
(児童の感想)
何人かと握手をしてどの手が自分のペアの人の手かを当てる実験で、やっぱり声を出して握手して
くれないとわかりませんでした。最後に二胡とピアノの演奏を聴きました。ピアノを弾いているおり
えさんは、目が見えないけどすごくピアノがうまくてびっくりしました。何でも一生懸命にがんばっ
ていくと、絶対にいいことがあるんだなと初めて知りました。本当に良い体験だったと思います。
二胡とピアノの演奏で音の出し方にはびっくりしました。バイオリンと兄弟みたいな物と言ってい
たけど、今日初めて二胡を見て、音はバイオリンに似ているなぁと思いました。とても素敵な音色で
した。アイマスク体験では、真っ暗で、私たちの生活には「目」は当たり前のようになっていましたが、
「目」の大切さを改めて知りました。おりえさんは目が見えなくてもお札の折り方を変えるなどいろ
いろな工夫をしていてすごいと思いました。
さんの想像通り、ボリュームの増した演奏となったようです。
このようにおりえさんは、いつでもどこでも前向きです。しかし、病気をした時はさすがに「な
んでこんな目に合うの…」と落ち込んだそうです。が、いろいろな方との出会いがあったのも病気
をしたお蔭だ!と思い直したそうです。マイナス思考でなくプラスで物事を考えると気持ちが軽く
なったとも話されました。私は、おりえさんから視覚障がい者として何かを学んだというより、人
としての生き方そのものを学ばせていただいたように思います。
人は、とかく嫌なことや辛いこと、腹が立つことなどがあると自分や周りを責めます。いつまで
もそのことばかりを思っているとますます辛く、悲しくなりませんか。でも、おりえさんのように
前向きに考えたらどうでしょう。きっと“明日は良いことがあるかも…”と心が軽くなるはずです。
おりえさんはどうしてこんなにも前向きに物事を考えられるのか!?私なりにこう分析しました。
おりえさんが辛い、悲しい…時、心から支えてくれる人がいたからではないか…と。それは、家族
であり、友達、職場の仲間だろうと思うのです。また、おりえさんは、子どもたちに言葉を慎重に
選びながら大切なことを語ってくださいました。中でも、心に残ったのは「自分が嫌だ!と思った
ことは、相手にはしないこと。これが、やさしさだと思います。」です。高野尾小学校の子どもた
ちが一人の人間として生きていく上でのひとつのきっかけになってほしいと願ってします。私自身
も自らを振り返る貴重な機会となりました。自分にできる“社会貢献”は何かを探し求めていきた
いと思います。