発表資料 - 国土技術政策総合研究所 横須賀庁舎

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第70回学術年次講演会_岡山大学_20150916
各種耐水性評価方法による
アスファルト混合物の耐水性評価
(元)港湾空港技術研究所
((現)国土技術政策総合研究所)
河村
直哉
港湾空港技術研究所
森川
嘉之
背景(水による空港舗装の損傷事例と原因)
ポットホール
原因
基層以深の混合物はく離
・水が、施工目地等から舗装内・層間に浸透
・過去の切削工事で,水で脆弱化した層が存置
・耐水性が十分でない材料を使用
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背景(空港舗装の材料設計時の耐水性評価方法)
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残留安定度とはく離面積率の関係1)
水浸マーシャル試験のみ
(再生材の場合、
水浸WT試験も実施)
・・・ 要求水準を満たしても、
耐水性に問題がない
とは必ずしも言えない
・・・ 近年、新骨材を使った
混合物のはく離を確認
耐水性評価方法の見直しが必要
1)
川村ら:JHにおける高機能舗装化に伴う下層部の耐水対策
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目的
空港舗装用混合物の耐水性評価方法の改良
② ASTM D4867/D4868M-04
① 水浸WT試験
円柱供試体
減圧による
強制浸水
車輪
WT供試体
水浸養生
(60℃/1日)
圧裂試験(25℃)
圧裂試験(25℃)
横断方向にも移動しながら往復走行
残留圧裂強度比
・実舗装のはく離過程を想定
(荷重を考慮)
・評価指標が、主観的
・実舗装のはく離過程と乖離
(荷重を考慮せず)
・評価指標が、客観的
検討内容
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3種の方法の評価結果の対応関係を整理し,
空港舗装の耐水性評価方法を考察
① 水浸マーシャル試験
② 水浸WT試験
③ ASTM D4867/D4868M-04
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使用材料
混合物
の呼称
各混合物
に用いた 粗骨材
粗骨材の の岩質
呼称
アスファル
アスファルト
アスファル
ト
空隙率
混合物
ト
バインダー
(%)
の種類
量(%)
の種類
混合物A 粗骨材A 橄欖岩
4.8
4.7
混合物B 粗骨材B 硬質砂岩
4.7
4.2
混合物C 粗骨材C 硬質砂岩
4.8
4.3
粗粒度
アスファルト
混合物
混合物E 粗骨材E 硬質砂岩
(20)
混合物F 粗骨材F 安山岩
混合物D 粗骨材D 石灰岩
ストレート
アスファル 4.8
ト
4.8
60/80
4.8
3.8
3.8
3.8
混合物G 粗骨材G 角閃岩
4.8
4.3
混合物H 粗骨材H 輝緑岩
4.8
3.8
粗骨材の剥離面積率(%)
・8種類の粗粒度アスファルト混合物
・各粗骨材のはく離抵抗性は異なる
70
60
50
40
30
20
10
0
6/9
試験結果①
水浸マーシャル vs 水浸WT
100
100
80
80
残留安定度(%)
残留安定度(%)
水浸マーシャル vs ASTM
60
40
20
y = 0.010 x - 0.123
r = 0.69
60
40
y = 0.038 x + 83.814
r = 0.05
20
0
0
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
残留圧裂強度比
1.0
0
10
20
30
水浸WT試験による剥離率(%)
はく離促進過程における荷重作用の有無によって,
評価結果の相関が低くなった可能性
40
7/9
試験結果②
水浸WT vs ASTM
混合物D
残留圧裂強度比
1.0
0.8
0.6
0.4
y = 0.001 x + 0.744
r = 0.05
0.2
0.0
0
10
20
30
40
水浸WT試験による剥離率(%)
荷重の作用で、はく離が顕著に表れる混合物があった
40
30
すり減り減量
吸水率
2
1.5
20
1
10
0.5
0
混合物Dの粗骨材は、
・はく離抵抗性は、相対的に低くない
・すり減り減量が、相対的に多い
→すり減り減量が大きい場合、
荷重作用で、はく離が生じやすくなる可能性
0
吸水率(%)
70
60
50
40
30
20
10
0
すり減り減量(%)
粗骨材の剥離面積率(%)
考察(混合物Dのはく離率が大きかった原因)
8/9
まとめ
9/9
①耐水性評価のはく離促進過程における荷重の有無で評価
結果の相関が低くなった可能性がある。要因は,荷重作用
ではく離が顕著に表れる混合物があることと考えられた。
その混合物の粗骨材は、すり減り減量が多かった。すり減
り減量が多いと、荷重作用ではく離しやすくなる可能性が
考えられた。
②空港舗装の車輪通過位置でポットホールの発生が多く確
認されていること,および,荷重作用ではく離しやすくな
る混合物があることから,空港舗装混合物の耐水性評価に
おいて,荷重の影響を考慮することが望ましいと考えられ
た
10/9
ご清聴ありがとうございました。