平成 27 年度事業計画 Ⅰ.事業活動の方針 平成 26 年度のわが国経済は、前半においては、17 年ぶりに行われた消費税率の引上 げなどにより、個人消費を中心に内需が大きく落ち込みました。反動減が大きく出た 4 ~6 月期に続き、7~9 月期の実質 GDP 成長率も前期比年率 2.3%のマイナス成長となる など、夏頃までには収束するとの市場の予想以上に消費増税の反動減の影響は長引き ました。もっとも秋以降は、政府が 10%への消費増税を先送りするとともに、日本銀 行が追加の金融緩和に踏み切ったことなどから、株高・円安が加速しました。加えて 原油安が急速に進み、企業や個人に良い影響を及ぼすことが予想されます。 一方、世界経済は、一部に弱さがみられるものの、総じて緩やかに回復しました。 アメリカは住宅市場の回復などから、雇用情勢が改善し、利上げが見込まれるなど、 順調でした。一方、欧州は、停滞が続き、量的金融緩和を導入。日本・アメリカ・EU が量的金融緩和を採用するという異例の状態となりました。 こうした中、我が国においては、アベノミクスの恩恵が地方や中小企業に及んでい ないことや、人口減で「消滅可能性都市」が多数生じるといった推計がなされ、地方 創生に注目が集まっています。県内においては、岡山県をはじめ各市町村で、人口ビ ジョンを作成、産業構造を把握して、特性を生かした「しごと」づくり、 「ひと」づく り策を盛り込んだ戦略づくりが始まっています。 当研究所におきましては、世界的に不確実な経済情勢を見極め、有益な情報を発信 していくとともに、地方創生に貢献できるよう、調査研究・情報発信、並びに講演会・ セミナーをはじめとした各種サービスを提供して参ります。これらを通じて、地域に 信頼され真に役立つシンクタンクとして存在意義を高められるよう、その機能の充 実・強化を図って参ります。 -1- Ⅱ.事業の内容 企業と地域を取り巻く環境が大きく変化する中で、「地域企業の経営に役立つ」と いう原点に立ち返り、どのようなテーマに対しても常に新たな視点から見つめ直し、 地元企業や地域の発展のヒントとなる情報の提供に努めます。そのために、小回りの きく態勢を整え、以下の事業を進めて参ります。 1.調査研究事業 (1)自主調査(月刊誌「MONTHLY REPORT(マンスリーリポート) 」に掲載) ・地域の経済、産業動向に関する調査 東瀬戸内地域を中心に、経済動向については主要指標を分析し、産業動向につい ては企業に対するヒアリング調査を主体とした調査研究を行う。 ・企業経営、地域情報に関する調査(企業紹介等) 東瀬戸内地域における特徴ある企業を紹介するとともに、地域活性化の活発な取 り組みを随時取り上げる。 (2)定例調査 ・東瀬戸圏企業経営動向調査(3 月、6 月、9 月、12 月に実施 調査対象企業:約 700 社) 岡山県、広島県備後地区、香川県をあわせた東瀬戸内地域の主要業界の動向、企 業経営者の業況総合判断調査を四半期毎に調査し、地域景況を把握する。 ・消費アンケート調査(2 月、8 月に実施 調査対象:約 500 人) 岡山県民の消費の実態、意識を探る目的で、収入の増減、消費の満足度のほか、 調査実施時に関心が高まっている項目を適宜取り上げ、約 500 名にインターネッ トによるアンケート調査を実施する。 ・ボーナスアンケート調査(5 月、10 月に実施 調査対象企業:約 2,000 社) 岡山県内の企業、事業所を対象にボーナスの支給計画について、半年ごとにアン ケート調査を実施し、企業の人事・労務、家計の所得環境の双方に役立つような 情報を提供する。 (3)共同調査 平成 18 年度から開始した岡山大学との共同調査を引き続き実施する。 本年度は、 新たに、「(仮題)観光をテーマとした岡山県の地域振興に関する現状と課題」調 査を実施し報告書を発刊する。 -2- 2.出版事業 (1)定期刊行物 ・月刊誌「MONTHLY REPORT(マンスリーリポート)」の発刊(毎月) ・「岡山県経済ダイジェスト」の発刊(7 月予定) ・「トピックス」の発刊(12 月予定) (2)経営の小冊子 経営に関する時宜を得たテーマを選択し、随時年 4 回程度発刊 (執筆者は法務、財務、税務などの外部専門家) 3.経営支援事業 定例開催分として、新春経済講演会(6 カ所開催)のほか、外部講師による「経 営実務セミナー」 、「後継者・若手経営者育成セミナー」、「管理者マネジメントセミ ナー」のほか、主に当研究所講師による「新入社員セミナー」 、「フォローアップセ ミナー」、「コミュニケーションセミナー」、「ビジネスマナーセミナー」などのセミ ナーを開催。 (1)講演会 一流のエコノミストを招聘して、岡山県内 4 会場(岡山、倉敷、津山、笠岡) 、 岡山県外 2 会場(福山、高松)で、新春経済講演会を開催。 (2)セミナー ・経営実務セミナー(年 10 回開催予定) 経営、法務、財務、営業、人事など、会員ニーズの高い経営実務に関する様々 なテーマを取り上げ、外部の専門講師が平易に解説する。 ・後継者・若手経営者育成セミナー 次代を担う後継者・若手経営者を対象に、今後必要となる「リーダーシップ」 「法務」 「財務」 「人事」 「マーケティング」 「経営計画」などに関する知識の習 得を図る。 (全 10 日間開催:平成 20 年度開始) ・管理者マネジメントセミナー(年 3 回開催予定) 管理者を対象に、良好な職場環境の構築や人間関係の向上など、リーダーとし て、組織統括力の向上を図る。 ・新入社員セミナー(1 日コースと 2 日コースを 4 月に 7 回開催予定) 新社会人としての心構えをはじめ、職場のルール、仕事の取り組み方、電話応 対、来客応対など、実践的なスキルの習得を図る。 -3- ・フォローアップセミナー(年 3 回開催予定) 入社後を振り返り、今までの反省、現在抱えている問題点・疑問点の解消、今 後の方向づけなどにより、新入社員から有能社員へのステップアップを図る。 ・コミュニケーションセミナー(年 21 回開催予定) 部下の潜在能力を引き出すコーチングや、 「報・連・相」の指導方法、 「指示・ 命令」の出し方など、職場でのコミュニケーション向上を図る。 ・ビジネスマナーセミナー(年 9 回開催予定) 企業イメージ・顧客満足(CS)の向上を図るため、ビジネスマナーの重要性 と具体的なお客様応対の習得を図る。 ・その他のセミナー(年 9 回開催予定) 企業における職員の心の健康に関するメンタルヘルスセミナーのほか、記憶力 の飛躍的な向上を目指すアクティブブレインセミナーなどを開催する。 (3)その他事業 研修用ビデオの貸出、通信講座の斡旋など、各種サービスの充実を図る。 4.受託調査事業 中国銀行からの受託調査のほか、岡山県、市町村などの地方自治体、並びに各 種団体からの受託調査を行う。マクロ経済分野や産業分野、官民協働分野など当 研究所が有するノウハウを活かして、岡山県、各市町村の企画担当部署に対し情 報収集、受注活動を積極的に展開、受注案件の確保に努めるとともに、 「地方創生」 などの地域の課題解決に向けた調査活動に取り組む。 5.地域協力活動 ・講演会、研修会への講師派遣 ・岡山経済同友会などとの連携活動 ・「大学コンソーシアム岡山」への参加(中国銀行と共同) ・岡山県、地元大学などの審議会・委員会などへの参加 ・岡山大学大学院などへの講師派遣 -4-
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