年末・年始無災害運動の実施について

厚 生 労 働 省
埼玉労働局発表
平成 27 年 11 月 27 日
担 埼玉労働局労働基準部 健康安全課
健康安全課長
布施 武雄
地方産業安全専門官
吉野 信夫
当
電 話 048-600-6206
年 末・ 年 始無 災 害 運 動 の 実 施 につ いて
実施期間:平成27年12月1日から平成28年1月15日まで
埼 玉 労 働 局( 局 長 :田 畑
一 雄 )で は 、平 成 25 年 に 埼 玉 12 次 労 働 災 害 防
止 計 画( 期 間 5 ヵ 年 )を 策 定 し 、平 成 29 年 に 平 成 24 年 と 比 較 し て 死 亡 者 数
に つ い て 20% 以 上 減 少 を 、 ま た 死 傷 者 数 に つ い て は 15% 以 上 減 少 を 目 指 し
ており、本年度は、同計画の3年度目に当たります。
埼 玉 県 内 に お け る 本 年 10 月 末 日 現 在 の 労 働 災 害 の 発 生 状 況 を み る と 、 死
亡 災 害 に つ い て は 、建 設 業 で 多 く 発 生 し て い る が 、全 業 種 で は 27 人 と な り 、
前 年 同 期 比 で 4 人( 12.9% )減 少 し て い ま す 。一 方 、休 業 4 日 以 上 の 災 害 は 、
4,290 人 と 前 年 同 期 比 で 15 人 ( 0.4% ) 増 加 し て い ま す 。
こ の よ う な 状 況 の 中 、年 末 年 始 は 何 か と 繁 忙 な 時 期 で あ り 、普 段 の 作 業 や
生活のリズムが変わりやすいことに加え、事業場、職場が一斉に操業を停
止・開 始 す る 際 や 大 掃 除 の 際 等 に 通 常 で は 行 わ な い 非 定 常 作 業 等 が 多 く な る
こ と に 加 え 、荷 動 き の 増 加 、気 象 条 件 、交 通 事 情 等 の 作 業 環 境 の 変 化 に 伴 う
労 働 災 害 の 増 加 が 懸 念 さ れ る 時 期 で あ る こ と か ら 、各 事 業 場 、職 場 で は 、災
害防止のための特別な配慮が必要となります。
こ れ ら の こ と か ら 、一 年 の 締 め く く り で あ る 年 末 及 び 新 年 の ス タ ー ト で あ
る 年 始 に か け て 労 働 災 害 防 止 の 運 動 を 積 極 的 に 展 開 す る こ と に よ り 、死 亡 災
害 及 び 休 業 災 害 の さ ら な る 減 少 を 図 る た め 、別 添 の「 埼 玉 年 末・年 始 無 災 害
運動実施要領」を定め「年末・年始無災害運動」を実施することとします。
埼 玉 年 末 ・年 始 無 災 害 運 動 実 施 要 領
埼 玉 労 働 局 で は 、平 成 25 年 度 か ら 29 年 度 ま で の 5 年 間 を 計 画 期 間 と す る 埼 玉 第 12 次 労
働 災 害 防 止 計 画 (以 下「 埼 玉 12 次 防 」と い う 。)に お い て 労 働 災 害 に よ る 死 亡 者 数 に つ い て
平 成 29 年 に 平 成 24 年 と 比 較 し て 20% 以 上 の 減 少 、死 傷 者 数 に つ い て 同 じ く 15% 以 上 の 減
少を全体目標とし、さらに、その実現性を高めるために重点業種を定め、第三次産業のう
ちの小売業、飲食店、社会福祉施設及び陸上貨物運送事業に対して死傷災害の減少を、製
造業及び建設業に対して死亡災害の減少を数値目標として労働災害防止に係る取組みを掲
げ推進している。
県 内 に お け る 本 年 10 月 末 日 現 在 の 労 働 災 害 の 発 生 状 況 を み る と 、 死 亡 者 数 に つ い て は 、
全 産 業 で 27 人 と 昨 年 同 期 比 で 4 人( 12.9% )減 少 と な っ て お り 、製 造 業 で は 3 人 減 の 2 名 、
陸 上 貨 物 運 送 事 業 で は 2 人 減 の 4 人 と い う 状 況 で あ る が 、特 に 建 設 業 に つ い て は 、1 人 減 の
14 人 と な っ て い る も の の 3 月 以 降 、 死 亡 者 数 が 急 増 し て い る 状 況 と な っ て お り 、 埼 玉 労 働
局においては 8 月に建設関係団体に労働災害防止の取組を要請したところである。
一 方 、休 業 4 日 以 上 の 死 傷 者 数 に つ い て は 、全 産 業 で 4,290 人 と 昨 年 同 期 (4,275 人 )に 比
べ 15 人 、 0.4% 増 加 し て い る 。 工 業 的 業 種 は 2,443 人 ( 前 年 同 期 比 80 人 、 3.2% 減 ) と 減
少 し 、製 造 業 1,060 人( 同 21 人 、1.9% 減 )、陸 上 貨 物 運 送 事 業 811 人( 同 65 人 、8.7% 増 )、
建 設 業 496 人 (同 117 人 、19.1% 減 )の 順 に そ の 件 数 が 多 く 、こ の 3 業 種 で 過 半 数 を 占 め て
い る 。こ の ほ か 、小 売 業 で 542 人( 同 72 人 、15.3% 増 )、社 会 福 祉 施 設 で 219 人( 同 40 人 、
22.4% 増 )、 飲 食 店 で 168 人 ( 同 22 人 、 15.1% 増 ) と な っ て お り 、 何 と し て も 増 加 す る 労
働災害に歯止めをかけることが喫緊の課題となっている。
このような状況の中、年末年始の繁忙期を迎え、荷動きの増加、気象条件や交通事情等
の作業環境の変化、普段の作業や生活のリズムが変わりやすくなることに加え、事業場、
職場が一斉に操業を停止・開始する際や大掃除の際等に通常では行われない非定常作業等
が多くなることなど、労働災害の増加が懸念される時期となる。
こ の た め 、安 全 衛 生 意 識 高 揚 に よ り 埼 玉 1 2 次 防 の 取 組 み を 促 進 す る た め 、埼 玉 、千 葉 、
東 京 、神 奈 川 の 4 労 働 局 が 推 進 し て い る「 Safe Work」の キ ャ ッ チ フ レ ー ズ の 下 、各 事 業 場 、
職場において労働災害防止のため、特別な配慮を講じた一年の締めくくりである年末及び
新年のスタートである年始にかけて労働災害防止の運動を積極的に展開することにより、
現 在 の 災 害 増 加 傾 向 に 歯 止 め を か け 、 死 傷 災 害 及 び 死 亡 災 害 の 減 少 を 図 る た め 、「 埼 玉 年
末 ・年 始 無 災 害 運 動 」 を 実 施 す る こ と と す る 。
1
実施期間
平 成 27 年 12 月 1 日 か ら 平 成 28 年 1 月 15 日 ま で
2
主唱者
埼玉労働局、管下各労働基準監督署
3
実施者
事業者
4 主唱者の実施事項
(1)労働災害防止団体、建設工事発注機関等に対する協力要請
(2)年末年始に労働災害の多発が懸念される業種に対する指導・要請
(3)ホームページ、記者発表等による広報
(4)事業者、労働災害防止団体等が行う労働災害防止活動に対する指導・援助
( 5 )「 Safe Work SAITAMA」 の 普 及 促 進
5 事業者の実施事項
(1)経営トップによる年末年始時期に係る安全衛生方針の決意表明
(2)安全衛生管理体制の確立、確認
(3)リスクアセスメントの推進
(4)作業マニュアルの点検、確認、作成
(5)作業マニュアルに基づく安全衛生教育の実施
(6)作業開始前ミーティングの実施
(7)KY(危険予知)活動の実施
(8)安全衛生パトロールの実施
(9)業務繁忙期における無理な計画に基づく作業の排除
( 1 0 ) 職 場 の 整 理 ・ 整 頓 ・ 清 掃 ・ 清 潔 ( 4S ) の 徹 底
(11)火気の点検、確認等火気管理の徹底
(12)降雪期を考慮した交通労働災害防止ガイドラインに基づく交通労働災害防止対策の
推進
(13)荷主として運送事業者に荷役作業を行わせる場合の荷台からの墜落防止の安全対策
( 1 4 )「 Safe Work SAITAMA」 の キ ャ ッ チ フ レ ー ズ 、 ロ ゴ マ ー ク の 活 用 に よ る 安 全 衛 生 の 意
識高揚
6
災害多発・災害増加業種の重点実施事項
(1)製造業
ア 加工用機械、運搬装置等の安全装置、安全カバーの設置によるはさまれ・巻き込
まれ災害の防止
イ 労働安全衛生規則改正された食品加工用機械の対策の実施
ウ 非定常作業、故障時のマニュアル確認及び安全作業の徹底
エ 通路、階段、作業床等の墜落、転倒防止のための改善
オ フォークリフト、クレーン等の資格者の確認と資格者による作業
カ 用具の正しい使用方法による作業
キ 重量物扱いの災害性腰痛、捻挫防止のための正しい方法による作業
ク 積雪、凍結による転倒災害の防止対策
(2)陸上貨物運送事業
ア 過労運転及び降雪、凍結による交通労働災害の防止
イ 「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」に基づく次の災
害防止対策
①荷台からの墜落・転落防止
②フォークリフト、クレーン等の災害防止
③コンベヤーによる災害防止
④ロールボックスパレットによる災害防止
⑤転倒による災害防止
⑥腰痛防止対策
⑦荷崩れ又は荷の落下による災害防止
⑧陸運事業者と荷主との連絡調整
ウ 積雪、凍結による転倒災害の防止対策
(3)建設業
ア 法令に基づく足場の設置、開口部の手すり等の設置又はそれらを設けることが困
難な場合の安全帯の使用による墜落・転落災害の防止
イ 足場先行工法、手すり先行工法の実施
ウ 車両系建設機械、クレーン等に係る作業半径内立入禁止措置等安全作業の徹底
エ 労働安全衛生規則改正された解体用機械の対策の実施
オ 携帯用丸のこ盤の安全教育の徹底と歯の接触予防装置の確実な使用
カ 作業計画に基づく適切な作業
キ 足場等の防護ネットの設置等による高所からの落下物災害の防止
ク 脚立、梯子、ワイヤーロープ等の点検と特に梯子使用時の緊結、転位防止、昇降
時の安全ブロック及び安全帯の使用等適切な作業方法による作業
ケ 作業主任者の作業指揮に基づく作業
コ 新規採用者に対する安全衛生教育の実施
サ 積雪、凍結による転倒災害の防止対策
(4)小売業・飲食店
ア 事業者の安全衛生方針の確認、所信表明
イ 4S ( 整 理 ・整 頓 ・清 掃 ・清 潔 ) 活 動 の 推 進 等 に よ る 転 倒 ・ 転 落 災 害 の 防 止
ウ 床等の水、油、氷等の清掃、除去
エ 労働安全衛生規則改正された食品加工用機械の対策の実施
オ 刃物、脚立、梯子等の正しい使用方法による作業
カ 床面、通路、階段等での転倒、墜落防止のための設備改善
キ 無理な姿勢による荷の取扱作業の排除による腰痛の防止
ク 交通法規遵守による交通労働災害の防止
ケ 雇入れ時の安全衛生教育の徹底
コ ガイドラインに基づく安全推進者の配置
サ 積雪、凍結による転倒災害の防止対策
(5)社会福祉施設
ア 新規開設時の安全衛生対策の確認
イ
ウ
エ
オ
カ
キ
ク
ケ
事業者の安全衛生方針の確認、所信表明
4S ( 整 理 ・整 頓 ・清 掃 ・清 潔 ) 活 動 の 推 進 等 に よ る 転 倒 ・ 転 落 災 害 の 防 止
床等の水、油等の清掃、除去
床面、通路、階段等での転倒、墜落防止のための設備改善
無理な姿勢による作業の排除、補助具等の利用による腰痛の防止
雇入れ時の安全衛生教育の徹底
ガイドラインに基づく安全推進者の配置
積雪、凍結による転倒災害の防止対策