○プロジェクト研究1451-1 研究課題 「アクティブラーニングを促進する IPE(interprofessional education)プログラムの開発」 ○研究代表者 学長 工藤典雄 ○研究分担者 看護学科教授 加納尚美 (10名) 看護学科教授 吉良淳子 看護学科准教授 富田美加 理学療法学科准教授 滝澤恵美 作業療法学科教授 齋藤さわ子 放射線技術科学科准教授 對間博之 医科学センター教授 武島玲子 医科学センター教授 馬場 健 人間科学センター嘱託助手 庄司俊之 ○研究年度 平成26年度 (研究期間) 平成26年度~平成28年度(3年間) 1.研究目的 わが国では,平成24年8月に出された「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続 け,主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)」に続き,平成25年8月に「学修環境充実のための学術情報 基盤の整備について(審議まとめ)」が相次いで出されるなど,アクティブラーニング(能動的学修)への迅速な 対応が,高等教育機関における喫緊の課題となっている。一方,本学では平成25年度から導入した第4次カリキ ュラムにおいて,専門職連携に関する科目群であるIPEコースを重要な柱として位置付けている。その効果的な 教育の遂行にあたっては,アクティブラーニングが可能な環境の充実に加え,きめ細やかなプログラムによるFD 活動が不可欠である。そこで,本研究では,国内外の先行事例を援用しつつ,アクティブラーニングを促進するI PEプログラムについて,茨城県立医療大学独自の方法論を探究し,効果的な手法として確立することを目的と する。 2.研究方法 1)IPEによる教育効果の促進及び成果評価に関する研究 「チームワーク入門実習」及び「保健医療とチームワーク演習」「国際多職種協働実習」において,学生や教 員に対する質問紙調査を実施し,IPEによる教育効果を評価する。 2)アクティブラーニングを促進するIPEのためのFDプログラムの開発 IPEコース担当者のための研修プログラムの開発と実施及び評価を行う。ファシリテーターの養成を担当する 「コア教員」を育成し,コア教員が中心となってファシリテーターを養成していくサイクルを体系化する。先行研究 をもとに必要となるFDプログラムの因子を明らかにし,本学独自のFDプログラムの体系化に取り組む。さらにアク ティブラーニングを促進させるための人的・物理的支援の全体像を明らかにする。 3.研究結果及び考察 1)「チームワーク入門実習」の学修効果及びFDプログラムの開発 平成25年度は「チームワーク入門実習」が2年目を迎え,昨年度のフィードバックをもとにブラッシュアップした 授業を実施し,その学修効果について分析を行った。 「チームワーク入門実習」の受講学生174名に対して,受講の前後にチームワークについての認識を問うアン ケート調査を実施し,現在,受講前後の変化について分析している。また,この授業では,複数のレポートを課 すことにより,学生自身のふりかえりの機会として位置付けている。本研究では,それらレポート課題に記載され た内容から,授業の学修成果や,IPEコースとして一貫性ある「ポートフォリオ」の在り方等を明らかにするための 質的分析にも着手している。 さらに,「チームワーク入門実習」の実施にあたって,ファシリテーション・サポーターを担う学生に対する研修 会の結果について評価を行い,今後の改善及びIPEコース全体の運営を検討した。「チームワーク入門実習」で 実施する宿泊研修をサポートする学生有志2年生29名に対して,ファシリテーション・サポーターのための研修 会を実施し,研修会直後及び宿泊研修実施後に調査を行った。 研修直後における回答は,2年生29名のうち20名であり,研修全体としては概ね肯定的であったが,一部課 題も明らかとなった。宿泊研修実施後のアンケートには11名が回答し,2年生自身の学習成果と共に改善点に 対する具体的な提言があった。IPEコースとして1年生のみならず2年生への学習効果をふまえて,丁寧な研修 プログラム開発が必要であることが示唆された。 2)その他のIPE科目における学修効果及びFDプログラムの開発 今年度初の開講であった「国際多職種協働実習」及び「保健医療とチームワーク演習」の授業についても,順 調に実施することができた。「保健医療とチームワーク演習」については,筑波大学との合同TBLを実施すること により,多くの成果が得られた。今後,筑波大学と共同して,授業実施前後の調査結果について分析に着手す る予定である。なお前年度の「保健医療とチームワーク演習」トライアルにおける授業実施前後の調査結果につ いて分析したところ,職種混成グループによる授業の有用性が確認された。 本学のIPEでは,初年次教育からの「自校教育」を導入している点がユニークである。この学習プログラムに おいては,教材作成のための大学関連資料の整備が急務の課題である。今後は資料の網羅的収集ならびにそ れらを活用した教材作成にも取り組むとともに,FDプログラムへの反映を検討する必要がある。 FDプログラムの開発については,普遍的要素を見出し,体系的プログラムへと展開していく必要がある。また 学生の縦のつながりを意識したファシリテーションの在り方についても,具体的な運用面を含め検討を行い,教 員を対象とするFDプログラムとの連携と併行して検討していく。 4.成果の発表 <論文発表> 1)加納尚美,富田美加,吉良淳子,滝澤恵美,齋藤さわ子,對間博之,庄司俊之,馬場健,武島玲子,工藤典 雄.チームワーク入門実習におけるファシリテーション・サポーターへの研修成果.茨城県立医療大学紀要 2015;20:(印刷中) 2)前野貴美, 前野哲博, 鈴木英雄, 高屋敷明由美, 稲田晴彦, 内藤隆宏, 富田美加, 加納尚美, 馬場健. Team-based learningを用いた専門職連携教育の教育効果:職種混成グループと単職種グループとの比較.医 学教育,45(Suppl.),2014;146 3)富田美加,加納尚美,吉良淳子,滝澤恵美,齋藤さわ子,對間博之,庄司俊之,馬場健,武島玲子,工藤典 雄.保健医療学部における初年次学生に対するIPE(Interprofessional education).第21回 大学教育研究フォ ーラム論文集 2015(印刷中) <学会発表等> 1)前野貴美, 前野哲博, 鈴木英雄, 高屋敷明由美, 稲田晴彦, 内藤隆宏, 富田美加, 加納尚美, 馬場健. Team-based learningを用いた専門職連携教育の教育効果:職種混成グループと単職種グループとの比較.第 46回日本医学教育学会大会(和歌山)2014年7月 2)富田美加.政策上の観点からみた茨城県立医療大学の歴史.第18回日本健康福祉政策学会学術大会(茨 城)2014年11月 3)富田美加,前野貴美,鈴木英雄,稲田晴彦,堤円香.Interprofessional TBL運用のためのTIPS.第55回医 学教育セミナーとワークショップ(岐阜)2015年2月 4)加納尚美,吉良淳子,滝澤恵美,齋藤さわ子,對間博之,庄司俊之,馬場健,武島玲子,工藤典雄.保健医 療学部における初年次学生に対するIPE(Interprofessional education).第21回 大学教育研究フォーラム(京 都)2015年3月
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