レサジーと減速能力の定量化 千葉 豪

レサジーと減速能力の定量化
千葉 豪
中性子減速特性の定量化:「レサジー」の導入
レサジー変数
 E0 
u  ln  
 E 
は基準となる任意のエネルギー。
原子炉解析では10MeVがよく使われる。
Lethargy:倦怠;脱力感;無気力,無関心
中性子減速特性の定量化
衝突後の中性子運動エネルギー分布
1
P Ei Ef 
1    Ei
エネルギー
 Ei
Ef
Ei
衝突後の平均中性子運動エネルギー:
 1  
E f   dE f E f P  Ei  E f    dE f E f P  Ei  E f   
 Ei
0
 Ei
 2 
Ei
Ei
中性子減速特性の定量化
衝突後の中性子運動エネルギー分布
1
P Ei Ef 
1    Ei
エネルギー
 Ei
Ef
Ei
衝突一回あたりの平均レサジー増加量:
 E0 
 Ei 
 E0 
  u f  ui  ln    ln    ln  
E 
E 
 Ei 
 f
 f
 Ei 
Ei

ln( )
  dE f ln   P  Ei  E f   1 
E 
 Ei
1
 f
符号の扱いが
間違っているかも
中性子減速特性の定量化
中性子が
突回数:

 s
から
へ減速するために必要な平均衝
 E0 
ln   
 E1 
平均レサジー増加
減速能:中性子散乱反応確率を考慮
 s 減速比:中性子散乱・吸収反応確率を考慮
a
代表的な減速材の中性子減速特性
A 1
  

 A 1
H
M
A
m
1
0
1.0
D
2
0.111
減速能
減速比
14
-
-
0.725
20
-
-
H2O
0.925
16
1.375
70
D2O
0.509
29
0.176
5670
減速材
2
ξ
衝突回数(*)
83
He
4
0.369
0.425
43
1.6×10-5
Be
9
0.640
0.209
69
0.158
143
C
12
0.716
0.158
91
0.060
192
Na
23
0.840
0.085
171
238U
238
0.983
0.008
1730
1134
0.003
0.0092
(*) 衝突回数: 中性子の運動エネルギーを2MeVから1eVに減少
させるために必要な衝突回数
(補足)分子の平均レサジー増加量
分子の平均レサジー増加量 の計算法
m

(i )

N

i i s
i 1
m
(i )
N

 i s
i 1
m
: 分子を構成している核種数
Ni
: 核種の原子個数密度
i
: 核種の平均レサジー増加量
 s( i )
: 核種の微視中性子散乱断面積