岐阜大学 2011年 ある物質を取り出すのに適した分離法を問うタイプ編

岐阜大学 2011年 ある物質を取り出すのに適した分離法を問うタイプ編
物質を構成する基本成分を元素といい,ただ1種類の元素で構成されている物質を ア という。
一方,2種類以上の元素で構成されている物質を化合物という。同じ1種類の元素でできているのに性質の異なる ア が
存在する場合,これらを互いに イ であるという。 他の物質が混じっておらず,ただ1種類の物質からなるもの
を ウ といい,それぞれに融点,沸点,密度などが決まっていて固有の性質を示す。これに対して,我々の身の回りに
存在する多くのものは何種類かの ウ が様々な割合で混じり合った エ として存在することが多い。溶液は エ の
一つであり,溶媒の中に溶質が入り込んで均一な液体となったものである。ある ウ に他の物質が混ざることで,
固有の性質が変化する場合がある。
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例えば,純水の沸点は1気圧(1.01×10 Pa)のもとで100℃であるが,塩化ナトリウムを加えると変化が見られる。
エ に含まれる ウ を取り出すことを分離というが,特に純度の高いものを得るための操作を オ と呼ぶ。
(a)分離や オ を行う際には物質の特性を考慮した方法を用いる必要がある。
問1.ア ∼ オ にあてはまる適切な語句を記せ。
問2.下線部(a)の例として,操作(1)∼(10)を列挙した。これらの操作を下欄に示したいずれかの方法により行う
場合,最適な方法が同じになる例は3対ある。対となる番号とそれらに共通する方法名を記せ。
操作:
(1) 塩化バリウム水溶液に希硫酸を加えて生じた不溶性の硫酸バリウムを除く。
(2) アルコール発酵で生成したエタノールをより高濃度のものとして取り出す。
(3) 硝酸カリウムに塩化ナトリウムが少し混入した水溶液から硝酸カリウムを取り出す。
(4) ヨウ素に塩化ナトリウムが混ざったもの(固形状)からヨウ素のみを取り出す。
(5) 塩を含むタンパク質溶液から塩を取り除く。
(6) 米ぬか(玄米を精米する際に出る外皮や胚芽などの部分)から脂質を取り出す。
(7) ステアリン酸の混入したナフタレンからナフタレンのみを取り出す。
(8) コーヒー豆中のカフェインを取り出す。
(9) 油脂を水酸化ナトリウム水溶液でけん化した後,セッケンを分離する。
(10) デンプン水溶液に混入したブドウ糖を取り除く。
方法欄:
再結晶, 透析*, ろ過**, 蒸留, 塩析, 塩溶, 凝析, 昇華, 抽出
*セロハンを用いて行うものとする。 **ろ紙を用いて行うものとする。
解答
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2013
東京理科大学 2011年 ある物質を取り出すのに適した分離法を問うタイプ編
原油からガソリンや灯油などの成分を取り出すためのもっとも適切な操作を選べ。
1 分 留 2 ろ 過
3 再結晶 4 抽 出 5 昇 華
解答
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明治大学 2012年 ある物質を取り出すのに適した分離法を問うタイプ編
以下の文章(ア)∼(エ)の目的に適する分離方法の組み合わせを選べ。
(ア) 少量の塩化ナトリウムを含む硝酸カリウムの水溶液から純粋な硝酸カリウムを精製する。
(イ) 海水から純粋な水を取り出す。
(ウ) ナフタレンと塩化ナトリウムの混合物からナフタレンを液体の状態を経ずに分離する。
(エ) ヨウ素を含むうがい薬からヘキサンを用いてヨウ素を分離する。
(ア)
(イ)
(ウ)
(エ)
A 昇 華 ろ紙によるろ過 蒸 留
昇 華
B 昇 華
抽 出
蒸 留
抽 出
C 再結晶
抽 出
昇 華
蒸 留
D 抽 出
ろ紙によるろ過
E 再結晶
F 抽 出
抽 出
蒸 留
蒸 留
昇 華
抽 出
蒸 留
抽 出
昇 華
解答
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センター試験 2006年本 ある物質を取り出すのに適した分離法を問うタイプ編
物質の分離・精製法に関する記述として不適切なものを,次の①∼⑤のうちから一つ選べ。 ① ヨウ素とヨウ化カリウムの混合物から,昇華を利用してヨウ素を取り出す。
② 食塩水を電気分解して,塩化ナトリウムを取り出す。
③ 液体空気を分留して,酸素と窒素をそれぞれ取り出す。
④ インクに含まれる複数の色素を,クロマトグラフィーによりそれぞれ分離する。
⑤ 大豆中の油脂を,ヘキサンなどの有機溶媒で抽出して取り出す。
解答
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センター試験 2007年追 ある物質を取り出すのに適した分離法を問うタイプ編
身のまわりに見られる現象に関する記述(a∼c)について,それぞれと関係の深い語の
組合せとして最も適当なものを,以下の①∼⑧のうちから一つ選べ。 a 紅茶の葉を熱湯に浸すと,葉に含まれる成分が湯に溶け出してくる。
b ドライアイスを室内に放置しておくと,小さくなる。
c 氷水を入れたコップの外側に水滴がつく。
a
b
c
①
蒸 留
昇 華
凝 固
②
蒸 留
昇 華
凝 縮
③
蒸 留
融 解
凝 固
④
蒸 留
融 解
凝 縮
⑤
抽 出
昇 華
凝 固
⑥
抽 出
昇 華
凝 縮
⑦
抽 出
融 解
凝 固
⑧
抽 出
融 解
凝 縮
解答
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センター試験 1992年・追試験 蒸留装置に関する問題タイプ編
水道水から蒸留によって純粋な水をつくるために,次の図1のような装置を組み立てた。
(A)リービッヒ冷却器に水を流す方法と,(B)枝付きフラスコに入れる水の量と温度計球部
の位置について,最も適当なものの組み合わせを,以下の解答群①∼⑧のうちから一つ選べ。
なお,支持器具は省略してある。 (A) a 水をゴム管(ア)からゴム管(イ)の方向に流す。
b 水をゴム管(イ)からゴム管(ア)の方向に流す。
(B) 図1の破線の部分
解答群
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
(A)
a
a
a
a
b
b
b
b
(B)
w
x
y
z
w
x
y
z
解答
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センター試験 2005年・本試験 蒸留装置に関する問題タイプ編
実験室で合成した酢酸エチルを精製するために図1の蒸留装置を組み立てた。点線で囲んだ
部分A∼Cに関する記述ア∼キについて,正しいものの組合せとして最も適当なものを,
以下の①∼⑧のうちから一つ選べ。 〔部分A〕 沸騰石を入れているのは,
ア フラスコ内の液体の突沸を防ぐためである。
イ フラスコ内の液体の温度を速く上げるためである。
〔部分B〕 蒸留されて出てくる成分の沸点を正しく確認するために,
ウ 温度計の最下端を液中に入れる。
エ 温度計の最下端を液面のすぐ近くまで下げる。
オ 温度計の最下端を枝管の付け根の高さまで上げる。
〔部分C〕 冷却水を流す方向は,
カ 矢印の方向でよい。
キ 矢印の方向とは逆にする。
A
B
C
①
ア
ウ
カ
②
ア
エ
キ
③
ア
オ
カ
④
ア
オ
キ
⑤
イ
ウ
カ
⑥
イ
ウ
キ
⑦
イ
エ
カ
⑧
イ
オ
キ
解答
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神戸薬科大学 2012年 蒸留装置に関する問題タイプ編
下に示した蒸留装置について,次の問い(問1∼問2)に答えよ。
問1 次の記述のうち,器具(A)∼(C)の名称として正しいものの組み合わせはどれか。
(A) (B) (C)
(1) 丸底フラスコ リービッヒ冷却器 ロート
(2) 丸底フラスコ アスピレーター アダプター
(3) 丸底フラスコ アスピレーター ロート
(4) 丸底フラスコ ビュレット
ビーカー
(5) 枝付きフラスコ アスピレーター ロート
(6) 枝付きフラスコ リービッヒ冷却器 アダプター
(7) 枝付きフラスコ ビュレット
ビーカー
(8) メスフラスコ アスピレーター アダプター
(9) メスフラスコ ビュレット
ビーカー
(10) メスフラスコ リービッヒ冷却器 ロート
問2 次の記述のうち,正しいもののみをすべて含む組み合わせはどれか。
(a) 蒸留装置に用いる器具(B)の水は(イ)から(ア)へ流す。
(b) 沸騰石は突発的な沸騰を防ぐためにフラスコ(A)に入れる。
(c) 温度計下端の球部の位置は,①がよい。
(d) 温度計下端の球部の位置は,②がよい。
(e) 温度計下端の球部の位置は,③がよい。
(1) [(a),(c)] (2) [(a),(d)] (3) [(a),(e)]
(4) [(b),(c)] (5) [(b),(d)] (6) [(b),(e)]
(7) [(a),(b),(c)] (8) [(a),(b),(d)] (9) [(a),(b),(e)]
解答
(A) (B) (C)
問1 (6) 枝付きフラスコ リービッヒ冷却器 アダプター が正しい。
問2 (7) [(a),(b),(c)] が正しい。
リービッヒ冷却器に流す冷却水は,下から上にする。逆にすると冷却器に
水がたまらず,冷却効率が悪くなる。
沸騰石は,フラスコ内の液体の突沸を防ぐために加える。
突沸とは,液体が沸点以上になっても沸騰せず,わずかの刺激で急激に沸騰する現象のことで
溶液が外に飛び出したり,器具の破損につながる恐れがある。
沸騰石には,素焼き板の小片などが使われ,これには小さな空間が多数あり,加熱する
と空気の泡が発生し,これが核となり,蒸発をスムーズに行わせ突沸を防ぐことができる。
温度計の下端の球部の位置は,沸騰して出ていく蒸気の温度を測るためフラスコの枝管の
付近にする。
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立教大学 2012年 分離の定義を問うタイプ編
次の記述のうち,その内容が正しくないものはどれか。
a.液体中に混じっている固体物質を,ろ紙を用いて分離する方法をろ過という。
b.食塩水を加熱し,蒸発した気体を冷却すると液体として水が分離できる。
c.物質の溶解されやすさのちがいを利用した分離方法の1つが,ペーパークロマトグラフィー
である。
d.液体混合物を蒸留によって各成分に分離する方法は,分留とよばれる。
e.混合物から特定成分だけを液体に溶かして分離する方法は,抽出とよばれる。
解答
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上智大学 2012年 改 分離の定義を問うタイプ編 次の文章を読み,問1,問2に答えよ。
私たちの身の回りにある多くの物質は,2種類以上の物質が混じり合ったものであり,このような
物質を A という。空気や海水は A である。これに対して,他の物質が混じっていない単一の物質
を B という。 B には,1種類の元素からなる C と,2種類以上の元素からなる D とがある。
同じ元素の C で性質の異なるものを互いに E であるという。 B の融点,沸点および密度は,物質
ごとに一定の値を示す。それに対して, A のそれらは混じっている物質によって変化する。たと
えば, B である水の沸点は一定の値をとるが, A である食塩水の沸点は水と比べて高くなる。
この現象を沸点上昇という。 A からその成分である B を取り出す操作を物質の分離という。
取り出した物質から不純物を除いて,純度をより高めることを物質の F という。分離と F では,
それぞれの B が持つ固有の性質が利用される。その方法として, G ・ろ過・(ア)再結晶・
抽出・クロマトグラフィーなどがある。 G とは,2種類以上の物質を含む液体を加熱して,
生じた蒸気を冷却することにより,蒸発しにくい成分と蒸発しやすい成分を分離する操作である。
問1 文中の A ∼ G にあてはまる語句をa)∼s)からそれぞれ1つ選べ。
該当する選択肢がない場合,あるいは選択肢が複数ある場合は,z欄をマークせよ。
a) 異性体 b) 化合物 c) 希釈
d) 揮発
e) 凝縮 f) 原子
g) コロイド
h) 混合物 i) 重合体 j) 純物質 k) 蒸留
l) 精製 m) 単体
n) 単量体
o) 同位体 p) 同族体 q) 同素体 r) 複塩
s) 沸騰
問2 下線(ア)の「再結晶」について,正しい記述をa)∼e)からすべて選べ。
a) 少量の不純物が混じった固体をいったん水に溶かし,取り出したい物質と反応する試薬
を加え,反応により生じた結晶を得ることである。
b) 少量の不純物が混じった固体をいったん熱水などに溶かしてから冷却し,ほぼ純粋な
結晶を取り出すことである。
c) 少量の不純物が混じった固体中の昇華性物質を気体にし,再び固体に戻すことによって,
ほぼ純粋な結晶を取り出すことである。
d) 吸着剤をつめた管の中に,少量の不純物が混じった固体を溶かした溶液を流し,各成分の
移動速度の差を利用して,ほぼ純粋な結晶を取り出すことである。
e) 固体に含まれる物質の密度の差を利用し,溶媒に浮くものと沈むものとを分離し,ほぼ
純粋な結晶を取り出すことである。
解答
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センター試験 1998年・本試験 分離の定義を問うタイプ編
次のに当てはまるものを,それぞれの解答群①∼⑤のうちから一つずつ選べ。
液体の混合物を各成分に分けるのに最も適切な操作 ① 分留(蒸留)
② 昇 華
③ 再結晶
④ ろ 過
⑤ 塩 析
解答
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