年頭所感 - 小阪病院

2015年新春号
年頭所感
理事長
あけましておめでとうござい
ます。今年は大変寒い正月を迎
えました。
昨 年、精 神 保 健 福 祉 法 の 改
正、医療介護総合確保推進法の
成立、診療報酬の改定などがあ
りました。これらの法律などが
意図すると ころは、「安 全で質
が高く、し かも効 率的な 医療」
であり、「急性期 あるい は認知
症医療の充実および長期入院患
者の地域移行」であります。小阪病院では従前から、こ
れらのことに取り組んでおり、成果も上がってきている
ところです。今年も「急性期医療」「認知症医療」「地
域移行」がキーワードです。
これから、昨年の天心会各部署の取り組みや、今年の
抱負などを紹介します。
まず、小阪病院についてです。
当院では、社会医療研究所の岡田玲一郎先生が言われ
ておりますように、「医療とは、治すこと、癒すこと、
スピリチュアル」であるという考えのもとで、医療を
行ってきました。スピリチュアルとは、患者さんに病気
と闘う勇気、あるいは生きる希望を湧き立たせること
で、元気を与えることを意味しています。
精神保健福祉法の改正により、保護者制度の廃止にと
もない医療保護入院の見直しが行われ、また退院後生活
環境相談員を選出し、退院支援委員会を開催するように
定められました。小阪病院では、これらに対して、相談
室を中心とした職員の皆様方の尽力により円滑に対応で
きたのではないかと思います。
医療介護総合確保推進法は、2025年にいわゆる団塊
の世代がすべて75歳以上の後期高齢者になる状況に向け
て、地域における医療および介護の総合的な確保を推進
することを目指した法律で、内容は多岐にわたっていま
す。特にこの中で医療法を改正して医療事故に係る調査
の仕組みを整備することが義務づけられ、当院において
も事故調査委員会を設置することが必要になりそうで
す。また、当院ではこの1月1日よりインシデント・アク
シデントレポートを電子化しました。これらの情報を共
有しやすくなり、このシステムを活用して安全な医療を
目指していただきたいと思います。
目
理事長
年頭所感
フローラ施設長
1-3
年始のご挨拶
ヴェルディ八戸ノ里施設長
法人概要
次
年頭のご挨拶
4
4-5
5
東
司
昨年4月の診療報酬の改定にともない、急性期医療を
充実させるという観点から、精神科急性期医師配置加算
が新設されました。これは、急性期治療病棟に医師を手
厚く配置し、濃厚な治療を行い、3カ月以内に一定割合
以上の患者さんを退院させた場合などに算定できるもの
です。当院も、算定要件を満たすことができるようにな
り、昨年12月より算定しています。これを機会に一層急
性期治療を充実させたいと考えています。
昨年1月から12月までの新入院患者は、一昨年より減
少しましたが、1067名で月平均88.9名という多くの方
を迎えることができました。退院患者は1061名で、月
平均88.4名でした。平均在院日数も、昨年より少し長く
なりましたが176.5日でした。ちなみに全国平均は平成
23年度で298日です。急性期治療病棟である5階病棟だ
けでなく、すべての病棟が多くの新入院患者の受け入れ
に積極的に取り組んだ成果であることは間違いありませ
ん。昨年の平均在院患者数は1日あたり514.6名で、残
念ながら目標とした515名をわずかに下回りました。今
年は、ぜひともこの515名を達成できるようにしていき
たいものです。
普遍的、標準的な一定水準以上の最適な医療を行うた
め、クリニカルパスをこの1月から導入します。クリニ
カルパスとは、統合失調症などの疾患毎に最終的に患者
が目指す到達目標に向け、最も適切と思われる医療の介
入内容をスケジュール化したものです。質の向上には欠
かせないツールであり、何年か前より当院でもクリニカ
ルパス委員会を作り導入の準備を進めていましたが、関
係者の努力によりいよいよ導入できるようになりまし
た。
身体合併症の治療も大切であり、昨年は、誤嚥性肺
炎、イレウスなど日常的によくみられる疾患を選び、外
部から講師を招いて研修会を行いました。今年も引き続
き、このような研修会を企画して、身体合併症にも適切
に対応できるようにしていきたいと思っています。
12階・13階病棟の認知症治療病棟は、認知症を呈し
ても尊厳のある人間らしい生活が送れ、一日も早く本来
の生活の場に戻れるようにすることを目標に掲げていま
す。これらの病棟では、回想法などを取り入れる、多職
種が関わって家族教室を開催する、看護部全体で問題点
を検討し運営方針を検討するなど種々のユニークな取り
組みを行っています。これらのことが評価され、小阪病
院の上部団体である公益社団法人日本精神科病院協会に
よる看護師通信教育上級者コースのスクーリングの実習
病院にも選ばれています。今年もこの1月に、全国から
精神科病院に勤務する多くの看護師が実習のため来院さ
れます。全職員を挙げて暖かく迎えたいと思います。
(2 ページに続く)
天心会だより
入院期間が5年を超える患者さんの地域移行は、昨年
の7名という目標を上回る12名の患者さんが退院して
地域に移行することができました。退院推進室を中心
に、個々の患者さんのアセスメントを丁寧に行い、多
くの職種がそれぞれの専門性を生かしてチームを組ん
で取り組んだ成果だと思います。今年も多くの長期入
院患者が退院できるように努力していきたいと考えて
います。そして退院された方が社会生活を継続できる
よう、デイケア、地域生活支援センター「ふう」、訪
問看護ステーション「クローバー」などの法人の各組
織が連携して支援していきたいと考えています。
感情障害など多様な疾患の入院治療のニーズが増し
ています。9階病棟をその受け入れ病棟としての機能を
持たせて、それにふさわしい医療、看護体制を整え、
環境を整備してきました。今では、9階病棟の入院患者
の7割が統合失調症以外の疾患を患った人々になりまし
た。今 後 も、そ れ ぞ れ の 疾 患 に 応 じ た き め 細 か い 医
療、看護を行っていきたいと思っています。
隔離、拘束を最小限にすることも大きな目標です。
隔離、拘束に頼らない医療、看護を、最小化委員会を
中心に目指していきたいと思っています。終末期の医
療のあ り方を 研究 するこ とも、大 きな 課題 である と
思っています。
現在、統合失調症などの治療において薬物療法が欠
くことができません。患者さんが、充分に納得して正
しく服薬していただけるよう薬剤師を増員して服薬指
導に力を入れていきたいと思います。
デイケアは、通所者の疾患、背景、年齢構成などが
従前と大きく変わってきました。集団の中に入れない
方が増加する傾向にあり、個別デイケアを充実させて
いきたいと考えています。また、女性グループを設け
るなど、それぞれの通所者のニーズに合った新たなプ
ログラムを実施し、通所者の数が増える努力をしてい
きたいと考えています。患者さんの社会での生活が継
続でき、生活 の質 が向上 できる ように 援助 したい と
思っています。また、リワークなどに取り組み、小阪
病院デイケアの特色を出すことも必要であると思って
います。
心理室は、回想法の強化発展を図るとともに、検査
の種類を増やし、発達障害などの疾病に対応できるよ
うに体制を強化しました。今年は新たに心理技術者を
増やし、その育成に力を入れていきたいと考えていま
す。
検査室関係では、高性能のCTに入れ替えを行いまし
た。解 像 度 が 向 上 し 診 断 の 精 度 が 高 ま り ま し た。ま
た、13秒で39枚もの撮影が可能となり、検査時間の短
縮も図れ、患者さんへの負担も軽減しました。
食事も病院にとって大切な要素です。栄養を摂取す
ることはもちろん、治療にも欠くことのできないもの
です。そしてそれ以上に人間にとって、食べることは
大きな楽しみであり、生きる喜びでもあります。先ほ
ど述べたスピリチュアルに通じるものがあります。昨
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年は、選択メニューを常食だけではなく、治療食にも
導入しました。食事の内容を向上させるため、調理師
もできるだけ病棟に行き、患者さんが食べている様子
を直接見たり、生の声を直接聞くようにしました。そ
の結果、患者さんから次第に食事が美味しくなってき
たと評価されるようになりました。メニューにメリハ
リをつ けるこ とも 大切な 要因で あり、昨年 管理栄 養
士、調理師が試作を重ね、3種類の唐揚げを作り上げ
ました。醤油ベース、塩昆布ベース、桜えびベースの
ものです。これらを小阪病院の名物料理として順番に
出すようになりました。「食」も小阪病院の売りにな
るようにさらに努力したいと思っています。
一昨年、外来患者さんを対象として、新たに栄養相
談室を設けました。専従の管理栄養士を配置して、外
来患者さん個々の状態に応じた栄養相談を行うととも
に、それぞれの能力に見合った料理教室を開催し、質
の高い社会生活が送れるように支援していくことを目
ざしています。昨年はデイケアでの栄養指導にも力を
入れました。
昨年、1階のホスピタルモールのリノベーションを
新たなコンセプトで行いました。中心になったのは、
「しょっぷ273」から「プラート」への大改造です。プ
ラートは芝生を意味するとともにぷらっと来られるよ
うにとの願いから名づけました。単なるコンビニ的な
実用に重きを置いた店舗から脱却して、楽しさ、うる
おい、夢も提供でき、ファンシーショップ的な要素を
加味した店舗になりました。おしゃれな衣服、アクセ
サリー、小物などをならべ、楽しさを演出し、希望を
引出し、社会復帰への意欲を湧き立たせることを目指
し て い ま す。ま さ に ス ピ リ チ ュ ア ル で す。モ ー ル も
「ブールバール通り」と呼ぶことにしました。ブール
バールとは並木道のことです。賑わいのある楽しくて
夢のある空間づくりを行いたいと思っています。
平成23年3月11日に起きた東日本大震災により原子力
発電の問題がおこり、現在すべての原子力発電所が運
転を停止しています。いまだ電力の安定供給の懸念が
払しょくされていません。電力不足が深刻になり、突
然の停電、あるいは計画停電などが実施されれば、病
院あるいは施設が機能不全に陥り、患者さんや利用者
の方々に多大な迷惑をかけることになります。そのよ
うにならないため昨年、ガスによる発電装置を設置し
ました。この永和地区において、電気は1つのルートか
ら供給されるのに対し、ガスは3つのルートから供給さ
れています。災害時においてガスははるかに電気より
も強いと考えられます。このガス発電装置は、電力の
必要量の3分の1を供給できる能力を持っています。光
熱費の削減にも寄与しています。
救護施設「フローラ」は、改築して10年が経過しま
し た。改 築 と 同 時 に、「布 施 救 護 院」か ら「フ ロ ー
ラ」に 名 称 を 変 更 し ま し た が、す っ か り 定 着 し ま し
た。今年は、生活保護費関係の減額が行われます。質
を低下させないためには、一層工夫を重ね、効率的な
運営を心掛けなければなりません。本人の意思も尊重
するように努め、また過度に保護的にならないような
Page 3
ケ アも 心 掛 け て いか な け れ ばな り ま せん。「フ ロ ー
ラ」も入居者に対する事業だけではなく、社会で生活
することも視野にいれるようになっています。居宅生
活訓練事業、通所事業などをおこなっており、着実に
成果を上げてきています。
特別養護老人ホーム「ヴェルディ八戸ノ里」も昨年
10年を迎え、式典の挙行、DVDの制作などの記念事業
を行いました。そして、「ヴェルディ八戸ノ里」の構
想段階、準備期間から中心的な役割を果たし、大きく
成長させてきた日比野元施設長が退任し、新たに植北
施設長を迎えました。創設期から成熟期に突入した現
在、さらに利用者に生きていてよかったと思っていた
だけるような介護を実践することを追求しています。
入居者の要介護度が年々上がってきており、医療的ケ
アあるいはターミナルケアへの関わりが増え、職員の
知識や技術の向上を図ることがこれまで以上に必要に
なってきました。ヴェルディにおいても在宅サービス
機能の強化が重要な課題になっており、地域で暮らす
高齢者に対して質の高い生活を提供していくことも大
きな使命です。
小阪病院看護専門学校に関しては、実習病院をはじ
めとする看護学校を取り巻く環境が、急速に悪化して
います。学校自身の当事者能力を高め、この難局に対
処していきたいと考えています。看護師という専門職
業人としての高い自覚を持ち、それに基づいた行動が
でき、しかも精神障害者に理解のある看護師を育成す
ることが最も大切であると思っています。また、院内
に看護学校があることのメリットを最大限に生かし、
病院との、特に看護部との連携に力を入れ、小阪病院
看護師の卒後教育も担えるようにしたいと強く思って
います。社会人入学の学生が増え、学生の質も大きく
変化してきています。これらに対応できるような体制
を整えていかなければなりません。
訪問看護ステーション「クローバー」は、一人の患
者さんに対し一人の看護師が担当する個別担当制か
ら、一人の患者さんに複数の看護師が担当する複数担
当制に移行しました。多様な看護ケアを提供すること
によってマンネリ化を防ぎ活性化を促し、突然の看護
師の欠勤などによるリスクを回避して継続性を維持
し、看護内容の透明性あるいは情報の共有化を図るこ
とができます。職員に対しさらに研修を促して質の向
上を図り、利用者の満足度を高めたいと思います。訪
問看護師の増員を行い、訪問地域をさらに拡大させ、
地域に暮らす多くの利用者が24時間365日安心して暮ら
せるよう支援していきたいと考えています。
地域生活支援センター「ふう」は、精神障害者が地
域で生活していくことをサポートするとともに、精神
障害者が適切な医療や福祉を受けることができるよう
マネージメントしていくための中核的な役割を担うこ
とを目指しています。そのため昨年は、地域活動支援
センター事業、就労支援事業、相談支援事業、退院促
進事業、生活訓練事業などの事業を積極的に行いまし
た。生活訓練事業では、利用者個別の目標を定め、利
用者とそれを達成するための計画を立案し、プログラ
ムを実践していきました。就労支援事業においても就
労に近づいた利用者が増えてきています。また、ピア
メンバーによる病棟訪問、アップルカフェでの喫茶お
よびケーキなどの製菓訓練など、「ふう」独自の取り
組みが高く評価されるようになりました。アウトリー
チ、つまり受療中断者や自らの意思では受診が困難な
精神障害者に対して生活に支障や危機的状況が生じさ
せないための訪問事業を行っていくことも検討したい
と考えています。
以上、昨年取り組んだ主な事柄や今年の抱負につい
て述べてきました。
今年の目標として、今最も考えていることは、天心
会の隅々まで相手を尊重する姿勢を貫く雰囲気が醸し
出 さ れ る こ と で す。そ れ に よ っ て、患 者 さ ん、利 用
者、職員のすべてが、大切にされている、尊重されて
いると肌で実際に感じてもらえるようになれば嬉しい
です。看護部では、このところ看護倫理の向上を第一
の目標に掲げてきました。この意味するところは、医
療あるいは福祉に携わる人間として、その人らしい質
の高い生活が送れるように専門的な判断をして、それ
を実践することであると考えています。これは、看護
部だけに限らず、事務職を含め法人の全職員に求めら
れていることです。対象は患者さん、利用者だけでは
なく、職員同士でも相手を尊重する姿勢が求められて
います。そのためには、まず職員一人一人がこのこと
を自覚することが大切です。それととともに、職員自
身が医療、福祉に専念できる環境がなければなりませ
ん。それら以外のことに煩わされていたのでは、いい
医療、福祉を行うことに集中できません。職員が自ら
の専門的な職務に専念できるように、制度として支援
できる体制づくりが私の大きな使命であると考えてい
ます。そのため、管理部門の組織の見直しなどを思い
きって行いたいと考えています。
岡田玲一郎先生は、「労働は苦しいこと、作業はつ
まらないこと、仕事は楽しいこと」と述べておられま
す。楽し く仕 事を する上 で重要 なこと は周 囲にい る
人々です。フランス現代思想家の内田樹先生はその著
書の中で、仕事をしているときに不快にさせるのは、
「エ ゴ イ ス テ ィ ッ ク な ク ラ イ ア ン ト」「不 公 平 な 上
司」「無能な同僚」「反抗的な部下」などの「人間的
ファクター」であり、逆に「フレンドリーなクライア
ント」「公正な上司」「有能な同僚」などの「人間的
ファクター」が充実した労働環境にいれば、仕事を楽
しむことができるという趣旨のことを書かれていま
す。ぜひとも、それぞれの方が「公正な上司」「有能
な 同 僚」に な っ て、岡 田 先 生 の 言 わ れ る「仕 事」を
行っていけるよう努力を重ねたいと思います。
今年も皆さん方にとりましても、健康で幸多い年に
なりますよう心よりお祈り申し上げ、私の年頭のあい
さつとします。どうかよろしくお願い申し上げます。
平成27年1月5日
社会福祉法人天心会
理事長 東
司
Page 4
天心会だより
新年のご挨拶
明けましておめでとうございます。
健やかで清々しい新年を迎えられた
ことと思います。
今年は羊年ですが、この羊は群れ
をなすところから「家族の安泰」を
表すとされ、いつまでも「平和」に
暮らすということを意味しているの
だそうです。職員みなさんとご家族
のご清栄と、当法人、施設の安泰を
願いたいと思います。
さて、この正月は1日までの勤務を終え、2日から休
ませていただいたのですが、箱根駅伝をずっとテレビ観
戦いたしました。テレビ中継を通じて、図らずも多くの
ことを感じ考える機会になりました。
選手が肩にかける襷ですが、襷を紡ぐ横の糸は毎日毎
日の努力からなり、縦の糸は一年一周としてその努力か
ら成り立っている。したがって、次の選手、次の学年へ
とつないでいく襷というものはとても重いものがあると
いうことでした。
自分が駅伝というチームの中でどれだけ頑張れ、チー
ムの役に立てるのか、そしてそれをどのように次の世代
にバトンタッチするか、そのためには日々どのような練
習や準備をすべきか、そして一年間をどのように過ごす
べきか、そういうことを真剣に考え、この目的や計画を
うまく運べるチームが上位に食い込むことができるんだ
なと感じ、会社や法人、施設などの組織というものの存
在も同じことなのではないかと思いました。
次に、これは中継の合間のコマーシャルに共感したの
ですが、日本ハムのCMで、日本ハム傘下の企業のキー
年頭のご挨拶
あけましておめでとうございます。
皆さま方におかれましては、穏やか
な新年を迎えられたことと思いま
す。さらに、2015年が皆さまにとっ
て幸多い一年となることを心よりお
祈り申し上げます。
さて、この一月で阪神淡路大震災
から20年が経過します。私たちはそ
の間にも多くの自然災害などを経験
し、生命の尊さや普通に生きること
がいかに幸せでまた難しいことかを実感しています。私
も大切な家族があり、やりがいある仕事があることに感
謝しながら日々を過ごしていきたいと思います。
日本は、過去40年の間に超高齢化社会を迎えました。
総務省の調査(2013年)では65歳以上の人口は3186万
人となり、総人口に占める割合は25.0%と過去最高を更
新、人口の4人に1人が高齢者という時代となりました。
政府は増え続ける社会保障費の財源確保に努めています
が、消費税をあてにしているような不安定な状況が続い
ています。
そんな中、2015年は介護保険制度と介護報酬改定が行
われ、とくに特養の介護報酬改定については厳しい意見
が出されています。
フローラ
施設長
松田
昌訓
2015年新春号
マンが一同に登場するのですが、その傘下の会社は日本
ハムのグループではない、チームであるというキャッチ
コピーがありました。
グループではなくて、チームである。
グループというのはまとまりではあっても、それぞれ
が有機的につながっているというイメージがあまりあり
ませんが、一方チームということになりますと、それぞ
れ相手のことを思いやり、助け助けられて切磋琢磨して
成長していくというニュアンスがあるのではないでしょ
うか。
当法人も、それぞれの施設や様々な事業、あるいは職
員同士が、このようにチームとしてうまく機能していけ
ば、もっと実力を発揮できるのではないかと感じまし
た。
今年優勝した青山学院大学は、かつては他の大学から
バカにされるほどの弱小チームだったとのことですが、
大会記録を樹立するほどにまで成長しました。先にお話
ししたように、襷の重さをどの大学よりも知り、チーム
という意識を強く持っていたことが勝因ではないかと思
いました。
私も組織やチームの一員としてそういうことを感じな
がら、この一年、我が天心会も発展し飛躍していければ
と切に願う次第です。
皆さまにとりましても、よき一年になりますことをご
祈念申し上げ、簡単ですが年始のご挨拶とさせて頂きま
す。
フローラ 施設長 松田 昌訓
ヴェルディ八戸ノ里
施設長
植北
康嗣
今回の制度改正のポイントは、大きく3点です。①要
支援1・2の対象者について介護保険本体の給付(予防給
付)から、訪問介護と通所介護を外し、対応するサービ
スについて地域支援事業を再編成するということ、②個
別のサービスでは、通所介護の機能の改革、特に定員10
人以下の小規模型については、地域密着型サービスへ移
行させ、今後新たな事業所開設については保険者の管理
下に置くということ、③特別養護老人ホームの入所対象
者を原則要介護3以上にすることなどです。これらの改
正を実際に実施するためには、区市町村、行政トップの
力量や考え方が問われることになるとになりますが、当
事業所の対象者が一部絞られることでサービスの特性を
わかりやすくする必要があるでしょう。
ヴェルディ八戸ノ里は、日比野前施設長の退任後から
の体制安定化に向けて取り組んで参りました。私自身
は、利用者様ならびに職員の皆さんから伝えられるご意
見だけでなく、私に届かない声にも耳を傾ける努力をし
ていきたいと考えてきました。人の声とは届けられる人
と届けたくてもできない人がいて、「声が届かない=
ニーズがない」とは限りません。
特に福祉・医療の領域では、声が届かないことはよく
あることです。私も声が届くのを待つような受け身にな
Page 5
天心会だより
らず、自らも耳を傾ける姿勢でいたいと思います。
ち2名の入れ替わりや登録ヘルパーの退職があり、利
用者数の減少が起こりました。そのため、関係部署に
はご心配をおかけしました。現在は、スタッフの皆さ
んの支えによって、徐々に落ち着きを取り戻してきま
した。今年は、事業運営を安定させ利用者増、それに
伴 う 登 録 ヘ ル パ ー の 増 員 を す す め ま す。ま た、ヘ ル
パースタッフの要望でもある技術力向上のための学習
機会もつくり、量だけでなく質の確保にも力を入れて
いきます。
○ケアプランセンターヴェルディ
ケアプランセンターは、これまで同様に特定事業所
加算の継続と月間給付管理数を120件を目指します。
ソーシャルワーク技術についても磨きをかけ、地域か
ら信頼される事業所となるよう努めます。
○地域包括支援センターヴェルディ
地域包括ケアシステムの構築をチーム一丸となって
進めるべく、他職種、関係機関と協力して地域支援に
取り組んでいます。包括の業務は高度なマネジメント
力が求められ、スタッフの知識や判断力を高める機会
も増やしたいと思います。また、センターの認知を高
めるために地域へ出ての福祉に関する啓発活動などの
活動にも力を入れていきます。
2015年ヴェルディ八戸ノ里の現状と取り組み目標につ
いて述べたいと思います。
○特別養護老人ホーム
特養は「看取りケア」に軸をおくことを改めて国が示
しています。そのため当施設でも、9割ほどの方がここ
で息を引き取られます。看取りケアを行うには、すべて
の部署との連携と細やかなご家族対応が不可欠なため
チーム力が求められます。昨年度は、20名の方をお見送
りましたが、どのご家族からも高い満足の声が聞かれ充
実したケアが継続して提供できています。今年度は、改
めてユニットケアの意義と利用者、家族の思いに立ち
返って家庭的で落ち着いた生活空間とは何かを再考しな
がら、施設内の環境整備に取り組みます。
○デイサービスセンターもえぎ
デイサービス(通所介護)は、東大阪市内に130か所
以上開設されています。その影響で、1年前ごろからデ
イサービスは、利用者が思うように増えていかない時期
もありました。新規者を獲得するためサービス内容をブ
ラッシュアップすることと当該事業所との連携を高めて
まいりました。また、お試し体験での利用も積極的に受
け入れたことも利用者獲得につながり、冬場にも関わら
ず3ヶ月前から利用者数も増加し続けています。
今年は、介護保険制度改正に伴い要支援者の地域支援
事業への移行が始まるので、しばらくすると多少の影響
が出ることも予想されるので、利用者獲得につながるよ
うな地域への広報にも力を入れていきます。
○ヘルパーステーションおりいぶ
サービス提供責任者の3名体制は変わりませんが、う
-
社会福祉法人
最後になりましたが、皆様によき一年になりますこ
とを祈念しますとともに、天心会ならびにヴェルディ
八戸ノ里へのご理解とご支援をお願い申し上げます。
特別擁護老人ホーム
天心会
法人理念
ヴェルディ 八戸ノ里
施設長 植北 康嗣
-
人間が人間らしい生活を過ごせることに貢献する
小阪病院
住
電
F A
UR
Eーmail
所
話
X
L
病 床 数
診療科目
病棟種別
教育指定
その他
救護施設
〒577-0809 東大阪市永和2-7-30
06-6722-5151
06-6722-5121
http://www.kosaka-ten.or.jp
[email protected]
小阪病院
基本方針
〒577-0809 東大阪市永和2-7-30
06-6722-4716
06-6722-4762
http://www.flora-ten.jp
90名
住
所
電
話
F A X
1学年定員
修業年限
〒577-0809 東大阪市永和2-7-30
06-6722-5006
06-6722-1901
50名
3年
小阪病院看護専門学校
537床
精神科、神経科、内科
精神科急性期病棟 1病棟
60床
精神科療養病棟
3病棟 180床
認知症治療病棟
2病棟 117床
精神一般病棟
3病棟 180床
厚生省指定臨床研修病院(協力型)
㈶日本医療機能評価機構認定
無料低額診療施設(第二種社会福祉事業)
-
特別養護老人ホーム
-
●
相手を尊重する姿勢を貫き、病客の立場に立って、最良の医療を提供する。
●
医学、看護学、薬学などに基づいた学問体系に立脚したヒューマンサービス
精神科急性期医療から在宅医療までの総合的な精神科医療サービスを担う。
●
病客中心の快適で家庭的で安心できる治療環境を提供する。
●
組織的(チーム)医療を推進する。
〒577-0803 東大阪市下小阪4-7-36
06-6727-0030
06-6727-0730
92名
短期入所生活介護・介護予防短期入所生活介護事業
通所介護・介護予防通所介護事業(デイサービスセンターもえぎ)
訪問介護・介護予防訪問介護事業(ヘルパーステーションおりいぶ)
居宅介護支援事業(ケアプランセンターヴェルディ)
地域包括支援センター(ヴェルディ八戸ノ里)
住
所
Tel & FAX
〒577-0809 東大阪市永和2-7-30
06-6726-3775
住
所
電
話
F A X
〒577-0809 東大阪市永和2-6-33
06-6722-5531
06-6722-5532
定
27名
訪問看護ステーション
外来診察受付時間
月
火
水
木
金
土
9:00-11:30
○
○
○
○
○
○
17:00-19:30
○
○
2015年新年号
グループホーム
発行責任者
東
司
クローバー
地域生活支援センター
診察は予約制となっています。初診の方も事前に
ご予約いただきますようお願いいたします。
天心会だより
ヴェルディ八戸ノ里
住
所
電
話
F A X
定
員
併設事業
を提供する。
●
受付時間
フローラ
住
所
電
話
F A X
UR L
入所定員
編集
員
広報委員会
ふう
フォレスト
5か所運営
東大阪市永和2-7-30
電話
06-6722-5151