Annual Report No.29 2015 米国電気電子学会主催 2014年マイクロ波磁気工学に関する国際会議 The IEEE International Conference on Microwave Magnetics 2014 (ICMM 2014) H26会自22 開催日 平成26年6月29日~平成26年7月2日(4日間) 開催地 仙台国際センター 申請者 東北大学 大学院工学研究科 電気エネルギーシステム専攻 教授 山 口 正 洋 翌 6 月 3 0 日(月)~7 月 2 日(水)の 3 日間、 会議の概要と成果 ICMM 2014プログラム委員会によって選ばれ 米国電気電子学会主催2014年マイクロ波磁 たマイクロ波磁気工学に関連する科学技術へ 気工学に関する国際会議(T h e 2 0 1 4 I E E E の寄与の高い招待講演ならびに一般応募によ International Conference on Microwave る講演が、シングルセッション方式で16セッ Magnetics, ICMM 2014)は、2014年6月29日か ションに分かれて行われた。とくに注目された ら7月2日までの4日間、仙台国際センター(仙 のは3つのプレナリー講演であり、西オースト 台市)で開催された。ICMMは、基礎物性から ラリア大学(豪)のMikhail Kostylev教授による デバイス開発、次世代社会インフラ用システム 金属強磁性薄膜に関するスピンダイナミクス、 実装技術まで、マイクロ波帯における磁気現 カイザースラウテルン工科大学(独)のBurkard 象ならびに磁気応用技術分野を専門的議論す Hillebrands教授によるマグノニクス、および東 る場として、米国電気電子学会磁気工学部門 京工業大学の阿部正紀名誉教授によるスピン (IEEE Magnetics Society)により2008年に創設 スプレーフェライトに関する先端的成果に対し された。2008年のフォートコリンズ(米)を皮 て多くの質疑応答が行われた。また、19件の 切りに、2010年ボストン(米) 、2012年カイザー 招待講演においても、マイクロ磁気工学に関す スラウテルン(独)において成功裡に開催され、 る最新動向や材料・物性・デバイス応用への 今回、はじめてアジアで開催された。その規模 展開について密度の濃い議論が行われた。 は過去3回の会議とほぼ同じで、世界16カ国か 懇親会と受賞セッションは、7月1日(火)夕 ら88件の口頭・ポスター発表が行われた。 方、ホテルメトロポリタン仙台において開催 会議イベントは6月29日(日)朝の東松島・松 された。ICMM 2014運営委員長の山口正洋教 島方面への津波被災地バスツアーから始まり、 授(東北大学)と、来賓の東北大学工学研究 同日夕方仙台国際センターで歓迎レセプション 科長金井浩教授の歓迎メッセージの後、マイ が行われた。また、ICMMの国際諮問委員会も クロ磁気工学に関する分野への長きにわたる 同日夕方開催され、今回の会議の概説と、次回 貢献に対する名誉賞の授賞式が行われ、サン ICMM 2016の開催日と開催地の審議を行った。 クトペテルブルグ電子工科大学(露)のBoris ─ 376 ─ The Murata Science Foundation Kalinikos教授と東京工業大学の阿部正紀名誉 含む「杜の都」仙台の新緑の季節を楽しまれた。 教授が表彰された。引き続き、学生トラベルア 以上のようにICMM 2014は全体を通して成 ワードの授賞式が行われ、デラウェア大学(米) 功裡に終わることができた。これらは、国際諮 のYunpeng Chen氏、基礎科学ボーズ国立セン 問委員会委員、プログラム委員会委員、大会 ター(印)のKumar Mahato氏、セラトフ州立大 組織委員会委員、ボランティア、セッション座 学(露)のSvetlana Sheshukova氏、ハルピン工 長と学生の多大なる尽力のおかげであり、ここ 科大学(中国)のYue-Long Lv氏、東北大学(日) に謝意を示します。とりわけ、IEEE Magnetics の古田正樹氏の5名が受賞した。また、学生ポ SocietyのCEC委員長 Massimo Pasquale 氏と スター発表優秀賞の授賞式が行われ、信州大 同総務財務担当 Manuel Vazquez 氏のご協力に 学(日)の降幡和彰氏とカイザースラウテンル 感謝します。なお、次回のICMM 2016(http:// ン工科大学(独)のThomas Meyer氏の2名が受 icmm2016.ua.edu)はTim Mewes氏が会議運営 賞した。 委員長を務め、2016年6月5日から8日までの4日 ICMM 2014の開催期間中、初日を除いて概 間、米国アラバマ州タスカルーサで開催される。 ね天候に恵まれ、参加者は会議セッションや 最後に、今回の国際会議に貴重なご支援を 人的ネットワーク形成に加えて広瀬川の景色を 頂いた村田学術振興財団に深謝いたします。 参加者の記念写真 被災地ツアー Kostylev教授のプレナリー講演 学生トラベルアワード受賞者 ─ 377 ─
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