都道府県 CIO フォーラム 春季会合 特別広報企画 日本 IBM エンタープライズ・クラウドの活用で ITコスト削減、産業振興なども実現 クラウド・コンピューティングの 図■IBMが目指すエンタープライズ・クラウド・コンピューティング 実現には、サーバーやディスクなど の仮想化に加え、コンピュータ・リ ソースを管理するワークロードの監 サービスの迅速な展開のためのコンポーネント化 仮想化および最適化された異種のインフラストラクチャーによる管理の簡素化 サービスとしてのITリソース New New New Applications New Applications Virtual Virtual Applications Applications Virtual Middleware Virtual Middleware Virtual OS Middleware Virtual OS Middleware Virtual Virtual VirtualOS OS Virtual Virtual Engine Virtual Engine Engine Engine 視・管理機能、リソースの割り当て を決めるプロビジョニング機能など 自治体のシステム共同化に向け、イントラネット・SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)モデル を提案してきた日本IBM。エンタープライズ・クラウドをその発展系として位置づけ、自治体で利用 されるだけではなく、地域のIT 産業振興に役立てたり災害対策などでも活用することを提案する。 が必要だ。これらの機能を備えるこ とで、通常 1 件 / 秒のトランザクシ ョンを処理するシステムが瞬間的に 1000 件 / 秒の処理能力を必要とし サービスとしてのソフトウエア セルフ・サービス・ポータル New Enterprise Data Center サービスとイメージ のカタログ コンポーネント化されたビジネス・プロセス サービス管理 Integration Provisioning Monitoring Metering Capacity Management た場合でもコンピュータ・リソース アンサンブル をダイナミックに変更して対応でき 地方財政が厳しさを増す中で、IT コス 也氏は「クラウド・コンピューティングを ト削減の切り札としてクラウド・コンピュ 利用すれば『近い将来、自前で ITシステ ーティングが注目を集めている。自前で ムを持つ必要がなくなる』とか『インター 業務システムを持つ代わりにインターネッ ネット上のサービスだけで自治体のシス トやイントラネット上にあるサーバーや業 テムができてしまう』という声を聞くが、 務アプリケーションを利用するクラウド・ これは誤解です」と注意を呼びかける。 コンピューティングによって、コンピュー タ・リソースを必要なときに必要なだけ 調達できるので IT コストの削減が期待で エンタープライズ・クラウドも利用し 業務によって使い分け 日本アイ・ビー・エム 株式会社 公共事業 CTO 技術理事 IT アーキテクト 長島 哲也 氏 アンサンブル るし、翌日から1万件 / 秒のシステ ムを稼働するといった事態に直面 してもアプリケーションが稼働する 環境を短時間で構築できる。 スケール・アウト コンピューティング・モデル 個々のワークロード (ソリューション) 用に最適化された 異種混合のサーバー、 ストレージ、 ネットワーク要素 日本 IBM では、従来から培って ティングの一形態にすぎない。ほかに、 きたミッションクリティカルなトランザ する」というクラウドの特徴を地域の IT の好例だ。 データセンターや庁内に自治体専用のク クション処理技術やセキュリティ技術、 産業の振興に役立てることも可能だ。 災害対策に必要なバックアップシステ ラウド・システムを構築して利用する「エ Ajax などの Web2.0 実現技術をベース 具体的には、自治体がクラウド・デー ムはコールド・スタンバイ状態で運用し ンタープライズ・クラウド」と呼ぶ利用形 に、仮想化 / プロビジョニング/ サービ タセンターを構築し、地元の IT 企業が必 ているので、通常時はシステムリソースが きる。 長島氏によると、クラウド・コンピュ 態がある。 ス・リソース管理(IBM Tivoli Service 要なときにコンピュータ・リソースを使 無駄になる。しかし、クラウドを利用すれ 自治体だけでなく、民間企業の間でも ーティングの代表例とされる Google や エンタープライズ・クラウドもパブリッ Automation Manager で既に実現)な い、開発環境やテスト環境として利用す ば、その無駄は省ける。例えば、二つの クラウド・コンピューティングに対する関 Amazon のサービスは「パブリック・ク ク・クラウドと同じく、サーバーやディス どのクラウド・コンピューティング技術を る。開発プロジェクトが終わったらリソー 県がそれぞれクラウド・データセンターを 心は高まっているが、日本 IBM の長島哲 ラウド」と呼ばれ、クラウド・コンピュー ク装置、ネットワークなどを仮想化し、そ 利用した次世代エンタープライズ・デー スを返せるので、地元企業は新たなハー 構築し、互いが災害対策サイトになるよ の上で SOA、SaaS や Web2.0 で作成し タセンター(NEDC)という新しい IT ビ ドウエアの調達コストを抑えられる。既 うにしておけば、仮に一つの県で災害が たアプリケーションを動かす形態。庁内 ジョンを提唱している。この技術は IBM に中国の無錫市はシステムエンジニア育 発生してシステムが停止しても、もう一つ にクラウド環境を持つことで、パブリック ・ が世界各国で展開を始めている「クラウ 成のための開発環境として IBM のクラウ の県のクラウド・データセンターは瞬時 クラウドで懸念される情報漏えいといっ ド・コンピューティング・センター」でも ド・センターを採用している。また、九州 にリソースを割り当てて災害対策を実現 た不安も解消できる。 利用されているが、 自治体独自で構築する 大学大学院システム情報科学研究院が できる。 「エンタープライズ・クラウド」構築支援 学生の研究用に日本 IBMと共同でクラウ クラウド・コンピューティングの活用 ド・データセンターを構築したように、IT 次第で、自治体経営は大きく変わる可能 技術者の養成にも役立つ。 性がある。 図■エンタープライズ・クラウドの取り組みについて クラウド・コンピューティング エンタープライズ・クラウド(On-Promise) パブリック・クラウド(Cloud Delivered) 「すべての業務システムをパブリック・ クラウド上に構築することは現実的では 自社内クラウド コンピューティング New Enterprise Data Center PaaS/HaaS/IaaS マルチテナント SaaS ありません。パブリック・クラウド環境 と庁内に構築したエンタープライズ・ク ラウド環境、およびエンタープライズ・ 仮想化されたリソース リソース管理 ダイナミック・プロビジョニング GUIによるリソース・リクエスト 54 サービスも提供し始めている。 災害対策や IT産業振興にも有効 BCP (事業継続計画)に不可欠な災害 対策の実現にもクラウド・コンピューティ クラウドへ移行前の自前システム環境を 自治体にとってクラウド・コンピューテ ングは威力を発揮する。現在、オランダ うまく連携しながら使い分けていくのが ィングのメリットは IT コストの削減に限 の iTricity が IBMと共同で進めているク クラウドの賢い使い方です」 (長島氏) 。 らない。 「必要なリソースを短時間で提供 ラウドを使った災害対策の実証実験はそ お問い合わせ 日本アイ・ビー・エム株式会社 http://www.ibm.com/jp/ 公共機関のお客様向けサイト http://www.ibm.com/jp/government/ 55
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