神栖市 風力発電施設見学会 実施報告 ~ 兼 Global Wind Day イベント

神栖市 風力発電施設見学会 実施報告
~ 兼 Global Wind Day イベント ~
2015 年 8 月 24 日(月)、日本風力エネルギー学会主催で、茨城県神栖市にある以下の風力発電施
設の見学会を開催しました。学会員を中心に 49 名の参加(学会実施担当者を除く)がありました。
①(株)日立製作所 5MW ダウンウィンド風車「HTW5.0-126」
②(株)ウィンド・パワー かみす洋上風力発電所
①-1
往きのバス車中では、日立製作所チーフプロジェクトマネージャー松信様から、同社が 2012 年
から開発をスタート、2015 年 3 月末に神栖市の海岸近くに建設し、現在試験運転を行っている 5MW
ダウンウィンド風車「HTW5.0-126」について説明を伺いました。また、学会の永尾副会長から、ダウン
ウィンド風車の特徴についても説明がありました。
同機の主な仕様は以下のとおりです。
(主な仕様)
・出力:5000kW
・ロータ直径:126m
・回転数:6.4~12.7rpm
ハブ高さ:90m
・カットイン風速 4m/s
カットアウト風速 25 m/s
(特徴)
・日本の厳しい自然(台風、雷、地震)に対応した設計
・ダウンウィンド方式による固有の安全性、基礎設計の合理化(転倒モーメントの軽減)
・中速増速機と永久磁石同期発電機との組み合わせによる軽量ドライブトレイン
①-2 神栖市は風況の良い場所で、今回の見学施設以外にも複数の 2MW 風車があちらこちらに設置
されています。これらを車中から眺めながらの移動となりましたが、いよいよ 5MW ダウンウィンド風車の
サイトに到着。「やはり、大きい!」 これまで見てきたものが小さく思えてしまう。
(5MW 風車の前で記念撮影)
(風車の起動・運転を見学)
到着後しばらくして、目の前でブレードのピッチ角が変化、これに伴い、風車はあれよあれよという間
に勢いよく回転、折からの強風で、ほぼ定格出力で発電している様子を見学させて頂きました。現地
の日立製作所スタッフの皆様、有り難うございました。
② 引き続き、バスでウィンド・パワーのかみす洋上風力発電所に移動、ウィンド・パワー小松﨑専務の
ご説明を伺いました。概要は以下のとおりです。
かみす洋上風力発電所は第一期(2010 年 6 月完成)の 7 基と、第二期(2013 年 3 月完成)の 8
基(何れも富士重工/日立製作所製ダウンウィンド型 2MW 機)で構成されています。管理橋を設置
し、洋上風車でありながら陸上と同等のメンテナンス性を備えていることが特徴です。なお、2011 年
3 月の東日本大震災では震度 6 の地震と 5m の津波に見舞われたものの、設備への影響は殆ど無
く、その 3 日後より通常運転を開始したとのこと。また、遮るもののない洋上からの風に恵まれており、
年間の設備利用率は約 25%とのことでした。
岸壁に 15 機がほぼ直線に並び立ち、風速 15m 程度の強風で 15 機の風車が一斉に勢いよ
く回る様子は、迫力そのものでした。
なお、同社では、ソフトバンクエナジー社、オリックス社との共同で洋上風力発電の特別目的会社
SPC を設立して、鹿島港沖で「茨城県鹿島港沖大規模洋上風力発電所」を建設計画中であり、
2016 年度に陸上部分の工事に着工、2017 年度に洋上工事に着工予定とのことです。洋上風力発
電所の今後のさらなる事業の進展をお祈りします。
(洋上風車の前で記念撮影)
(実物を見ながら説明を伺う)
以 上