臨床研究中核病院整備事業 群馬大学医学部附属病院 頭頸部悪性腫瘍(粘膜悪性黒色腫)に対する化学療法併用 炭素イオン線治療の有効性・安全性についての第Ⅱ相臨床試験 プロジェクト責任者 群馬大学大学院医学系研究科 顎口腔科学 横尾 聡 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○. . . . . 背 景 結語 重粒子線はブラッグピークを有し線量集中性に優れるとい う特徴に加え,X線と比較して高い生物学的効果を示すこと から,頭頸部領域においてはX線に対し抵抗性である悪性黒 色腫症例の治療において有効性が期待されている. 頭頸部悪性黒色腫に対する、DAV療法併用の炭素イオン線治療の初 期経験では、重篤な有害事象はなく、局所効果も100%と良好であった。 ただし、早期に再発を認める症例も多く、1年無病生存率および全生存 率は50%、88%であった。晩期有害事象や長期的な治療成績評価のた め、さらなる症例の集積ならびに経過観察の予定である。 群馬大学における頭頸部悪性黒色腫に対する化学療法併用炭 素イオン線治療の初期経験について報告する. 研究 デザイン 〜治療スケジュール〜 目的および研究デザイン 頭頸部腫瘍における粘膜悪性黒色腫患者に対する16回照射による炭素 イオン線治療と, 化学療法の併用療法の有効性と安全性を確認する.本研 究は先進医療における前向き介入研究として行われる. 有効性・安全性の評価指標(エンドポイント) 主要評価項目(プライマリーエンドポイント) 1)3年生存割合 副次的評価項目(セカンダリーエンドポイント) 1)局所一次効果(奏効率) 2)局所制御割合 3)無増悪生存割合 4)急性期有害事象発生割合 5)晩期有害事象発生割合 6)QOL 〜治療内容〜 ・炭素イオン線治療 57.6Gy(RBE) or 64.0Gy(RBE) / 16回 ならびにDAV療法を同時に開始する. ・DTIC(一般名:ダカルバジン)、ACNU(一般名:塩酸ニムスチン)、 およびVCR(一般名:ビンクリスチン硫酸塩)を用いる化学療法 (DAV療法)を炭素イオン線と同時に行う. 5週間で1コース(Day15)として、計3コースDAV療法を行う. Day 1 DTIC 120mg/m2, ACNU 70mg/m2, VCR 0.7mg/m2 Day 2〜5 DTIC 120mg/m2 対象 登録症例 急性期 有害事象 計 15例 男性/女性 年齢中央値 部位 鼻腔/上顎洞/口腔 Stage III期/IVA期 経過観察期間中央値 9例/6例 66歳 (51〜80歳) 12例/2例/1例 2例/13例 12.2ヶ月 症例提示 N=7 G0 G1 G2 G3 G4 皮膚炎 0 9 6 0 0 粘膜炎 0 4 10 1 0 結膜炎 8 5 2 0 0 白血球減少 5 2 4 4 0 貧血 3 9 3 0 0 血小板減少 1 7 6 1 0 治療開始前 治療後4ヶ月 FDG-PET 51歳男性 左鼻腔悪性黒色腫 cT4aN0M0, Stage IVA 総線量 64.0Gy(RBE)/16fr. DAV療法同時併用 現在2年2ヶ月無再発生存中 治療 成績 無再発生存率 全生存率 100 100 90 90 90 80 80 80 70 70 70 60 60 60 1年局所制御率: 100% 50 40 30 50 40 (%) 100 (%) (%) 局所制御率 50 30 40 30 20 20 20 10 10 10 0 0 0 6 12 18 局所制御期間(月) 24 治療開始前 治療後2ヶ月 MRI T1WI Gd 1年無増悪生存率: 50% 1年全生存率: 88% 0 0 6 12 18 無再発生存期間(月) 24 0 6 12 18 全生存期間(月) 24
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