持続可能なゴルフ場緑地と環境:なぜ今日この視点が重要か

<公開シンポジウムのご案内>
持続可能なゴルフ場緑地と環境:なぜ今日この視点が重要か
ゴルフ場は,本来ゴルファーに望ましい芝生と景観を提供する施設ですが,同時に維持管理の整
った芝地と樹林,渓流や池沼からなる広域緑地として,農耕地,林地,交通インフラ,生活域に連続
する形で里域・里山に存在しています.つまり,ゴルフ場という緑地は,周辺環境との密接な関係の
上に成り立っているのです.
意識すべき周辺環境との関係には,大きく二つの側面があります.
一つは、地域の緑地としてのゴルフ場の重要性です.今日多くの大型雑草蔓延地や施業放棄林が混
在する地域環境のなかで,ゴルフ場は,様々な生態系サービスを地域に提供するとともに,種々の環
境負荷から地域を保全する高い機能を持続的に発揮しています.大切なのは,ゴルフ場自らがその環
境的・生態的価値を正確に認識し、これを社会に発信していくことだと考えられます.
もう一つは、環境からのゴルフ場植生への影響です.今日、都市・市街地温熱化,気候変動,管理
放棄や乱開発等に起因する雑草木の種類や生育量の急激な変化とそこから生じる脅威が,広く指摘さ
れています.ゴルフ場の植生(芝・樹木・雑草)にもこの影響が及んでいます.雑草の変化は直接的
雑草害だけでなく,昨今急増している虫害,獣害にも関わっています.また一方で,除草剤の発達・
普及にもかかわらず、雑草問題が軽減されない現状があります.
以上のことは,今日ゴルフ場が保有する緑地の価値と管理について,地域・変化という広い空間軸
と時間軸的視野で再検討する必要があることを示しています.本シンポジウムが,関西地区ゴルフ場
の実態と科学的知見の融合で,その一歩を踏み出す契機でありたいと考えます.
<日時>:平成 27 年 11 月 18日(水)13時~16時 40 分
<場所>:神戸商工会議所会館3階 神商ホール A
(神戸市中央区港島中町 6-1(ポートアイランド), TEL: 078-303-5804)
講演:13:10~15:50
1) 地域環境の劣化とゴルフ場緑地の役割
伊藤幹二(NPO 法人緑地雑草科学研究所)
ゴルフ場緑地が有している,地域生態系サービスの向上と生態系ディスサービスの軽減機
能について検証し,この付加価値のゴルフ場運営への活かし方について将来を展望します.
2) 多様な生態系が多様なゴルフ場をつくる
田中淳夫(森林ジャーナリスト)
ゴルフ場の自然は、多様な生態系の集まりであり、その景観は里山と酷似しています。だ
からゴルフ場の自然の保全は里山の保全に通じるのです.
3) 変貌するゴルフ場雑草問題と対応への考え方 伊藤操子(京都大学名誉教授)
最近増大傾向にある主要な雑草問題の実態を整理し,雑草生態と環境・管理法の変化との
関係等から因果関係を分析して、それをもとに最適対応策を探ります.
総合討論:16:00~16:40
① アンケート調査報告:関西地区ゴルフ場の最近の管理課題
② 討論
<参加費> 2,000 円(講演要旨代)
<参加申込み> 裏面の参加申込み欄にご記入の上,主催者までお申し込みください.
当日参加も受付けます.
主催:特定非営利活動法人 緑地雑草科学研究所
共催:一般財団法人 関西グリーン研究所
シンポジウム運営委員会
伊藤幹二(マイクロフォレストリサーチ株式会社)
伊藤操子(京都大学名誉教授)
小林由幸(株式会社ロイヤル・グリーン・メンテナンス)
佐治健介(株式会社白崎コーポレーション)
清水 等(株式会社理研グリーン)○
森 将人(一般財団法人関西グリーン研究所)
山本久仁夫(東洋メンテナンス株式会社)
八木 元(NPO 法人緑地雑草科学研究所)
(○:運営委員長)
会場アクセス
神戸商工会議所会館(3F)
〒650-8543 神戸市中央区港島中町 6 丁目 1 番地
Tel.078-303-5801
<電車ご利用の場合>
「JR 三ノ宮駅」、
「阪急神戸三宮駅」、
「阪神神戸三宮駅」
からのりかえ → ポートライナーで 10 分 →
「市民広場」駅下車 → 北へ徒歩約 5 分
<お車ご利用の場合>
神戸大橋より中央の車線を直進
<駐車場>
会場の道を隔てた南側地下の「神戸市民広場駐車場」
をご利用下さい.
入口は左図◎印,料金:150 円/60 分
参加申込み
(氏名・TELは必須)
フリガナ
氏名
フリガナ
所属/団体名
住所
TEL
〒
FAX
E-mail
FAX:0778-62-3336,お電話:0778-62-2543,
または E-mail:[email protected] にて,
緑地雑草科学研究所事務局(担当:佐治)までお申し込み下さい.
定員(120 名)に達し次第締め切りとし、参加不可の場合にはご連絡を差し上げます.