報告書[PDF形式:7.5MB]

4° EDICIÓN DE LA
BIENAL DEL FIN DEL
MUNDO
sección Mar del Plata, Argentina!
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Toshihiko Kato !
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第4回 世界の果てのビエンナーレ !
アルゼンチン マル・デル・プラタ セクション
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会期:2014年12月12日∼2015年2月22日!
展覧会参加報告書 !
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4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO !
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加藤寿彦
APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 1
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目次!
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第4回 世界の果てのビエンナーレ 参加・滞在記!!
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展覧会概要!
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1.会期!
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2.会場!
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3.参加作家!
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4.総合ディレクター!
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5.キュレーター!
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6.主催!
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7.助成・協賛!
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展示会場Map !!
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参加アーティスト(会場と作家名)!
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Bienal del Fin del Mundoについて!
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3!!
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18!
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ビエンナーレに参加して。これからのアート!
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今後の可能性 - 本学との関係!
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謝辞!
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4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO 19!
27!
APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 2
BIENAL DEL FIN DEL MUNDO について
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BIENAL DEL FIN DEL MUNDO の英語表記は Biennal World s The End 、日本語では「世界の終わりのビエ
ンナーレ」、もしくは「世界の果てのビエンナーレ」と表記されます。同ビエンナーレの第1回2007年の開催地がアル
ゼンチンのティエラ・デル・フエゴ州の州都であるウシュアイア市であり、南緯54度8分、西経68度18分に位置する世
界最南端の都市であるとされることからこの呼び名がついたとも推察されます。また、同ビエンナーレの当初の趣旨が
この地域の特異性を観光の魅力として広めることと同時に、この極地域が地球温暖化などの全地球的環境問題を顕著に
反映する場所であることを強調したことも名称由来のひとつです。同展第1回では、カナダの北部各地域とフィンラン
ドのラップランド、アルゼンチンウシュアイア市にアーティスティック電子端末が設置され、リアルタイムで地球の両
端をつなぐプロジェクトが行われました。来場者はこのマルチメディアパフォーマンスを体験することができ、ビデオ・
アーティストの最新の作品を鑑賞したり、マルチメディアによるコミュニケーションを行うためのスクリーンが参加都
市の要所に設置されました。
BIENAL DEL FIN DEL MUNDO は、ラテンアメリカ議会(注1)記念財団が主催し、コーノ・スール(注2)の国
境を越えた地域における芸術、文化、観光、メディアの発展のための国際的な影響力を持つ重要な文化イベントであり、
都市における各国の同時代的問題点を浮き彫りにし、文化と教育の枠組みの中での新しい学際的な機会を設けることを
目的としています。また、これらは第1回2007年からの「現在進行中の作業」であり、継続中の文化活動です。したがっ
て、同ビエンナーレはビジネスを形成せず、チケットの販売・購入は行われません。また、すべての関連国の機関およ
び関連企業/スポンサーとは商業的な関わりを持たず、運営内容に関する提案は独立したかたちで行われています。
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(注1)ラテンアメリカ議会(スペイン語:
Parlamento Latinoamericano)は、ラテン
アメリカとカリブ海の国による議会である。
欧州議会と同様の国際議会である。1964年
設置。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア
(Wikipedia)』
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(注2)コーノ・スール(スペイン語: Cono
Sur, ポルトガル語: Cone Sul, 英語:
Southern Cone)は、南アメリカ最南端を指
す地理的範囲。南回帰線以南をいう。アルゼ
ンチン、チリ、ウルグアイの全域に加え、パ
ラグアイの一部と、ブラジル南部のいくつか
の州を含む。ブラジルでは、リオ・グランデ・
ド・スル州、サンタ・カタリーナ州、パラナ
州、サンパウロ州が該当する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア
(Wikipedia)』
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4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO ブエノスアイレス
マル・デル・プラタ
ウシュアイア
APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 3
第2回2009年は、「世界の果て」を再度地域的な概念としてテーマとし、パタゴニアの都市や文化都市ロザリオ、
ブエノスアイレスをいくつかの展覧会が移動開催され、同時にブラジル リオ・デ・ジャネイロでも特別プログラムが行
われました。第2回の総合ディレクターとして任命されたのはドイツのアルフォンス・ハグ氏で、6ヶ月間アーティスト
の選定と招集のためのキュレーションに従事しました。ハグ氏は、プロジェクトの連携機関でもあるゲーテインスティ
チュート所長でもあります。氏とともに特別プロジェクトのキュレーションを担当したのは、アルゼンチンの最高美術
評論家賞を受賞し、ロサリオ市の文化・教育のディレクターであるフェルナンド・ファリーナ氏です。
100を超えるアーティストが世界各国から集い、ウシュアイア旧刑務所跡、ロサリオ市スペイン公園、リオ・デ・ジャ
ネイロ市オイ・フトゥーロ・センターやブエノスアイレスのハロッズの建築物など、各地の関連会場で国際レベルの展
示とパフォーマンスを行いました。
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第3回2011年は、ビエンナーレのタイトルを The 3rd Biennial Atropoceno Anthropocene アンドロポセン(人
新世)としています。「人新世」はノーベル賞科学者でありオゾンホールの研究で知られるオランダのポール・クルッ
ツェン博士が提唱した新しい時代の名称で、地球上の生物学、化学、地質学的過程における人類の優位性が生んだ新し
い地質時代を指しています。クルッツェン博士が提唱したこの説は10年以上前に議論されましたが、今日の地球規模の
気候変動や動植物の絶滅の急激な増加に対して我々人間の活動がより多くの潜在的な影響をもたらしていることを浮き
彫りにする用語だとして大きな指示を得ています。現在、世界的な地質学関係者の間では正式に「人新世」を「ジュラ
紀」や「カンブリア紀」などと同じ地質タイムスケールとするかを検討していると言われています。
総合ディレクターは、コンスエロ・シスカル・カサバン氏(フリオ・ゴンザレス・バレンシア現代芸術院[ IVAM ]
のディレクター)が任命されました。彼女はラファエル·シエラ氏を「Espacio del Hanger」のキュレーターとして任命
しました。またアルゼンチン人アーティストのためのキュレーターとして、アリシア·デ·アルテアガ氏、アナ·マリア・
バティストッツィ氏、フェルナンド·ファリーナ氏とアナ·マルティネス・キハノ氏、そして北米・中米のアーティストの
ためのキュレーターとして、イビス·エルナンデス氏、「芸術と建築」スペースのキュレーターとしてホセ·マリア·ロサ
ノ氏を任命しました。
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アントロポセン(仮訳:人新世)はまだ公式に認められた年代ではない。オゾンホールの研究で知られるオランダの化学者パウル・クルッツェン博士が
2000年に提唱し、2002年のネイチャーに投稿した。第四紀の完新世に続く最も新しい年代(世)で、地球環境に対する人類の影響度が著しく増大した
時代に相当する。農業による単一種の大量栽培、森林伐採による侵食の増大と堆積物の増加、人類の活動による動植物の絶滅、古第三紀(約5500万年前)
の突然の温暖化に相当する量の温暖化ガスの放出など、人類は地球環境を大幅に改変している。このため「人新世」の考え方には意義があると捉える学
者が増えている。人新世の採用の是非については2011年現在、国際層序学会(ICS)で検討中である。人新世を採用するとしても、始まりの時期をいつに
設定するかも議論が多い。提案者のクルッツェンは「産業革命により化石燃料の消費が増え、二酸化炭素の濃度上昇が氷床コアで確認される18世紀」を
提案するが、人類活動による地球環境への影響は現在も増大し続けているため、「開始時期の決定は、もう少し様子を見てからのほうが良い」という案
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もある。
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 4
第4回 世界の果てのビエンナーレ 参加・滞在記
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第4回の今回参加したビエンナーレは CONTRASTES & UTOPÍAS (コントラスト&ユートピア:不和と空想)
をテーマとし、5大陸35の国と地域から150名以上のアーティストを招聘してアルゼンチンとチリで開催されます。アル
ゼンチンの開催地は観光都市Mar del Plataマル・デル・プラタ市およびUshuaiaウシュアイア市(予定)で、現時点
(2014年12月30日)ではマル・デル・プラタ市での開催が始まっています。また、チリはValparaiso市、Punta Arenas
(Brunswick半島)での開催が2015年1月31日から予定されています。同ビエンナーレが継続テーマとする“Pensar en el
fin del mundo, qué otro mundo es posible.” (別の世界が可能な世界の終わりについて考える)に基づき、南アメリカ全土
をカバーする地域も関連地域として参加予定で、その代表都市(リオデジャネイロ、サンパウロ、カラファテ、ウシュ
アイア、とりわけ「アンタルティダ、ロザリオ、メンドーサ、トゥクマン、サルタ、サンファン、サンタフェなど)にお
いても各アクションが紹介される予定です。
また、同時にローマ、ミラノ、トリノ、ヴェネツィア、バル
セロナ、バレンシア、パリやロンドンなどヨーロッパ主要都市
での巡回展などの提案もなされるようです。
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今回はイタリアが招待国となり、総合ディレクターの
Massimo Scaringella氏を含めキュレーターの多くはイタリア
Massimo Scaringella氏(左)、右から2番目はマル・デル・プ
の方々が占めており、運営スタッフもイタリアの方々が主体で
ラタ市長。 オープニングセレモニーにて
した。(イタリア人アーティストの多くは運営スタッフも兼ね
ていました。)キュレーターはMassimo Scaringella氏を含め
て11名で、私はその中のVittoria Biasi氏によって招聘されまし
た。Vittoria Biasi氏とは現地で始めてお会いしましたが、神戸
のギャラリー夢創館のギャラリスト中西 路留氏によって2013
年に私の作品ファイルを紹介していただいており、2014年の8
月に今回の招聘につなげていただきました。
Vittoria Biasi氏は『On the borders of sky, I set the white
offerings』(空の境界で白を捧げる)と題して、現代アートの社
会的価値や、ときに共生の難しさがある大都市を芸術の視点か
Vittoria Biasi氏(中央)、右はテクニカルスタッフでアーティ
ら眺めたり変えたりするアートの能力を多くの人に注目してい
ストとして出品しているFabio Pennacchia氏、左はアーティス
ただくことをコンセプトとしてアーティストの招聘を行いました。
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トValentina Colella氏。
Vittoria Biasi氏が今回招聘したアーティストは12名で、イ
ンド、タイ、イタリア、ブラジル、フランス、韓国、日本、カ
ナダ、英国、ハンガリーの10カ国。尚、150名以上の参加者の
中で日本人は私一人でした。ほとんどの方が世界的に活躍して
おり、母国以外の国に在住して活動している方が多く見受けら
れました。滞在中、設営を手伝っていただき、大変お世話になっ
たタイのAmrit Chusuwan氏もベナチア・ビエンナーレへの参
加経験もあり、来年2015年には東京芸大での講演を予定して
いるとのことです。
左はVittoria Biasi氏のスタッフで、主にアーティストたちのマ
ネージメントを担当しているLaura Scaringella氏。右はアーティ
ストAnita Calà氏。
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 5
開催地マル・デル・プラタ市は、人口約55万人の
ビーチリゾート都市で、ブエノスアイレスからは長距離
バスで約500km、6時間の長旅となります。市内には
飛行場もあり国内便の飛行機も飛んでいますが、便が
少なく運賃が高額なためほとんどの観光客はクルマか
バスで訪れます。高層ホテルが立ち並ぶビーチ沿いの
地区と、閑静な別荘地が広がる地区からなる比較的治
安の良いきれいな街で、観光シーズンに入ったばかり
の過ごしやすい気候にも恵まれました。日中ビーチで
は水着姿の人も居ましたが、朝晩は上着を着ていても
寒いくらいの日もあり、日差しが強く乾燥した天気が
続きます。
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展示会場は市内7カ所で、特別なプロジェクトや
演奏が行われる場所を含めると9カ所になります(18
ページMap参照)。各会場はおおよそ半径2∼3km以
内に位置しており、会場間の移動はタクシーで15分程
度、最も遠いところでも100ARS(¥1,400)くらいの運
賃で移動できます。私が展示している会場は別荘地の
外れの繁華街にある Plaza del Agua 「プラザ・デル・
アグア」で、幸い宿泊していたホテルRealidadからは、
タクシーで5分24ARS(¥350)、徒歩でも20分くらいで
した。尚、タクシー代はレシートを受け取っておけば
後で主催者側から支払われるシステムになっており、
こうした細かい情報に関しては事前連絡はなく、滞在
中にメールか口コミで伝わってくるという状況でした。
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Mar del Plata 市街 : ビーチ周辺(上)とホテルから会場へ向かう途中の
別荘地街(下)
Plaza del Agua は市の管理する公会堂で体育館
のように天井が高く、大掛かりなインスタレーション
作品や私の作品のように暗室を必要とする作品を主体
に展示されています。会場全体の大きなガラス窓は黒
のカッティングシートで遮光されましたが、日差しが
ある時間は完全な暗室にはなりません。私は高照度の
プロジェクターを日本で購入して持ち込んだため作品
への影響はありませんでしたが、現地調達のプロジェ
クターを使ったアーティストはセッティングに苦労し
ていました。展示に必要な素材や機材はアーティスト
の要求に応じてすべて主催者側に事前準備してもらえ
る手はずでしたが、私が要求したスペックのプロジェ
展示会場 Plaza del Agua
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 6
クターは直前になって現地では購入できないことが分
かり、急遽日本で立替払いで購入することになりまし
た。アルゼンチンは近年経済の低迷が続いており、外
国製品の輸入に対しては厳しい姿勢をとっているよう
で、海外のメーカーもSAMSUNGくらいしか選べない
との返答でした。また、日本で準備していた作品は、
渡航1週前になって関税の関係で輸送困難というメール
を受け取りました。したがって当初予定した作品は諦
め、現地入りしてから現場を見て制作を開始し、およ
そ10日間でオープニングを迎えたという状況でした。
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オープニング5日前の会場。ようやくパーティションの設置工事が始まる。
各会場の設計、施工はイタリアのテクニカルスタッ
フのアーティストでもあるFabio Pennacchia氏とアル
ゼンチンのNorberto Insua氏がディレクションし、1ヶ
月以上前から作業に取り組んでいました。朝夕はホテ
ルでパソコンを前に設計と打ち合わせを行い、日中は
現場で施工スタッフと作業にあたるという日々が数日
間続きました。アーティストも早い方は1ヶ月前から現
地入りして作業しており、私がMar del Plataに着いた
現地時間12月1日にはほとんどのアーティストが揃っ
ていました。ただし、その時 Plaza del Agua の会場
はまだなにも手付かずの状態でしたので、設営作業は
オープン5∼6日くらい前になってようやく本格的に始
まったような状況です。それでも施工スタッフの作業
の進行は手早く、また制作の終わった別会場のアーティ
ストが壁塗りの手伝いに来てくれたり多くの人々の協
力があり、なんとかオープニングには間に合いました。
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部屋にテーブル2台と椅子を入れてもらい、ペーパーワークと映像の制作。
部屋が広く、間接照明ではなかったのは幸い。
私の作品については、現地時間12月2日と3日に現
場の下見とキュレーターのVittoria Biasi氏との打ち合
わせの後、3日午後からホテルの部屋に机と椅子を入れ
てもらってペーパーワークを開始。映像の内容を考え
ながらも7日に紙の立体が完成。その後、Mar del Plata
の街を撮りためたiPhoneの画像を単純な3Dモデルにマッ
プして映像を制作。9日深夜にはマッピング映像も完成
しました。オープニング前日11日の午前中になってよ
うやくプロジェクターを設置する壁ができたので、設
置用の台を施工してもらうことに。事前に描いていっ
たメモ用紙の図面を元に現場の端材にパースを描いた
りしながら説明し、夕方にようやくプロジェクターの
現場で端材に描いたプロジェクター設置台のパース図面。
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 7
設置と調整を開始。タイのAmrit Chusuwan氏
にも手伝っていただき1時間以上かけてプロジェ
クターの角度を微調整するも、なかなか紙の立
体に映像が合ってくれない。結局プロジェクター
の台形補正を調整することで問題なく完成とい
う状況でした。
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プロジェクターの設置台を3人掛かりで施行していただいた。
作品記録映像:http://vimeo.com/115411996
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作品タイトル:Shiba at Mar del Plata
2ヶ月かけて準備していた紙の立体に会わせた投影映
像が、立体の輸送が不可能となったため急遽使用でき
なくなった。時間がなかったので、10年前からエディ
ションナンバーを付けて制作していた犬の作品展開図の
データをプリントして持参し、それに合わせた映像は
現地で考案することに。たまたまアルゼンチンでは犬を
見かける機会がとても多かったので、マル・デル・プラ
タの地を素材にした映像、しかも持参したラップトップ
コンピューターの能力を考慮して静止画像を使用する
ことにした。
展示空間は壁が主体で、すぐ手前に犬の立体を置く
ことを考慮し、投影素材画像は壁と床のL字空間を意識
して撮影した。紙を切って犬を組み立てる作業の合間の
食事や買い物のついでに撮影した約100枚の画像から15
枚を選び、3Dソフトウェアに読み込む。
当初作業時間を考慮して単純なL字平面にマップする
つもりであったが、欲が出てそれぞれの画像に合わせ
てモデリングを始めてしまった。投影画像を切り替え
るときに背景モデルをY軸を中心に回転して揺らすアニ
メーションをつけたため、ある程度の立体感がないと
不自然に見えたからだ。モデリングといっても単純な
凹凸をつけただけだが、UVマッピングの調整作業も必
要となるため15種類のモデリングとマッピング作業に
朝から深夜まで作業して2日間かかった。
そもそもこのアニメーションが必要となった理由は、
当初からのテーマが「Wave」で、「時代の動きが波の
ように揺らぎながら繰り返されること。」であったた
めだ。韓国のSoon氏に「波のテーマは?」と聴かれ、
犬の立体とどのように関係づけるか迷った末の策でも
ある。
この波のカットだけは実写ではなく、ディスプレイス
投影壁面の幅は3m。投影距離約3m。床がコンクリートだったので白い紙を貼付けた。
マッピングで作成したCG動画。
乾燥した気候だが、展示期間中持つのか不安。
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 8
カット毎にライティングを合わせてHDR(ハイダイナミックレンジ)でレンダリングしたので、Ⅰカット2秒のレンダリング時間は1時間近くかかった。
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オープニング当日12日の日中は、まだ作業し
ているアーティストの手伝い。台湾のLuoke
Chen氏がDVDプレイヤーの調子が悪く四苦八苦
していたので見せてもらったところ現地調達の
プレーヤーから漏電している様子。別のプレー
ヤーと交換してもらい映るようにはなったが、
今度は画面のアスペクト比が16:9にならない。
プロジェクターを調整しようにもスペイン語表
記しかできないのであとはスペイン語の分かる
Fabio Pennacchia氏にバトンタッチ。結局解像
度が低すぎて投影画面にかなり近づけなければ
ならず、設置台を新たに制作してもらうことに。
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宿泊したホテルでは朝食しか用意されない
ので、昼食と夕食はほとんど外食。昼食は1時
昼食は2時間くらいかかることも。左からFabio Pennacchia氏、Laura Scaringella
氏、Jukka Korkeila 氏、Vittoria Biassi氏、Amrit Chusuwan氏と私。
過ぎから長いときは2時間くらいかかり、終わ
ると4時近くになっていることもあります。
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イタリアの若いアーティ
ストValentina Colella氏は
トラックで大量の土を用意
し、床へ敷き詰める作業中。
外に降ろしてもらった土を
バケツと一輪車で運び込む
作業を皆で手伝うことに。
別会場での設営を終えたア
メリカのGregory Stevens
Vaughn氏はスーツ姿でバ
左奥でスコップを持っている女性がValentina Colella氏。
ケツ運び。ものを作る人た
Gregory Stevens Vaughn氏は、スーツ姿で土
ち同士が国を越えて共感し合える楽しいひと時でもありました。
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO 運びの手伝い。
APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 9
12日の夕方に予定されていたオープニングセレモニー
は市の中心部にあるHall central del Palacio Municipal
(市役所中央ホール)と隣接する劇場Teatro Municipal
Colonで行われました。Gustavo Pulti市長の挨拶の後、
劇場へ案内されて主催者代表の方々5∼6名のスピーチが
延々とありましたが、すべてスペイン語で通訳もありませ
んので皆さん退屈したと思われます。その後歓迎のパフォー
マンスが催されたあと特にパーティなどはなさそうでした
ので、10名程で会場近くの店で軽い打ち上げとなりまし
た。
セレモニーでのスピーチ(上)と後に催されたパフォーマンス(下)。
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笛や太鼓などの民族楽器を使った演奏と動物の被り物を身につけたダンス。
ビエンナーレ参加アーティストのようだが、伝統的なものなのか現代的な
ものなのか判断しにくい演目。
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大型バス2台で会場巡り。
Casa del Puente :通称ブリッジハウス
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翌13日は午後3時に私たちのホテル前に全アーティストが集合し、2台のチャーターバスに乗って主な4会場を見学。
最初にバスを降りたCasa del
Puenteは、1943年から1945年に
かけて建築家アマンシオ·ウィリア
ムズが設計制作したユニークな建
物(通称ブリッジハウス)がある
場所。小川を跨ぐように作られた
コンクリートの建物内と広大な林
のある敷地内にはいくつかのイン
スタレーション作品が設置され、
特にレンズを使ったイタリアの
Fabio Pennacchia氏の作品は多く
のアーティストから注目されてい
ました。
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Fabio Pennacchia氏のレンズを使ったインスタレーション
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 10
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続いて訪れたのはVilla Mitreという古い邸宅を利
用した歴史博物館。ここでは数名のイタリアコミック
の巨匠たちの原画の展示と、私たちと同じくVittoria
Biasi氏に招聘されたイギリス人アーティスト Jill Rock
氏の作品が注目されていました。マル・デル・プラタ
の海岸で採取した貝殻や鳥の死骸などを使った標本の
ようなオブジェとテキスト、およびスピーチによるパ
フォーマンスで構成された作品ですが、私の英語力で
は作品の内容は十分に理解できませんでした。
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Villa Mitreのエントランス
イタリアンコミックの原画
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Jill Rock氏の作品の一部
3カ所めは、私たちの会場Plaza del Aguaと同じくらい
多くの作品が展示されたEspacio Unzué。この建物は昔孤
児院として使用されていたもので、現在は一部美術館として
も使われており、敷地には立派な教会も併設されています。
門から建物のエントランスへ向かうアーチ状の不思議な
並木(左右の樹木が上部でつながっている)にはVittoria
Biasi氏が招聘したフランスのアーティストIsabelle Fordin
氏のファブリック彫刻が吊り下げられています。
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 11
建物内の展示は2階フロアーだけで、エレベーターホー
ルにはアメリカのGregory Stevens Vaughn氏の平面作品が2
点向かい合うように展示され、巨大な一枚の用紙にはインク
を使ったドリッピングによる抽象絵画が描かれています。作
者によると横長の作品は中国を、縦長の作品は日本をイメー
ジしているとのことですが、私には逆に見えると伝えました。
彼は日本や中国など東洋文化が好きな様子で、日本にも何度
か訪れたことがあるそうです。
Gregory Stevens Vaughn氏の作品
エレベーターホールからは左右それぞれ廊下の突き当た
りに展示室があり、右の展示室にはブラジルのJairo Valdati
氏の植物の種を貼って樹木を描いた繊細な作品、同じくブラ
Isabelle Fordin氏のファブリック彫刻。
中央の女性は、フランスのパフォーマンスアーティストEleonora
Chiesa氏で、これからパフォーマンスを始めるところ。偶然にもフ
ランスのアーティスト同士のコラボレーション写真になった。
ジルのCADU, Eduardo Felix Costa氏による焼け焦げによる
平面作品、Suzana Queiroga氏のブルーの2つの気球とネッ
ト状のビニルを用いたインスタレーションなどが展示されて
います。また、イタリアのMarco Bolognesi氏のアクリルマ
ウントされた大きな2枚の写真も印象的でした。
一方左の展示室はキュレーターFortunata Calabró氏の
プロジェクトによる数名のアーティストによるインスタレー
ション、映像、写真の作品が展示され注目を集めていました。
Fortunata Calabró氏による説明がなされましたが、すべて
イタリア語であったため全体を通してのコンセプトは理解で
きず、web上に英語のステートメントが掲載されることを期
待します。
Suzana Queiroga氏と作品
Marco Bolognesi氏の作品
Fortunata Calabró氏(右)と作品
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 12
最後の見学会場は、私たちの展示会場Plaza del Aguaで、3時から始まった会場見学は9時近くになってようやく暗
くなっていました。薄暗い会場でまず目にとまるのは空間に浮かぶ巨大な雲の形をしたバルーンの作品。カナダのAna
Rewakowicz氏が作ったポリエステル製のバルーンは、天井の滑車を通してバランスウェイトにより宙吊り状態にあり、
細い数本のチューブを通してバルーン内部に水が注入される仕組みになっています。一定量の水が内部に充填されると
その重さによってゆっくりと下がり始めます。しかしバルーンには小さな穴が数カ所開いており、雲から雨が降るよう
に内部の水がコンクリートの床に落ちてきます。ある程度雨を降らせた雲は、バランスウェイトの重さによって再び上
昇を始めるといったキネティック要素のある作品。
Ana Rewakowicz氏の作品
その隣にあるのはやはり天井から吊り下げられたアメリカ
在住のイタリアのアーティストCristian Vitale氏の作品。石膏
で型どりされた4000本の人差し指が床を指し示している迫力の
Cristian Vitale氏の作品
ある作品で、吊り元のボードの造形は如何にもイタリアらしい
デザイン。
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床に直接置かれた長さ
10m程の光の作品は、イス
ラエルのShay Frisch氏の
作品。電球ソケットのよう
なユニットを織物のように
つなぎ合わせた几帳面な造
形は一直線の赤い光を描い
ています。詳しい仕組みに
ついてご本人に聴いてみま
Shay Frisch氏の作品(左・上)
したが、専門的な単語が多
く私の英語力では理解でき
ませんでした。
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 13
!
また、キューバのアーティスト
Mabel Poblet氏の鏡の作品もユニーク
です。幅4m高さ2m程の壁に貼られた
美しい鏡はオープン前日の準備中に突如
彼女の手にしたハンマーによって叩き割
れれました。タイミング悪く私はその時
間にたまたま別会場を見に行っていたの
で、そのパフォーマンスの瞬間は見るこ
とができませんでしたが、他のアーティ
ストの話によると、突然のハプニングに
作業していた皆が驚いたようです。 !
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作業中のMabel Poblet氏。 この十数分後に鏡を割ったとのこと。 右は作品の部分。
私の作品の展示風景。作品記録映像:http://vimeo.com/115411996
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その他、タイのAmrit Chusuwan氏、フィンランドのJukka Korkeila氏、台湾のLuoke Chen氏、韓国のSoon Yul
Kang氏、フランスの Isabelle Fordin氏ら滞在中特に親しくさせていただいたアーティストたちの作品もこの会場に展
示されています。
Amrit Chusuwan氏の作品の前で記念撮影。
Jukka Korkeila氏の作品。
左からJukka Korkeila氏、Louke Chen氏、Amrit Chusuwan氏、私。
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 14
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総勢100名以上での
見学会が終わったのは
夜10時近く。その間他
のキュレーターやアーティ
ストとの名刺交換など
もあり、最後に会場前
で記念撮影をした後2
つの店に分かれて打ち上
げとなりました。
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見学終了直後の記念撮影。主にPlaza del Aguaの会場で展示したアーティストとスタッフ。
夜の10時近くになっていた。
翌日14日はそれぞれ観光に出かけたり、買い物
をしたりしてゆっくりとした時間を過ごしましたが、
私は翌15日の朝7時にはブエノスアイレス行きのバ
スに乗り帰路へ。多くの方々は更に3∼4日滞在し
てパフォーマンスや演奏会などの特別プログラムの
見学を予定しているとのこと。また、新年まで時間
をかけてパタゴニアやウルグアイなどを観光する予
定の方もいて羨ましい限りでした。
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私の左から、Louke Chen氏、Amrit Chusuwan氏、Isabelle Fordin氏、
Jukka Korkeila氏。 帰国前ビーチ沿いのレストランでの夕食。
ブエノスアイレスへバスで向かう途中のドライブイン。イギリスのアーティスト
Jill Rock氏と偶然お会いしました。彼女はブエノスアイレスから国内便で最南端
の都市ウシュアイアへ向かうそうで、寒さ対策も万全だとお話していました。
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 15
展覧会概要
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1.会期
2014年12月12日∼2015年2月22日(アルゼンチン、マル・デル・プラタ市)
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[ 2015年1月31日∼2015年3月29日(チリ、パルパライソ及びプンタラレナス)]
2.会場
マル・デル・プラタ市内の9カ所
Hall central del Palacio Municipal
Plaza del Agua
Espacio Unzué
Villa Mitre
Escuela Pasquala Mugaburo ‒ Mural
Casa del Puente
MAR ‒ Museo de Arte Contemporáneo
Museo Castagnino
Villa Victoria
3.参加作家
世界35カ国・地域から 150名以上の作家・グループが参加(「作家リスト」p.19∼)。
第4回のテーマ「コントラスト&ユートピア」のもと、作品の展示や演奏、
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パフォーマンスを行う。
4.総合ディレクター
Massimo Scaringella [マッシモ・スカリンゲラ]
( 現代美術インディペンデントキュレーター、
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前衛文化事業ars maxjer 創設者、ローマ及びブエノスアイレス在住)
5.キュレーター
Massimo Scaringella(イタリア)
Vittoria Biasi(イタリア)
Alessandro Demma (イタリア)
Paolo Angelosanto(イタリア)
Micol Di Veroli(イタリア)
Fortunata Calabró(イタリア)
Daniel Rangel(ブラジル)
Rafael Raddi(ブラジル)
Maurizio Scudiero(イタリア)
Ruggero Maggi(イタリア)
Loredana Manca(アルゼンチン)
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 16
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6 .主催
アルゼンチン
アルゼンチン文化省
アルゼンチン社会開発省
アルゼンチン観光省
INPROTUR(観光振興国立研究所)
INAMU(国立音楽院)
ブエノスアイレス州政府
マル・デル・プラタ市および町村
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7.助成・協賛
イタリア外務省
イタリア観光省
チリ文化芸術省・国家評議会
国立音楽院(イタリア)
記念財団ラテンアメリカ議会(ブラジル)
イタリア文化会館(ブエノスアイレス)
デラウェア大学(米国)
CAS-The College of Arts & Sciences at Boston University(米国)
韓国文化センター(ブエノスアイレス)
横浜美術大学(日本)
世界芸術文化交流(タイ)
イタリア大使館(アルゼンチン)
イタリア大使館(チリ)
イタリア領事館(マル・デル・プラタ)
ローマ美術アカデミー
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IGAV- Garuzzo現代美術研究所(イタリア)
備考:
2015年1月25日時点で、ビエンナーレ全体の入場者数は把握されていませんが、Plaza del Agua会場では
連日600人から800人の入場者があるとの報告がありました。
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展示会場Map
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展示会場はマル・デル・プラタ市内の9カ所。
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は、滞在中に展示完了し、見学可能だった会場。
MAR – Museo de Arte Contemporáneo
Espacio Unzué
Escuela Pasquala Mugaburo – Mural
Hall central del Palacio Municipal
Case del Puente
Museo Castagnino
Villa Victoria
Plaza del Agua
Hotel Realidad
Villa Mite
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 18
参加アーティスト(会場と作家名)
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世界35カ国、約150名のアーティストが参加。
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Hall central del Palacio Municipal!
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市役所中央ホール!
Dirección Hipólito Yrigoyen 1627!
Teléfono +54 223 499-6500!
Horarios Lun. / dom. de 16:30 – 21:30 hs.!
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Artistas!
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Egar Murillo !
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Argentina!
Marco Zanin !
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Italia!
Ángel Marcos ! !
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España!
Teresa Emanuele !
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Italia!
Matteo Basilè ! !
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Italia!
Francesco Candeloro ! !
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Italia!
Eduardo Pla!
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Argentina!
Rogelio Polesello!
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Argentina!
Ravi Agarwal ! !
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India!
Murat Cinar !
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Turquía!
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La Nave de Plaza del Agua!
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水の広場!
Dirección calle Güemes y Roca!
Horarios Lun. / dom. de 16:30 – 21:30 hs.!
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Artistas!
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Jukka Korkeila ! !
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Finlandia!
Andres Denegri !!
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Argentina!
Elisa Bracher ! !
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Brasil!
Renato Dib !
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Brasil!
Anita Calà !
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Italia!
Luoke Chen !
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Taiwán!
Liliana Porter ! !
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Argentina!
Tracey Moffat ! !
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Australia!
Joan Jonas !
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EE.UU.(合衆国)!
Marinella Senatore !
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Italia!
Shay Frisch !
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Israel!
Sandra Nakamura !
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Perú!
Carlo Bernardini !
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Italia!
Amrit Chusuwan !
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Tailandia!
Valentina Colella !
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Italia!
Giulio De Mitri ! !
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Italia!
Isabelle Fordin ! !
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Francia!
Franco Ionda ! !
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Italia!
Soon Yul Kang ! !
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Corea!
Toshihiko Kato ! !
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Japón!
Emanuela Lena !!
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Italia!
Daniela Monaci !!
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Italia!
Rossella Piccinno – Fiorella Rizzo ! !
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Italia!
Ana Rewakowicz !
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Canadá!
Cristian Vitale ! !
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Italia!
Mabel Poblet ! !
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Cuba!
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4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 20
Espacio Unzué!
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ウンソーエの空間(旧孤児院)!
Dirección Rio Negro 3500 y La Costa!
Teléfono +54 223 474-1288 / 472-0007!
Horarios Lun. / dom. de 16:30 – 21:30 hs.!
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Artistas!
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Stevens Vaughn !
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EE.UU.(合衆国)!
Stefania Fabrizi !!
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Italia!
Alessandro Scarabello !
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Italia!
Renata Padovan !
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Brasil!
Cadu, Eduardo Felix Costa ! !
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Brasil!
Suzana Queiroga !
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Brasil!
Carlos Emilio de Sá e Silva ! !
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Brasil!
Jairo Valdati !
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Brasil!
Narda Zapata ! !
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Bolivia!
Marco Bolognesi !
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Italia!
Ana Tiscornia ! !
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Uruguay!
Jorge Canale ! !
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Argentina!
Juan del Gado ! !
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UK!
Ignacio Acosta ! !
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Chile!
Regina José Galindo ! !
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Guatemala!
Omar Castañeda !
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Colombia!
Bianco-Valente ! !
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Italia!
Karen Cytter !
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Israel!
Rosa Jijon !
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Ecuador!
Susan Kleinberg !
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EE.UU.(合衆国)!
AfterAll ! !
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Italia!
Filippo Centenari !
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Italia!
Paolo Grassino !!
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Italia!
Paolo Leonardo !
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Italia!
Eleonora Manca !
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Italia!
Moio & Sivelli ! !
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Italia!
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4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 21
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PABELLON TIBET Italia!
Artistas: Piergiorgio Baroldi, Carla Bertola – Alberto Vitacchio, Giorgio Biffi – Franco!
Ballabeni, Mariella Bogliacino, Giovanni Bonanno, Rossana Bucci, Nirvana Bussadori,!
Rosaspina B. Canosburi, Silvia Capiluppi, Domenico Castaldi, Pino Chimenti, Teo De!
Palma, Albina Dealessi, Marcello Diotallevi, Annamaria Gelmi, Bruno Gorgone, Oronzo!
Liuzzi, Fabrizio Martinelli, Gianni Marussi – Alessandra Finzi, Fernando Montà, Clara!
Paci, Lucia Paese, Marisa Pezzoli, Benedetto Predazzi, Mario Quadraroli, Giovanni
Sedda,!
Cesare Serafino – Lucio Tiziano Serafino, Elena Sevi, Ilaria Sperotto, Roberto Testori,!
Micaela Tornaghi.!
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Villa Mitre!
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マイター邸!
Dirección Lamadrid 3870!
Teléfono +54 223 495-1200!
Horarios Lun. / dom. de 16:30 – 21:30 hs.!
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Artistas!
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Comics che passione!!
Maestros del Comic italiano desde los años ‘30 hasta nuestros días Italia!
Algunos de los autores: Athos Cozzi; Guido-Moroni Celsi; Kurt Corrado Caesar; Tony!
Chan Antonio Canale; Aurelio Galleppini; Carlo Cossio; Giuseppe Cappadonia; Gino!
D’Antonio; Studio Esse-G-Esse; Guido Zamperoni; Roy D’Amy Rinaldo Dami; Sergio!
Tarquini; Antonio Terenghi; Antonio Rubino; Giam Battista Carpi; Giulio Chiechini; Hugo!
Pratt; Franco Caprioli; Francesco Gamba; Franco Bignotti; Franco Donatelli; Raffaele!
Marcello; Gallieno Ferri; Mario Uggeri; Nevio Zeccara; Mario Caria; Gemano Ferri; Sergio!
Romagnoli; Giorgio Cambiotti; Sergio Zaniboni; Magnus Roberto Raviola; Guido Crepax;!
Dino Battaglia; Erio Nicolò; Franco Oneta; Benito Jacovitti; Carlo Ambrosini; Alarico!
Gattia; Marco Torricelli; Giancarlo Alessandrini; Angelo Stano; Giampiero Casertano;!
Marco Nizzoli; Milo Manara; Stefano Biglia; Valerio Piccioni; Simone Bianchi.!
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Sebastiano Mauri !
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Italia!
Alketa Ramaj ! !
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Albania!
Endri Dani !
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Albania!
Jill Rock ! !
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UK!
Fabio Mauri !
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Italia!
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 22
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Escuela Pasquala Mugaburo – Mural!
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パスクラ ムガブル学校ー壁画!
Dirección sobre calle Mitre entre 9 de Julio y 25 de Mayo!
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Artistas!
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Ana Ruas !
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Brasil!
Opiemme !
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Italia!
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Casa del Puente!
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ブリッジハウス!
Dirección Matheu 3993!
Teléfono +54 223 473-8290!
Horarios Lun. / dom. de 16:30 – 21:30 hs.!
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Artistas!
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Rafael Gómezbarros ! !
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Colombia!
Pascal Schwaighofer ! !
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Suiza!
Fabio Pennacchia !
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Italia!
Angelo Marinelli !
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Italia!
Zaneta Vangeli ! !
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Macedonia!
Jane Chalovski !!
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Macedonia!
Gruppo OPA !
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Macedonia!
Nada Prlja !
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Macedonia!
Grimanesa Amorós !
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Perú!
Duniesky Martín !
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Cuba!
Tim Parchikov ! !
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Rusia!
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 23
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MAR – Museo de Arte Contemporáneo!
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MAR - 現代美術館!
Dirección Av. Félix U. Camet entre López!
de Gomara y F. Acosta!
Teléfono +54 223 471-6792!
Horarios Lun. / dom. de 16:30 – 21:30 hs.!
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Artistas!
Jia !!
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China!
Katja Tukiainen !!
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Finlandia!
Daniela Perego !!
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Italia!
Fabrizio Passarella !
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Italia!
PROYECTO ESPECIAL!
“ARTE MARPLATENSE EN LA BIENAL”!
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Museo Castagnino!
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カスタニーオ博物館!
Dirección Av.Colón 1189!
Teléfono +54 223 486-1636!
Horarios Lun. / dom. de 16:30 – 21:30 hs.!
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Villa Victoria!
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ビクトリア邸!
Dirección Matheu 1851!
Teléfono +54 223 492 0569 // 495 7028!
// 492 2193 // 493 0651!
Horarios Lun. / dom. de 16:30 – 21:30 hs.!
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4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 24
ビエンナーレに参加して。これからのアート
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今回参加した第4回 BIENAL DEL FIN DEL MUNDO は必ずしも世界的知名度がある展覧会とは言えませんが、
前途のように初回からその地理的条件に合致した独自性ある尚且つ地球規模の視点を持っています。今回世界中からの
アーティストたちと時間を共にして感じたことは、それぞれ異なる表現手段でありながらも、世界の社会や民族、文化
が抱える問題をテーマとして制作に取り組んでいるということ。時流や最先端の技術に囚われず、表現を自由に選択す
ることで目的が全面に押し出された作品を制作しています。またそれぞれ母国に対する愛情を持ちながらも、国境を越
えて自由に制作活動しているアーティストが多く、大らかで豊かな精神性を感じさせられました。またアートに対する
価値観が特別なものではなく、アーティストという職業に誇りを持ち、社会において重要な役割を担っているという考
えの元に自国からも大きな支援も受けています。
今回日本人が私ひとりということで言葉に対する不安がありましたが、イタリアのスタッフの皆さんや参加したアー
ティストの方々に助けられ、最低限のコニュニケーションはとれましたが、やはり込み入った話や作品に関する話題に
はついていけませんでした。周りの方々の話では大学の教員であれば半年間程度の留学支援制度も多くあるようで、羨
ましく思うこともありましたが、ものをつくる人としての連帯感は、言葉を超えるものだとも感じました。
日本では近年グローバル化が唱えられいますが、大切なのは小学生から英語授業を取り入れることではなく、いか
にして世界規模、地球規模の視点を持つようにするかであり、しっかりした目的意識を持つような教育こそ新しい世代
を育てます。資本主義が行き詰まりつつある現代において、日本の政治の動きや国民の思考はさらに袋小路へ向かって
いるように思われ、クールジャパンとして漫画・アニメなどのジャパニーズサブカルチャーが世界的に注目されたこと
で国としての文化的安心感が広まっているようですが、すべてインターネットの動画サイトが普及したおかげであって、
日本からアクションは何もなく、ここ十数年新しい文化・芸術は何も生まれていません。
広い視野を持って思考することで自然と他者への関心も深まり、人と人との関係を築くことで表現も多様になり、
他者への貢献への欲求も深まっていく。そういう考え方が根付けば自ずとグローバルな思考へとつながっていきます。
手段よりもまず目的に目を向ける必要があり、世界へ目が向けば言語の違いは些細なものとなり、自然と克服されるで
しょう。
今回のビエンナーレに限らずアート作品は「もの」から「こと」を重視する傾向にあります。物体としての作品だ
けでなくそれを取り巻く事柄、しかも後付けのステレオタイプなものではなく、だれもが驚くようなユニークな裏付け
が必要です。こういった作品を作るには多様な環境や人と関わり、広い視野で物事を思考することが重要になります。
また一方、展示作品そのものよりも、その瞬間、その空間でしか体験できないようなパフォーマンス、あるいは作
品が成立するまでのプロセスのユニークさなども重要な要素となっています。絵画、写真、映像、立体、空間など表現
手段はその結果であり、そこに至るプロセスが「こと=行為」として作品となって鑑賞者の心を捉えます。
インターネットの普及で画像や映像が手軽に手に入るようになった時代であるからこそ、その場やその時間でしか
体験できないアート作品が重要視されるようになっています。音楽においてはCDはおろかオンライン配信による楽曲の
売れ行きすら下降線を辿る中で、ライブのチケット販売数は上昇を続けているのもその現れのひとつだと思います。情
報化社会といわれる時代はそろそろ過去の歴史となり、次の世代は実体験こそに最も重要な価値を見いだす時期になる
でしょう。その前に超高度化したバーチャルメディアの時代が一瞬来るかもしれませんが。
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4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 25
今後の可能性 - 本学との関係
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ビエンナーレおよびローマ、フィレンツェの美術アカデミーとの関係構築について、すべては本学のアクション次第
だと考えます。次回ビエンナーレへの参加の可能性としては、学生ボランティアを申し出ることで何らかの形で作品発
表ができるかもしれません。ただし現時点では次回も今回のようにイタリアの関係者が関わるかは分かりませんので、
もしそうでない場合は関係を築くためのハードルは高くなると思います。
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ローマ、フィレンツェの美術アカデミーとの関係構築については、本学から何らかのアイディアを提案することで可
能性はあるかもしれません。韓国嶺南大学との関係のように交流展を行うことも可能性としてはあり得ますが、少なく
とも本学が動かない限りは何も生まれないでしょう。
いずれの場合も、地理的条件を考慮すると多くの費用と時間を必要とします。短期的費用対効果を期待するのであ
れば無駄な出費になるでしょう。ただし学生へ教育効果という意味では、長い目でみて大きな成果が得られると考えま
す。
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4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 26
謝辞
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今回のBienal del Fin del Mundoで、作品設置から日常のサポートまで大変お世話になったMassimo Scaringella
氏とVittoria Biasi氏を始めとするイタリアおよびアルゼンチンスタッフの皆さん、またAmrit Chusuwan氏を始めとす
る多くの参加アーティストの皆さんに感謝いたします。そして、Vittoria Viasi氏をご紹介頂き、渡航までのご支援と滞
在中のメールでのサポート等大変お世話になったギャラリー夢創館の中西路留 氏にお礼申し上げます。
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「Bienal del Fin del Mundo」<http://bienaldelfindelmundo.org/>(2015/1/17)
「La Bienal del Fin del Mundo 2014 アーティスト」<https://www.facebook.com/
bienaldelfindelmundo4?fref=ts>(2015/1/17)
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La riproduzione è vietata.
4° EDICIÓN DE LA BIENAL DEL FIN DEL MUNDO APERTURA DE LA SECCIÓN MAR DEL PLATA, ARGENTINA 27