月刊JASTPRO PDF 2015年2月号

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2015- 02
今月号の内容
記事1.◇連載◇ 貿易の実務と理論
(6)…………………………………………………… 1
早稲田大学名誉教授 椿 弘次
記事2.NACCS貿易管理サブシステムの概要と電子申請のメリット ……………………… 9
記事3.平成26年度JASTPROセミナーを開催
(開催結果報告) ………………………… 16
記事4.UN/LOCODEの新規承認 ………………………………………………………… 18
記事5.国連CEFACTからのお知らせ ……………………………………………………… 20
記事6.
『ばいざういんどせいらー』
日本列島船の旅
〔船旅は国境を越えて②〕 ……………………………………… 21
=JASTPRO広報誌電子版のご案内=
裏表紙にJASTPRO広報誌電子版のご案内を掲載しておりますので、ご参照下さい。
JASTPRO
◇連載◇
記事1. 貿易の実務と理論
(6)
早稲田大学名誉教授 椿 弘次
1.前号の結び
(Incoterms とa reasonable commercial sense)
を受けて
Incotermsの貿易取引における相対的な地位について、とりわけ、国際商品取引の世界では、
「
“一般”は
“特別”に劣後する」との関係にあることを前号の「貿易の実務と理論」
(5)において指摘した。すなわち、
Incotermsは、特定の商品や地域に限定せず、売買の仕切り取引を前提に定型的取引条件として、10 項
目にわたって当事者の義務を定義したものである。したがって、特定の業界団体が作成した標準約款
(standard terms and conditions)や個別の主要企業が多数の顧客を対象に受け入れを求めたいとの趣
旨で作成している売買書式(sales and purchase forms)が(附合契約性を帯びた)特別約款にあたり、
Incotermsは任意規則としてそれらの約款に対する補充的機能(default rules)を果たすに過ぎない。この
ような場 合に、FAS, FOB, CIF, CFRの伝 統 的な4 条 件 が 選 択されるとしても、 売 買当 事 者の義 務
(IncotermsのA3 ∼ 6, B3 ∼ 6)に関する規定だけでは十分対応し難いであろう。とりわけ、傭船契約の売
買契約に及ぼす影響が大きい。
海上貨物運送契約において一般雑貨(general cargo)
と称される商品を、主たる売買対象とする取引に
おいて、物流が定期運送サービスにより担われる場合を想定しているIncoterms® 2010の7 条件について
は、貿易取引の交渉の指針として有益である。とりわけ、価格条件、引渡条件として、当事者の義務を定義、
解釈する重要な指針となる。このため、売買契約への援用約款(trade terms clauseあるいはincorporation
clause)が重視される。国際コンテナ運送で、従来の一般公衆運送(common carriage)の性質が色濃く
残っている場合には、この点が最も良く妥当するだろう。しかし、数量ベースで半期や1 年間の包括的な運
送契約(service contract; SC)の場合には、荷送人(売主)
と国際一貫運送事業者の関係が大きく影響す
るので、どちらかと言えば、CIP, CPTの選択になるだろう。そして、継続・反復的な売買取引関係が前提
になる1。
2.伝統的な海上売買の 4 条件と標準売買約款
国際商品、とりわけ、国際商品取引所が発達している商品の場合には、主要企業や同業者団体(trade
association)が標準売買書式(standard sales and purchase form)を制定し、それを基に交渉を取りまと
めることが、普通になっている。それらの書式は、詳細な取引条件を定め、Incotermsより相当多くの条項
を設けている(後述のGAFTA No.119(FOB)の場合、それぞれ詳細な27 か条の条文で構成されてい
る)。したがって、Incoterms は、売買当事者の義務配分の基本を示すものにとどまり、取引の具体的条項
には影響を与えることは少ないように思われる。例えば、イギリスの同業者組合の穀物・飼料穀物取引協会
(GAFTA=The Grain and Feed Trade Association)の標準書式は、FOB ベースの書式とCIF ベース
の書式に大別し、これに出荷地域別の商品事情を加味したものになっている2。
1 いわゆるBuyers Consolidation が物流業者により行われるときは、FCA 仕入売買になるだろう。
2 GAFTAについては、http://www.gafta.com/ でアクセスし、
「Contract」で約款類を知ることができる。邦語文献として、
岩崎一生「穀物の国際取引と英国GAFTA標準契約書式」
『愛媛法学会雑誌』第 8 巻 1 号(1981)
、p.41 以下がある。
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また、某石油メジャーの販売子会社作成の標準書式は、A4用紙 60 頁近い分量であり、FOB, CIF, CF
Rの他に、Incoterms® 2010には見られないEx Tank, Free into Pipeline(FIP), DES(delivered ex
ship)などの条件を定めている。これは、原油の他に、石油製品の売買を対象に加えていることによるものと
思われる(このような国際商品が、ロンドン、ニューヨークなどの国際商品取引所で、現物、先物などの取引
が盛んに行われていることは周知のところである3。その市況も、日本経済新聞、The Financial Timesなど
の経済専門紙に報じられているので、取引単位や採算ベースの一端を窺い知ることができる。原油や石油
製品は、FOB 系が目立ち、油脂関係はCIF 系であることが伺える。実際には、FAS 条件を除いて伝統的
な海上売買条件毎に、また積出地域・産地別の標準約款も作成されている。前注 2のGAFTAのホーム・
ページ参照されたい)。
そこで、GAFTA Contract No.119(2006 年 1月発効)
、FOB 条件での飼料用穀物売買と前述の石油
並びに石油製品の売買契約書式を参考に、伝統的な海上売買契約の主要条項について説明、検討を加
えたい。GAFTAについては、Contract No.100(2006 年 1月発効の積み出し品質条件[Tale Duale]
CIF 契約)を必要に応じて、対比したい。
なお、伝統的な標準的海上売買条件が採用される取引は、この2 商品に限らないが、一応、液体貨物と、
いわゆるdry bulkと呼ばれる商品を代表するものとして穀物を、まず最初に取り上げてみたことをご理解頂き
たい。日本の穀物類の輸入量は、年間約 3,000 万トンであり、石油並びに石油製品の輸入額は、輸入にお
いて第一位にある4。したがって、日本の貿易商品構造からすれば、主として輸入貿易実務に関係して説明
することになる。
これらの4 条 件 は 貿 易 取 引 条 件として、とりわけFOB, CFR, CIFは 古くから使 用されてきたが、
Incoterms® 2010 年版では、もっぱら内水を含む水上(海上)運送に限定し、概ね、在来船による航海傭
船契約(voyage charterparty)を対象にしていると思われる条件として再定義された。荷主である傭船者
による航海傭船は、現物単航(spot and single)型を前提にするが、継続的取引の場合には、航海傭船と
いうよりもいわゆる数量契約(COA=contract of affreightment)になることもある。この種の契約では、特
定の船舶よりも、船型(size)を重視し、一航海あたりの運送量と一定期間(通常、1 年間)の航海数を掛け
た総運送量の安定的運送に重点が置かれる。The Baltic and International Maritime Conference
3 日本の穀物取引に関係が深いシカゴ商品取引所(Chicago Mercantile Exchange:CME)
は、会員制(取引所の会員でないと取引
に参加できない仕組みである。会員資格とdealing の資格がないと取引に参加できない。会員資格を持たないと、実需企業と言えど
も、仲介資格(brokering)を持つ企業を介して取引する仕組みである。ついでながら、20 年以上の昔、ロッテの選手だった、
Roger Altmanはシカゴ商品取引所のbrokeringの資格を取って仕事をしていた。
直先の差額取引で儲ける
(全体としては、zero-sum game. ばばを引くのは誰かが問題である)仕組みとなっている。先物の契約を
$90 で空売り
(short)
し、直物の値下がりで$50 で仕入れ、$90 で売ると$40ドルの儲けになる。裏返すと、$90 で買予約したものは、
損を承知で$50 でしか売れない直物を退蔵して
(long)値上がりを待つ余力があればよいが、それがなければ大損をする。原油供給
者は、期近物の急激な値下がりを前にして、これを調達し割高になっている期先物の売りに充てるべく大型タンカーに大量の原油を
備蓄して、タンカー保管料を上回る利ザヤを狙っていると報じられている
(日本経済新聞、2015 年 2月3日朝刊市況欄参照)。
鉄鉱石、石炭の貿易取引については、別の機会に譲りたい。なお、やや事例としては古いかもしれないが、概要が理解できるものと
して、浜谷源蔵『最新貿易実務』同文舘出版、2008 年、輸入編(pp.339-332)
に掲載の「鉄鉱石の輸入契約書」がある。自動車(完
成車)
、鋼材、鉄道車両、プラント類などの輸出も、傭船契約による物流ベースの海上売買になるが、紙幅の都合もありここでは取
り上げない。
4 商品別の輸入統計については、各年の財務省貿易統計および日本国勢図会の各年版を参照されたい。
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=BIMCO が 1982 年に制定し、日本海運集会所も採択しているコード・ネームVOLCOA 契約書式が有名で
ある。いずれであっても、航海に関する通常の業務・作業自体には大きな差異はない 5。
コンテナ船と同様、航海傭船による輸入運送については、船舶の規模の経済性が良く機能するので、大
型の専用船が優先的に使用される。したがって、一航海あたりの取引数量も必然的に大量になる。穀物専
用船の場合、6,7 万トンから10 万トンを超える船舶も珍しくない。そして、船腹利用の効率から満船積(full
and down、あるいはfull and complete)が原則とされる6。このため、輸入者が一社になるとは限らない。
したがって、共同輸入仕入れが組織されなければならない。供給者である輸出者ならびに運送人(傭船船
主)に対する交渉の窓口(幹事会社、旗振り商社)が必要であり、共同輸入者の利害の調整、荷捌きの連
携を図る必要があるからである7。 ジャン・ランバーグ(新堀 聰訳)
『Incoterms® 2010の手引き』
(国際商業会議所 日本委員会)
、
2012)
によれば、
FAS, FOBの意味も、傭船契約の厳格な条件によって決まってくると指摘されているように(同
書、pp.28, 70)
、4 条件と傭船契約の関係を十分に点検する必要がある。前述のように、航海単位の航海
傭船が中心になるだろうが、長期の開発輸入契約に基づく需要家の引取契約(生産物分与契約 =product
sharing contractの形をとる場合が多い)の場合には、数量契約や定期傭船が選択されるされることもあろ
う。取りあえず、航海傭船に焦点を当てたい 8。
この傭船契約の当事者になる傭船者は、FOB, FASの場合には、買主である。これに対し、CFR,CIF
の場 合には売 主が傭 船 者になる。 前 号で触れたように、傭 船 契 約当事 者でないFOB, FASの売 主
(shipper)
とCFR,CIFの場合の買主の立場は慎重に扱われなければならない。とりわけ、出荷地における
積荷役作業、仕向地における揚げ荷役作業のそれぞれに関する売買契約上の責任と経費の負担と傭船契
約の条件との調整を十分に行う必要がある。具体的には、積荷役との関連では、売主側の積み荷の準備
完了(cargo readiness)
と買主(=charterer)手配の本船の入港と積荷役準備整頓(N/R to load)の間
の調整および荷役のために必要な碇泊期間(laytime, laycan)の計算条件が、FOB, FASの場合には、
特に納期の条件との関連で重要になる。これに対し、CFR,CIFの場合には揚げ荷役の作業計画と本船の
揚げ荷役準備整頓(N/R to discharge)の調整が、運送人と買主の間で傭船者である売主を介して行わ
れなければならない。このように、荷役作業およびその経費負担について、運送人が「積み揚げ船主無関係」
(free in and out=FIO)を基本とするので、傭船契約当事者と売買契約当事者のそれぞれの間での緊密
な連絡、調整をはかることが必要である。このため、船積み代理店(shipping agent)や船舶代理店(ship's
agent)を、傭船契約関係者は積み地や仕向地に設けることが必要な場合もある。例えば、港湾への入出
港に伴う届出、最新の水路情報、港湾当局との折衝による碇泊錨地の確保など、売買当事者間で協力す
べき事項も少なくない 9。これらは、傭船者が負担する安全港の担保(safe port warranty)
や着船(arrived
ship)の確定時点に関連し、碇泊期間の計算に影響する。すなわち、指定港の港域内に入り、検疫などの
5 日本の海運ビジネスでは、製造業者などの実需家との企業間関係が緊密で、積荷保証や定期傭船が多く現物単航は比率的には
少ないが、それでも現物単航の市況の影響を受ける
(『日本経済新聞』2015 年 2月13日付け朝刊、p.23 参照)。
6 新造船の船舶情報の一端は、雑誌『海運』
(日本海運集会所刊)
に毎号掲載される竣工船を参照されたい。
7 浜谷、前掲書、
「無仕切積み合せバラ荷の揚げ荷捌」、p.382 以下参照。
8 航海傭船の標準的な書式については、日本海運集会所編『新訂 対訳航海傭船契約書式集 Ⅰ』
(同所刊)
、2000 が参照に有益で
ある。
9 これに関しては、日本の港湾における電子情報交換システム、港湾EDIに密接な関係があるので、過日開催の平成26年度JASTP
ROセミナーの資料に掲載の「我が国港湾 EDIシステムのASEAN 諸国への展開について」
を参照。
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諸条件を満たせば陸上との行き来が認められ(free pratique)
、荷役準備整頓通知を発することができる
port charter と指定の埠頭に投錨して先の通知を出せるberth charterに分類され、碇泊期間の計算の
起算点が異なる。また、安全港の担保は、安全に入港でき、かつ、荷役期間中に常時浮揚でき、荷役完
了後に無事出航できることを意味している。このような点は、意外と重要であり、その概説は、やや古い資料
だが、E.R. Hardy Ivamy(日本海運集会所訳)
『実用海上運送契約』
(日本海運集会所)
、1987と、新し
いところでは、谷本裕範・宮脇亮次『新・傭船契約の実務的解説』
(成山堂)
、2008、および Gencon 書式
(1994)第1条などを参照すれば理解できるだろう。
2‒A.GAFTA Contract No.119について
これは、ロンドンの業界団体である穀物・飼料穀物取引協会が制定した飼料用穀物のFOB 条件の標準
売買契約書式である。交渉に当たっては、個別交渉事項は、この書式では空白または選択式とされている
ので、いわゆるメモランダム(成約メモ)を基にブローカーを介して個別交渉事項をとりまとめ(第 4 条、仲介手
数料条項)
、詳細はsubject to Contract Form 119として、標準書式に統合される(integration)形をとる
ものと思われる(この書式から、ブローカーとの間で受発注するメモランダムに記載される事項は、商品の明
細、数量、品質決定方法、納期、決済などのいわゆる基本条件に限られるだろう。その上で、追加・修
正の約款=riderを適宜添付するか、基本書式に手書きで書き入れて、具体的調整が図られている)。すな
わち、メモランダムで基本合意に達し、それ自体としては「契約書」の体裁に不十分なものもあるだろうから、
現物を取引するときには、subject to contract(契約書の作成を条件として)
との文言に従い、取引条件の
詳細についてメモランダムを基に調整し確認される。調整の基準は、選択される標準書式(e.g. GAFTA,
FOSFAなどの書式)から適当な条件が選択される。いわゆる、書式の争い(battle of forms)はないと思
われる。
この種の商品の取引は、このように並行的に航海傭船契約の交渉も行うべきであり、その交渉の成否は
積込み数量、本船の入出港と納期に影響する。したがって、傭船ブローカーなどからの適船の情報を参考
にしながら、売買契約と傭船契約の取りまとめの後先の選択および調整も重要である。調整の重要課題の
一つは、手配している船型と港の水深、バースの位置、荷役設備の能力などの物理的条件、荷役作業に
対する業務および経費の分担、納期の幅のとり方、碇泊期間、積み取り数量などであろう。
数量条項(第 2 条)では、5%の過不足の許容範囲内での積数量の指示の選択権が買主に与えられてい
る。FOB 条件では、本船の手配義務が買主にあるので、この選択権の決め方は妥当と思われる。しかし
ながら、数量条件を満たす適船を探すことは容易でない。見つかったとしても、遠くバラスト航海(空荷での
航海)が必要で、売主の契約品準備との間で、積み地回航に要する時間のことも顧慮しなければならないか
ら、納期の調整に影響する(もっとも、納期は月単位で決められ、適時に予告すればさらに一ヶ月以内の期
間につき延長も可能であるから、さほど深刻にならないかもしれない)。船型が大きすぎると航海傭船の満船
積の原則に反し、空荷運賃(dead freight)の支払いの負担が生じることもあろう。これを避けるためには、
5%の枠を修正して積数量を増加させることもありうるだろう。さらに市況を考慮して、許容範囲を選択する必
要もある。市況が騰勢にあるときは、買主は割安の価格条件での調達量を増やしたいであろう。本船の指
名権と積込み数量の過不足の選択権が買主に与えられていることで、FOB 条件は相対的に買主に有利な
条件である。
買主による本船の指定通知について一定の猶予期間の設定が認められている(第 6 条、Period of
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Deliveryの「Nomination of Vessel」参照)。したがって、時期(time)に関する条項は、契約の重要な
条件(condition)
とされ、その違反は相手方に契約解除権を与えるとのイギリス契約法の原則が適用される
(第 5 条では、品質に関しても「物品の引渡は良好な状態で行われるべきものとする」と規定し、わざわざ「条
件」
(Condition)
と明記している)。このため、第 6 条の納期(Period of Delivery)に関する規定では、納
期の決定を本船の指名権を持つ買主の要請[Buyers' call]に基づくものと定めている。Contract No.100
(CIF)では、これとは対照的に、売主が本船指名権をもち、船荷証券への積み込み期日(actual date of
loading)の記載をもって船積みの証拠とすると規定している。
FOB 条件であるので、買主が本船手配を行い、売主に本船についての詳細を事前に通知すべきこととし、
本船名、積荷役開始予定日、本船の見込み積載トン数などがこの詳細に含まれ、積荷役開始予定日は納
期限内に収まっていなければならない。本船は、契約品の運送に適した穀物専用船(第 7 条「船積みおよび
船級」に規定するsuitable vessselと言う文言は、燻蒸済を含む湛貨性(cargo worthiness)を意味する)
であり、ロンドン保険業者協会の船級における第一級(the first class;Clasa AⅠ)の船舶でなければなら
ない 10。
契約品の積込みは、特段の合意がないときは、船積み港の慣習に従い、船荷証券は船積みの証拠とさ
れる(この点は、碇泊期間条件にかかわる荷役作業日の条件を尊重する趣旨であろう)。前述のように、納
期の延長については1ヶ月を超えない範囲で許容されるが、買主が納期限の最終日直後の営業日内にその
旨の通知を売主に与えることが前提である。延長期間中の契約品の管理は、買主のリスクと費用で売主が
行うものと定めている。
この契約品の本船積み込みに関して留意しておくべき点は、航海傭船契約の荷役条件に関する約款の
選択と契約品に関する滅失・損傷の危険の移転の時期の問題である。航海傭船契約の一般的約款である
Gencon(1994)第 5 条(船積み/ 荷揚げ)によれば、運送品の本船への持ち込み、船積み、積み付け、お
よび /もしくは荷均し、固縛・固定の経費は傭船者負担である(これはF.I.O.S.T. 約款として知られる)。これ
に対し、Nippon Grain Charter Party(1998)第 14 条は、船長、港長などにより船舶の安定性確保から
要求される場合の積み付け、荷均し、固縛などの経費は船主負担とするが、運送品の商業的な荷役経費
は傭船者負担と解される。このため、出荷地における荷役経費の負担について、Incoterms® 2010の
FOB 売主の義務(A4)と異なり、その注釈に示されているように、売買契約上は、FOB, stowed and
trimmedと取り決められるのが一般的である。この約款の有効性は、イギリスの貴族院で承認されている
(The Jordan Ⅱ
[2005]1 Lloyd's Rep.57(HL))。そして、売買上も出航準備完了まで、運送品は売主の
危険負担の下にあると解されている(田中庸介、判例批評、
『海事法研究会誌』第 178 号(2004), p.16 参
照)。しかしながら、本船の湛航担保義務の船主負担の原則を考慮すると、Nippon Grain Charter
Party 第 14 条の趣旨も重要であり、また、積荷役は[under the supervison of the Captain]とNYPEの定
期傭船契約第 8 条に規定されている点からも、積荷役と本船の堪航性の関係は微妙であり、したがって傭
船関係者間における経費負担および売買当事者間における契約品の危険負担の課題は慎重に扱われるべ
きである11。
10 前掲、
『 Incoterms® 2010の手引き』、CFR, CIF 売主の義務 A3 a)
および注釈 pp.184-185 参照。
11 これらの点について、黒沢健一郎「FIOST約款による運送人の義務違反の回避」
『海事法研究会誌』第 226 号(2015 年)
、p.26
以下を参照されたい。筆者も、NYPE Time Charter 第 8 条を取り上げ、かなり前に論じたことがあるので、一瞥願えれば幸いで
ある
(「Produce Form 第 8 条にいう”under the supervision of the Captain"の解釈」
『 海事法研究会誌』第 12 号(1976)
、p.1)。
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代金決済は、速やかに決済総額を確定し、D/P 条件で現金決済するものとされ、書類面の事務上の誤
記(clerical error)は支払いの拒否ないし延期の理由にならないと定めている。これは、信用状付きの代金
決済では、売買契約と信用状取引の「独立性の原則」が適用されるから、それに直接には影響しないが、
売買当事者間でのいわゆるcable nego. で処理するのに好都合であろう。支払い遅延に対する延滞利息は、
当事者間で合意すべきものとし、合意が成立しないときは仲裁によって決定する。
保険は、買主が手配するものとし、通常の海上危険と戦争、ストライキ・一揆暴動担保約款付きの保険
条件を選択し、積荷役準備完了の少なくとも5日前に、売主に「付保確認」の通知を与えるべきものとされる。
なおContract No.100(CIF)の第 17条では、W.A.条件、3%またはそれ以下の小損害免責条件とし、
戦争およびストライキ・一揆暴動担保約款付きとすべき旨、GAFTA Insurance Terms No.72に基づき具
体的に定めている。荷為替決済を望む売主の荷為替取組の便を考えれば、FOB 条件でも同様だろう。
計量の条件は、GAFTAの計量規則により、売主が選任したGAFTA 認定の鑑定人により行い、その
証明書もって不可争(final)
とする。ただし、買主は積込みに立ち会う権利を有する。
品質の決定についても、同様に、GAFTAの見本抽出、分析の規則に従いGAFTA 認定の鑑定人が
これを行い、同鑑定人の分析証明書は最終的な証拠とすることを定めている。
その他に、不可抗力に関して、売主の速やかな通知を前提にして、原産国の行政処分や命令があったと
きは、契約は影響を受けた部分に関し破棄されることを定め、ストライキに対する対応も定めている。ただし、
第 19 条で、別途、不可抗力条項を挿入する余地を残している。
また、契約不履行、支払い能力の喪失に対する対応が第 23,24 条において定められ、紛議の解決に商
事仲裁を先行させることを定める第 26 条があるが、それらの検討は商事契約の専門書に譲りたい。
ここで、特に触れておきたいのは、業者間転売に関する約款第 20 条「Circle」である(Contract No.100
では第 24 条)。売主は、買主や転買主(subsequent Buyer)から、全品もしくはその一部を買戻し(repurchase)できることである。数量を除き、元の売買と同種、同品質、同じ原産国の商品の買い戻しに限ら
れるほか、納期および運送経路も元の売買と同じであるべきだが、決済通貨は異なっても良い。そして、買
い戻し当事者全員で協議し、精算に速やかに協力すべきものとされる。これが、いわゆる洋上転売(sales
of cargo afloat)に関する規定であるとみられる。また、
Contract No.100(CIF)の第 10 条「契約への充当」
(Appropriation)の詳細と第 11 条「代金決済」に関して荷為替決済に配慮した詳細な規定を置き、特に船
積 書 類について細かく規 定している点も注目される。これに関 連し、船 荷 証 券の他に荷 渡し指 図 書
(Delivery Order=D/O)の提供も可能としている点は、次のPr
o Ra
t
aとの関連でも意義深い。共同仕入
れした商品を、D/O で分割して買主が引取り、それを裏書譲渡可能なD/Oを用いて転売できることが、こ
の第 11 条と第 22 条で示唆されているからである。
そして、Contract 100(CIF)の第 22 条「同種または類似商品の積み合わせの場合の按分(Pro Rata)」
に関する規定も、
「共同仕入れ」の観点から興味深い。売買関係者もしくはその代表者の協議により、
「荷捌
き精算書」
[the Pro Rata Statement]を作成し、過不足分の価格調整は仕向港における荷揚げ最終日の
市価に基づくものとされている。これが、日本でいう旗振り業者の主宰する荷捌き会議に相当し、連鎖取引
(string or chain transactions)の精算事務機能を果たしているものと思われる。
以上のことを前提に検討すれば、穀物・飼料用穀物の貿易の場合、FOB 条件は大手専門業者間での
取引所を介した洋上転売を射程に入れていること、CIF条件はむしろ大手専門業者とcommercial lot 貨物
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(商品市場で取引単位とされる数トンから数十トンあるいは規格の袋詰め貨物 500 袋程度)の取引業者
(dealerあるいは実需者(いわゆるuser))をも対象にした条件のように推定される。したがって、大型船で
FOB 仕入し、CFR,CIF 条件でlot 物として分割し転売する取引が盛んなのではないかと思われる(原油、
石炭、鉄鉱石のように開発輸入による売買の場合には、主に実需者である輸入者が海運会社と連携してい
るため、日本ではFOB 条件が選択される方が多いであろう。ニューヨーク市場で、コプラ、ヤシ油が CIF 建
になっているのは、これと対照的でGAFTA Contract 100に近い取引形態であろう)。
ここで、伝統的な海上売買条件の主流を占める傭船契約ベースの穀物や物産の取引に思いを致して若
干付言しておきたい。穀物は、生産段階では巨大企業が少なく、集荷、流通段階において、巨大企業が
市場を支配している(Cargill, Glencore, Andre, Tradaxなど)。これら巨大企業と商品市場を介して先物
取引や現物取引の需要家はつながっている。プランテーション型ビジネスを前身にもつコーヒー、紅茶、バナ
ナ、ココアなどの物産の取引の場合にも、依然として老舗の大企業が市場支配力を持っている。経済専門
誌から覗える国際市況情報の取引単位(commercial unit)が、商品によっては小さいように見えるが、
dealer が小口需要家に分割して提供するときの市場取引の便を考えたものだろうと推測できる。商品による
が、数トン、数十トン単位のlot(荷口)で取引されるもの(コーヒー、コプラ、ヤシ油など)
と、大企業が自社
の需要に合わせて定期的に調達するものとに分けて考える必要があるだろう。前者の場合、取引所を介する
ディーリング専門のブローカーが生産者から集荷して加工業者に卸す取引が中心になっていると推察される。
後者の場合には、大手製造・加工業者などが素原料・燃料を採掘などの上流を担当する供給業者(概ね
寡占的企業)やその子会社から調達する場合が中核になっていると思われる。そして、業者間転売取引
(string, or chain transactions)
と言っても専門的取引業者間に限られ、製造・加工業者は製造・加工計
画を重視してこれを盛んに行うことは少ないと思われる。その少ない例は、生産計画の見込み違いなどにより、
調達原燃料などの一部を市場で処分(或いは調達)するConversionと呼ばれる取引であろう。
鉄鉱石、LNG、原油などは、供給業者(採掘業者、鉱山など)
と需要者(製造者、発電会社など)がプ
ロジェクト型ビジネスを共同して事業を企画し、需要家が生産物を長期にわたり引き取るのが盛んである。そ
の場合には、需要家側が物流を担当するFOB 条件が主流のように思われる12。
なお、commercial unit( 取引単位)は、アメリカの商法典(UCC)
§2-105(定義)第 6 項で概ね次のよう
に定義されている。商事慣行により、それ自体一個の商品価値(a single whole)を持ち、その分割は市場
価値(transactional value)のみならず使用価値にも影響するもので、市場取引の単位とされ、セットもの、
袋単位ものないしは運送単位(例、carload lot, container load lot)などとなる商品の一定量をさしている。
12 典型例はLNG、鉄鉱石の取引で、長期契約で基本価格を設定し、年度毎に調整価格を取り決める方式をとっている。アメリカの
Delaware 州法人間のLNG売買契約を参照したが、匿名にしておきたい。鉄鉱石については、Rio Tint, BHPなどの寡占的鉱山
会社と製鉄メーカーの間の定期折衝により一定期間有効な価格が調整されていることが、新聞などで報じられているから周知のとこ
ろであろう。その価格条件は、需要家と海運会社が長期輸送契約あるいは定期傭船契約(Time Charter)
を結ぶ場合にはFOB
条件が選択される。また、そのような海上運送契約を基に、長期の運賃収入を当てにして新造船の契約が結ばれる。例えば、
『日
本経済新聞』2015 年 2月13日付け朝刊、p.15の商船三井に関する記事参照。採掘会社が子会社を設け、専用船を運航すると
きはCFR,CIF 条件になるだろう。
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JASTPRO
3.小括
以上みてきたところから、GAFTA Contract No.119の第 27条が、国連動産売買条約(CISG)および
Incotermsの適用を排除し、FOSFA(油脂取引業協会)がその標準約款 Form 24(CIF)および Form 53
(FOB)においてCISGの適用を排除している趣旨が、理解できるだろう。すなわち、CISGおよび Incoterms
ともに、一般原則的なものであり、GAFTAの標準約款自体の方が取引実務上、実態に即した相当に自律
的体系を維持していると見られる。そして、イギリスの売買契約法に関する判例の蓄積が国際商品の売買に
関して多く、約款の解釈の裏付けも豊富であることが、CISGとIncotermsの適用排除につながっていると言
える。因みに、Benjamin's Sale of Goods, 7th ed.(by A.G.Guest), Sweet & Maxwell, 2006の第 7 部 19
(C.I.F. Contracts)および 20(F.O.B. Contracts)に引用の19 世紀以降の判例は、GAFTAの標準約款
に見られるような傭船契約とも関連したものが多いので、Incotermsの初版(1933 年)以前から、自律した海
上売買契約法の体系になっていたとも見ることができる13。それを支えた基盤は、ロンドンの商品市場の国際
性であり、業界団体の活動とそれに含まれる商事仲裁委員会(the Arbitration Board)
と高等法院の商事
部(Commercial Court)の機能的連携であると思われる。この連携は、商事慣習や実務の事実問題を担
当する商事仲裁と、合意事実記載書(the stated case)を基に約款の法律的解釈を担当する裁判所の間
に成り立っている。FOB 条件並びにCIF 条件に代表される海上売買契約法の発展が、この微妙なバランス
の上に展開されていることに大いに注目しなければならない。
なお、紙幅の関係で、原油や石油製品の取引、コーヒー、砂糖の取引については、次号において、
2‒Bとして検討したい。
以上
13 永い歴史的伝統に裏付けられた商品取引の世界におけるイギリスのコモン・ローの影響は今も強く、国際取引が依然としてそれに
依拠する状況にあることを説得的に説明するものに、北川俊光・柏木 昇『国際取引法』第 2 版(有斐閣)
、2005、第 1 章第 2 節「国
際売買取引に関連する法律およびソフト・ロー」がある。参照を奨めたい。本文中のFOSFAの両約款は、M.Bridge,”
The
International Sale of Goods“ , 2d ed., Oxford U.P. 2007, Appendix 3,4に参考のために掲載されている。
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JASTPRO
記事2. NACCS貿易管理サブシステムの概要と電子申請のメリット
経済産業省においては、外為法に基づく輸出入の許可や承認等の電子申請のご案内を、各種の機会を通
じて行っております。当協会が去る2月5日(木)に中央区日本橋茅場町において開催しました「平成 26 年度
JASTPROセミナー」においても、
「NACCS 貿易管理サブシステム」に関するパンフレットを参加者に配布させて
頂きました。
今回は、NACCS 貿易管理サブシステムの概要と電子申請のメリットにつきまして、経済産業省貿易経済協
力局の貿易管理部貿易管理課の課長補佐「居藤博典様」のご協力を得まして、ここに詳細な内容をご紹介さ
せていただきます。
経済産業省 貿易経済協力局
貿易管理部貿易管理課
課長補佐 居藤 博典
1.NACCS(ナックス)
とは
外為法に基づく経済産業大臣の許可・承認証等を取得する際に、窓口に出向くことなく電子申請できるシス
テムが「NACCS 貿易管理サブシステム」です。
NACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)
は、入出港する船舶・航空機及
び輸出入される貨物について、税関その他の関係行政機関に対する手続及び関連する民間業務をオンライ
ンで処理する官民共同利用システムです。特に、国際物流において必要な行政手続は税関における通関
手続だけではありません。動物検疫所、植物検疫所に対する動植物の検疫手続、税関、港長、入国管
理等に対する船舶や航空機の入出港手続、厚生労働省検疫所に対する食品等の輸入手続など、さまざま
な手続が必要です。2013 年 10月以降、NACCSを通じてこれらの国際物流に必要なほとんどの行政手続
が可能となっています。シングルウインドウ化の流れの中で、経済産業省の独自のシステムであった旧
JETRAS(ジェトラス)
(Japan Electronic open network TRAde control System:貿易管理オープンネッ
トワークシステム)
も2010 年 2月にNACCSに統合され、現在のNACCS 貿易管理サブシステムとして5 年目を
迎えているわけです。
図1はNACCSセンターのHPに掲載されているNACCS 全体のイメージ図です。日本全国の1年間の輸出
入申告は約 3500 万件あるそうですが、それに付随する諸々の手続きがこのNACCS 上で行われています。
利用者も通関業者のみならず、船会社やエアライン、銀行等、多岐に亘ります。なお、NACCS 業務には
有料のものもありますが、貿易管理サブシステムは無料です。
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JASTPRO
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2.NACCS 貿易管理サブシステムの概要と電子申請のメリット
(1)
「紙」の移動に伴う日数とコスト
輸出入する貨物が、例えば輸出貿易管理令別表第1に該当する貨物等、外為法に基づき規制される貨
物の場合は、輸出入に先立ち経済産業大臣の許可・承認証等を取得する必要がありますが、窓口に赴
く書面申請の場合は、通関に至るまでの間に「紙」の移動に伴う日数とコストが必ず発生しています。例え
ば、申請のための書類を窓口に持参します。不備が多く受理されない場合は出直すことになります。審査
を経て許可が下りると今度はその許可・承認証等を取りに行きます。次にそれを、通関を依頼する通関業
者に受け渡します。通関業者は更にそれを税関に持参します。
NACCS 貿易管理サブシステムを利用して電子申請すれば、書面の許可・承認証等が電子ライセンス化
され、紙の移動に伴うそれらのコストが削減できます。
(図2参照)
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JASTPRO
(2)
通関関係書類のペーパーレス化・電子化
図 3に示すとおり、税関申告の際に必要な書類は大きく3 つに分けることができます。一つは、通関申告そ
のもので、これは現在 98% が NACCSによる電子申告です。二つ目は、インボイス、パッキングリスト、B /
L 等の関係書類です。これは従来は「紙」で税関に持参しなければなりませんでしたが、2013 年 10月から
NACCSを使ってPDF で提出できるようになりました。三つ目として、外為法に基づく経済産業大臣の許可・
承認証等が必要な場合は、その原本を確認する必要がありますので、経済産業大臣の許可・承認証等
が書面である場合は、これを税関に持参しなければなりません。つまり、図 3の1と2 では税関に赴く必要
がないのに、
3 が「紙」の場合は、わざわざ税関に持参しなければならないのです。現在、財務省と税関は、
2017 年度(平成 29 年度)
の実現を目指して通関関係書類の原則電子化に取り組んでいますが、貿易関
係手続の電子化の国際的な流れの中で、経済産業大臣の許可・承認証等についても対応が迫られてい
ます。
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(3)NACCS 貿易管理サブシステムの仕組み
図 4は、経済産業大臣の輸出許可を取得する場合を例に、NACCS 貿易管理サブシステムを利用した電
子申請の仕組みをイメージしたものです。
<電子申請の手順>
①申請に必要な書類を用意して送信する
書面による申請の場合の「輸出許可申請書」ではなく、電子申請用の「申請書ファイル」
を作成します。
併せて、申請に必要な添付書類をPDF 等で用意します。電子申請用の「申請書ファイル」は、書面に
よる申請の「輸出許可申請書」
と
「申請内容明細書」
を合体させたものとなっていますので、電子申請の
場合は、
「申請書ファイル」
を作成すれば「申請内容明細書」
を添付する必要はありません。それ以外は、
必要な添付書類は書面による窓口申請の時と基本的に同じです。書類が整ったら、NACCS で送信し
ます。それにより申請情報が NACCSの中に登録されます。
②経済産業省の審査官による審査
電子申請(送信)
するとシステムが受け付けた整理番号が付番され、申請が「受理待ち」になった旨の自
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JASTPRO
動連絡メールが届きます。審査官は、NACCSに入って申請情報を確認します。なお、審査官は書面
による窓口申請よりも電子申請を優先して処理します。
③経済産業大臣の輸出許可
審査を経て許可が下りた場合は、紙の輸出許可証ではなく、電子的な輸出許可(電子ライセンス)
が交
付されます。これはNACCSに登録された許可情報であり、これが輸出許可の原本となります。申請者
に対しては、許可番号が付された自動連絡メールが届きます。
④通関業者の指定
許可が下りた旨の自動連絡メールが届いたら、交付された電子ライセンスに、通関を依頼する通関業者
のNACCS 利用者コード
(5 桁)
を指定(登録)
します。それにより、指定された通関業者だけが、その電
子ライセンスを使用した通関申告を行うことが可能となります
(電子ライセンスの許可番号は、別途、通
関業者に伝える必要があります)。通関業者の指定は、通関業者に対して電子ライセンスへのアクセス
権を与えるものと考えることが出来ます。指定された通関業者は、NACCS 上で、電子ライセンスの内容
を参照/通関申告/裏書きまでを行います。つまり、許可が下りたら通関業者の指定を行えば即時に
全国どこの税関でも通関申告を行うことができるのです。
⑤指定された通関業者の業務
通関業者による税関への通関申告は基本的にNACCS 上で行う電子申告ですので、NACCSの利用
者コードを持っていない通関業者はありません。経済産業大臣の輸出許可が「紙」の場合と
「電子」の
場合で、通関業者の業務における差異は主に次の2 点です。一つは、申告事項登録時に入力する識
別コードが、紙の場合の「FENO」から電子の場合の「FENJ」
となる点。もう一つは、裏書きもNACCS
上で行う点です
(注:裏書きも無料です)。輸出者(荷主)
は、通関業者からFAXなどで使用後の輸出
許可証を送ってもらわなくても、システム上で裏書きの内容(許可証の裏面)
を確認することができます。
⑥税関の確認
NACCSでは、システムが自動的に電子ライセンスの内容(許可情報)
と通関業者が行った輸出申告の内
容を突合します。輸出者、通関業者、貨物、仕向地、数量、金額、電子ライセンスの有効期限等の突
合内容に齟齬があればエラーとなります。税関の職員はその突合結果を確認して輸出の許可を行います。
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(4)
電子ライセンスのメリット
図 5は電子ライセンスのメリットを表しています。
貿易管理サブシステムと通関申告システムの橋渡しの役目を担うのが電子ライセンスです。電子ライセンス
であれば、交付後直ちに通関申告が可能です。急に港が変わった場合でも影響を受けません。また、同
じ日に複数の異なる税関で輸出申告を行う場合でも、問題なく処理できるため、許可・承認証等を分割し
て使用する必要がないのです。
特に、例えば 3 年間有効な包括許可証を使用して100 件も1000 件も輸出する企業にとって、出荷の度に
包括許可証を通関業者との間で受け渡しするコストは小さくありません。厳格な管理を行っている企業であ
ればあるほど出荷の都度、許可証の貸し出し・返却を行っており、その管理コストに頭を抱えています。実
際にある企業は電子ライセンス化によって年間 200 万円のコスト削減ができたとのことです。
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(5)
その他
<通関業者等が経済産業省の許可・承認等の申請を代行する場合>
輸出入者が、経済産業省への申請を通関業者等に代行を依頼している場合についても、NACCS 貿易
管理サブシステムを利用した電子申請でも同じように実現可能です。ただし、その場合は、輸出入者(申
請者・委任者)
と通関業者等(代行者・被委任者)
の双方が NACCS 貿易管理サブシステムの利用者コー
ド
(V1 で始まる5 桁)
を持っている必要があります。また、双方の間で有効な委任パスワードの発行を受け
る必要があります。
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<電子ライセンスを使用したいが、申請は窓口で行いたい場合>
NACCS 貿易管理サブシステムを導入したからといって、以降、申請はすべて電子申請しなければならな
いということはありません。実際に、案件によって電子申請と窓口申請を使い分けている企業もあります。ま
た、輸出許可証は電子ライセンスでほしいが、内容が複雑なため窓口で審査官と対面で説明したいという
ような場合は、図 8のように申請書ファイルだけNACCS で送信すれば、受理待ちになったシステムの自動
連絡メールをプリントアウトして添付書類と一緒に窓口に持参して審査を受けることが可能です。
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̶ 14 ̶
JASTPRO
3.利用申し込み手続
図 9のとおり、まずはNACCSセンターのHP 上で利用申し込みを行います。導入に先立ち、事前にNACCS
貿易管理サブシステムの概要、メリット、操作方法(デモンストレーション)等について個別に説明を受けたい
場合は、経済産業省 貿易管理課 居藤又は藤原(tel: 0 3−3 5 0 1−0 5 3 8)
までご連絡願います。ご希望に
応じ、パンフレットの送付も行っております。
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4.最後に
NACCS 貿易管理サブシステムの利用を促進するPR 活動に経済産業省は取り組んでおります。希望に応じ
て個別企業訪問説明も随時行っており、2010 年以降、訪問企業は200 社を数えています。財務省・税関
が取り組む通関手続きの完全電子化の流れもあり、最近は個別訪問説明の依頼も多く、順調に利用者が増
えています。他方で、経済産業省が1年間に交付する許可証、承認証、事前確認書等の件数は全体で
約 5 万件程度です。しかし、先にご紹介したように、日本全体の通関件数は年間 3500 万件あるわけですか
ら、つまり経済産業省のライセンスがないと通関できないものは1000 件に2 件もないわけです。ましてや、電
子ライセンスとなりますと、1000 件に1 件あるかないかということですので、通関業者にとっては、電子ライセン
スを扱ったことのない方もかなり多いだろうことは容易に想像がつきます。こうした状況を踏まえ、ここ数年は通
関業者への電子ライセンスのPR活動にも積極的に取り組んでいるところです。
NACCS 貿易管理サブシステムは、利用手続、登録、NACCS パッケージソフトのインストール、実際の利用
を含め、一切無料です。この機会に是非 NACCS 貿易管理サブシステムの導入をご検討いただければ幸い
です。
以上
̶ 15 ̶
JASTPRO
記事3. 平成26年度JASTPROセミナーを開催
(開催結果報告)
一般財団法人 日本貿易関係手続簡易化協会(JASTPRO)は、国連欧州経済委員会の組織であります国
連 CEFACT(貿易の円滑化と電子ビジネスのための国連センター)の我が国の窓口として、国連 CEFACT が
進める「貿易手続きの簡素化や貿易取引の電子化」等に関する国内での普及・促進に向けた活動等を行って
おります。
当協会は、この活動の一環として、その時々において話題性の高い内容をテーマに選定しJASTPROセミ
ナーを毎年度開催しております。
本年度は、平成 27 年 2月5日(木)13:30 ∼ 16:50までの間、鉄鋼会館(東京都中央区日本橋茅場町所在)
8 階「801 会議室」において、∼アジアとの貿易円滑化に向けた取組み∼と題し、以下の三つのテーマにより
JASTPROセミナーを開催しました。
(テーマ1)「アジア各国とのビジネスインフラ共有に向けて」
(講 師) 国連 CEFACT日本委員会 サプライチェーン情報基盤研究会(SIPS)
事務局長 菅又久直氏
(テーマ2)「日本型通関システムの海外展開について」
(講 師) 財務省関税局総務課 事務管理室 関税評価専門官 塚田貴司氏
(テーマ3)「我が国 EDIシステムのASEAN 諸国への展開について」
(講 師) 国土交通省港湾局港湾経済課 課長補佐 名越豪氏 平成 26 年度 JASTPROセミナー会場
̶ 16 ̶
JASTPRO
今回のセミナー開催につきましては、関係業界等の方々にご案内を差し上げましたところ、当日の悪天候にも
かかわらず 100 名を越える方々に参加頂き、盛況のうちに開催することができました。また、各講師の説明に対
しましても受講者からの質問が相次ぐなど、関係業界等の各講演テーマへの関心の高さを示すものとなりました。
【菅又久直氏による講演】
【塚田貴司氏による講演】
【名越豪氏による講演】
最後に、本セミナーの開催に当たりまして、お忙しい中を貴重な資料を作成し、ご講演を頂きました講師の方々
に御礼申し上げますとともに、当日来場頂きました皆様に感謝を申し上げ、また、今後とも当協会が主催するセミ
ナーを含め、各種事業に対しご理解とご協力を頂けますようお願いし、平成 26 年度 JASTPROセミナーは閉会
となりました。
以上
̶ 17 ̶
JASTPRO
記事4. UN/LOCODEの新規承認
UN/LOCODE の新規承認
後記「国連 CEFACT からのお知らせ」にもご紹介しておりますが、今回 2014‐2(2014 年後期版)として、
以下の33 件が日本関連分の新設として承認されました。
その他のコードを含め、本件についての詳細は以下のURLをご参照願います。
日 本:http://www.unece.org/fileadmin/DAM/cefact/locode/jp.htm
諸 外 国:http://www.unece.org/cefact/locode/service/location.html
弊協会 HP:http://www.jastpro.org/un_locode/index.html
新設
Code
Name
都道府県名
市区町村名(地名)
緯度 / 経度
JP CKK
Chitose
北海道
千歳市
42‐49N/141‐39E
JP NJO
Nanjyo
沖縄
南城市
26‐09N/127‐46E
JP AHI
Asahi、Mie
三重
朝日町、三重県
35‐02N/136‐40E
JP TGW
Tagawa
福岡
田川市
33‐38N/130‐48E
JP AWJ
Awaji
兵庫
淡路市
34‐26N/134‐55E
JP SFI
Sakai、Fukui
福井
坂井市、福井県
36‐10N/136‐14E
JP HOM
Hitachiomiya
茨城
常陸大宮市
36‐35N/140‐24E
JP ZKU
Izumi、Osaka
大阪
和泉市、大阪府
34‐29N/135‐26E
JP HIS
Shitara
愛知
設楽町
35‐06N/137‐34E
JP INM
Inami
兵庫
稲美町
34‐45N/134‐55E
JP HAK
Hakusan
石川
白山市
36‐31N/136‐34E
JP DSE
Daisen
秋田
大仙市
39‐27N/140‐29E
JP AAK
Kamakura
神奈川
鎌倉市
35‐18N/139‐33E
JP MAA
Akishima
東京
昭島市
35‐42N/139‐21E
JP UDE
Ueda
長野
上田市
36‐24N/138‐16E
JP OAY
Oyama、Shizuoka
静岡
小山町、静岡県
35‐21N/139‐00E
JP ISS
Isa
鹿児島
伊佐市
32‐03N/130‐36E
JP YMI
Minobu
山梨
身延町
35‐22N/138‐26E
JP KHW
Kawanishi
兵庫
川西市
34‐49N/135‐25E
JP HGR
Higashihiroshima
広島
東広島市
34‐25N/132‐44E
JP NKG
Nagaoka
新潟
長岡市
37‐27N/138‐51E
JP HGG
Yabu
兵庫
養父市
35‐23N/134‐49E
JP TMP
Nagano
長野
高森町
35‐33N/137‐53E
JP YKE
Toyoake
愛知
豊明市
35‐32N/137‐57E
̶ 18 ̶
JASTPRO
JP KNC
Konan、Shiga
滋賀
湖南市、滋賀県
35‐00N/136‐05E
JP ECZ
Echizen
福井
越前町
35‐54N/136‐10E
JP KGZ
Kagamino
岡山
鏡野町
35‐06N/133‐56E
JP YAZ
Yuasa
和歌山
湯浅町
34‐02N/135‐11E
JP UKU
Fuefuki
山梨
笛吹市
35‐39N/138‐38E
JP KTT
Kato
兵庫
加東市
34‐55N/134‐58E
JP YOA
Yoshikawa
埼玉
吉川市
35‐53N/139‐50E
JP SWW
Suwa
長野
諏訪市
36‐02N/138‐08E
JP UZI
Izu
静岡
伊豆市
34‐59N/138‐57E
以上
̶ 19 ̶
JASTPRO
記事5. 国連CEFACTからのお知らせ
5-1 12 January 2015:
The UN/CEFACT Schema library version D.14B has been approved and is now available
along with the validation report and release notes.
2015 年 1月12日
国連 CEFACTスキーマライブラリー version D.14Bは承認され、現在バリデーションレポート、リリースノー
トと共に利用可能です。
5-2 30 December 2014:
UNECE Secretariat has released the 2014 - 2 UN/LOCODE directory.
2014 年 12月30日
UNECE(国連欧州経済委員会)事務局はUN/LOCODE directly の 2014 年後期版(2014 - 2)
を公表しま
した。
5-3 29 December 2014:
UN/CEFACT BPS Validation Team has approved the Recommendation 20 Revision 10
(Annexes Ⅰ-Ⅲ)for publication
2014 年 12月29日
国連 CEFACTビューロプログラム支援バリデーションチームは勧告 20 号改訂版 10 号(AnnexesⅠ-Ⅲ)
を公
表しました。
以上
̶ 20 ̶
JASTPRO
記事6.『ばいざういんどせいらー』
日本列島船の旅〔船旅は国境を越えて②〕
○日韓航路
昨年 12月号には日本∼中国航路に関し記載したので、今回は舞台を「お隣の国」韓国に移すこととした。
日本と韓国(主に「関釜航路」)には戦前は大型客船「興安丸:7079トン」等が就航していたが、戦後に入る
といずれも1000トンを下回る「なにわ丸:795トン」
「韓水丸:840トン」
「アリラン:970トン」等が細々と就航して
いた。言うまでもないが「興安丸」は戦火を潜り抜け、戦後は「引き揚げ船」
として「舞鶴港」
を主にホームポー
トとして活躍したことで余りにも有名な船である。また、
「関釜航路」とは青森∼函館を結ぶのを頭字 1 文字ず
つとり「青函航路」と名付けたのと同じく、下関∼釜山を結ぶ航路である。現在、日本から韓国への距離とし
て一番短いのがこの「関釜航路」であり、戦前から賑わっていたのが解るような気がする。
この「関釜航路」に1970 年 6月にエポックメイキングな出来事が生まれる。まだ、長距離フェリーと言えば
瀬戸内海に2 社 4 隻が就航したばかりの黎明期である時代にも拘わらず国際フェリー「フェリー関釜:3,874ト
ン」が誕生し下関∼釜山間、海上距離 227kmを僅か 7 時間と少しで結んだ。その後、門司、博多、金沢、
大阪、阪神、広島、境港から韓国に向かう航路網が引かれたが現在残っているのは、今年開設 46 年目に
あたる「関釜航路」の他は、博多∼釜山航路、大阪∼釜山航路、境港∼東海航路、またフェリーではない
が博多∼釜山、対馬∼釜山には高速船が就航している。
○「パンスタードリーム」
クル―ズゾーンとフェリーゾーン
筆者が乗船したのはこのうち大阪∼韓国を結ぶ「パンスタードリーム」
(21,535トン定員 681 名)である。
15 時 10 分、大阪、釜山いずれも同じ時刻に出港し、翌日10 時に入港する海上 18 時間 50 分の船旅である。
現在は週に3 往復であり、大阪発は月、水、金曜日、釜山発は日、火、木曜日である。
特徴と言えば運賃が、安価で快適な空間を乗客にもたらす通常のエコノミーな「フェリーゾーン」と、それ
に加え外国航路クルーズ船の様な船旅を楽しみたい乗客向けの「クルーズゾーン」とに分かれていることであ
ろう。といっても大きな差別待遇はなく、あえて言えば「クルーズゾーン」の乗客はパブリックスペースとして船
首から進行方向が眺められるラウンジ「THE PARADAISE」及び「カフェ夢 VIPラウンジ」の利用が出来る
ことであろう。勿論、キャビン(船室)
も異なり、フェリーゾーンでは2 段ベット2 基の4 名部屋、あるいは板の
間の6 人部屋(「スタンダード」というランクで販売するいずれもインサイドルーム)シャワー・トイレ付きの板の間
の4 名部屋(「ファミリールーム」というランクにて販売するアウトサイドルーム)であるのに対し、クルーズゾーン
ではシャワー・トイレ付きツインベットのアウトサイドルームの2 名部屋(「デラックススイート」というランクで販売)あ
るいはロイヤルスイートルーム(リビング、バス・トイレを備えた2 名部屋)
となる。
ここで読者の為に運賃のシュミレーションを披露する。フェリーゾーンで最低料金のスタンダードでの運賃は
片道 13,000 円であり、これに船内 2 食分の食費 1,500 円(前売り価格・バイキング食)を加えると14,500 円で
あるが、部屋は男女別の相部屋になる可能性がある。家族で集まればファミリールームという選択肢があるが、
これだと運賃が 19,500 円+食費 1,500 円で21,000 円である。最後にデラックススイートであるが片道 25,000 円
の運賃で食費込みである。但し、この食事は前述の2 食分の通常の「食事」とは異なり、2 食で5,500 円の
「特別食」が提供される。これを比べればどのクラスに乗船したら一番コスパが高いかが自ずから解ることで
̶ 21 ̶
JASTPRO
あろう。因みにファミリールームで同様な「特別食」をオーダーしたら19,500 円+5,500 円=25,000 円となり、
デラックススイートと同額となる。なお、上記の運賃と食費の他に「港湾施設使用料」
「燃料油変動金」が
加算される。
「パンスタードリーム」
(船社ご提供)
デラックススイートルーム
(右側はシャワー・トイレ)
ク
ルーズゾーン専用ラウンジ「THE PARADISE」
最上階にある
「カフェ夢」
(VIPラウンジは更に上層階)
○パンスタードリーム乗船記
1月の週末金曜日、筆者は大阪南港国際フェリーターミナルから「パンスタードリーム」船上の人となった。
右舷に見える神戸の山並みも、前方にだんだんはっきりとしてくる「明石海峡大橋」も昨年の上海行きフェリー
に乗船した時と変わらないが、寒冷前線通過後のせいか神戸の街並みも橋もはっきりと見える。これらの景色
をラウンジ「THE PARADISE」から独り占めする。更にラウンジにはいつでも暖かいコ―ヒ―が準備され無
料で提供されるのが有難い。夕食は、本日は「通常食」を食す。韓食を主体としたバイキングであるが「骨
付きカルビ」や「麺類」、なぜか「海苔巻」も加わり全部で20 種類くらいか?、往航と復航でメニューが替わる。
お馴染、
「本場キムチ」
も毎食登場し韓国らしく鉄の長い箸で食す。食後はレストランが会場となりマジックショー
とカラオケ大会があり、カラオケ大会の上位入賞者にはプレゼントが出渡される。23 時前、船が来島海橋大
橋を通過する頃に就寝となる。
翌日10 時、釜山に到着する。筆者はツアー参加の為に指定のホテルに投宿するが、釜山の国際フェリー
ターミナルは繁華街にもホテル街にも釜山駅にもアクセスが非常に便利である。一晩ビジネスホテルに投宿し日
曜日再び船へ。
̶ 22 ̶
JASTPRO
予定より10 分早く釜山港を出港した船は針路を関門海峡に向け、約 2 時間もすれば「対馬」が右手に見
えてくる。本当に韓国と日本とは近いと実感する。最近どうかは知らないが、一時は「対馬」は韓国人の観
光客が多く、看板もハングル文字が目立ったと聞く。それもそのはず、高速船で対馬∼釜山はわずか 1 時間
の距離である。
夕食には「カフェ夢」で「特別食」いわゆる「フルコースディナー」を食す、ワイン、スープ、サラダ、ロブス
ター、ステーキ・温野菜添え、フランスパン、デザート、コ―ヒ―であるが、一品一品食べ終わったらサービ
スしてくれるのが嬉しい。嬉しいといえば女性乗組員の容姿端麗さと対応もである。更には、日本語会話のレ
ベルの高さには目を見張るものがある、フロントに居る女性しか流暢な日本語は話せないと思ったが殆どの女
性乗組員は流暢な日本語を話すのである。それだけ日本人の利用が多いのか?と聞くと復航は韓国人 200 名、
日本人 10 名、アメリカ人 1 名とのこと。船内放送は韓国語、日本語、英語であった。乗船客の中に多いの
が韓国人の若い女性である。多分学生であろう彼女らからしたら、大阪はUSJにでも行って買い物でもする
適度な観光地なのであろうか?東京へは船の便はないし航空機ではそう安くはない。因みに、彼女たちは船
のコンビニエンスストアで行列をして、パッケージが真っ赤でハングル文字が書かれたいかにも辛そうはカップ
ラーメンを購入していた。2 食 1,500 円の食事費用を浮かして観光費用に充てるのであろう。余談であるが
2014 年統計で一番インスタントラーメンを食した国は韓国で一人当たり年間 74.1 杯というデータがある。
尤も、贅沢な船旅派向けには「アロマテラピールーム」も完備しており専門のエステシャンが乗船している。
最上級の客室「ロイヤルスイートルーム」は定員 2 名で85,000 円(2 名分)と多少お高いが、これには「特別
食」の他、特典として2 名分の「アロマテラピー」料金(20,000 円相当分)が無料となる。
ステージもついた広々したレストラン
アロマセラピールーム
対馬に沈む夕日
(釜山からの帰途の航海)
「特別食」
(朝食)
に出された「韓定食」
̶ 23 ̶
JASTPRO
翌月曜日、レストランで「特別食」を楽しんでいると間もなく船は「明石海峡大橋」を頭上にかすめ定刻に大
阪南港フェリーターミナルに着岸し、3 泊 4日の強行軍の韓国旅行は幕を閉じた。朝食はいわゆる「韓定食」
のようなものであるが飯は「五穀米」であった。小さいが一匹丸ごとの「蟹」が美味であった。
○最後に
前半でご案内したのは通常の船賃であるが、実際には船会社の方で安価なフェリーを利用したパッケージ
ツアーを販売しているので誌面を借りて紹介する。例として金曜日に大阪を出て往復の船賃と釜山 1 泊の日系
ビジネスホテルとのパックになったツアーである。2015 年 2月6日現在のHP ではスタンダードルーム利用で
15,900 円、デラックススイート利用(2 名参加の1 名あたり料金)で27,900 円である。いずれも食費込みでは
ないので、
「通常食(バイキング)」では往復 2,800 円、
「特別食」では往復 11,000 円が加算されることとなる。
更に「港湾施設使用料」、
「燃料油変動金」で往復約 5,000 円を費やすので24,000 円(スタンダード)∼
36,000 円(デラックススイート、いずれもバイキング食)から3 泊 4日の手軽な「韓国クルーズツアー」が楽しめる
ことになる(2 名利用での一人あたり料金)。
また、どの船でも大略がそうであるが船内の上級席(「パンスタードリーム」ではデラックススイート以上)は
2 名定員の場合が圧倒的に多く、2 名定員利用での運賃を案内している場合が多いので1 名での利用の際
は「貸切料金」が別途加算される(尤も1 名利用でも加算されずに繁忙期のみ「貸切料金」が発生する会社
もある。)。
以上
̶ 24 ̶
̶ 協会ホームページのリンク集のご案内 ̶
http://www.jastpro.org/link/index.html
当協会のホームページのリンク集には、当協会の活動にご興味を持たれる方や日本輸出入者コードの
利用者の方々のご参考として関係諸組織・団体ホームページへのリンクを下記の分類で掲載しております
のでご活用下さい。
▲
当協会に関係する我国の官公庁・公的機関(独立行政法人を含む)
▲
輸出入関係手続きに関係する業界団体等
▲
輸出入関係手続きに〔国内物流〕関係する情報源と用語集
▲
国際空港の公式ページ
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貿易簡易化や電子商取引の標準化組織・団体(国内)
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その他の組織・機関
JASTPRO 第40巻 第11号 通巻第437号
・禁無断転載
平成27年2月25日発行 JASTPRO刊14-12
発 行 所 (一財)
日本貿易関係手続簡易化協会
東京都中央区八丁堀2丁目29番11号
八重洲第五長岡ビル4階
電 話 03- 3555- 6031
(代)
ファクシミリ 03- 3555- 6032
http://www.jastpro.org
編 集 人
山 内 大 二 郎
本誌は再生紙を使用しております。
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電子版は、当協会ウェブページのお知らせ欄にてご覧いただけます。
http://www.jastpro.org/topics/index.html
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(一財)日本貿易関係手続簡易化協会
業務部 業務二部長 永山 明洋
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