安全データシート

安全データシート
作成日
改訂日
SDS No.1021-10006
1
2
化学品及び会社情報
化学品の名称
会社名
住所
電話番号
FAX番号
製品コード
緊急連絡先
整理番号(SDS No.)
推奨用途及び使用上の制限
危険・有害性の要約
GHS分類
GHSラベル要素
注意喚起語
危険有害性情報
[安全対策]
[応急措置]
2015年10月16日
年 月 日 1/6頁
: 認証標準物質 ハロ酢酸4種 混合標準液 各1mg/mL in MTBE
: ジーエルサイエンス株式会社
: 東京都新宿区西新宿6-22-1 新宿スクエアタワー30F
: 03-5323-6611
: 03-5323-6622
: 1021-10006
: ジーエルサイエンス(株)福島工場 品質保証課 電話 024-533-2244(代表)
: 1021-10006
: 試験・研究用
: 引火性液体
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
発がん性
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
吸引性呼吸器有害性
:
:
:
:
:
:
:
:
区分2
区分2
区分2B
区分2
区分3(気道刺激性)
区分3(麻酔作用)
区分1
: 危険
: 引火性の高い液体及び蒸気
皮膚刺激
眼刺激
発がんのおそれの疑い
呼吸器への刺激のおそれ
眠気又はめまいのおそれ
飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ
: すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙
容器を密閉しておくこと。
容器を接地すること。
防爆型の機器を使用すること。
火花を発生させない工具を使用すること。
静電気放電に対する予防措置を講ずること。
保護手袋および保護眼鏡/保護面を着用すること。
取り扱い後はよく手を洗うこと。
ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
:皮膚に付着した場合:直ちに汚染された衣類をすべて取り除くこと。皮膚をシャ
ワーと石鹸で洗うこと。
火災の場合:消火するために適した消火剤を使用すること。
皮膚刺激が生じた場合:医師の手当てを受けること。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用
していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の手当てを受けること。
ばく露またはばく露の懸念がある場合:医師の手当てを受けること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪いときは医師に連絡すること。
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
無理に吐かせないこと。
製品名
認証標準物質 ハロ酢酸4種 混合標準液 各1mg/mL in MTBE
SDS No.1021-10006
[保管]
[廃棄]
作成日
2015年10月16日
2/6頁
: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。容器を密閉しておく
こと。
施錠して保管すること。
: 内容物や容器を適切な焼却炉で焼却するか都道府県知事の許可を受けた専門の廃
棄処理業者に委託処理すること。
上記で記載がない危険有害性は分類対象外、分類できないまたは区分外。
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組成及び成分情報
化学物質・混合物の区分
化学名(又は一般名)
メチル tert-ブチルエーテル
(MTBE)
含有率
化学式又は構造式
官報公示整理番号
CAS No.
99.6%
(CH 3 ) 3 COCH 3
2-3220
1634-04-4
ブロモ酢酸
0.1%
BrCH2COOH
2-2634
79-08-3
クロロ酢酸
ジクロロ酢酸
トリクロロ酢酸
0.1%
0.1%
0.1%
ClCH2COOH
Cl2CHCOOH
Cl3CCOOH
2-1145
2-1161
2-1188
79-11-8
79-43-6
76-03-9
危険有害成分
4
: 混合物
:メチルtert-ブチルエーテル、ブロモ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、
トリクロロ酢酸
応急処置
吸入した場合
皮膚に付着した場合
: 新鮮な空気の所へ運び、安静保温に努め、直ちに医師の手当を受ける。
: 石鹸と多量の水で洗い流す。刺激が直らない場合、炎症を生じた場合には医師の
手当を受ける。
眼に入った場合
: 直ちに大量の水で少なくとも15分以上眼を洗う。直ちに医師の手当を受ける。
飲み込んだ場合
: 水でよく口の中を洗浄する。吐かせないこと。直ちに医師の手当てを受ける。
急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候症状
: 吸入した場合、嗜眠、めまい、頭痛、脱力感、意識喪失などの症状が生じる。皮
膚や眼への接触で発赤、乾燥、痛みなど。飲み込んだ場合は腹痛、吐気、嘔吐な
どの症状が出る。
応急措置をする者の保護
: 救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用すること。
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火災時の措置
消火剤
火災時の特有危険有害性
特有の消火方法
消火を行う者の保護
: 水噴霧、粉末消火剤、耐アルコール性泡、二酸化炭素
: 火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)が発生するため、消火の際
には煙を吸い込まないように適切な保護具を着用する。
: 火元への燃焼源を断ち、適切な消火剤を使用して消火する。消火活動は、可能な
限り風上から行う。消火のための放水等により、環境に影響を及ぼす物質が流出
しないよう適切な処置をする。
: 消火活動は風上から行い、有害なガスの吸入を避ける。呼吸保護具を着用する。
6
漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置
: 可能な場合には、付近の着火源となるものを速やかに取り除く。着火した場合に
備えて、消火用器材を準備する。屋内の場合、処理が終わるまで十分に換気を行
う。漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立ち入りを禁止
する。作業の際には適切な保護具を着用し、飛沫等が皮膚に付着したり、ガスを
吸入しないようにする。風上から作業して、風下の人を退避させる。こぼれた場
所は滑りやすいために注意する。付近の着火源となるものを速やかに取り除く。
着火した場合に備えて、消火用器材を準備する。
環境に対する注意事項
: 漏出した製品が河川等に排出され、環境への影響を起こさないように注意する。
汚染された排水が適切に処理されずに環境へ排出しないように注意する。
回収、中和
: こぼした場所はウエス、雑巾等で拭き取り、可能な限り 密閉できる空容器に回収
する。その後を多量の水で洗い流す。
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取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策
: 火気厳禁。高温物、スパークを避け、強酸化剤との接触を避ける。
アンプル開口時には保護眼鏡及び保護手袋を着用し、注意して切断する。
屋内作業場における取扱場所では局所排気装置を使用する。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
作業衣、作業靴は導電性のものを用いる。
製品名
認証標準物質 ハロ酢酸4種 混合標準液 各1mg/mL in MTBE
SDS No.1021-10006
安全取扱注意事項
衛生対策
保管
適切な保管条件
避けるべき保管条件
技術的対策
混触禁止物質
安全な容器包装材料
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暴露防止及び保護措置
設備対策
作成日
2015年10月16日
3/6頁
: 容器を転倒させ落下させ衝撃を与え又は引きずる等の粗暴な扱いをしない。
漏れ、溢れ、飛散などしないようにし、みだりに粉塵や蒸気を発生させない。
使用後は、適切な方法で残液及び空容器を処分すること。
ミストや蒸気を吸い込んだり、目、皮膚及び衣類に触れないように、適切な保護
具を着用する。
取扱場所には関係者以外の立ち入りを禁止する。
: 取扱い後は手、顔等をよく洗い、うがいをする。
指定された場所以外では飲食、喫煙をしてはならない。
休憩場所では手袋その他汚染した保護具を持ち込んではならない。
: 保管場所で使用する電気機器は防爆構造とし、機器類はすべて接地する。
容器は直射日光を避け、防爆型冷蔵庫(2~10℃)に密閉して保管する。
: 直射日光、高温、火花等を発生する場所、混触危険物質との接触
: 換気のより場所で容器を密閉し保管する。日光から遮断すること。
火気厳禁。
: 強酸化性物質、鉱酸、火源の近くに保管しない。
: ガラスアンプル等
: 屋内作業場での使用の場合は発生源の密閉化、局所排気装置を設置する。
取扱い場所の近くに、目の洗浄および身体洗浄のための設備を設置し、その場所
を表示する。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
管理濃度等
成分名
メチル tert-ブチルエーテル
(MTBE)
ブロモ酢酸
クロロ酢酸
管理濃度
9
ACGIH TLV-TWA
OSHA PEL-TWA
50ppm
設定されていない
設定されていない
ジクロロ酢酸
トリクロロ酢酸
保護具
呼吸器の保護具
手の保護具
目の保護具
皮膚及び身体の保護具
適切な衛生対策
日本産業衛生学会
0.5ppm(蒸気)
0.5ppm
1ppm
: 有機ガス用防毒マスク、簡易防毒マスク、空気呼吸器等
: 不浸透性保護手袋
: 側板付き保護眼鏡(必要によりゴーグル型)
: 長袖作業衣、保護長靴
: マスク等の吸着剤の交換は定期又は使用の都度行う。
物理的及び化学的性質
形状
: 液体
色
: 無色透明
臭い
: 溶媒臭
pH
: データなし
融点
: -108.6℃
沸点
:データなし
引火点
: 235℃
爆発限界
:データなし
蒸気圧
:データなし
蒸気密度(空気=1)
: データなし
比重
: 0.74 g/cm 3(20℃)
溶解性
:データなし
オクタノール/水分配係数log Po/w
:データなし
自然発火温度
:データなし
分解温度
: データなし
粘度
:データなし
設定されていない
製品名
SDS No.1021-10006
10 安定性及び反応性
安定性
危険有害反応可能性
避けるべき条件
混触危険物質
危険有害な分解生成物
推奨用途及び使用上の制限
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有害性情報
急性毒性(経口)
急性毒性(経皮)
認証標準物質 ハロ酢酸4種 混合標準液 各1mg/mL in MTBE
作成日
2015年10月16日
4/6頁
: MTBEは400℃以上で不飽和炭化水素を生成する。
酸には比較的安定で貯蔵中に過酸化物を生成することはほとんどない。
アルカリ性及び中性の条件下では安定。
: 強酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。
鉱酸溶液チュでは不安定で、希硫酸中で分解してイソブチレンを生成し、濃硫酸
中で分解重合してポリイソブチレンを生成、濃塩酸中で直ちに反応して tert-ブチ
ルクロライドを生成する。
: 日光、熱、裸火、高温、スパーク、静電気、その他発火源
: 酸化性物質、強酸化剤、鉱酸、還元剤、塩基性物質、ある種のプラスチック、ゴ
ム、被膜剤を侵す。
: 一酸化炭素、二酸化炭素、塩化水素、ホスゲンなど
: 試験・研究用
: ブロモ酢酸、クロロ酢酸が区分3に該当するが、混合物として区分外となった。
: クロロ酢酸が区分2、ジクロロ酢酸が区分3に該当するが、混合物として区分外と
なった。
急性毒性(吸入)
: クロロ酢酸が区分2に該当するが、混合物として区分外となった。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性 : MTBEが区分2、それ以外が区分1に該当するがその濃度が5%未満であるため、混合
物として区分2となった。
(MTBE)
: ウサギ 4時間 中等度~重度の浮腫及び中等度の紅斑(EU-RAR,2002)
(ブロモ酢酸)
: ヒトにおける毒性として皮膚との接触は重度の熱傷をもたらすとの記載 (HSDB,20
09)があり、EUでR35に分類されている(EU-Annex I,2009)
(クロロ酢酸)
: ウサギの皮膚での試験で、腐食性、死亡や重度の紅斑および浮腫、壊死が生じた(化
学 物 質 の 初 期 リ ス ク 評 価 書 102(2008), ECETOC JACC 38(1999),SIDS(Access
r.2012))との報告がある。また、ヒトでは事故によるばく露で、体表に熱傷を生
じたとの事例報告が死亡例を含めて多数みられている (化学物質の初期リスク評
価書 102(2008),EU-RAR 52(2005))。
(ジクロロ酢酸)
: ウサギのDraize試験で重篤な反応が見られ(ACGIH(7th,2005),RTECS(2004))、ヒト
の皮膚に対して腐食性を示す(ICSC(J),2000)、重度の刺激性及び熱傷を生じる(SI
TTIG(4th,2002),HSFS(1999))との記述がある。
(トリクロロ酢酸)
: ウサギ皮膚に対し暴露濃度と時間次第で熱傷を起こすとの記述があり (ACGIH,200
1)、pH<1(900g/L,20℃)である。なお、EUではC,R35に分類されている。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
: MTBEが区分2B、それ以外が区分1に該当するがその濃度が3%未満であることから
混合物として区分2Bとなった。
(MTBE)
: ウサギの眼で刺激性を示すが7日以内に回復したとの記述がある(EHC206(1998),A
CGIH(2002),DFGOT(vol.17,2002),EU-RAR(2002))。
(ブロモ酢酸)
: ヒトで重度の熱傷をもたらすとの記載がある (HSDB,2009)。
(クロロ酢酸)
: ウサギの結膜嚢に100mgを適用した試験で重度の刺激症状、眼瞼と粘膜の変色及び
腐食性が見られたこと、非常に強い刺激性が見られ、7日後も回復が見られなかっ
たとの報告がある(ECETOC JACC38,1999)。
(ジクロロ酢酸)
: ウサギの眼に対して重度の刺激性を示すこと、ヒトの眼に対して腐食性を示し、
不可逆的な障害を生じるなどの記載がある(ACGIH(7th,2005),ICSC(J)(2000),SIT
TIG(4th,2002/2005),HSFS(1999))。
(トリクロロ酢酸)
: ウサギの試験で重度かつ広範な上皮と下皮の喪失、血管辺縁の浸潤と出血が認め
られたとの記述(ACGIH,2001)、およびウサギ眼に30%溶液を適用後重篤な眼損傷
性を示し、21日後も完全に回復していないとの記述(ECETOC TR 48,1998)があり、
pH<1(900g/L,20℃)である。
感作性
: データ不足またはデータがないため、分類できない。
生殖細胞変異原性
: ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸で区分2に該当するがその濃度が1%未満であるた
め混合物として区分外となった。
(ジクロロ酢酸)
:マウスのin vivo小核試験、遺伝子突然変異試験において陽性の結果が認められて
いる(IARC84(2004),IRIS(2003))。また本物質はin vivo及びin vitroにおいて遺
伝毒性を示すとされている(IACR84,2004)。
(トリクロロ酢酸)
:in vivoの結果として、マウスの小核試験と染色体異常試験、マウス/ラットのDNA
損傷試験で陽性との報告がある(IARC vol.63(1995),IRIS(2003))。In vitroの結
果としてAmes試験で陰性との報告がある(ACGIH(2001),IARC vol.63(1995), IRIS
(2003),NTP DB(Access on 2009))。
発がん性
:MTBEとジクロロ酢酸が区分2に該当しその濃度が1%以上あることから混合物とし
て区分2となった。
製品名
SDS No.1021-10006
認証標準物質 ハロ酢酸4種 混合標準液 各1mg/mL in MTBE
作成日
2015年10月16日
5/6頁
(MTBE)
(ジクロロ酢酸)
生殖毒性
:IARC(73,1999)でグループ3、ACGIH(2002)ではA3に分類されている。
:IARC(84,2004)でグループ2B、ACGIH(7th,2005)でA3に分類されている。
: ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸が区分2に該当するがその濃度が3%未満であるこ
とから混合物として区分外となった。
(ジクロロ酢酸)
: 妊娠ラットへの本物質の経口投与により、母体毒性を示す用量で胎児に心臓の奇
形が見られ、また、雄ラットへの投与により、精子の奇形、精巣萎縮等が見られ
る (ACGIH(7th,2005),IARC84(2004),HSDB(2003),Catalog of teratogenic agents
(2004))、また、ACGIH(7th,2005)では精巣障害とされている。
(トリクロロ酢酸)
:ラットの器官形成期に経口投与した試験において、親動物の体 重増加抑制などの
一般毒性の発現と合わせ、用量依存的な胚吸収率の増加と生存胎児の体重及び身
長の減少、および高用量で心血管系と骨格の奇形が見出されたとの記述 がある(AC
GIH,2001)。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
:クロロ酢酸が区分1、ブロモ酢酸及びジクロロ酢酸が区分2、MTBE及びトリクロロ
酢酸が区分3に該当するが混合物として区分3(麻酔作用、気道刺激作用)となった。
(MTBE)
: ラットまたはマウスを用いた吸入暴露試験において呼吸数の減少などの気道刺激
性を示唆する影響が認められたとの記述、ラットを用いた吸入暴露および経口投
与試験において運動失調、活動性低下および筋緊張低下などの一過性の中枢神経
抑制を示す症状が認められたとの記述がある(EHC206(1998),ACGIH(2002),EU-RAR
(2002),ATSDR(1996),IARC73(1999),IRIS(2005))。
(クロロ酢酸)
: 本物質の急性ばく露による症状として、腐食性による皮膚傷害に始まり、全身毒
性が現れ、早期に嘔吐、下痢、その後、興奮、見当職障害、痙攣、昏睡などの中
枢神経系症状の一方、不整脈、頻脈の他、非特異的な心筋障害、心室収縮を伴う
心血管性のショック、およびそれに起因するとみられる腎不全が記載されている
(ECETOC JACC 38,1999)。ヒトの事例報告では、47歳の労働者が両足を暴露され火
傷を負い、4時間後に吐き気と嘔吐、不整脈、血圧低下、アシドーシスなどの心血
管系機能障害、及び意識消失、昏睡などの神経機能障害を起こした例、 38歳の運
転手が本物質80%溶液に暴露され火傷を負い、1時間後に血圧低下及び興奮、その
後心血管系機能低下、腎機能低下及び意識消失を起こした例などがあり、その他
にもヒトで誤って経口摂取して死亡した例、高濃度の経皮暴露で、重度の火傷を
負い死に至った例では心血管障害や神経機能障害がみられている (化学物質の初
期リスク評価書 102,2008)。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
: ジ ク ロ ロ 酢 酸 が 区 分 1、 ク ロ ロ 酢 酸 が 区 分 2に 該 当 す る が 混 合 物 と し て 区 分 外と
なった。
(ジクロロ酢酸)
: 本物質のヒトへの投与の結果、神経系に影響が見られた (鎮静作用、末梢神経障害)
との記述がある(IARC84(2004),IRIS(2003))。
吸引性呼吸器有害性
: MTBEが区分1に該当することから混合物として区分1となった。
(MTBE)
: 液体を飲み込んだ場合、肺に吸引されて化学性肺炎を引き起こすことがあるとの
記述がある(環境省リスク評価第4巻,2005)。
12
環境影響情報
水生環境有害性(急性)
(クロロ酢酸)
水生環境有害性(長期間)
(クロロ酢酸)
残留性/分解性
生体蓄積性
オゾン層への影響
13
廃棄上の注意
残余廃棄物
汚染容器及び包装
: クロロ酢酸が区分1、ブロモ酢酸が区分2に該当するが混合物として区分外となっ
た。
: 藻類(セネデスムス) ErC50=0.033mg/L/72h(NITE初期リスク評価書,2008)
:クロロ酢酸が区分1、ブロモ酢酸が区分2に該当するが混合物として区分外となっ
た。
: 急 速 分 解 性 があ り (BOD=96% /3weeks)(既 存 点 検 ,1976)、 藻 類 (セ ネ デ ス ム ス )で
NOEC=0.0058mg/L/72h(NITE初期リスク評価書,2008)である。
: MTBE、ジクロロ酢酸は難水溶性ではなく、クロロ酢酸には急速分解性がある (BOD=9
6%)。
: データなし
: 本製品中に含まれる成分は全てオゾン層破壊物質には該当しない。
: 廃棄においては関連法規ならびに地方自治体 の条例に従うこと。
都道府県知事の許可を得た専門の廃棄物処理業者に委託処理すること。
:空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去した後に処分する。
製品名
SDS No.1021-10006
14
輸送上の注意
国連番号
品名
国連分類
副次分類
容器等級
注意事項
海洋汚染物質
15
認証標準物質 ハロ酢酸4種 混合標準液 各1mg/mL in MTBE
作成日
2015年10月16日
6/6頁
: 1992
:その他の引火性液体(毒性のもの)(MTBE溶液)
: クラス3(引火性液体類)
: クラス6.1(毒物類)
:Ⅱ
: 輸送前に容器の破損、腐食、漏れ等がないことを確認する。
転倒、落下、破損がないように積み込み、荷くずれの防止を確実に行う。
: 非該当
適用法令
毒物及び劇物取締法
労働安全衛生法
: 非該当
: 施行令 第18条の2 名称等を通知すべき有害物 別表第9 No.385,580
施行令 別表第1 危険物 四 引火性の物
法 第57条の3 強度の変異原性が認められるもの
化学物質排出把握管理促進法 :非該当
化学物質審査規制法
: 優先評価物質 No.119
船舶安全法(危規則)
: 第3条危険物告示別表第1 引火性液体類
消防法
: 危険物第4類 第一石油類 非水溶性液体 危険等級2
航空法
: 施行規則第194条危険物告示別表第1 引火性液体類
16
その他の情報
引用文献等
化学品安全管理データブック、化学工業日報社
独立行政法人 製品評価技術基盤機構 化学物質総合情報提供システム(CHRIP)
航空危険物規則書 第52版邦訳
16514の化学商品 化学工業日報社(2014) 他
記載内容の取扱い
全ての資料や文献を調査したわけではないため情報漏れがあるかもしれません。また、新しい知見の発表や従来の
説の訂正により内容に変更が生じます。重要な決定等にご利用される場合は、出典等をよく検討されるか、試験によっ
て確かめられることをお薦めします。なお、含有量、物理化学的性質等の数値は保証値ではありません。また、注意
事項は、通常的な取扱いを対象としたものなので、特殊な取扱いの場合には、この点にご配慮をお願い致します。