上越地域における環境保全型 農業直接支援対策の取組について

上越
〜 環境保全型農業直接支援対策について 〜
上越地域における環境保全型
農業直接支援対策の取組について
加藤 泰宏
地域の環境保全型農業の取組
状況
上越農業普及指導センター
り組んでいます。作業の流れは、水稲収穫後に稲
わらをすき込み、10月中下旬にイタリアンライグ
ラスやライ麦を播種し、消雪後の 3 月中下旬にす
上越地域(上越市、妙高市)は、水稲作付面積
き込むというものです。生育を確保するためには
13,250ha の約90%で、化学肥料・化学合成農薬を
排水対策が欠かせませんが、秋から冬にかけての
慣行より 3 割以上低減した栽培が取り組まれてい
降雨や降雪にもかかわらず、湿害で死滅すること
ます。稲作中心の地域ではありますが、有機JA
なく翌年春まで生育しています。
S認定の面積約40ha のうち約 9 ha で野菜や果樹
等の水稲以外の品目で有機農業が取り組まれてい
平成27年度に向けた取組
ます。
環境保全型農業直接支援対策
の実施状況(平成25年度)
平成27年度から制度が見直され、原則として農
業者等の組織する団体の取組に対して支援が行わ
れることになるため、当農林振興部では市やJA
上越地域では、上越市を中心に県合計の28%に
とともに説明会等で制度内容を周知してきまし
当たる約950ha で環境保全型農業直接支援対策に
た。上越市内のある地区では、JAの部会員を中
取り組んでおり、冬期湛水(約450ha)、カバーク
心とした組織を設立し、地区の希望者が全員で活
ロップ(約390ha)で、全体の約 9 割を占めます。
動できる体制を整備し対応することとなりまし
特にカバークロップの取組では、全県に占める割
た。
合が約95% と極めて多いことがこの地域の特徴で
平成27年度申請に向けた組織化の動きは始まっ
す。
たばかりですが、多くの方が取り組めるよう支援
カバークロップは、用水の面から冬期湛水に取
するとともに、今後も本制度等を活用して環境保
り組みにくい地区や堆肥を確保しづらい地区で取
全型農業を推進していきます。
平成25年度環境保全型農業直接支援の取組状況
(上越地域):ラウンドの関係で合計と各項目の合計は一致しない
カバークロップのすき込み時の様子
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