国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 非常勤職員の給与の決定について 1.概要 非常勤職員の給与は、常勤職員の給与との権衡を考慮し、予算の範囲内で支給すること となっており、具体的には、職務内容・職務経験等によって、その給与が決定・支給され ます。これを踏まえれば、例えば、非常勤職員として1年間勤務し、その期間が満了し、 次の1年間も雇用するため、採用を行う際、その給与の決定にあたっては、1年間勤務し たという職務経験を給与に反映させることは可能です。 しかし、以下で説明する通り、非常勤職員の給与については各庁の長の裁量に委ねられ ています。このため、同じ非常勤職員でも、勤務している省庁によって、給与の取扱いが 異なる状況となっています。 2.関係条文等 一般職の職員の給与に関する法律 (非常勤職員の給与) 第 22 条第2項 前項に定める職員以外の常勤を要しない職員については、各庁の長は、常勤の職員 の給与との権衡を考慮し、予算の範囲内で、給与を支給する * なお、 「常勤を要しない職員」については、第1項の規定により、 「再任用短時 間勤務職員」が除外されている。 非常勤給与ガイドライン「一般職の職員の給与に関する法律第 22 条第2項の非常 勤職員に対する給与について」(通知)(平成 20 年8月 26 日付) 一般職の職員の給与に関する法律(昭和 25 年法第 95 号)第 22 条第2項の非 常勤職員に対する給与の支給について、下記のとおり指針を定めたので、これを踏 まえて給与の適正な支給に努めてください。 なお、これに伴い、給実甲第 83 号(非常勤職員に対する6月及び 12 月におけ る給与の取扱いについて)は廃止します。 1 基本となる給与を、当該非常勤職員の職務と類似する職務に従事する常勤職員 の属する職務の級(当該職務の級が2以上ある場合にあっては、それらのうち最 下位の職務の級)の初号俸の俸給月額を基礎として、職務内容、在勤する地域及 び職務経験等の要素を考慮して決定し、支給すること。 2 通勤手当に相当する給与を支給すること。 3 相当長期にわたって勤務する非常勤職員に対しては、期末手当に相当する給与 を、勤務期間等を考慮の上支給するよう努めること。 4 各庁の長は、非常勤職員の給与に関し、前3項の規定の趣旨に沿った規程を整 備すること。 国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 * 「当該非常勤職員の職務と類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級」 ⇒ 非常勤職員の給与は常勤職員の給与との均衡が基本であるので、俸給表をベース とすることが適当であると考えられています。その際、ベースとなる俸給表は、類 似する職務に従事する常勤職員に適用される俸給表となり、事務補助の非常勤職員 については、行政職俸給表(一)がベースとなります。 * 「職務内容を考慮して」 ⇒ 職務内容に応じて、初任の級以外の級の初号の俸給月額を基礎とすることがある という趣旨で、例えば2級、3級相当の専門的な仕事をしていればその級の初号が 基礎とされます。 * 「職務経験等の要素を考慮して」 ⇒ 常勤職員に準じて、職務経験、学歴、資格免許を考慮するという趣旨です。職務 経験については、民間企業や公務での経験年数があれば、行(一)の1級1号俸に 号俸を加算されます。学歴、資格免許も同様です。 なお、常勤職員の場合、新規に採用された際の初任給を決定するにあたっては、 採用される当該職員が最も新しい学歴免許等の資格を取得した時以後何らかの前歴 を有している場合、その前歴期間を換算することにより経験年数とするができます (人事院規則9-8第 15 条の2関係別表4「経験年数換算表」)。例えば、すでに 一般職の国家公務員として在職し、給与法の適用を受けている非常勤職員(給与法 第6条の規定により俸給表の適用は受けていない)から、俸給表の適用を受ける常 勤職員となった場合、非常勤職員としての勤務期間は経験年数としてみることがで きます。 * 「各庁の長は、非常勤職員の給与に関し、前3項の規定の趣旨に沿った規程を整備 すること」 ⇒ 各府省に対して規程の整備を求めるもので、その規程によって前3項の趣旨が実 現されるよう求める趣旨です。 (2013 年 11 月 公務労協・国公連合作成)
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