紫外可視分光光度計のヘーズ値測定システムのご紹介

UV application data
新しい紫外可視分析情報
Date 2015/10/01
190-UV-0042
紫外可視分光光度計のヘーズ値測定システムのご紹介
ヘーズ値は試料の曇りの程度を示す指標として用いられており、プラスチックやフィル
ムの透明性の評価に加え、近年ではタッチパネル材料や太陽電池材料などの透明性、拡散
性の評価にも用いられています。
ここでは、JIS、ISO、ASTM に記載されているヘーズ値および全光線透過率の測定方法
を紫外可視分光光度計に適用した際の測定方法と、様々な曇り度合いの石英製拡散板のヘ
ーズ値を分光光度計で測定した例をご紹介します。
<Keyword> ヘーズ、全光線透過率、拡散透過率、JIS K 7105、JIS K 7361-1、JIS K 7136、
ISO 14782、ISO 13468-1、ISO 13468-2、ASTM D1003-11
測定方法
積分球を用いて、波長 380~780 nm における試料の全光線透過率 (Tt) および試料散乱
率 (T4) および装置由来の散乱を補正するための装置散乱率 (T3) を測定します (図 1)。式 4
より試料の拡散透過率 (Td) を求め、Tt と Td の比率からヘーズ値を求めます(式 5)。
① 全光線透過率 (Tt) の測定
② 試料散乱率 (T4) の測定
③ 装置散乱率 (T3) の測定
入射光
入射光
入射光
試料
試料
積分球
積分球
積分球
白板
780
 S()y() ()d
780
t
Tt 
380
780

(1)
S( )y( )d
380
T4 
 S()y()
380
780
780
4 (  )d
 S()y()d
 S()y() ()d
3
( 2)
T3 
380
780
380
 S()y()d
380
 t ( ) ,  4 () ,  3 ( ) : 各測定配置における透過率スペクトル
S() :
光源の分光特性
y( ) :
視感度
図 1. ヘーズ値測定の模式図
T
Td  T4  T3 ( t )
( 4)
拡散透過率 (Td):
100
T
Haze  d
(5 )
ヘーズ値:
Tt
測定システム
V-750
ILV-924
SSH-507
VWHZ-965
紫外可視分光光度計
150 mm Φ積分球ユニット
固体試料ホルダー
[ヘーズ値計算] プログラム
本社・工場 192-8537 東京都八王子市石川町 2967-5 TEL 042(646)4111 代表 FAX 042(646)4120
東京 03(3294)0341/北海道 011(741)5285/北日本 022(748)1040/西東京 042(646)7001/筑波 029(857)5721/
神奈川 045(989)1711/名古屋 052(452)2671/大阪 06(6312)9173/広島 082(238)4011/九州 092(588)1931
(3 )
試料
石英製拡散板 6 種
試料 5
試料 3
試料 1
試料 2
試料 4
試料 6
図 2. 拡散板の写真
測定結果
全光線透過率測定時のスペクトル (t) と試料散乱率測定時のスペクトル (4) を図 3 に、
ヘーズ値計算結果を表 1 に示します。このように紫外可視分光光度計を用いたヘーズ値測
定システムは、試料の曇り度合いを数値で表示でき、特に目視では曇り度合いの判別が困
難な図 2 の試料 3 と 4 の差や、試料 5 と 6 の違いを判別できるため、製品間の比較や品
質管理に有効です。
― t スペクトル
― 4 スペクトル
試料 1
試料 2
試料 3
試料 4
試料 5
試料 6
図 3. 試料の透過率スペクトル
試料番号
T3 [%]
1
2
3
4
5
6
0.08
0.08
0.08
0.08
0.08
0.08
表 1. ヘーズ値計算結果
Tt [%]
T4 [%]
93.06
92.13
90.88
90.7
87.75
85.46
0.71
4.94
18.7
23.12
69.34
70.56
Td [%]
0.63
4.86
18.62
23.04
69.27
70.49
Haze [%]
0.7
5.3
20.5
25.4
78.9
82.5
測定条件
バンド幅:
レスポンス:
5.0 nm
0.24 sec
走査速度:
データ取込間隔:
400 nm/min
1 nm
計算条件
光源:
視野角:
D65
2度
等色関数:
JIS Z 8781-1