Hyper Suprime-Camで探る 天の川銀河 国立天文台 小宮山 裕 天の川銀河研究会2015 2015/03/24 1 Photo: Y. Utsumi Hyper Suprime-Cam (HSC) on Subaru Telescope • すばる望遠鏡主焦点に新設された、視野直 径1.5度を持つ広視野CCDカメラ • 2014春より共同利用開始 • 主焦点に新しい大型広視野補正レンズを取 り付けることにより、結像性能を損なうことな くSuprime-Camの~7倍の広さの視野を実現 • 直径50cmの焦点面を 2k4k CCD 116枚(10億 ピクセル)で埋め尽くす大型冷却CCDカメラ • 1 shot 2GByte の大量データを生成 現在、世界最高のサーベイ能力を持つカメラ 2 3 Hyper Suprime-Cam on Subaru Telescope • Hyper Suprime-Cam (HSC) – 視野 4 http://anela.mtk.nao.ac.jp/michitaro/m31-halpha/ Hyper Suprime-Cam (HSC) on Subaru Telescope • すばる戦略枠観測(SSP) – サーベイデータは遠方銀河から太陽系内天 体まで幅広いサイエンスに利用可能 – 日米台160人超の研究者で広視野サーベイ を共同提案5年間で300夜の割当て – 2014春より観測開始 • 解析済みカタログ・画像データの提供 – 2015初春 Early Data Release (~100deg^2) • 日本の研究者は誰でもWelcome – 様々な研究に利用していただきたい 5 Hyper Suprime-Cam on Subaru Telescope 6 Milky Way revealed by HSC Survey • • • • 暗いサテライト銀河(ultra faint dwarfs) の探査 淡い(遠い)恒星ストリームの探査 ハローの構造・天の川銀河の果て SDSS等に比べより暗い(より遠い)天体・構造への延長 7 SSP Data Analysis • SSP Wide のデータ Field– 星のみ。Blendしてないもの。5バンドそろっているもの。星間吸収を補正する。 (RA, Dec) (l, b) Area (deg^2) # of objects # of stars – WIDE(XMM): (RA, Dec)=(35, -5) (l, b)=(170, -59), 48deg^2, 29,818,944obj, 101,302stars (35, -5) (170, -59) 48 29,818,944 101,302 – WIDE(GAMA09): (RA, Dec)=(131, +1) (l, b)=(225, 25), 26deg^2, 20,737,413obj, WIDE(GAMA09) (225, +25) 26 20,737,413 95,422 95,422stars (131, +1) – WIDE(VVDS):(334, (RA, Dec)=(334, 0) -43) (l, b)=(62, -43), WIDE(VVDS) 0) (62, 17 17deg^2, 13,398,315obj, 13,398,315 57,895stars 57,895 WIDE(XMM) 使ったデータ: 「星」のみ (i<23.5) Blendしてないもの 5バンドそろっているもの 星間吸収を補正する 8 SSP Data Analysis • Color Magnitude Diagram ここに密度超過がある? 特徴: 0<g-i<1 の Halo の暗い Main Sequence 2<g-i<3 の Disk の暗い M, K dwarf Field によって比率が異なる 9 SSP Data Analysis • CMD (close-up to 0<g-i<2, 19.5<i<23.5) Main Sequenceらしい星の分布 W-GAMA09のみ 10 SSP Data Analysis • Sequenceに載る星の空間分布 Sequence に載る星には顕著な集中は 見られず、視野全全域にわたって 広がった分布をしている 11 SSP Data Analysis • SDSS data (Grillmair 2006) – W-GAMA09フィールドは Substructure /Stream が多 数観測される複雑な領域 – SDSSのデータからはWGAMA09フィールドには顕著 なoverdensityは見られない が、Stream成分が混ざって いてもおかしくはなさそう 簡単に、星の統計的な研究、 稀な天体の探査などを行う ことが可能となってきた。 SSPへの参加は Welcome. 様々なサイエンスに利用して いただきたい 12 銀河面近傍へ迫る観測の可能性 • 銀河面近傍にも興味深い天体は多数 – 球状星団、散開星団、星形成領域・・・ – 新しい観測分野の開拓 • 銀河面近傍は通常観測では避けられている – 時間も取りやすい(?) • 吸収量の大きくない領域ではNIR imagingより効率が良い – 例えば、HSC i-band と MOIRCS Ks-band を比較してみる。 – HSCはMOIRCSに比べて227倍の視野→同じ面積を撮像したとき、HSCは227倍の積分時 間をかけられることに相当する。 – Ks lim(1hr) = 22.8 mag (S/N=5, seeing=0”.5, aperture=1”) – i lim(227hr) = 28.8 mag (S/N=5, seeing=0”.7, aperture=2”) – Ai – AKs = 28.8-22.8 - (i-Ks)star 。 (i-Ks)star = 1.5 (RGB)として、Ai – AKs ~ 4.5位まで同等の 深さ。 13 Galactic Center imaged by HSC • Example: r-band, 120sec exp. 星が混雑しすぎていて観測できないということは全くない 14 Galactic Center imaged by HSC • Example: r-band, 120sec exp. Keck AO image (5”x5”) Galactic Center (方向) 15 まとめ • HSCすばる戦略枠観測(SSP) – Wide (1400deg^2, r~26mag), Deep (27deg^2, r~27mag), Ultradeep (3.5deg^2, r~28mag) フィールドについてのユニークな観測データを提供 – 2015初春 Early Data Release: 解析済みカタログ・画像データ – 日本の研究者は誰でもWelcome: 様々な研究に利用していただきたい • 銀河面近傍へ迫る観測の可能性 – 銀河面近傍にも興味深い天体は多数 新しい観測分野の開拓 – 吸収量の大きくない領域ではNIR imagingより効率よく観測可能 16
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