公正な事業慣行 大和ハウスグループは、法令を遵守 するだけでなく、高い倫理観をもっ て 行 動し、自 由 な 市 場 の 競 争 原 理 に従 い 、業 界 全 体 の 健 全 な 発 展を 目 指します。そ のために、ステーク ホ ル ダ ーとの 関 係にお けるリスク を早 期に発 見する体 制を構 築する ともに、公正な事業を行うための方 針を策定し運用しています。 主要評価指標 取 引 先 から の 下 請 法 の 関する通報対応 協力会連合会会員数 ※ 設和会会員数 ※ 100 % 4,490 社 136 社 公正な競争と取引 ・・・・・・・・・・ 063 サプライチェーンにおけるCSR の推進 ・ 064 ※2015年4月現在 DaiwaHouseGroup CSR Report 2015 062 公正な事業慣行 ※星印は、当社の重要 12 課題 公正な競争と取引 ....................................... ■ I S O 2 6 0 0 0に もとづく36課題 ■ 内部監査による腐敗防止 大和ハウス工業では、企業倫理綱領に則り、事業運営の透明性・ ★公正な競争 責任ある政治的関与 財産権の尊重 公正な取引 契約 の実施 当社では「工事下請負基本契約書」で建設業法・下請法に則り、 公正さを確保するため、CSR部等関連部門から、不正・違法行為の 基本的内容を定めています。個別契約および個別工事の施工方 調査依頼をされた時に内部監査を実施し、事実確認をしています。 法、損害の負担、瑕疵担保、請負代金等の支払い、損害賠償、契約 また当社には「反腐敗監督委員会」 という組織はありませんが、 社内の監督については、監査役および内部監査室による内部監査 解除、履行の確保、その他の条項などの基本契約事項を記載し ています。また、協力会社からの工事代金請求に対する支払額は、 の実施、 J-SOX推進室による財務報告における内部統制活動、リス 工事の出来高によるものとし、現場責任者が出来高査定を行いま ク管理委員会への上程、企業倫理・人権ヘルプラインへの通報等 す。支払条件については、基本契約書または注文書に記載された のツールがあります。集まった情報にて判断し、腐敗リスクアセス 条件・支払日としています。また、支払いについては、協力会社ご メントを実施します。 とに、個別契約および個別工事を集計した「支払通知書」を発送 ■ し、双方が支払内容について確認できるようにしています。 パートナーズ・ホットラインの運用 当社では2009 年から、当社グループ全体では2010 年から、取 ■ 公正な競争と取引に関する教育 全役職員が業務のなかで「企業倫理綱領」および「行動規範」に則 引先との関係において当社グループの従業員における法令違反 につながりかねない問題を早期に顕在化・対処する仕組みとして、 した、行うべき判断・行動ができるよう、ケースを通して解説したテキ 取 引 先 からの 通 報 制 度 し、配付しています。 ストとして「CASE BOOK」を作成(定期的に改訂) 「パートナーズ・ホットラ パートナーズ・ホットライン体制図 イン」を運用しています。 相談者本人 パートナーズ・ホットラインで 相談員に通報 この制度では、取引先会 社自体の法令違反等の 通報も受付しています。 2014 年 度は 15 件 の 情 報が寄せられ、すべての 案 件で対 応が完 了して 相談員 通報手段 電子メール 電話 郵送 FAX 朝礼などの機会に読みあわせすることにより、教育しています。 ■ 責任ある政治的関与 当社は、住宅生産団体連合会や日本経済団体連合会はじめ各 ❶相談・通報 ❷対応方法相談 ❺本人へフィードバック CSR 部 調査、対応方法を検討し、調査ヒアリングを実施、もしくは関係部署に調査を依頼 ❸事実確認・是正措置など ❹報告 種団体に所属し、日本経済の発展、および国民の豊かな住生活の 実現のため、公共政策やロビー活動(業界活動)にも積極的に参 加し、提言活動等を行っています。 関係部署 2015 年度には、住宅生産団体連合会を通じて、国民の住宅取 います。 得にかかわる恒久的な負担軽減措置の実現を目指して、政策提 ■ 言活動を行っています。 公正な競争(贈収賄対策)に関する基本方針 当社は、 「 大和ハウスグループ企業倫理綱領」において、 「 政治 ■ 家や、官公庁、地方公共団体の役職員に対して、贈賄を行わない こと」および「合法的な寄付行為や親睦会等であっても、許認可 等への配慮を期待した行為と疑われかねないものは慎むこと」 「談合等の自由公正な競争原理を阻害する行為はもちろん、疑 惑を招くような調整のための情報交換・会合・接触をしないこと」 および、 「会食や親睦会等の接待を行う際は相手方の社内規等に 配慮し、社会常識の範囲内で行うこと」を明記し、全役職員が政 治・行政との適正な関係について意識を共有しています。 ■ 公正な取引に関する基本方針 当社は、 「CASE BOOK」を全社員への教育ツールとして作成し、 そのなかの「大和ハウスグループ企業倫理綱領」に公正で自由な市 場の競争原理に従うことを明記し、独占禁止法(私的独占の禁止お よび公正取引の確保に関する法律)や下請法(下請代金支払遅延 等防止法)などを遵守するため、従業員に対する教育を実施してい ます。 2014 年度は、反競争的な行動や反トラストおよび独占的慣行 に関する重大な違反は発生していません。 063 汚職防止 DaiwaHouseGroup CSR Report 2015 政治的献金に関する方針 大和ハウス工業は、政治資金規正法を順守しています。法によ り禁止されている「政治家個人への寄付」はもちろん実施しませ ん。また、 「 政党や政治資金団体への寄付」も原則として実施して いませんが、仮に実施を検討する際は法第二十二条の三の一項 に定める制限(補助金等を受けている会社がする寄付の制限) に 抵触することの無いよう十分な確認を行うこととしています。法 第八条の二に規定する政治資金パーティー券購入については制 限の範囲内で適法に実施しています。 ■ 租税に対する方針 納税は企業における社会的責任として当然の義務と認識し、 「企 業倫理綱領」にもとづき適切な申告納税を行います。適切な申告 納税に必要な法令知識の取得や社内における取引に関する情報 を集約できる体制の構築に努めています。また適切な納税を第一 義に企業価値向上に寄与するタックスプランニングを検討します。 なお、地域ごとの税金の情報としては当社取引の90 %以上が日 本国内の外部顧客との取引であり、重要な事項がないため公表して おりません。現時点において認識している租税リスクはありません。 サプライチェーンにおけるCSR の推進 ■ ※星印は、当社の重要 12 課題 I S O 2 6 0 0 0に もとづく36課題 ....... ■ サプライチェーン・ネットワーク 当社では、資材調達先、設備機器調達先、事務用品・機器調達先、 サプライチェーン上のリスクと機会 サプライチェーンにおけるリスクを発見するため、工事現場や 施工協力会社による協力会組織の運営をサポートし、環境・品質・ 工場での施工会社(すべての一次下請会社) に対して、労働安全・ 安全等について推進しています。 「環境」については、化学物質に 労務関係・廃棄物の処理などについて、当社のチェックリストをも ついての購入基準の運用や、生物多様性に配慮した木材調達に とに、推進状況のチェック・モニタリング行っています。そして、問 ついての同意書の取得、 「品質」に関しては、購入基準の運用ほか、 題があればその都度是正を行うほか、再発防止のための改善活 技能検定・研修会の実施、 「 安全」に関しては、安全大会や研修会 動を通じて体制を構築し、施工会社従業員への教育を行っていま を実施し、お客さまに満足いただける建物を提供しています。組 す。木材調達については、当社の木材調達の大部分を占める購買 織のなかで最大となる協力会連合会(施工協力会社の組織)の会 部、商品開発部、設計施工推進部、マンション事業推進部、 グルー 員会社 4,490 社に対しては、2006 年より人権・法令・環境の側面で プ会社 3 社が管轄するお取引先に対して、年 1 回の調査を実施し、 CSRを推進していただくための「取引先会社行動規定」を制定し モニタリングを行うとともに、基準に満たない木材を調達した取 賛同を求めてきており、 また2015 年 7月に制定したCSR 調達ガイ 引先に対しては、 ヒアリングや是正を行っています。 ドラインでも同様に求めていく予定です。 労 働 慣 行 風土に合った高品質な木材である一方、価格が比較的高いため 携を強化し、お客さまに誇れる「品質」を実現しています。当社で 調達量に限界がありました。2013 年に林野庁が主導して始まっ は、施工協力先、資材調達先、設備機器調達先からなるサプライ た「木材利用ポイント」制度は、購入者への一定額の補助が出る チェーンネットワークを構築しています。大和ハウスグループ企 ものであり、国産材普及のチャンスとなる制度です。当社では、 業倫理綱領・行動規範の「ビジネスパートナーと共に」の観点から、 構造軸組材を 100 %国産材で建設する木造住宅商品「 xevo 当社はお取引先が自主的に運営する三つの組織の運営をサポー GranWood」を2013年に開発、国産木材の利用比率を向上させ トしています。各組織が重点課題や目標を定めて取り組みを推進 るとともに、商品の普及を進めています。 し、共存共栄の精神のもとで優れた品質を保持しています。 ■ ■トリリオン会:2014年新生トリリオン会として東西の会を統合し て以来、二つの推進活動を中心に、地域性を活かしながら、相 互情報の共有化を図るとともに、会の活動を迅速かつ円滑に進 めていきます。 ■協力会連合会:製品の品質に深く関わる「生産」 「施工」にご協 力いただく会社で構成されています。全国に 83ヵ所の支部を 持ち、安全面の向上、品質、技術や作業効率の向上、環境問題 に取り組む活動を実施しています。また情報サイト「WEB Ren」 を通じて情報共有を図り、相互信頼を深めています。 ■設和会:当社とお取引いただいている設備メーカー、販売会社 などで構成される設和会は全員参加で、展示会やさまざまな活 動を通して、設備技術の情報交換、連携を深めています。会員数 です。 は関西・関東・中部・九州の4支部136社(2015年4月現在) 大和ハウスグループの事業活動におけるサプライチェーン [大和ハウスの事業活動におけるサプライチェーン] 生 産 人 権 日本の国産材は、生物多様性上のリスクが低く、また日本の さらに三つのサプライチェーンネットワークはお取引先との連 調 達 組 織 統 治 ★バリューチェーンにおける社会的責任の推進 輸 送 施 工 公 正 な 事 業 慣 行 取引先との取り組み 当社は、2006 年より施工会社(協力会連合会会員会社)に対し て、人権・法令・環境を基本原則とした「取引先会社行動規範」を制 定、2010 年には化学物質管理ガイドライン、生物多様性ガイドラ インを制定し運用を進めてきました。そして2015 年 7 月には、調 達基本方針・CSR調達ガイドラインを制定。調達基本方針は、当社 消 費 者 課 題 と社会性・環境性につ グループ従業員がQCD(品質・コスト・納期) いて考慮しながら調達を進めるための方針となっています。 ( 1 )CSR 調達ガイドラインの制定 CSR 調達ガイドラインは、すべての一次サプライヤーを対象と し、人権、労働安全、環境保全など、サプライヤーに求める社会性・ 環境性の包括的な基準となっています。 ココ ミミ 化学物質管理と生物多様性の保全については、住まいを提供 ニニ テテ し、木材を建材として使用する当社にとってバリューチェーンへ の影響が大ききことから、2010 年より個別にガイドラインを設け、 優先して管理をしています。この2分野について、目標数値を設定 し結果を公表しています。 調達先 (資材、設備機器) 工場協力会社 物流協力会社 施工協力会社 ・グリーン調達の実施 ・エコドライブ活動推進 品質 ・ 技能検定の実施 ・ 研修会での情報共有 大和ハウスグループ また、当社のお取引先において現時点で、強制労働や児童労働 といった申し立てはありません。当社は、前述の通りお取引先に コンプライアンス 環境 のへ 発の 展参 画 及 び 安全 ・安全大会の実施 ・研修会での情報共有 対し 「 CSR調達ガイドライン」の制定を機に、今後強制労働や児童 労働といった申し立てがあった場合、是正を求めていく予定です。 環 境 ( 2 )調達先選定基準について 購買先選定基準にもとづきお取引先の評価を実施し、新規の 際当社の材料購買先管理規定にもとづいて品質・価格・納期・経営・ 環境の各側面から評価、契約中のお取引先に対しても、同様の評 DaiwaHouseGroup CSR Report 2015 064 公正な事業慣行 価を実施、結果に応じ品質監査、改善要求を行い、適正な品質・価 格の材料を安定供給していただける体制を整えています。 ( 3 )モニタリング・アンケートの実施 工事現場や工場での施工会社(すべての一次下請会社) に対して、 労働安全・労務関係・廃棄物の処理などについて、推進状況のチェッ ク・モニタリングを行っています。そして、問題があればその都度是正 を行うほか、再発防止のための改善活動を通じて体制を構築し、施工 会社従業員への教育を行っています。木材調達については、年1回の 調査を実施し、モニタリングを行うとともに、基準に満たない木材を 調達した取引先に対しては、 ヒアリングや是正を行っています。 ■ 施工協力会社との取り組み 当社は会社設立時から施工協力会社の皆さまと共存共栄の精神で 共に歩んでいます。1986年には協力会社の技術技能の向上を目指し 相互研鑽と互助親睦を図ることを目的に「協力会連合会」を発足しまし た。協力会連合会の会員数(2015年4月1日現在)は、4,490社となり、全 国83ヵ所の支部と、2事業部会と5機能部会の構成で活動しています。 当社従業員の安全教育は、年間計画にもとづき階層別安全教 育・キャリア採用者安全教育・足場災害防止研修・重機災害防止研 修 等を実 施しています。 また、協力会社の方々へ の安全教育は事業主を対 象とした事業主研修のほ か 、作 業 者を対 象とした 新規入場者教育・職長・安 全責任者教育等を実施し ています。 ■全国安全大会の開催 全国安全週間( 7 月1日∼7日)にあわせて、従業員・協力会社の 方々の安全に対する意識・認識・知識の向上・高揚を図るため、6月 の準備月間から、全国事業所で安全大会を開催しています。大会 では「 危 険 見 つけてみ ん なで改善 意識高めて安 住宅系施工協力会社には、技能者育成資金補助に関して「住宅系 全 講 話 のほか、安 全 遵 守 施工店技能者育成資金補助規定」を、 また建築系施工体制強化と品 に功労のあった協力会社 質向上を目的とした優秀な能力を発揮している建築系施工協力会 および協力会社従業員・当 社には、 「優秀技能者認定制度」を設け、育成資金の補助、日当の増 社従業員の安全表彰を実 額などにより技能者の育成・確保、施工体制の強化を図っています。 施しています。 ( 2 )施工現場における労働安全 ■安全パトロールの実施 当社の建設現場の労働災害の防止および作業環境の維持・向上 のため、年間計画をもとに した。安全面での凡事徹底が不十分であったことの反省に立ち、 と、当社の支店長、営業所 2015年度の安全目標を定めました。 2015年度の安全目標 長、各工事責任者等が参加 し、作業や設備の安全を確 ① 死亡災害 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0件 認し、継続的な安全活動に 安全パトロールの様子 ② 第三者災害 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0件 ③ 重機災害 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0件 ④ 休業4日以上の墜落・転落災害 ・・ 0件 ■安全衛生協議会の開催 毎月、安全パトロール後に安全衛生協議会を開催しています。 同会では工事に従事する ⑤ 休業4日以上の熱中症災害 ・・・・・ 0件 さらに、2015 年度の重点取り組みとして、足場点検実務者教 育・熱中症予防教育の早期 従業員と協力会社が参加 展 開 などを計 画していま して当日のパトロー ル結 す。また、 「安全衛生管理 果 報 告・安 全 衛 生 委 員 会 計画」をもとに PDCA を回 の報告・施工店によるパト し、あらゆる災害の原因究 ロー ル報告等、施工現場 明に注力し、再発防止のた の安全性を高める改善活 DaiwaHouseGroup CSR Report 2015 当社は、年度ごとに発行する「安全衛生推進基本方針」にもと づき、全国の事業所で安全衛生活動計画を策定します。同計画は、 度は墜落・転落災害や第三者災害など猛省すべき災害が発生しま ールには協力会社の方々 す。 ■労働災害の防止 の実施結果をもとに改善活動を展開しています。 しかし、2014 年 施しています。安全パトロ 動の活性化を図っていま 安全大会の様子 労働安全衛生におけるリスク低減に向けて目標設定を行い、毎月 毎月安 全パトロー ルを実 取り組んでいます。 安全教育を受講している様子 全職場」をスローガンに安 ( 1 )技術者の育成支援 065 ■安全教育支援の実施 めの改善活動を、より一層 安 全 パトロー ル 結 果にもとづき不 安 全 状 態・ 不安全行動を参加関係者へ周知 推進していきます。 熱中症対策の休憩場所を設置
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