TP02 熱伝導率測定用 非定常プローブ TP02 は試料の熱伝導率(または熱抵抗)を高精度レベルで実用的にかつ迅速に測定することができるプローブです。 このプローブは ASTM 規格- D 5334-00/ D 5930-97、 IEEE 規格- 442-1981 に準じています。 標準タイプの TP02 は 土壌、沈殿物、食品、粉末物、塗料、接着料、など様々な物質の測定に適してることが証明されていま す。非定常プローブ測定法/ Non-Steady-State Probe (NSSP=またはトランシエントラインソース, サーモニードル, 熱ニ ードル,ヒートパルス、ホットワイヤーテクニックとしても知られています) の基本的な利点は、試料のサイズを問わず、迅速にか つ的確に計測できることです。 Hukseflux 社 は NSSP 規格の設計を専門としており、屋外における現場測定用の特殊モデ ルも開発されています。土壌に半永久的に設置できる専用モデルとしては、TP01 があります。 TP02 は Wageningen 大学の応用物理学グループとの共同開発によって設計された測定器です。 10 1 2 3 4 ΔT, λ 5 6 T 図 1: TP02 非定常プローブは 2 点のサーモカップルジャンクションから成ります;ヒートジャンクション (3), コールドジャンクシ ョン (4)、 (先端部分のコールドジャンクションは安定した温度を保たせます) それにワイヤー状のヒーター (2)です。 このプロ ーブを試料に差し込みます。本体部分 (6)には温度センサー (pt1000) (1)が内臓されています。本体とケーブルの接続部 分はゴム製カバーで保護されています(5)。 利点: ・試料の温度の影響を受けない高精度温度勾配 ・優れた高感度と安定性 ・通常のケーブルやコネクターの使用可能 *ニードルの長さは 150mm 直径 1.5mm *標準ケーブルの長さは 2.5m 概要 ここでは the American Society for Testing and Materials (ASTM) と Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE)に基づいた熱伝導率 測定法を記述します。 ASTM D 5334-00、D 5930-97 及び IEEE Std 4421981 の " 標準テスト法" によって非定常プローブ/NonSteady-State Probes (NSSP) の様々なアプリケーショ ンが特定されています。一般的に NSSP はワイヤー状のヒ ーターとその温度を測定することのできる温度センサーによ って構成されています。そしてこのプローブを 試料に差し込 みます。NSSP の原理はこのヒーターのユニークな特長によ るものです。 一時的な準備段階後の温度上昇:∆T、ヒータ ーの出力:Q、試料の熱伝導率:λ、で表記されています。 ∆T = (Q / 4 π λ) (ln t + B) ∆T は K、 Q は W/m、 λ は W/mK, t は時間 s、 and B は常数です。ヒーターの出力の測定と毎時間の温度をトレー スすることによって(TP02 では通常 100s), λ の値が算出 されます。針の周囲半径 20mm までが試料でカバーされて いれば、試料の大きさ自体は問題ではありません。 Q、 t 及び ∆T の測定は全て出力、時間、温度の直接的な 測定です。これらの測定にはリファレンス用の試料は必要あ りません。 TP02 においての測定は絶対測定です。 日 本 語 版 0 8 1 6 (1 /2 ページ) TP02 はユーザーの持っている測定器やコントロールシステ ムを補足するものとして使用することができます。TP02 の 使用に際しては Campbell Scientific 社の CR10X 及び CR1000 が最適です。 TP02 の設計 Hukseflux 社の TP02 は 広範囲のアプリケーションに対 応出来るように設計されています。設計においては以下のよ うな考慮がなされています: 高精度: TP02 には電圧出力 U、を出力する二つのサーモ カップルジャンクションがニードルの中にが内蔵されており、 これは∆T に比例します。先端のジャンクションは加熱されま せん。測定はニードルの根元から 1/3 の位置にあるヒート ジャンクションと先端のコールドジャンクションとの差異によっ て行われます。 この構成では測定開始前の電圧は試料の温度に関係なく常 に小さくなっています。設計上、ニードルには単一のセンサ ーが内蔵されているため、低いシグナルの一番上に U シグ ナルが現れます。 高温と低温の測定時にはこの二つジャンクションによって 高い精度を得ることが出来ます。さらにヒートジャンクションと コールドジャンクションの両方を持つことによって、試料の温 度変化によるエラーを最小限に抑えます。 本体部分の温度センサー:本体部分の温度センサー (Pt1000) は試料の絶対温度 T(ASTM の規格に基づく)を 確立するためのコールドジャンクションの測定をします。この 機能はサーモカップルの感度の温度補正のために使用され、 温度幅に関しての高精度を提供します。 製 品 ・ 技 術 情 報 な ど コ ン テ ン ツ の 著 作 権 は 、 全 て Hukseflux 社 の 帰 属 ・ 所 有 で す 。 HUKSEFLUX™ THERMAL SENSORS . WWW.HUKSEFLUX.COM . [email protected] TP02 の設計 (続き) 温度、水分においての耐久性: TP02 に使用されている全 ての部品は温度に対する耐久性に優れています。TP02 の 本体とニードルはステンレス製で 100% 防水対応です。 溶接による完全防水性のため、特に長期間の安定性に優れ ています。 標準ケーブルとコネクター: 温度センサーPt1000 を本体に 取り付けることによって一般的な銅配線のケーブルやコネク ターを TP02 の延長ケーブルとして使用することが出来ます。 データプロセッシング: TP02 で得られたデータは一般的な スプレッドシートアプリケーション(Excel 等)で見ることが出 来ます。 測定とコントロールの問題解決法: TP02 のマニュアルを 参照していただくかまたは Hukseflux にお尋ね下さい。 Campbell Scientific 社の CR10X と R1000 に対応する プログラムも入手可能です。ターンキーシステムの要請も承 ります。TPSYS のカタログをご覧下さい。 マニュアル:TP02 のマニュアルは e-mail に添付する PDF ファイルの形で無料配布しています。 高精度のキャリブレーションには CRC (キャリブレーションリ ファレンスシリンダー)が入手可能です。 硬質土壌への挿入のための GT シリーズ導入チューブの要 請も承ります。 TP02 仕様 テスト法: ASTM D 5334-00 と D 5930-97、 IEEE Std 442-1981 ニードルの長さ: 150 mm トレーサビリティー: NPL 測定範囲 (λ): 0.1 to 6 W/m.K 感度 (∆T): サーモカップル K, ANSI MC96.1-1982 温度幅(ケーブルを含むセンサー全体): -55 to +180 °C 精度( 20℃での): +/- (3% + 0.02)W/ mK 温度依存の精度: +/- 0.02 %/K (追加として) 測定サイクル持続時間 図 2: TP02 のシグナルはログ計算で補正された時間のグ ラフになっています。このグラフはあるポイントから直線に変 わります。このグラフの直線勾配は熱伝導率:λ に反比例し ます。 キャリブレーション / ISO 9000 プローブの安定性の立証は国立物理研究所(NPL)に認定さ れているキャリブレーションリファレンスシリンダー(CRC)を 使って毎年テストすることが出来ます。CRC は Hukseflux が所有しています。TP02 は ISO 公認のラボでの使用に適 しています。 適応例 • 土壌や軟岩の研究 • 食品、プラスチック、粉末の研究 • 製造過程での品質テスト • 素材の品質管理 • 土壌、食品物性学の教材 100 秒 (通常) 所要電源: 3 V, 1 Watt (max) 測定対象物/試料の条件: 半径 20mm 以上 顆粒状の物質、粉末、粘 土状・ゲル状・ぺ-スト状 の物質、試験前にドリル で穴を開ける必要がある 場合もあります。 *さらに少量の試料につい てはご相談下さい。 注意:詳細についてはマ ニュアルをご覧下さい。 ニードルと本体の保護規格 IP 68 センサー全体の保護規格 IP 67 [ 英語原文 V 0616 ] 追加資料/ オプション スタンダード: ASTM のスタンダード(資料)は http://www.astm.org で入手できます。 別途設計: NSSP(非定常プローブ)の設計は Hukseflux の専門分野です。また、小型化、耐久性・耐熱性の強化など 異なる要望に沿ったプローブの製作も可能です。 半永久設置型: TP01 は長期測定用に設計されています。 別途にカタログがありますのでそちらをご覧ください。 日 本 語 版 0 8 1 6 (2 /2 ページ) 製 品 ・ 技 術 情 報 な ど コ ン テ ン ツ の 著 作 権 は 、 全 て Hukseflux 社 の 帰 属 ・ 所 有 で す 。 HUKSEFLUX™ THERMAL SENSORS . WWW.HUKSEFLUX.COM . [email protected]
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