「本場の本物」地域食品ブランド表示基準(Ⅰ種・Ⅱ種共通)

別紙3(様式2)
「本場の本物」地域食品ブランド表示基準(Ⅰ種・Ⅱ種共通)
1.名 称
「雲州平田の生姜糖(出西生姜糖)」
(1)名称の由来
1715年頃から、当該地域で製造され、大正~昭和にかけては平田地域(現、出雲市平
田町)のお菓子屋さんほとんどが生姜糖を製造していたことによる。昔の平田地域を示
す地域名として「雲州平田」使う。また、特徴ある原料の出西生姜にちなんだ名称も併
記。 ※別紙文献参照
2.産 地
(1)範 囲
出西生姜の生産地は、島根県出雲市斐川町出西地区の特定エリアとし、製造地は島根
県出雲市平田町とする
※別紙地図参照
(2)範囲の設定根拠
原料である出西生姜は、約400年以上前から、島根県出雲市斐川町出西地区のさら
に限られた場所でのみ栽培されており、それが行商によって平田町に持ち込まれ、そこ
で栽培されていたサトウキビを使った菓子が考案され、その伝統技術の継承が当該地域
のみであるため。
※別紙文献参照
3.歴史的伝統性
雲州平田の生姜糖(出西生姜糖)の起源は、『出雲新風土記』によると、寛文11年
に出雲の平田片原町に生まれた來間屋文左衛門が松江藩の奉行所勤めを離職し、茶道・
華道の道に心を寄せたことから始まる。
原料となる出西生姜は、出西村が海に面していた遠い昔、九州方面から一個の御神体
が漂着し、これを八幡宮として祀ったことから、その周辺に生姜が繁茂しはじめ、それ
を種として栽培したのにはじまるとされ、現在、出西地区の久武神社の境内に出西八幡
の社が残っている。
他説もあり、宮大工として九州から出雲に来た方たちの手によって“生姜”が持ち込
まれたというものであり、実際に“西(ニシ)”という姓が今なお残っており、生姜を
持ち込んだ理由として九州より出雲は寒い土地なので、寒さ対策・風邪をひかないため
であったという。
そして当時、生姜の産地であった隣町である出西町から「出西生姜」を売りに来る行
商がおり、それを、1715年、來間屋文左衛門が平田地区で栽培されていたサトウキ
ビを使うことにより、高尚かつ耐久性のある菓子ができると考え、再三の失敗を重ねな
がら、雲州平田の生姜糖(出西生姜糖)を完成させた。
その後、文化年間に徳川将軍家斉および松江藩主に献上したところ、大いに賞賛され
たので、ようやく世間の人に認められるようになり、雲州平田の生姜糖(出西生姜糖)
が広く知られるようになった。また、大正初期から昭和初期に入ってからは、戦地の慰
問品として雲州平田の生姜糖(出西生姜糖)を送る必要があることから、製造者は10
軒ほどになったが、戦後になり雲州平田の生姜糖(出西生姜糖)を製造する者は饅頭等
を作る和菓子屋と転換し、現在、昔ながらの出西生姜を使用し、伝統製法を踏襲して雲
州平田の生姜糖(出西生姜糖)を製造する者は一軒となってしまった。
創業し、約300年の間、生姜糖の専門店として生姜糖のみを生業として原料の出西
生姜、炭火を使用した手作り製法にこだわり生産してきた。自店のみで代々継承してい
て、現在11代目。お茶を飲む文化があったからこそ、菓子処であり、菓子の製造・消費
も多かった。
1
4.食品の独自性
(1)食品特性
【製品自体】昔ながらのものは板状の製品です。長方形の銅制の型に流し込み、
仕上げます。原料が奇麗な黄色をしていますので、上白糖とからめ
ますと、乳白色の製品に仕上がります。
【食味】原料の特徴によるところが大きい。出西生姜は、香り高く、辛味が強い。
それでいて繊維質が少ないので加工し易い。どちらかというと、生姜特有の
“えぐ味”が少なく、フルーツのような味わいの生姜である。
【味・食感】口に入れると、さらりと溶けていく感覚で、甘味と生姜の香りが広がり、
のどを通る頃に辛味が出できます。
炭火窯を使用し、今でも昔ながらの手造りでの製法を守り、原料は地元産の出西生姜に
こだわって生産している点。生姜糖の専門店である点。(意外とデリケートで取扱いが
難しい製品)
(2)原材料の特徴
【出西生姜の特徴】出西生姜は、香り高く、辛味が強いがそれでいて甘味があるのが
特徴。さらに繊維質が少なく、加工し易い。また、生姜独特の“えぐ味”が
少なく、とてもフルーツの味に近い爽やかな味わいの生姜。
【仕入れ方法】農家さんからの直接仕入れ。年間使用量は約1.2t(H25年度実績)。
來間屋生姜糖本舗では一貫して出西地区の農家さんから代々直接仕入れ
現在は、3代に渡り、永戸家から仕入れ
(3)原材料の使用理由
①創業者・來間屋文左衛門が、甘いもの(砂糖)と辛いもの(出西生姜)を配合した
菓子(生姜糖)を考案、平田で製造販売を始めたこと。
②原材料の特徴にもあるような理由により使用。原料の産地である出雲市斐川町
出西と平田町は、車で約20分程度離れた地域であり、昔は収穫された出西生姜を
農家の方が行商され、平田町内(ほか近隣地区)へ販売されていた。
容易に入手できたこと。
(4)製法の特徴
工
程
生姜絞り
内
容
生姜をすりおろし、布きんで絞り、生姜の絞り汁を取ります。
鍋かけ(初期)上白糖と水を入れ、炭火窯にて沸騰させ完全に煮溶かします。
※ここで昔ながらの製法により、現在も炭火窯を使用しています
煮詰め(途中)煮詰めていく過程で、出西生姜の搾り汁を添加していきます。
煮詰め(後期)一定の煮詰めポイントで、鍋を窯からおろします。
攪拌
その後、めん棒にて撹拌します。
流し
銅制の型を16~18枚ほど、横一列にならべてあるところに一気に流し込
みます。
整形・冷却
約5分程度冷却し、ある程度固まったところで、型と型の接している部
分を整形します。
はぐり・冷却
さらに15~20程度冷却し、型から製品を取り外します。
製品の完成です。
2
(5)品質・衛生管理基準
工
程
内
検品(板)
容
全品検査・異物混入などを直接目視で検品
商品の形状などもすべて確認して出荷可能か判断する。
検品
(ひとくち)
商品を手作業でひとつ、ひとつ包む工程において、異物混入、商品形状
などを確認。また商品をひとくちサイズにカットする場合にも同様に検
査を実施。
検品(出荷前)出荷前に無作為に抽出して、パッケージ状態を確認
5.生産量
(1)全体の生産量
平成21年
51,800
平成22年
61,300
平成23年
60,500
生産量
(全体)
資料:自社売り上げ集計より(板換算・概算)
平成24年
57,300
単位:枚
平成25年
63,900
(2)該当商品の生産量(全体の生産量のなかで、「本場の本物」に該当する商品)
単位:枚
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
生産量
51,800
61,300
60,500
57,300
63,900
(該当商品)
資料:自社売り上げ集計より(板換算・概算)
6.製造者(「本場の本物」に該当する商品を製造できる者)
製造者名
従業員数
住
所
來間 久
代表
〒691-0001島根県出雲市平田町774
來間 定子
専従者
〃
*必要に応じて枠を増やして記入してください
7.該当商品名・製造者名・小売価格(「本場の本物」に該当する商品名)
商品名
製造者名
生姜糖1枚入・袋
山陰名産 來間屋生姜糖本舗
生姜糖1枚入・箱
〃
生姜糖2枚入
〃
生姜糖3枚入
〃
みこげ生姜糖3ヶ入
〃
紅白ひとくち生姜糖12ヶ入
〃
ひとくち生姜糖・抹茶糖15ヶ入
〃
ひとくち糖三色セット30ヶ入
〃
ひとくち糖三色セット43ヶ入
〃
ひとくち糖三色セット53ヶ入
〃
*必要に応じて枠を増やして記入してください
3
小売希望価格(税込)
473
486
950
1,393
114
486
545
1,080
1,566
1,944
8.取りまとめ団体もしくは特認者
団体もしくは特認者名
(代表者役職名 氏名)
山陰名産 來間屋生姜糖本舗
店主 來間 久
住
所
〒691-0001
島根県出雲市平田町774
9.識別マークの貼付と管理
認定を受けた場合は、識別マークの使用を当該商品のみとし、当社が適切に管理するも
のとする。
10.第三者認証
認定を受けた場合は、基準通りに製造しているかどうか、平田商工会議所に第三者認証
を受けました。※別紙(平田商工会議所_出西生姜糖に関しての第三者証明)
11.認定後の業界活性化の展開方法
認定後は昔ながらの原材料と製法を踏襲した雲州平田の生姜糖(出西生姜糖)の認知度
を高めることともに、島根県の伝統食文化として継承することに励む。
原材料である「出西生姜」に関しても、伝統的な食材として栽培農家さんとともに継承
に協力していく。
12.認定後の地域振興への貢献方法
地域の伝統食品の継承をしつつ、それを理解する消費者を増やし、地域に人が呼込む仕
組づくり(ツーリズム等)を検討し、伝統産業だけでなく、地域全体が活性化すること
に取組む。特に「出西生姜」を切り口に企画が行えればと考えている。
13.認定後、当該地域に同様の基準で製造する新たな製造者が出現した場合の連携およ
び展開方法(特認者のみ記載)
当社と同じ原材料、製法等、同基準の製造者が出現した場合は、すみやかに団体を設立
し、お互いに技術向上、販売に関して情報交換し、伝統食品として、また安心、安全を
広く消費者に広めていく。
14.参考(社会的評価)
■「出雲推奨品・おいしい出雲」の認定品(平成24年~)
「生姜糖」、「出西生姜」ともに出雲市の外郭団体である、特定非営利活動法人21
世紀出雲産業支援センターにおいての認定制度による。
■全国的な表彰事業における受賞歴
第26回 全国菓子博覧会(2013広島) 金賞
第25回 全国菓子博覧会(2008姫路) 全菓子博無鑑査賞
第24回 全国菓子博覧会(2002熊本) 全菓博大賞
第23回 全国菓子博覧会(1998岩手) 栄誉金賞
第22回 全国菓子博覧会(1994金沢) 功労賞
第21回 全国菓子博覧会(1989松江) 名誉無鑑査賞
第20回 全国菓子博覧会(1984東京) 名誉無鑑査賞
第19回 全国菓子博覧会(1977静岡) 名誉無鑑査賞
第18回 全国菓子博覧会(1973鹿児島)総裁賞
第17回 全国菓子博覧会(1968札幌) 大臣賞
第16回 全国菓子博覧会(1965秋田) 名誉副総裁賞
第15回 全国菓子博覧会(1961名古屋)名誉大賞
など
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15.参考資料
(1)生産が行われている場所(施設)の所在地を示す資料を添付すること。
・営業許可証 (営業許可証 H25_H30.pdf)
(2)商品に冠された地名が旧地名であり、現在、当該地名が住居表示に使用されていな
い場合は、現在の地名との関係が分かる資料を添付すること。
※添付なし
(3)製品概要、生産範囲、製品特性、製法(工程図・管理図を含む)、社会的評価、生
産量等に関する記載内容の妥当性を示す資料(含写真)を添付すること。
生姜糖 1 枚_仕様書汎用 20140621①.pdf
生姜糖 1 枚_仕様書汎用 20140621②.pdf
受賞盾_賞状等画像(受賞歴_賞状盾.pdf)
(4)製品特性や製法に関して記載された内容で実際に生産が行われていることを示す資
料を添付すること。
出西生姜産地証明(20130603 出西生姜産地証明.pdf)
雑誌掲載の切り抜き(山陰キラリ雑誌切り抜き.pdf)
(5)取りまとめ団体および特認者に係る登記簿謄本、定款又は寄附行為の写し、規約、
直近の総会資料を添付すること。なお、該当するものがない場合は、それに準ずる
資料を添付すること。
※添付なし
(6)取りまとめ団体および特認者以外による同一食品の生産がなされていない資料を添
付すること。
※平田商工会議所_出西生姜糖に関しての第三者証明
(20140610 平田商工会議所_出西生姜証明.pdf)
その他、文中に示した資料
・島根民藝録/出雲新風土記 行事の巻・味覚の巻
(生姜糖と出西生姜由来.pdf)
・出西生姜栽培エリア.pdf
5
による