[異常時通報連絡の公表文(様式1−1 ) ] 硫酸第一鉄を含む洗浄水の雨水排水口からの排水 について 15.10.10 原子力安全対策推進監 (内線2352) [異常の区分] 国への法律・通達に基づく報告対象事象 県の公表区分 外部への放射能の放出・漏えい 発生日時 異常の概要 発生場所 種 類 有 ・ 無 [評価レベル ] A ・ B ・ C 有 ・ 無 [漏えい量 ] 15年 9月 3日11時05分 1号・2号・3号・共用設備 管理区域内 ・ 管理区域外 ・設備の故障、異常 ・地震、人身事故、その他 [異常の内容] 9月3日(水)11時52分、四国電力(株)から、別紙のとおり、伊方発電所の 異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。 1 9月3日(水)11時05分頃、通常運転中の伊方1,2号機で、取水ピット 外側の岩場において、硫酸第一鉄を含むと思われる茶褐色の水が溜まってい ることを確認した。 2 詳細は現在調査中。 3 環境への放射能の影響はない。 [異常の原因及び復旧状況] 9月3日(水)20時40分、四国電力(株)から、原因及び復旧状況について、 次のとおり連絡がありました。 1 調査の結果、茶褐色の溜まり水は、9月2日に実施した硫酸第一鉄注入装 置の弁点検作業において、装置内の硫酸第一鉄の移送に使用した仮設ポンプ や仮設槽に使用したビニルシートを洗浄した水を雨水排水口に排水したため、 排水溝を通じて当該岩場に流出したものと判明した。 2 このため、岩場に滞留していた当該溜まり水の回収および排水溝の洗浄を 実施した。 また、付近の海水中の鉄濃度を測定した結果、異常は認められず環境への 影響はなかった。 県としては、八幡浜中央保健所職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確 認しました。 (伊方発電所及び周辺の状況) 1号機 原子炉の運転状況 2号機 3号機 発電所の排気筒・放水口モニタ値の状況 周辺環境放射線の状況 運転中(出力101%) ・停止中 運転中(出力101%) ・停止中 運転中(出力104%) ・停止中 通常値 ・ 異常値 通常値 ・ 異常値 (参考) 1 国への法律・通達に基づく報告対象事象 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び大臣通達等に基づ き、国(経済産業省原子力安全・保安院等)に対し、一定レベル以上の事故・故 障等を報告することが義務付けられている。 国への法律・通達に基づく報告対象事象に該当すれば、国際原子力機関が定め た評価尺度に基づき、7から評価対象外までの9段階の評価レベルが示されるの で、異常の程度を判断する目安となる。評価対象外以下のものについては、安全 に関係しない事象とされている。 2 県の公表区分 区分 A 内 容 ○安全協定書第11条第2項第1号から第10号までに掲げる事態 (放射能の放出、原子炉の停止、出力抑制を伴う事故・故障、国への報告 対象事象 等) ○社会的影響が大きくなるおそれがあると認められる事態 (大きな地震の発生、救急車の出動要請、異常な音の発生 等) ○その他特に重要と認められる事態 B ○管理区域内の設備の異常 ○発電所の運転・管理に関する重要な計器の機能低下、指示値の有意な変 化 ○原子炉施設保安規定の運転上の制限が一時的に満足されないとき ○その他重要と認められる事態 C 3 ○区分A,B以外の事項 管理区域内・管理区域外 その場所に立ち入る人の被ばく管理等を適切に実施するため、一定レベル(3 月間に1.3ミリシーベルト)を超える被ばくの可能性がある区域を法律で管理 区域として定めている。原子炉格納容器内や核燃料、使用済燃料の貯蔵場所、放 射能を含む一次冷却水の流れている系統の範囲、液体、気体、固体状の放射性廃 棄物を貯蔵、処理廃棄する場所等が管理区域に該当する。 異常発生の場所が管理区域の内か外かによって、異常の程度を判断する目安と なる。 伊 方 発 電 所 情 報 (お知らせ) 発信年月日 平成15年 9月 発 信 伊方発電所 当 該 機 号 機 者 3日 ( 水 ) 11時52分 宮崎 1号機(566MW)・2号機(566MW)・3号機(890MW) (定格出力) 発生時 状 況 1.1号機:出力 569MW、2号機:出力 571MW にて(通常運転中・調整運転 中・出力上昇中・出力降下中) 2.第 回 定期検査中 設備トラブル ・ 人身事故 ・ 1.発生日時: 9月 地 震 ・ その他 3日11時05分頃 2.場 所: 1,2号機取水ピット付近(管理区域外) 3.状 況: 伊方発電所1,2号機は、通常運転中のところ、9月3日11 時05分頃、1,2号機取水ピット外側の岩場において、硫酸第 一鉄を含むと思われる茶褐色の水が溜っているのを確認しまし た。 詳細は調査中です。 発生状況 概 要 運転状況 備 考 なお、本事象によるプラントの運転への影響及び環境への放射 能の影響はありません。 1号機:通常運転中・調整運転中・出力上昇中・出力降下中・定検中 2号機:通常運転中・調整運転中・出力上昇中・出力降下中・定検中 3号機:通常運転中・調整運転中・出力上昇中・出力降下中・定検中 添付資料−1 伊方発電所第1,2号硫酸第一鉄溜り水位置図 伊 方 発 電 所 情 報 (お知らせ、第2報) 発信年月日 平成15年 9月 発 信 伊方発電所 当 該 機 号 機 者 3日 ( 水 ) 20時40分 宮崎 1号機(566MW)・2号機(566MW)・3号機(890MW) (定格出力) 発生時 状 況 1.1号機:出力 569MW、2号機:出力 571MW にて(通常運転中・調整運転 中・出力上昇中・出力降下中) 2.第 回 定期検査中 設備トラブル ・ 人身事故 ・ 1.発生日時: 9月 地 震 ・ その他 3日11時05分頃 2.場 所: 1、2号機取水ピット付近(管理区域外) 3.状 況: 伊方発電所1、2号機は、通常運転中のところ、9月3日11 時05分頃、1、2号機取水ピット外側の岩場において、硫酸第 一鉄※を含むと思われる茶褐色の水が溜っているのを確認しまし た。 [第1報にてお知らせ済み] 発生状況 概 要 調査の結果、茶褐色の溜まり水は、9月2日に実施した硫酸第 一鉄注入装置の弁点検作業において、装置内の硫酸第一鉄の移送 に使用した仮設ポンプや仮設槽に使用したビニールシートを洗浄 した水(硫酸第一鉄が約 300g 含まれた水)を雨水排水口に排水し たため、排水溝を通じて当該岩場に流出したものと判明しました。 このため、岩場に滞留していた当該溜まり水の回収および排水 溝の洗浄を実施しました。 また、付近の海水中の鉄濃度を測定した結果、異常は認められ ず環境への影響はありませんでした。 本事象に係るお知らせは、本報をもって終了させて頂きます。 ※硫酸第一鉄とは、復水器細管の腐食を防止するため、冷却海水へ 微量を連続注入している薬品であり、有害物質ではありません。 運転状況 1号機:通常運転中・調整運転中・出力上昇中・出力降下中・定検中 2号機:通常運転中・調整運転中・出力上昇中・出力降下中・定検中 3号機:通常運転中・調整運転中・出力上昇中・出力降下中・定検中 備 添付資料−1 添付資料−2 考 伊方発電所第1、2号硫酸第一鉄溜り水位置図 伊方発電所第1、2号機 硫酸第一鉄流出状況図 添付資料−2 伊方発電所第1、2 号機 硫酸第一鉄流出状況図 硫酸第一鉄を含む洗浄水 循環水ポ ン プ 取水口 硫酸第一鉄注入装置 ② 仮設槽に使用したビニール シートを雨水排水口の近傍で 水洗 雨水 排水口 P 仮設ポンプ 仮設槽 ① 仮設ポンプを洗浄した 水を雨水排水口に排水 硫酸第一鉄注入装置 伊方発電所 基本系統図 <管理区域内> ○燃 料取替用水タンク 通常 運転中は、非常用 炉心冷却 設備 等の水源として待 機し、定 期検 査時には燃料取替 時の水張 りに 使用する。 [凡例] :原子炉で発生した熱を蒸気発生器に伝える設備(1次冷却設備)[放射性物質を含む] ○蒸気発生 器 原 子炉 で 温め ら れた 高 温 の水 を 利用 し て別 の 水 (2 次 冷却 水 )を 蒸 気に変える 。 原子炉格納容器 格納容器スプレイ :緊急時に原子炉等を冷やす設備(非常用炉心冷却設備等)[放射性物質を含む] :1次冷却水の水質・水量を調整する設備(化学体積制御設備)[放射性物質を含む] :蒸気発生器でできた蒸気でタービンをまわし発電する設備(2次冷却設備)[放射性物質を含まない] 緊急時 に原子炉格納容器 内に 注水し 、内部を冷却・減圧 する。 格 納容 器スプレイ冷 却器 :管理区域 (高 圧 タ ー ビン へ ) 原子炉格納容器、使用済燃料等の貯蔵、放射性廃棄物の廃棄等の場所であって、その 場所の放射線が一定レベル(3月間に1.3ミリシーベルト)を超える恐れのある場所 [実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第1条第2項第4号に規定] ○原子炉容 器 ウ ラン 燃 料を 核 分裂 さ せ て、 そ の時 に 出る 熱 で 水( 1 次冷 却 水) を 高温にする 。 格納容 器スプレイポンプ 緊急時 に原子 炉に高 圧で注水 し、燃料を冷 却する。 ○湿 分分離加熱器 高 圧 タ ー ビ ン を出 た 蒸 気 を 加 熱 し 、 蒸 気中 の 水 滴 を除 去する。 高圧注 入ポンプ 緊 急 時に 原 子炉 に 低圧 大 容量 で注 水 し 、燃 料 を冷 却 する 。 また 、原 子炉停 止時の冷却にも使 用する。 低圧 タービン 余熱 除去冷 却器 循環水 ポンプ 発電機 余 熱除 去ポンプ 取水口 M 高圧タービン ○脱塩塔 1次 冷却水 に溶 け込 んだ イオン 状の 不純 分を除去する。 放水口 復水 ポンプ ○体積制御タン ク 1次 冷却設 備へ の注 水量を調整する 。 2 次冷 却 水を 加 熱し 、 熱効率を向 上させる。 高圧 給水加熱器 ○復水器 ター ビ ン をま わ した 蒸 気を 海 水 で冷 や して 水 に戻す。 低圧 給水加熱器 ○脱 気器 2 次 冷却 水 中に 溶 け込 んだ 空気を除去する。 雑固体焼却設備 焼却炉 使用済 燃料 フィルタ 使用済燃料ピット 排ガス ファン 管 理区 域 内 で使 用 した 清 掃用 の 紙 や布 等 を焼 却し、体 積を減らす。 茶褐色の水溜まり 洗浄作業現場 流出箇所 (1,2号機取水ピット外側岩場) 用語の解説 ○硫酸第一鉄 復水器細管の耐食性向上を目的として、細管内面の表面被膜形成のため、冷 却用海水に添加している薬品。一般には、媒染、浄水用に用いられるほか、鉄 分の欠乏を補う補血薬でもある。 周 辺 環 境 放 射 線 調 査 結 果 (県環境放射線テレメータ装置により確認) 平成15年9月3日(水) (単位:ナノグレイ/時) 値 平常の変動幅の最大値 11:20 11:30 降雨時 降雨時以外 16 16 41 18 53 54 76 60 47 46 64 54 19 19 − − 23 24 − − 12 12 − − 20 19 − − 22 21 − − 14 15 37 16 14 14 39 16 14 14 39 16 13 12 39 15 13 13 40 16 測 定 測定局 時刻 10:50 11:00 11:10 モニタリングステーション 17 17 17 九町モニタリングポスト 53 53 53 愛 湊浦モニタリングポスト 47 44 42 媛 伊方越 モニタリン グポスト 19 19 19 県 川永田 モニタリン グポスト 23 23 23 豊之浦 モニタリン グポスト 12 12 12 加周モニタリングポスト 20 20 20 大成モニタリングポスト 22 22 22 四 モニタリングステーション 14 15 15 国 モニタリングポストNo.1 15 15 15 電 モニタリングポストNo.2 14 14 14 力 モニタリングポストNo.3 12 13 12 ㈱ モニタリングポストNo.4 13 13 13 ※降雨の状況:有・無 伊方発電所の排気筒モニタ等にも異常なかった。 (参考) 1 環境放射線の測定値は、降雨等の気象要因や自然条件の変化等により変動するの で、原子力安全委員会の環境放射線モニタリング指針に基づき、測定値を「平常の 変動幅」と比較して評価しています。 「平常の変動幅」は、過去2年間の測定値を統計処理した幅(平均値±標準偏差 の3倍)としており、一般に、測定値が「平常の変動幅」の最大値以下であれば、 問題のない測定値と判断されます。 2 環 境 放 射 線 は 線 量 ( グ レイ)で表されますが、一般的に、これに0.8を乗じて、人の被 ば く の 程 度 を 表 す 線 量 ( シ -ベ ルト)に換算しています。 例 え ば 、 九 町 モ ニ タ リ ン グ ポ ス ト ( 線 量 率 約 6 0 ナ ノグ レ イ / 時 ) 付 近 で は 、 1 年 間 に 約 0.4ミリシ- ベル ト ( ミ リ は ナ ノ の 1 0 0 万 倍 を 表 す ) の 自 然 放 射 線 を 受 け る こ と と な り ま す が 、 これは、胃のX線検診を1回受けた場合とほぼ同じ程度の量です。
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