しっかりと脱脂した後、薬剤に漬け込むこと で表面に付いた汚れを除去。その後、様々な ブラストマシンを使ってキレイに再生する。 ●文=GERMAN CARS ●撮影=相場恒弘 ●協力=ターボテクノサービス クルマにとって至上命題。BMWも 環境への配慮や燃費の向上は現代の ングさせるのが主流になりつつある。 して、直噴ユニットにターボをドッキ 多くのターボチャ 工場内に入ると、 ージャーが修理を待っていた。最初 細かな部品まで入手できるのだ。 メーカーとのパイプを持つ同社では、 ワーナーやギャレットといったターボ 当然こうした技術は、輸入車のタ ーボリビルトも可能にする。ボルグ 修理できる体制が整っている。 着手。今では多くのVGSターボを ープではVGSターボのリビルトに 多かったという。そこで、TTSグル 上げていくのだ。こうしたことがで をして、純正とほぼ同じものを作り ルの対策品を使ってトラブルを再発 ついては えられるのだが、オリジナ 前述したように、同社はターボメ ーカーとのパイプを持つため部品に わせて、 ガラス、 重曹、 ダイヤモンドな スターで仕上げる。これも素材に合 け込んで汚れを除去してサンドブラ 浄工程においては数種類の薬剤に漬 は損傷させないよう慎重にバラし、 洗 トラックやバスのターボも直す スペシャリスト集団 ゲンも、直噴ターボをメインユニット たのかを確認。ひとつひとつのター の工程で検品し、どんなトラブルだっ が昔から採用されてきた。排気量が などではターボを搭載したエンジン かなど、 細かく確認できるようになっ され、いつ入庫し、どんな症状が出た ボチャージャーはバーコードで管理 対策品を使用することで、より信頼 はなく、熟練のスタッフによる加工や いえる。単に部品を交換するだけで きるのも高い技術がある裏付けだと させない工夫もしている。材料分析 小さくても効率良くパワーを得るた ている。 ここで紹介するターボテクノサー ビスは、ターボチャージャーのリビル 理を行なっている。分解するときに り、各部署のスタッフが手作業で修 が、これらが製造ラインになってお とシャフトからなる回 転ローター。 ターボチャージャーの不具合で多 いのは、インペラと呼ばれる羽の部分 インペラが破損してしまったり、回転 特別に工場内を見学できることにな ったのだ。本誌の取材チームは日々 万円。だが、 同社のリビルト品なら めてまるごと交 換となり費用は約 BMWではターボのトラブルが発 生している。通常ではエキマニを含 元へ届けられるのである。 て完成したリビルト品は、ユーザーの られていくのだ。こうした工程を経 用ルームで1つずつ丁寧に組み上げ い。ゴミなどが混入しない清潔な専 げても組み付けが悪くては意味がな のである。構 成 部品を完 璧に仕上 ーを使って正常な状態に回復させる してターボメーカーと同様のテスタ けにもオリジナルの加工を施す。そ の対策品を使用し、シャフトの軸受 ビスではインペラ部分に鍛造アルミ ブルが発生する。ターボテクノサー バランスがおかしくなることでトラ 直噴+ターボが主流になってきている 様々な修理の現場に出向いているが、 る機会はそう多くはない。まさに、 これだけ大規模なリビルト工場を見 ﹁おとなの社会科見学﹂ である。 TSグループについて簡単に説明し 工場内の様子を紹介する前に、タ ーボテクノサービスの母体であるT 搭載されるターボのリビルトを手掛 ておこう。同社はバスやトラックに 在。バスやトラックは普通車に比べ けており、業界ではよく知られた存 を動かしている時間も長い。しかも て走行距離がはるかに多く、 エンジン 変ノズル︶ターボは高出力を実現で 工場を見学させてもらって驚いたのが、テスターなどの設備が充実しているこ と。例えば、インペラと呼ばれる羽の部分とシャフトからなる回転ローターが規 定のバランスで回っているかを調べるテスターは、サイズに合わせて2種類設 置。また、バランスが悪いものについては熟練のスタッフが手作業で加工して 調整しているなど非常に手間がかかっているのだ。オリジナルの対策品も用意。 Mercedes-Benz ギャレット製 ターボテクノサービスはTTSグループの一部 門であり、輸入車のターボリビルトなどを担 当。コアと引き換えになるので、詳細について は問い合わせを。 通じて依頼するのが簡単な方法だ。 で、 馴染みの修理工場やディーラーを ︵元々装着され リビルト作業はコア たいたもの︶ を返却する必要があるの 朗報だといえる。 ーボを搭載するドイツ車にとっては これはBMWに限った話ではなく、タ その半額くらいで修理できるのだ。 40 大型トラックに搭載されるVGS ︵可 充実した設備と こだわりのリビルト方法 Volkswagen ボルグワーナー製 写真はBMW用のターボチャージャーで、基本的にはエキゾーストマニホールドを含 めてまるごと交換となる。価格も高価で純正で40万円以上となるケースが多い。 だが、 ターボテクノサービスのリビルト品はその半額くらい修理できるのである。 きる一方で弱点もあるようで、トラブ しやすい部分を補強したオリジナル の対策品を使用している。 トを得意とする会社。なんと今回は、 性が高いリビルト品ができる。 な方法だからだろう。 めには、ターボを搭載するのが簡単 リビルト作業の基本は、分解、洗 浄、消耗品の交換、正しい組み付けだ メルセデス・ベンツもフォルクスワー どを使い分けている。 としてラインナップに加えるように 現代のドイツ車に搭載されている エンジンの多くは、排気量を小さく なった。国産車においても、 軽自動車 BMW 取材スタ ッフも驚 いた ! ルが起きて新品交換となるケースが リビルト費用は純正品の約半額とリーズナブル! 01.シャフトが正常に回るかどうかを確認 できるテスター。非常に高価なものだ。 02.テストが開始されるとモニターにシャ フトのバランス状態が表示される。OK と出れば問題なし。 03.ターボテクノサービスでは、劣化 03 ターボテクノサービス 高精度の設備と高い技術力が クオリティの高さに繋がっている 74 75 ターボテクノサービス 取材協力 01 02 輸入車だけではなく、バスやトラック、国 産の軽自動車などのターボリビルトを手 掛ける埼玉県桶川市にあるターボテクノ サービスの工場。広い敷地内には大きな 工場のほか、交流会や技術説明の場であ るサロンを併設している。 新たにシャフト部分の圧入を行なっているところ。熟練のスタッフによる確 実な作業により、 新品同等のターボチャージャーが完成する。 ドイツ車に使われている ターボチャージャー 完成品! のは 訪問した クトリー ァ フ の ラ コチ 右は真っ二つに割れてしまったイ 組み立て工程で重要なのはゴミが ンペラ。ターボテクノサービスで 混入しないようにすること。オイル は鍛造アルミの対策品を使用する。 に浸してから取り付ける。 トラブルが多いインペラとシャフト からなる回転ローター。これを確 実に再生することが重要。 近年のドイツ車はダウンサイジングと環境や燃費への配慮から排 気量が小さいエンジンが採用されることが多く、ターボチャージャ ーによって少ない排気量で必要なパワーを得ている。BMWといえ ば直6エンジンが代名詞だったが、現行モデルでは直4ターボがメ インユニット。エンジンも直噴タイプとなっている。ターボチャー ジャーには様々なメーカーがあり車種や年式によっても変わってく るのだが、BMWやフォルクスワーゲンはボルグワーナー製が多い。 この傾向はメルセデス・ベンツでも同様であり、 ターボチャージャー のメーカーとしてはギャレット製を採用するケースが多い。 ■ 住所:東京都大田区矢口3-28-1-309 ■ ☎:03-3758-3381 ■ URL:http://www.e-tts.com/ 長期に渡って使用したターボチャージャーは オイルなどが付着して汚れている。これを薬 剤を使ってキレイに洗浄する。 症状が確認できたら、分解作業に入る。ケー スなどは再使用するため慎重にバラしてい く。損傷させないことが重要になる。 工場に届いたターボチャージャーは検品し、 どんな症状であるかを確認。その1つ1つが バーコードで管理されている。 ターボチャージャー リビルトの現場 載の ターボ搭急増中 ! が ドイツ車 科見学 会 社 の な と お BMWMAINTENANCE SPECIAL MENU 01 BMWMAINTENANCE SPECIAL MENU 現在、多くのドイツ車で採用している直噴ターボエンジン。このタ ーボに不具合が発生する事例があり、通常はまるごと交換が基 本。だが、 これをリーズナブルに修理してくれる工場があるのだ。
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