年・夏号 完成しました!自主制作ビデオ「四季おりおりの岡山後楽園」 象にしました。一方、専門性が高く市町村で派遣で 障害者総合支援法の施行に伴い、意思疎通支援 きない場合の具体的な事例はありませんでした。 を行う者の派遣について、 「専門性の高い意思疎通支 援を行う者の派遣」と「意思疎通支援を行う者の派 遣に係る市町村間の連絡調整」が新たに都道府県地 域生活支援事業の必須事業に位置づけられました。 また、 「専門性の高い・・・・・」については、複数 市町村の住民が参加する障害者団体等の会議等と専 門性が高く市町村で派遣できない場合に区分されて います。本県では、これらの事業が、平成26年度 から新たに当センターの事業として位置づけられ、 この度、昨年度1年間の実績がまとまりましたので 紹介します。 まず、聴覚障害者団体の会議等への派遣につい ては、対象団体は2団体。手話通訳者が17件、3 8人、要約筆記者が19件、75人でした。派遣内 容は各団体の定期総会、理事会、運営会議など各団 体内部の会議が全体の6割。多くの派遣人数を要し たのは「・・・・まつり」や「岡山県・・・・大会」 など、年に1回開催され、県内全域から聴覚障害者 が参加したイベントです。また、 「全国・・・・研修 会」や「中国地区・・・・大会」など、参加者が県 内に限らず、全国各地から参加した会議も派遣の対 次に、市町村相互間の連絡調整等広域的な対応 については、手話通訳者が260件273人、要約 筆記者14件、14人でした。派遣調整の内容は病 院の受診など医療関係が約7割、その他は、学校の 参観日や保護者会、就職試験や面接試験などでした。 この調整業務については、今回の法律施行以前から、 当センター独自で関係市町村と委託契約を締結し、 調整業務を実施してきた経緯があり、大きな変化は なく定着しています。 昨年度の実績数値や派遣内容は予算の制約もあ り、他の都道府県と比べて、多いのか少ないのか、 また、適切であったかどうかは、比較する材料を持 ち合わせてないことから判断は出来ません。しかし ながら、この新しい制度が聴覚障害者団体に好意的 にとらえられ、積極的に利用されたことは事実です。 今後とも、派遣対象団体や対象事業の拡充、及び必 要経費の確保など、聴覚障害者が利用しやすい制度 になるよう、関係者と協議しながら、改善に努めて いきたいと考えています。 (所長 芦田 和正) 岡山県民なら一度は訪れたことがある岡山後 今回、スケジュールの 楽園、その魅力を紹介する自主制作ビデオを作成 関係で行事を絞って撮影 しました。昨年から撮影・編集し、ついに完成で しましたが、他にも多く す!その名も「四季おりおりの岡山後楽園」 。 の行事があります。また、 これまで制作した自主制作ビデオは、撮影期間 天候の変化や植物の成長 の短いものが多かったのですが、企画段階で、 「後 もあり、まだまだ隠され 楽園は季節によって異なる魅力がある。季節ごと た魅力がありそうです。 に趣の変わる庭園や多彩な年間行事を映像にお 本作品は、岡山後楽園 さめよう」と、岡山後楽園の全面協力を得て、1 の歴史や見どころを、手話と字幕で伝えます。 年かけて撮影しました。 これを見て後楽園の魅力を再発見し、ぜひ一 春は桜と美しい新緑、夏はイルミネーション輝 度訪れてみてください。 く幻想庭園、また、秋は丹精して育てた作品が並 今年 6 月には CS 放送の「目で聴くテレビ」 ぶ菊花大会、そして、冬は庭園一面が真っ黒にな で放送されました。ご覧になった方もいらっし る芝焼き。四季によって彩られる後楽園の魅力が ゃることでしょう。本作品は、放送されたもの 詰まった作品です。1年にわたる撮影をとおして より 9 分長い、ロングバージョン(19 分)です。 「後楽園は飽きないなぁ」と実感しました。 ぜひとも後楽園の魅力を堪能してください。作 品は、DVD だけでなく、ブルーレイ(Blu-ray) 版も用意しました。ブルーレイは高画質であり、 庭園の豊かな色彩が再現されています。また、 センターのホームページにも動画をアップして います。ぜひご覧ください。 今回の撮影に当たって、岡山後楽園を始め県 立記録資料館や県郷土文化財団など多くの関係 者にご協力をいただきました。改めて厚くお礼 申し上げます。 当センターでは、10 年前の開所以来、約 100 本の自主制作 のビデオや字幕挿入ビデオの作成をしています。CS 放送の「目 で聴くテレビ」の提供に向けた、岡山県内の名所の紹介や「地方 の手話」など郷土岡山にゆかりのある作品の他、聴覚障害者を巡 る出来事や事故など記録にとどめておく必要がある作品などで す。また、字幕挿入ビデオについては、県立図書館の郷土資料に 登録された作品やセンターで行った講演会の様子などです。 必ずしも全ての作品の出来ばえが優れているとは言えません が、中には自主制作のビデオをぜひ購入したいと言われる利用者 もあります。しかしながら当センターには物品を販売する決まり がなく、お断りするか、センターのライブラリーで視聴していた だくことにしていました。 この度、県の承認を得て、新たに自主制作ビデオの譲渡規程 を整備しました。当センターの自主制作ビデオについて、ご希望 の方がおられれば、有償でお求めいただけるようになりました。 詳しくはセンターにお尋ねください。 5 月 17 日(日)、きらめきプラザ301 会議室で、平成 27 年度要約 筆記者証交付式を挙行しました。補習講習と登録試験を経て岡山県に登 録した要約筆記者 29 名のうち、26 名が出席しました。岡山県保健福 祉部障害福祉課鈴木課長から要約筆記者証が手渡され、励ましの言葉を いただきました。また、県難聴者協会川場会長、県要約筆記団体連絡会 佐藤会長から祝辞をいただきました。最後に、新たに登録証の交付を受 けた方々を代表して山田秀子さんがあいさつを述べられました。 6月 28 日(日)、きらめきプラザ 301 会議室で、聴覚障害者関係地 域ボランティア(岡山県登録手話通訳者)研修会を開催し、69 人が参 加しました。午前は事例検討、午後は全国手話研修センター人材養成課 長の岩本重雄氏をむかえ、 「聴覚障害者からみた手話通訳像」と題して、 講義と実技指導をしていただきました。通訳者はどのような視点で活動 することが大切なのか、具体的な事例をもとにわかりやすく熱心にお話 いただき、あらためて望ましい通訳活動のあり方について各自で振り返 りました。 5 月 17 日(日)、要約筆記者証交付式の終了後、引き続き 同会場で、要約筆記者等を対象とした聴覚障害者関係地域ボ ランティア研修会を開催し、63 人が参加しました。はじめに、 県要連講師による講義があり、要約筆記をとりまく制度の動 向について学習しました。次に、7~8 人ずつのグループに 分かれ、要約筆記者のあり方を考える事例検討を行いました。 5 月 29 日(金)に、岡山県立岡山聾学校高等部2年生 7 人 と引率の先生、合わせて 11 人がセンターの見学に来ました。 はじめに、センターの紹介や手話通訳派遣の利用の仕方など を説明しました。卒業して社会に出たとき、自分で判断して行 動しなければならない場面で、手話通訳や要約筆記を活用でき るよう、実際の申請書に記入をしました。 次は、スタジオ制作室へ移動し、キャスター体験です。1 人 ずつ自己紹介をし、撮影した映像をモニタでチェックしました。 初めての体験で緊張したと思いますが、自分の名前だけでなく、 全員が自分の将来の夢を手話や口話で堂々と語っていました。 今年度も岡山市立岡山後楽館高等学校からの依頼により、6 月 25 日(木)に、1 年生(170 人)の科目「産業社会と人間」の地域理解 講演会が開催され、センター職員が聴覚障害についての講演をしまし た。全員が熱心に聴講し、「手話は世界共通ですか?」 「手話にも方言 があると言われたけど、岡山と津山で表現の違う手話ってどんなもの があるのですか?」など、多数の質問がありました。 おすすめ こんにちは。ビデオ担当の追中(おいなか)です。 7月に入り、海を満喫できる暑さになってきました 今回ご紹介するのは、センター自主制作作品 と岡山県郷土文化財団が制作した映像作品 に、センターが字幕をつけた作品です。 ね。私は海を見ると、サーフィンがしたくて身体が ウズウズしてきます。波がなくても、サーフボード に乗ってプカプカ浮いているだけで満足です。リラ クゼーション効果があるのでしょうか? さて、皆さまには日頃からライブラリーをご利用 『四季おりおりの岡山後楽園』 制作:岡山県聴覚障害者センター いただき、ありがとうございます。今回は、ライブ ラリーにある字幕付き映画等の新作品についてお 話します。字幕を付けているのは、東京にある社会 日本三大名園のひとつ 福祉法 人聴 力障害 者情 報 文化セ ンタ ーの職 員の である岡山後楽園。季節 方々が行っています。年間約 150~170 本の作品 によって変化する庭園の に字幕を入れているそうです。ジマキストたちのご 魅力や多彩な年間行事を 活躍に脱帽でございます。ちなみに、 「ジマキスト」 紹介した作品です。 とは熊本県の字幕制作関係者が考えた造語で「最高 (手話・字幕つき,19 分) の字幕制作者」という意味だそうです。この呼び名、 私は気に入っているので全国にも広まったらいい なぁと思っています。 話をもとに戻しまして、年間約 170 本もある作 『阿波八幡神社 花祭り』 品が、どのようにして当センターのライブラリーに 置かれているのでしょうか。実は、予算の関係もあ 制作:岡山県郷土文化財団 り、すべてをライブラリーに置くことは難しいので 旧苫田郡阿波村(現在 す。皆さまに視聴してもらえそうな、喜んでもらえ は津山市)の阿波八幡神 そうな作品を、リストの中からセンター職員が協議 社で毎年 11 月に執り行 して決めています。もし、 「見たい作品がない」 「小 われている、岡山県指定 さい頃に見た、あのドラマや映画には字幕がなくて の重要無形民俗文化財 楽しめなかった」といった悲しみや、「このドラマ 「花祭り」を紹介した作 や映画を字幕付きで見たい!」といった要望があれ 品です。 (15 分) ば、センターにご一報ください。次年度の作品選定 の参考にさせていただきます。 ◆◆編集後記◆◆ 休館日:毎週火曜日、祝日、火曜日が祝日の場合その翌日も休館 ※7 月 20 日(月)、9 月 21 日(月)~24 日(木)は休館となります。 ●開館時間 月・水~金曜日 9 時~19 時 第 40 号 2015 年 6 月 発行(年 4 回) 土・日曜日 9 時~17 時 発行 岡山県聴覚障害者センター 〒700-0807 岡山市北区南方 2-13-1 岡山県総合福祉・ボランティア・NPO 会館(きらめきプラザ)4 階 TEL:086-224-0221 FAX:086-224-0236 URL:http://www.kirameki-plz.com/~okatyo 先日、宮城県聴覚障害者情報 センターへ調査に行き、相談支 援や理解を広めるための取り組 みなど、貴重なお話しをうかが いました。また、 「震災の語り部 タクシー」を利用して津波被害 の大きかった石巻・女川を訪問 しました。現在も仮設住宅で暮 らす運転手さんから、当時や復 興の様子をうかがい、胸のつま る思いがしました。 「今の日常が 当たり前だと思わず、感謝して すごす。防災の第一歩は心の持 ちようを変えることから」 と石巻弁で優しく語ら れました。
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